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社長ブログ

カルチャーフィットは70%まででいい

創業2年ほど経ったある日。まだまだしょうもない、会社かどうかも怪しかった頃だけど、ひょんなことから面接を受けに来てくれた方がいた。

自分一人食っていけるかすらわからなかった頃のこと。人材の募集はしていなかった。

話を聞くと、HTMLやCSS、フォトショやイラレは一通り触れる。アルバイトのマネジメントも30名以上の規模でしてきた経験がある。話していても賢い。

でも、「何か」が違った。何が違うかは、その時はわからなかった。

赤羽の狭い2LDKマンションに机とPCを並べていた頃の話だ。面接での受け答えは他のメンバーにも聞こえていたようで、面接が終わりその方が帰ると、自然にリビングにその日いた2人が集まってきた。

「採用するんすか?」・・・心配そうに聞かれた。ちょっと迷っていた僕は、2人の表情と声色を聞いて、断ることを決めた。

今思えば、その「何か違ったもの」はコーポレートカルチャーだった。アルバイト含め7-8名程度だった当時の弊社にも、すでに企業文化が存在した。その文化に変化が起こる可能性を察知し、僕らはそれをひどく怖く思った。

翌週現れた高橋さんは、何か目立ったスキルがあったわけではない。それでも、誠実な人柄とただならぬロイヤリティを感じ、ジョインしてもらうことにした。3ヶ月後に来た矢沢さんも同じだった。

彼らは、僕の言ってることがコロコロ変わり、与えられるミッションも曖昧でめちゃくちゃだった中、常に死ぬ気でコミットして頑張ってくれた。今でも最も信頼しているメンバーの中の2人だ。

今でもカルチャーフィットは何より大事にしている採用基準だ。

優秀かどうか、スキルがあるかどうか以前の問題で、カルチャーが合わないと人材はワークしない。カルチャーに合わない人材をジョインさせてしまうと人材も会社も不幸になる。カルチャーに関係なくワークさせてあげられるほど、キュービックの業務はセパレートされていない。

が一方で、カルチャーフィットを強く求めすぎることで、会社が内輪で子供すぎる、異様な雰囲気になってしまったのも確かだった。新しい人材を受け入れる風土そのものがなくなりつつあった頃もあったように思う。

お皿が傾くのが怖いから、真ん中にしか人材を置かない。これではカルチャーは発展しないし、会社をより強くすることはできない。

組織の多様性が富めば富むほど、振れ幅をが大きくなるらしい。アップサイドもダウンサイドも。カルチャーを護持することは、リスクも少ないが果実も大して得られない。というかこのご時世で「現状維持」を志向してる時点でベンチャーなんかオワリである。

果実を大きく得るためにも、そうでなかったとしても生き残る会社であり続けるためにも、多様性を受け入れられるようカルチャーを醸成・発展させつつ、ダウンサイドのリスクに対処できるリテラシーを高めるほかない。

そう考え、数年前から採用にあたっては「皿のエッジ」ギリギリのところに人材を置いていくことを意識するようになった。

皿のエッジに人材を乗せれば、当然皿は傾く。傾いたらまた逆サイドに人材を置く。これを繰り返すことで皿は大きくなっていき、多様性への受容力が高まっていくイメージだ。

中心から離れすぎた人材を採用し、エッジどころか皿に収まらずワークしなかった例もある。これはもしかしたら採用が早すぎただけかもしれない。数年後、皿が十分大きくなった後だったら、受け入れて彼らをワークさせることができたのかもしれない。

カルチャーが合わなければ人材はワークしない。でも、カルチャーフィットは70%まででいい。

30%程度の「違い」がある人を定期的に採用し続ける。文化が壊れず、かといって独善に陥らない、絶妙なポイントがあるように思う。

インターンを除けば40名に満たないキュービックでは、たった1人でも採用で人が増えることのインパクトは大きい。採用1つ1つが全社へのメッセージでないといけない。

先月〜今月と、このカルチャーを大きく前に進める新しい採用ができた。また皿がデカくなるのを感じる。彼らをワークさせていくことにしっかりコミットする。

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