Googleが導入したPassage Rankingの仕組みと対策を解説

Passage Rankingの導入が、2021年2月から開始しています。
Passage Rankingとは、検索キーワードに適した内容であれば、ページの一部分だけでも評価対象にするというランキング要素です。Passage Rankingの導入経緯、Webサイトに及ぼす影響と対策を解説します。
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目次
Passage Rankingとは?
検索キーワードとの関連性の評価は、これまで「ページ全体」を対象に行われていましたが、2021年2月11日にGoogleが導入したPassage Rankingによって、「ページの一部」も評価されるようになりました。 ※2021年2月11日時点で導入されたのは米国の英語検索のみ

例えば、「コシヒカリ」をメインテーマに詳しく解説している“ページA”と、「米」の解説の一部に、コシヒカリが紹介されている“ページB”があるとします。 これまでは「コシヒカリ」という検索ワードに対して関連性が高いのは、コシヒカリに絞ってページ全体で解説している“ページA”だとして評価されていました。

しかし、Passage Rankingの導入により、ページの一部でコシヒカリについて解説している部分も関連性が評価されるようになったため、これまで評価されづらかった“ページB”も上位表示させられるようになるということです。

Passage Ranking導入までの経緯
はじめは「Passage Indexing」として2020年10月15日開催のイベント「Search On 2020」でGoogleより発表されました。
“Indexing”という言葉が含まれていたため、「インデックスに影響を与えるのでは」という解釈が生じましたが、あくまでランキングシステムの変更です。誤解を招きやすいからか、Passage IndexingからPassage Rankingに表記が変わりました。
日本時間の2021年2月11日から、米国の英語検索を対象にPassage Rankingの導入が始まっていると発表されています。他国、他言語へは順次導入されるため、日本への導入はこれからです(2021年5月現在)。
Passage Ranking導入による影響
Passage Rankingの導入によって全言語の検索クエリの7%に影響を与えるとGoogleは発表しています。ただ、2021年5月時点ではPassage Rankingの日本への導入が確認されていないため、どのようにランキングに反映されるのか、現時点で明確なことはわかりません。
これはキュービック社としての独自見解ですが、Passage Ranking はビッグワードよりも、ロングテールのキーワードに影響があると考えています。
これまでは、ロングテールのキーワードも網羅的に紹介されているコンテンツが一定の評価をされていました。 例えば、ページ全体で90点の評価をされていた“ページA”と、全体では60点だが一部のコンテンツだけ90点の“ページB”があるとしたら、従来は“ページA”だけが評価されていましたが、導入後は“ページB”も評価されるようになる、と推測しています。
ユーザーの悩みが具体的であればあるほど、ユーザーは複数の細かいキーワードで検索するようになります。2017年にAhrefs社がGoogleの14億の検索キーワードを分析した結果、「検索キーワードのおよそ97%は2単語以上」というデータが出ています。
あくまで独自の解釈となりますが、検索キーワードのバラエティが増えたためクエリの大半を占めるようになったロングテールキーワードへの対策が、今回のPassage Rankingなのではないでしょうか。
そのため、検索キーワードに対して適切なコンテンツ作りを行っているのであれば、大きな影響はないと想定されます。むしろ、これまでページの一部で扱っていたものの、ランキングの評価対象外となっていたページが、Passage Rankingによって評価される可能性もあるでしょう。
Passage Ranking導入に向けた対策
これまでGoogleは一貫して、検索ユーザーに対して価値の高い検索結果を提供するためにアルゴリズムのアップデートを繰り返しています。
Googleの「検索品質評価ガイドライン」にも繰り返し登場している「ニーズメット(Needs Met)」評価の一環として、よりピンポイントに検索ユーザーのニーズに沿ったページを検索結果に反映するためのアップデートが、Passage Rankingだと解釈しています。
ユーザーのニーズに沿ったコンテンツ作りがされているのであれば、Passage Rankingへの対策を特別に行う必要はないでしょうが、導入によってコンテンツの「構造化」が一層重要になるでしょう。「ページの一部も評価する」ということは、検索ユーザーが該当の一部だけを読んで内容を理解できなくてはならないからです。
冒頭から読まないと理解できないようなコンテンツは避けましょう。テーマごとに見出しや段落が整理され、記事の中の一部のみを読んでも内容が十分に理解できるようなコンテンツ作り」を目指しましょう。
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