公開日:2020.12.26
更新日:2021.02.26
目次
「転職サイトってどれを選べばいいの?」
「大手に登録しておけばいいよね?」
薬剤師専門の転職サイトは複数ありますが、なかなか違いがわかりませんよね。当然選び方に悩む方も多いはず。
そこで薬剤師としての就業経験をもち、現在はキャリアコンサルタントとして活躍する柿間隼志さんに、おすすめの薬剤師転職サイトや選び方のヒントについて伺いました。
薬剤師が転職で失敗しないためのコツもお聞きしたので、ぜひ参考にしてくださいね。
転職サイト選びのヒント
- 薬剤師の転職サイトは各社強みや特徴が全く異なる
- 転職に失敗しないためにも目的にあった転職サイトを選ぶことが重要
<目的別おすすめ転職サイト一覧>
転職サイト
|
求人数
|
こんな人に
おすすめ |
公式サイト
|
|
---|---|---|---|---|
薬キャリ |
病院 2,150件 ドラッグストア 3,026件 調剤薬局 25,919件 企業 235件 |
調剤薬局 |
||
マイナビ薬剤師 |
病院 2,982件 ドラッグストア 17,277件 調剤薬局 34,839件 企業 287件 |
ドラッグストア |
||
ファルマスタッフ |
病院 2,218件 ドラッグストア 8,895件 調剤薬局 49,705件 企業 186件 |
派遣・パートで働きたい |
||
リクナビ薬剤師 |
病院 2,330件 ドラッグストア 10,144件 調剤薬局 30,704件 企業 198件 |
企業に転職したい |
※2021年2月時点の求人数
さらに詳しい比較はこちらをご覧ください。

株式会社MEDIKLECT 代表取締役
柿間隼志さん
新卒でドラッグストアに就職し、薬剤師としてのキャリアをスタートさせる。その後CROに転職して国際共同治験を経験。
2019年、薬剤師のキャリア開発や転職を支援する株式会社MEDIKLECTを設立する。翌年にはフリーランス薬剤師という新しい働き方を提案する「きょうりょく薬剤師」をスタート。
薬剤師としての実体験をベースにしながら、薬剤師のキャリア支援を精力的に展開している。国家資格キャリアコンサルタント有資格者。
薬剤師が転職サイトを使うべき理由とは
まずは転職サイトの基本的なサービス内容についてお伝えします。
至れり尽くせりのサポートが転職サイトの強み
薬剤師の転職でおすすめしたいのは転職サイトを使った方法です。
専属で付いてくれるエージェントに「こんな仕事がしてみたい」「年収はこれくらい」など希望の条件を伝えれば、膨大な求人の中から理想に近い求人を紹介してくれるでしょう。
その他、面接対策のアドバイスや書類添削、企業との年収交渉など、至れり尽くせりのサポートを受けられるのです。
私自身、かつて転職サイトを活用して満足のいく転職を実現した経験があります。
さらに、表向きの求人情報からは決して見えない「職場のリアルな雰囲気・人間関係」を教えてくれるケースもあります。
一方で転職サイトは数多く存在しているので「大手に登録しておけば問題ないよね」という方も多いのでは? それは間違いで、転職サイトは「どんな転職をしたいか」「どんな働き方がしたいか」によってしっかりと選ぶ必要があるのです。
転職サイトをいい加減に選んではいけない
薬剤師の転職サイトは、各社で強みや特徴がはっきり分かれています。
例えば「調剤薬局の転職に強いのは○○」「派遣の求人が豊富なのは△△」といった具合です。
だからこそ「調剤薬局に転職したいなら○○」といったように、自分が「どんな転職をしたいか」によって、目的に合った転職サイトを選ぶ必要があるのです。
でないと満足なサービスが得られず、転職に失敗してしまう可能性もあるでしょう。
次の項目で、各転職サイトの強みを紹介していきます。

キャリアコンサルタントがすすめる薬剤師転職サイト比較表
それでは、転職するときの希望別におすすめの転職サイトを紹介していきます。
あなたにピッタリの転職サイトを見つけてください。
それぞれ詳しく説明していきます。
調剤薬局・病院に転職したいなら
薬キャリ
出典:https://agent.m3career.com/
公式サイトへ→Selectorポイント
- 医療機関との太いパイプがある
- 医療業界に精通したエージェントが在籍している
- 薬剤師専門の転職サイトとして総合力が高い
調剤薬局や病院などの医療機関に転職するなら、薬キャリをおすすめします。
その特徴はずばり総合力。豊富な求人数、サービスの質、エージェントの能力など、申し分のないサービスを受けられるでしょう。
親会社が医療情報サイト「m3.com」を展開していることもあり、医療業界における情報収集・発信力もかなりのもの。
それが医療機関側からの信頼獲得にもつながり、調剤薬局や病院の「高品質な求人」が薬キャリに集まってきます。
さらに薬キャリのエージェントは医療業界や地元の薬剤師事情についても深い知識をもっています。仕事探しから些細な内容まで、さまざまな相談に乗ってくれるはずです。
ドラッグストアに転職したいなら
マイナビ薬剤師
公式サイトへ→Selectorポイント
- ドラッグストアの求人が豊富
- エージェントと直接会って相談できる
- エージェントが親身に相談に乗ってくれる
ドラッグストアへの転職は「どれだけ一般企業に強い転職サイトを選べるか」がポイントになります。
その点、マイナビ薬剤師は総合的な人材紹介業を展開する「マイナビグループ」のパイプがあるので「強い」といえるでしょう。さまざまな企業の求人が豊富です。
誰もが知る大手ドラッグストアはもちろん、地域密着のドラッグストアまで幅広く紹介してくれるでしょう。
またマイナビ薬剤師はエージェントに直接会えるので、じっくりと転職について話ができるのも大きなポイント。
しかもエージェントの評判が良く、サービスを活用した薬剤師からは「親身になって話を聞いてくれた」「プラスアルファの提案をしてくれた」といった感想が集まっています。
企業(製薬メーカーなど)に転職したいなら
リクナビ薬剤師
出典:https://rikunabi-yakuzaishi.jp/
公式サイトへ→Selectorポイント
- 企業の求人数が豊富
- エージェントの「企業への紹介ノウハウ」が高い
- リクルートグループの信頼感と安心感
「リクルートグループ」が展開しているリクナビ薬剤師。総合的な評価が高いサイトなのですが、特に「企業」に転職したい薬剤師におすすめです。
理由は人材総合大手として一般企業の案件に強みがある点です。製薬メーカー、CROなど、薬剤師が活躍できる一般企業の求人を豊富に取りそろえています。
さらに大きなポイントが、企業に薬剤師を紹介するノウハウを多くもっている点です。薬剤師一人ひとりの能力をていねいにヒアリングし、その内容を書類や面接などでアピールできるので、競争率の高い企業では優位に立てるはずです。
企業にとっても、人材紹介業大手であるリクルートの信頼感はかなりのものです。質の良い求人が集まってくるのも納得ですね。
派遣で働きたいなら
ファルマスタッフ
公式サイトへ→Selectorポイント
- 派遣の好条件求人が豊富
- エージェントに直接会って相談できる
- エージェントに対する満足度がとにかく高い
ファルマスタッフの強みは、派遣やパートの高時給高待遇の求人を豊富に取りそろえている点にあります。
さらに、エージェントの「直接会って話を聞く」という姿勢も、薬剤師にとってはうれしいポイントです。薬剤師一人ひとりの事情や希望をしっかり理解し、質の高いサービスを提供してくれると高評価を獲得しています。
ファルマスタッフの公式サイトによると、95.2%の薬剤師がエージェント(コンサルタント)の質や印象を「大変満足/ほぼ満足」と回答したほどです。
実際、派遣薬剤師の方に話を聞くと「ファルマスタッフに登録している」という方がかなり多い印象です。「派遣といえばファルマスタッフ」という感覚が、薬剤師の中でも定着しているようですね。
パート・アルバイトで働きたいなら
ファルマスタッフ
公式サイトへ→Selectorポイント
- パートの高時給求人が豊富
- エージェントに直接希望を伝えられる
派遣でも紹介しましたが、パートやアルバイトでもファルマスタッフをおすすめします。
やはり高時給の求人を豊富に取りそろえていることが最大のポイントですが、さらにエージェントとじっくり話せることもポイントです。
パート希望の薬剤師ならではの「家庭(プライベート)と両立できる職場」「残業のない職場」などの希望もしっかり伝えられるのです。
希望に近い求人を紹介してもらえる可能性が高まるでしょう。
indeed
公式サイトへ→Selectorポイント
- 薬局やドラッグストアの求人検索が可能
- 大手の転職サイトにはない求人が見つかる可能性が高い
indeedは薬剤師専門ではなく、さまざまな職種の求人を横断的に検索できるサービスです。
パート希望の薬剤師におすすめする理由としては、薬局やドラッグストアなどの企業が、簡単に求人を掲載できるからです。
要するに「応募をかけるハードルが低い」ので大手の転職サイトにはない求人が見つかる可能性が高いのです。
indeedで「薬剤師」「働きたい地域」で検索してみましょう。意外なお宝求人に出会えるかもしれませんよ。
一方でindeedは求人検索サービスなので、本記事で紹介しているようなエージェントのサポートは受けられません。
ファルマスタッフなどのエージェントサービスをメインで使いながら、indeedでも検索してみるという使い方をおすすめします。
エージェントにじっくり相談したい
マイナビ薬剤師
公式サイトへ→Selectorポイント
- エージェントに直接会って相談できる
- 拠点が多いので地方の薬剤師でも面談可能
- エージェントが親身に話を聞いてくれる
転職サイトのサービスは求人を紹介するだけではありません。「今後のキャリアプランが見えてこない」「今の職場に不満があるけれど、転職すべきか判断できない」など、さまざまな悩みをエージェントに相談することも可能です。
その場合はマイナビ薬剤師がおすすめです。
マイナビ薬剤師のエージェントは基本的に直接会って話ができます。電話やメールよりもじっくりと話せますから、有意義なアドバイスをもらいやすくなるはず。
マイナビ薬剤師は「薬剤師エージェントのご利用満足度」でもナンバーワンを獲得していますので(※)、あなたの悩みを親身に聞いてくれるでしょう。
また、都市部に限らず全国15ヵ所に拠点をもっているので、地方の薬剤師でも相談しやすい点もうれしいですね。
※ 薬剤師の人材紹介サービス15ブランドにおける調査。楽天インサイト:2019年10月
子育てをしながら働きたい
ママ薬PLUS
Selectorポイント
- ママ薬剤師にピッタリの求人が豊富
- ママの要望を企業側に交渉してくれる
- エージェントがママの気持ちをしっかり理解してくれている
ママ薬PLUSは子育てと仕事を両立しやすい求人を豊富に保有しています。さらに「この時間しか働けない」「保育園の近くで働きたい」といった要望をエージェントが企業側に交渉してくれるのです。
しかもママ薬剤師の気持ちをしっかり理解しているエージェントがそろっていますから、かゆいところまで手が届くようなサポートを受けられるでしょう。
ママ薬剤師なら登録したい転職サイトです。
他職種にキャリアチェンジしたいなら
DODA
公式サイトへ→Selectorポイント
- 総合転職大手ならではの豊富な求人数
- 薬剤の知識を生かせる求人も多い
「今後は薬剤師ではなく、それ以外のキャリアを歩んでみたい」「とはいえ薬学の知識は生かしたい」という薬剤師にはDODAをおすすめします。
総合転職の大手サイトだからこそさまざまな求人を紹介してもらえますし、薬剤師としての経験を生かせる仕事も豊富に取りそろえています。
例えば、薬剤の知識を生かせるメディカルライターの求人を調べたところ、28件ヒットしました。これは他の大手総合エージェントサービスの中ではもっとも多い数字でした(2020年12月現在)。
一般企業への転職は、薬剤師の資格が有利になり高待遇を得られるケースも多いです。「年収をアップさせたい」「思い切って新しい仕事にチャレンジしたい」という方はDODAで新天地を目指すのもよいでしょう。
薬剤師転職サイトを利用するメリット・デメリット
続いては、転職サイト利用のメリットとデメリットを紹介します。
特にデメリットは、意外と気づかないポイントなのでしっかり把握してください。「あまり気にならない」「なんとかなりそう」と思えたなら転職サイトを有効に活用できるでしょう。

薬剤師転職サイトを利用するメリット
<メリット>
- エージェントが自分に合った求人を紹介してくれる
- 応募や面接の段取りなどをおまかせできる
- エージェントが年収など待遇面の交渉をしてくれる
- エージェントに悩みや不安、キャリアについて相談できる
- 応募書類や面接について万全な対策をとれる
注目したいポイントとしては、応募や面接の段取りをおまかせできる点。一人での転職ではこれらの段取りをすべて自分でこなします。勤務後にこれらの対応をするのは本当に疲れるものです。
またエージェントが待遇面の交渉をしてくれる点も魅力的なサポートです。「もう少しだけ年収を上げられないかな…」「シフトをもう少し減らせないかな…」といった希望があったとしても、人はなかなか口に出せないものです。
しかし転職サイトのエージェントにその不満・要望をすべて伝えれば、自分の代わりに交渉してくれるのです。
その他、エージェントは転職やキャリア構築について真剣に相談に乗ってくれますし、面接に対して有意義なアドバイスもしてくれます。
転職サイトを使うメリットは、ずばり転職エージェントがあらゆる面でサポートしてくれることといえるでしょう。
しかもこれらのサービスが無料ですから、ぜひ活用したいものです。
薬剤師転職サイトを利用するデメリット
<デメリット>
- 相性が良くないエージェントに当たってしまう可能性も
- 求職者の姿勢や状況によっては積極的に動いてくれない可能性も
デメリットは重要なポイントなので、それぞれ詳しく解説します。
相性が良くないエージェントに当たってしまう可能性も
エージェントも人間である以上、相性の問題が発生する可能性もあるでしょう。
「なんだか気が合わないな」「あまり信頼できないかも」というエージェントと当たってしまうと、転職活動の大きな障害になってしまいます。
対策としては、違和感があったら早い段階で担当替えを申し出ることです。エージェント側にとっても珍しいことではないので、特に気にする必要はありません。
また相性の良いエージェントに当たる可能性を高める意味で、複数の転職サイトに登録するのも有効な方法です。
求職者の姿勢や状況によっては積極的に動いてくれない可能性も
明らかに転職への意欲が低かったり、採用される確率が極端に低い薬剤師の場合、エージェントとしては対応の優先順位を下げてしまう可能性があります。
ただし求職者側が転職への意思をしっかりもち、常識的な範囲の経歴であればエージェントも真摯に対応してくれます。それほど心配することはないでしょう。
転職サイトをフル活用するヒント
転職サイトは、少しコツを押さえるだけでエージェントとの関係性を良好に保ち、転職成功の可能性をグンとアップさせることができます。
そのためのヒントをいくつか紹介します。
- 自分の意思や希望をしっかりともつ
- いつ転職したいのかタイミングを決めておく
- エージェントとの関係を大事にする
- エージェントのやりとりは面倒くさがらない
自分の意思や希望をしっかりともつ
エージェントのサポートは「至れり尽くせり」だからこそ、つい頼り切ってしまい「自分の本当にやりたいことは何か」といった自己理解が薄れてしまうリスクをはらんでいます。
人は、自分の決めたことではなく他人の意思が強く介入した決定の場合、後悔するケースが多いものです。
対策としては、まず自分の意思をもつことと自己理解を深めることを強く大きな柱とすることです。自分の軸をぶらさずにもっていれば、エージェントのアドバイスをプラスの相乗効果として活用できるでしょう。

いつ転職したいのかタイミングを決めておく
自分がどれだけ転職を急いでいるのか、いつ転職したいのかしっかり設定しておきましょう。
なぜなら、転職サイト(エージェント)によってスピード感覚が違うので、これがずれてしまうとすれ違いを起こしてしまうからです。
「○ヶ月後に転職したい」と転職タイミングを決めて最初に伝えれば、エージェント側もそれに合わせてくれるでしょう。
ちなみに、薬キャリはエージェントと直接会う「面談形式」ではなく、メールや電話に絞ることでスピーディーな転職を実現しています。もし急ぎの転職なら薬キャリを選ぶとよいでしょう。
薬キャリ
出典:https://agent.m3career.com/
公式サイトへ→エージェントとの関係を大事にする
転職サイトを使った転職はエージェントと二人三脚なので「自分はお客様」という意識をもちすぎず、信頼関係をつくりたいところです。
エージェントも人間ですから、良い関係が構築できれば質の高いサポートをしてくれるようになるでしょう。
また、いつか再び転職するとき、そのエージェントに再度お世話になることもできるでしょう。自分を深く理解しているエージェントと長い付き合いができるのは心強いものです。
エージェントのやりとりは面倒くさがらない
転職サイトに登録すると、エージェントと何度か連絡を取り合うことになります。その際に「面倒くさいな…」という気持ちに負けないでください。
エージェントとしても、求職者にとって理想の職場を紹介するために連絡しているのです。それにもかかわらず返信が遅かったり、面倒くさそうな対応をされると、親身に対応しよう」という気持ちも薄れてしまうでしょう。
薬剤師の仕事にたとえてみましょう。ていねいな説明をしているのに面倒くさそうだったり、クレームまがいのことを言う患者さんには良い気持ちはしないはず。逆にしっかりと話を聞いてくれる患者さんには好感を持ち、熱心になれますよね。それと同じことです。
キャリアコンサルタントが語る!薬剤師の転職で多い失敗例

入職してから「転職に失敗した…!」と後悔しないためにも、薬剤師の転職にまつわる典型的な失敗パターンを紹介します。
転職は「失敗しない」という観点も非常に重要ですから、これらのパターンからヒントを獲得してください。
人間関係が嫌で職場を飛び出したものの…Aさんのケース
とにかく今の職場の人間関係が嫌で、すぐにでも辞めたかったので、エージェントが紹介してくれた求人をサッと確認して転職しました。
しかし入社してみると求人情報からは見えてこなかった処方箋枚数の多さなどが判明。しかもイメージしていた仕事内容とも違っていました。
人間関係はそこまで悪くないものの、入職前後のギャップに後悔する日々です。
失敗を回避するには
今すぐ転職したいと思っても、まずは一呼吸おき、じっくりエージェントに相談することです。
そして提案された求人をしっかり吟味し、職場の内情などについてエージェントに確認しまましょう。可能であれば職場見学などをして、気になる職場の実態をしっかり把握してから転職を決めるべきです。
おすすめの転職サイト
エージェントと深いコミュニケーションが可能なマイナビ薬剤師を活用しましょう。さらに、エージェントが企業の「リアルな情報」を教えてくれるので、ミスマッチを避けやすくなるはずです。
マイナビ薬剤師
公式サイトへ→年収をとにかく上げたい!しかし現実は…Bさんのケース
とにかく年収をアップさせたいと思い、求人情報の「年収欄」に注目して調剤薬局のいろんな求人を探しました。
しかしどうしても希望年収を実現できる仕事は見つからず…。
昔はもっと高年収の求人がたくさんあったと聞いていたのですが。結局転職に踏み切ることができず、今の職場でストレスを抱えながら仕事を続けています。
失敗を回避するには
この方は転職はしていないものの、キャリアプランという広い意味で「失敗」しているケースですね。
実は、薬剤師の年収は少しずつ下降傾向にあるのです。昔は調剤薬局でも700万円の提示があったのですが、今では珍しいでしょう。
理由としては、診療報酬の改定や0402通知により、薬剤師の対物業務の仕事が減り、全体的な薬剤師の仕事が減ったことが挙げられます。
対策としては転職エージェントから薬剤師業界の情報を聞き出すことです。さらに、もらった情報やアドバイスに対して「なぜそう思うのか」といった質問を重ねれば、より深い薬剤師市場のリアルが見えてくるはずです。
おすすめの転職サイト
医療業界、そして薬剤師業界の情報を幅広く収集している薬キャリがおすすめです。とにかくエージェントの総合力が高いので、強力なサポートも期待できます。
薬キャリ
出典:https://agent.m3career.com/
公式サイトへ→薬剤師が転職失敗を避けるために今すぐできること
薬剤師が転職する際に知っておいてほしいヒントを、キャリアコンサルタントの目線で紹介します。転職を考えるすべての薬剤師にお伝えしたいポイントです。
職場の人間関係を事前に見極めるには
人間関係に悩む薬剤師は多いものです。
待遇が良く、自分がやりたい仕事に転職できたとしても、人間関係が悪ければ仕事への意欲も失われ、転職を繰り返してしまうかもしれません。
せっかく苦労して内定を獲得したのにもったいないですよね。
対策としては、就職前に少しでも多くのリアルな情報を収集することです。その方法として3つの方法をおすすめします。
- 客(患者)として店舗を訪れてみる
- 職場見学を申し出る
- 転職エージェントに職場の内情を聞く
調剤薬局やドラッグストアなら、客(患者)として事前に足を運び、さりげなくスタッフの雰囲気や表情などを観察しましょう。
より深く知りたい場合は、積極的に職場見学を希望することです。その際は部下と上司(管理薬剤師や社長など)、そして薬剤師と医療事務の親密度を重点的にチェックしましょう。
なぜなら、これら2つの人間関係によって職場の雰囲気が悪化するケースが多いからです。特に、医療事務の方を下に見るような薬剤師がいないか、しっかりチェックしておきましょう。
また、転職エージェントに職場のリアルを聞くのも有効な手段です。エージェントは、募集を出している企業・薬局などに直接足を運び、どんな薬剤師が働いているか、もし入社した際の上司はどのような人物かなど、プロの視点でしっかり見ています。
その情報を教えてもらえば、入職後にギャップに苦しむ可能性は格段に減らせるでしょう。
一方で、程度の差はあれど人間関係の悩みはどの職場でもつきものです。「どのように折り合っていくか」といった考えも大事ですので、その辺もエージェントに遠慮なく相談してみましょう。
希望条件が多すぎるときはどうやって絞る?
転職の希望条件が多すぎて絞れないという方はいませんか?
そんな方は「賃貸物件探し」を思い出してください。アパートやマンションを探す際は「広さ」「都内」「駅近」「コンビニ近い」「バス・トイレ別」「築〇年以下」といった希望がありますよね。
一方で、家賃にかけられる予算には限界があるので、必然的に何かを妥協して住居を決めます。
この妥協のポイントを決定づける「予算」は、転職時の「キャリア」と同じなのです。
キャリアさえあれば「実力がある」ということですから、好条件の仕事も選べるようになりますが、キャリアがなければ希望条件を妥協するしかないのが現実です。

キャリアが足りていないのに「年収は700万円以上」「通勤は5分」「残業なし」といった条件で仕事を探すということは、東京の銀座で5万円の新築マンションを探すようなものなのです。
仕事というのは過去のキャリアによって培った経験・スキルに見合った条件の仕事にしか就けないものです。
このポイントを見極めないと、いつまでたっても転職はできず、求人を探し続けることになってしまうでしょう。
どうしても希望をすべて叶えたいのであれば、キャリアを磨くしかありません。
自身が今まで積んだキャリアと、希望条件を正しい天秤で判断し、ベストな落としどころを探ってくださいね。
自分一人の感覚だけではなかなかむずかしいですから、転職エージェントへの相談をおすすめします。
キャリアプランを立てるヒント
「これからどんな働き方をしたいか」「仕事を通じて何を実現したいか」というキャリアプランは、定年を迎えるまでの道しるべのようなものです。
これが定まらない薬剤師は、まず自分の胸に手を当てて「10年後どのようになっていたいか」を想像してください。
例えば以下のようなビジョンが浮かんできたとします。
- 年収○○万円以上になりたい
- 薬局経営者になりたい
- 今の会社で出世したい
次に、今の自分のキャリアの棚卸し(現状把握)をしてください。
- 管理薬剤師経験
- 薬剤師としての勤務年数
- 在宅経験
- 薬局経営に役立つ知識や資格(認定薬剤師、中小企業診断士など)
- 現在の役職
そうすると、10年後の理想像と現状とで、まだまだ大きな乖離があることに気づくはず。その乖離を埋めるために必要な情報を集めて、どのように行動すべきか考えてください。
必要な情報の一例
- 年収○○万円の薬剤師はどんな仕事をしているのか
- 今の会社の上司は、どのようにして今の役職になれたのか、何歳でなれたのか
- 薬局経営者はどんな手続きを経て、どのくらいの資本で薬局を経営しているのか
つまり、現状と理想とのギャップを知り、早い段階でそれを埋める行動をとることが重要なのです。早めに行動できれば、それだけ理想像を実現できる可能性が高まるでしょう。
「偶然のキャリア」をチャンスに変えるために

「キャリアの8割は偶然(※)」という言葉があります。
例えば偶然言い渡された異動先で、偶然出会った人の姿勢に影響を受け、偶然知り合った患者の言葉に大きな影響を受け、在宅医療への道を歩み始めた…といったケースです。
意外かもしれませんが、社会人の多くは偶然の積み重ねによって現在の仕事に就いているものなのです。
その「偶然」を必然的に産み出し、チャンスをものにできれば理想のキャリアプランが描きやすくなるはず。
そのために以下の「5つのスキル」を磨き、心に留めておきましょう。
5つのスキル(※)
- 好奇心:新たな学びを探し続ける
- 持続性:どんなときにも継続して努力をする
- 柔軟性:状況に合わせて変化できる
- 楽観性:「何とかなる」と考える
- 冒険心:結果を考えすぎず、挑戦する
(※)J.D.クランボルツ(スタンフォード大学 教育学 心理学教授)による「計画的偶発性理論」より
まとめ

ここまで、薬剤師の転職サイトを中心にお話をしてきました。
転職をしようとするとき、人は不安や悩みを抱えることが多いものですが、相談できる相手はなかなか見つからないものです。
そんなとき、ぜひ転職サイトのエージェントを頼ってください。薬剤師が薬に関するプロフェッショナルであるように、この記事で紹介した転職サイトのエージェントは薬剤師転職支援のプロです。
「こんなことまでしてくれるの?」というサービスで、あなたの理想的な転職をサポートしてくれるでしょう。
この記事で紹介した転職サイトを活用して、自分に合った理想的なキャリアを実現してくださいね。