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社長ブログ

熟成肉の通販

お世話になっている方に協力を求められ、急遽高崎の「マーズカンパニー」社を訪れた。この会社は特殊な冷蔵技術を持っているという。

Googleトレンドで検索すると、「焼肉」や「ステーキ」と比べまだあまり検索回数も多いとは言えない「熟成肉」。でも最近では小さくブームになっているらしい。熟成肉専門店なるものもぽこぽこできているし、そういえばラスベガスではNYNYのドライステーキ専門店「ギャラガーズ」もたいへんにぎわっていた。

僕もまだよくわかっていないが、熟成肉というのは「ドライエイジング」という手法で水分を飛ばして数十日間カビをはやし、旨味成分のアミノ酸なんかを倍増させてやわらかくして食べる肉を言うらしい。食べ方にも好みにもよるだろうが、味は通常僕らが口にする肉とはだいぶ違う。香ばしく、赤身とは思えないぐらい柔らかい。

熟成肉を作るドライエイジングではそよ風をあてながら温度管理もセンシティブに行なうため、管理にそこそこ手間がかかる。また、すぐに食べられないから少なくとも金利ぶんは価格に上乗せしないと割にあわない。

そしてもちろん、カビを生やした部分は熟成しすぎて食べられない。外側のカビをがっつり落とすことで、40%以上のロスが出る。食べられるのは内側の半分程度だけ・・・つまり消費者の口に入る頃には少なくとも通常の肉の2倍の価格になっているということになる。

ところが、マーズカンパニー社の冷蔵技術がヤバい。鮮度劣化をさせない状態で熟成肉を作れるため(松井社長はこれを「熟鮮」と呼んでいる)、ガワをほぼ落とさずに熟成肉を作り出すことができてしまう。真空パックに入れた肉を「蔵番」という冷蔵庫に入れるだけで肉が熟成されていく。

この技術があれば、熟成肉の原価を大きく下げることができる。交雑種の赤身肉を、そうとは思えないぐらい柔らかく旨味のある味にできる。なんなら足が早くて熟成などさせられないはずの鶏肉や豚肉も熟成で食べられる(これがまた旨かった)。カタくて売り物にならないという豚の内股の肉も、熟成させればおいしく食べられるという。

松井社長は「技術の力があれば、農林水産業に従事する人たちの所得を上げることができる」と言う。本来捨てるしかない部位を生かすことができたり、価値の低い商品の価値を高めることもできる。うん、カッコいい。

ただ、僕が呼ばれた趣旨は「これをネットで売ってくれ」というもの。おいしく食べてゴチソウサマでは済まない。

「熟成肉を通販で買って取り寄せて自宅で食べる」という市場はほぼ無いに等しい。市場がない場合、検索にそのニーズは現れない。僕が得意なのは「既に存在している市場」でシェアを食べにいくマーケティングだ。これなら小資本でも勝機は十分にある。

しかし存在していない市場を創り出すというのはマーケティングというよりはPRや広報活動といったたぐいの所作になる。これは金がかかる上、ノウハウがまるで別だ。僕や弊社にその技術も経験もない。

「熟成肉を通販で買って取り寄せて自宅で食べる」が一般的でなければ、「熟成肉を(店舗で)食べる」か「肉を通販で買って自宅で食べる」のどちらかの市場からずらしてくるしかない。まあ本質が近いのは後者か。幸いにもメディアの露出は相次ぐようで、上手にその機会を1回1回モノにしてファンを増やせばいけるかな。

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