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空気が出す結論を待たない

2016年の反省の一つに、僕自身の意思決定速度が少し遅くなっていたことがあげられる。

自分が現時点で認識している原因は2つある。1つめは課題の難易度が飛躍的に上がったこと。お題そのものの専門性が上がったことに加え、1つ1つの投資額や失敗時のリスクも大きくなった。

評価制度の設計やボードメンバー採用、採用速度向上に伴う育成の仕組みの本格設計などはこれまであまり使ったことのない頭の筋繊維に負荷がかかった。動画シフトやAI・マーケティングオートメーションの導入模索など事業関連での課題も1段上がり、マネジメント対象・フィードバック対象となる現場マネージャーのレベルも上がった。少し慎重になりすぎた。

2点目は部下や現場からの意見の吸い上げや議論の活性化に時間を割いたこと。自分で決めれば1分で済むものを、ナマの状態で議題として渡して検討させる機会を増やした。意思決定プロセスの見える化や意見の吸い上げによる納得度確保、そして何より「自分の頭で考える」ことによる部下の成長や視座上昇を目的としたが、これで自分のペースが乱れた。もう少しスピードを重視してもよかったし、自分の意思決定速度まで遅くなっては話にならない。猛省。

個人の業務効率が10倍向上することは基本的にない。普段PCで仕事をしているビジネスパーソンなら、タイピングの訓練を積んだところで速度アップは2倍がせいぜいのところだろう。コストダウンをどれだけ突き詰めても10分の1になることもない。

しかし、決断速度の向上は100倍〜1000倍もあり得る。あるテーマを定例会議で決めきれずに先送りにしてしまえば、翌週決めたとしても7日=168時間のタイムラグが発生することになるが、10分で決めておけば1000倍速になる。

だから、とにかくスピードアップのためには決断速度を意識するように全社によく話してきた。今年は自分がこのざまではいけない。

意思決定には技術がある。まず意思決定権者をはっきりさせること。僕やマネージャークラスが入っている会議であればこれは誰の目にも明らかだが、リーダー以下のみのMTGになるとこれが怪しくなる。意思決定権者は誰なのか、この会議・議題は意思決定のためなのか進捗報告や情報共有のためなのか、会議の最初に決めておかなければいけない。

また、決断に足る材料が手元に無ければ、意思決定ロジックだけ先に決めておく。現在手元にない数字を拾ってこなければ決まらないものだったとして、「基準の数字を超えていればGO・超えていなければSTAY」と決めておけば、数字が集まった際に再度集まらなくても結論は自動的に出る。

図表の使い方も気をつけたい。例えば賃貸物件を選ぶ際、希望条件をA・B・C物件ごとにすべて整理して見える化しておく。家賃・駅からの距離・オートロックの有無など、可視化して比較すれば結論が出るまでは早い。というかメリデメを表にするだけで自然と結論が出ることも多い。

そもそも、100点になるまで材料を探すという態度は捨てなければいけない(ここわかってない人が多い)。70点もあればあとはエイヤである。一度出した結論もどうせ変わるしPDCAの一部に過ぎない。全員がこのつもりなら意思決定権者のプレッシャーも緩和され、それだけでスピードは上がる。

一番いけないのは「空気が結論を出すことを待つこと」だ。集団あるいは空気とは恐ろしいもので、後から振り返ったらその場ではその結論に対して誰も納得していなかったということもあり得る。なんとなく周囲が納得しそうな結論を、空気を探りながら進める会議は本当にイライラする。

空気は空気でも、決断を先送りにしない空気を全社に作るだけで、生産性やスピードが飛躍的に向上する気がする。ビジネスパーソンの1日は24時間どころか3時間もない。どんどん決めて前に進まなければ。

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