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成果に正しく向かう

来年1月に異動となるたいすけが、最後に上司でありマネージャーの川合に提出した「コンテンツディビジョン下半期達成のための方針提案書」は渾身の力作だった。

前半を折り返したこのタイミングで、コンテンツディビジョンはPL成長こそしているものの目標と大きく乖離している。コンテンツディビジョンの収支は会社の屋台骨であり成長エンジンだ。異動にあたり彼はディビジョンの未来・ひいては会社の未来を憂慮してこのレポートを作ったものと思われるが、そのエグゼクティブサマリの結びの一節には鳥肌がたった。

「総じて、ただの良い組織から最も強い組織へと変わる必要がある。よって、いちばん変化が必要なのは川合マネージャーである」

社歴も年齢も10年近く上回る直属の上司に対し、ここまで言い切れる2年めの社員は日本に何人いるだろうか。

今年は、レガシーな大手企業からベンチャー企業に転職した経験を持つ方数名とお話しさせていただく機会があった。ちょうどオープンで新卒採用を実施するにあたり、大手を志望している学生にベンチャーの魅力をどう伝えていくかを考えていたタイミングで、非常に参考になった。

大手からキュービックに転職してきた中途社員も含め、そう言った方々がみなさん口を揃えて語る違いは、大きく2つに分けられる。1つめは成長環境。ベンチャー企業には守ってくれるものが少なく、求められる成長速度も尋常ではないため、「むき出しの実力」を問われる。

大手で働く人は、本人が意識している・いないによらず、企業名ブランドという大きな傘の中で業務にあたる。営業電話を受付がつないでくれる確率が違う。提案レベルが低くても受注はできる。部下に「お前なんかやめちまえ」と言っても本当に辞める部下はほとんどいない。取引先を業者扱いしても問題ない。会食に行けば接待されるのは当たり前。

これらは企業名ブランドの効果だということに気づいていない人は多い。ベンチャーや中小企業では上記は全く通用しないため、腕一本でむき出しの実力を問われる。

また、少ない人数で大きな仕事に対峙するため、守備範囲を広く取ることを求められる。より重たいバーベルを自ら取りに行くことを求められる。エアコンの効いたジムでのトレーニングではなく、野ざらしの荒野での本番ばかり求められる。成長しないはずがない。

と、ここまではよく言われることで、自分にとっても新しい情報ではなかった。示唆が大きかったのは2つ目の方。大手とベンチャーでは「人の性格・性質」が全く違うらしい。

大手と違い、ベンチャーには「世間一般的に広く通用するモノサシ」で計測した際に高く評価されやすい人が集まるわけではない。キュービックでも、採用の段階で学歴や前職の会社名は全く問わないし、実際の活躍とそれらはやはり正比例しない。

素直で吸収力とガッツがあり、ビジョンも高い人間が集まりやすいというのは、どこのベンチャーでも共通らしい。頭脳のスペックはあるに越したことはないが、求められるのはそれ以上に、ゴリラのような前進力、底抜けにまっすぐな成長意欲、素直に批判を受け止める力、やり抜く・信じ続ける意志力などだ。

人はついつい余計なことに気をとられる。空気を読んで言うべきことを飲み込む。成果が下がれば言い訳を探し、競争に負ければ足を引っ張りたくなる。派閥を作る。独りよがりの主義主張を通すことにエネルギーを使う。過去や他人といった「変えようのないもの」を変えようとしてしまう。組織にとって必要なぶつかり合いを避け、組織にとって不要なところでぶつかる。

しかし、ベンチャーでは「調整」や「政治」に割く労力も時間も存在しない。全精力を注ぎ込んで成果を生みに行かなければ、大手の資本力の前に一瞬で淘汰されるし、そもそも志向しているのは「成長」ではなく「急成長」。目的地に向かって最短距離で走り抜けることが求められ、成果にまっすぐ向かう以外のことに興じている時間はない。

成果に正しく向かうーキュービックで度々使われるこの言葉、100%の浸透にはまだほど遠い。覚醒したたいすけのフルスイングフィードバックは清々しく、これが川合の成長につながることは間違いない。強く成長を志向し、会社の未来を信じ抜く若い衆の期待に応える会社、部下からの指摘をありがたく受け止められる会社をこれからも作り続けようと、決意を新たにした年末だった。

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