PROMISE 09
ものさしづくりから
本気で臨む。
リサーチとデジタルマーケティング、
そしてUXデザインを
適切に掛け合わせることで、
独自のアウトプットの提供を
実現しているキュービック。
自分たちならではの価値提供を叶えるために、
リサーチ・マーケティング・デザインを
統合的に進めるためのフレームワークと、
各職種の評価基準づくりにも取り組んでいます。
たとえばデザイン領域では、
計7社ものデザイナーたちに
それぞれの評価方法をヒアリング。
自分たちらしさを定めるために、
外のやり方を徹底的に
リサーチすることから始める。
あるいは編集者が社内に記事の品質を問い、
広くフィードバックを受けて
新しいものさしを作っていく。
これもまた、
キュービックらしいやり方と
言えるかもしれません。
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STORY 01
記事の良し悪しを
判断するための
独自のコンテンツ品質基準 -
STORY 02
手探りで作り上げ、
今もアップデートが続く
オリジナルのデザイン評価基準 -
STORY 03
マーケター向けのフレームを
全社員向けに拡張した「CUEM」
STORY 01
記事の良し悪しを
判断するための
独自のコンテンツ品質基準
いくつものメディアを持つキュービックにおいて、紙媒体での長い経験を持つ編集者が多数在籍する「エディトリアルデスク」はコンテンツの品質を向上させるために日々、記事制作に向き合っています。キュービックが考える品質の高いコンテンツとは、その記事が「ユーザーの課題解決につながっている」ものであり、その結果「検索順位が高い」もの。とはいえ、品質の良し悪しの判断は、どうしても属人化したものにもなりがちです。
「そこで、その品質をできるだけ客観的に判断するものさしとして私たちが作ったのが、この『6つの観点』です」(エディトリアルデスク 物江亮)
・網羅性(ユーザーのニーズを網羅的にカバーできているか)
・一貫性(記事全体のメッセージは一貫しているか)
・助動性(ユーザーのアクションの後押しができているか)
・信頼性(ユーザーにとって信頼できるコンテンツか)
・可読性(読みやすいか、ストレスなく届くか)
・独自性(他のメディアでは得られない情報があるか)
「社内で制作した記事を編集者が持ち寄り、品質の高さと、その品質が何によって担保されているのかを徹底的に分析し、議論を尽くしました。すると、『この記事は網羅性があっていいよね』といったように、特徴的なキーワードが出てくるんです。そうした言葉をもとに作成しました」(物江)
物江が中心になって作った「6つの観点」。この運用が進む中、マーケターにとっても活用できる基準になるよう改訂したのが、同じく紙媒体出身の編集者、エディトリアルデスク 黛大輔です。
「6つの観点は編集者としての視点が強かった面があると思います。マーケターからは、この基準は『抽象的でわかりにくい』という意見もあり、全社的な基準となるよう、6項目それぞれのディスクリプションをより具体的なものにブラッシュアップしました」(黛)
「マーケターと編集者の間には、『コンテンツ品質への考え方の段差』みたいなものもあったんですね。どちらが正しいというわけではない。でも改訂された品質基準によって、そういった認識のずれもずいぶん減りました」(物江)
「もちろん基準を作ったからといって、すぐに全ての記事の品質が上がるわけではありません。しかし、こうした形でキュービック内に共通言語を作ることができたというのは、一番のメリットです。よりユーザーのためになるのは何なのかをさらに追求していく中で、この品質基準もアップデートを続けていくと思います」(黛)
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エディトリアルデスク
エディター物江 亮Ryo Monoe
出版社や編集プロダクションにて書籍・雑誌編集を経験、広告代理店にてプロモーションツールなどの制作編集を経験。
2015年にキュービックに行き着き、Web編集の道へ。 -
エディトリアルデスク
エディター
マネージャー黛 大輔Daisuke Mayuzumi
1979年生まれ、大阪府出身。新聞社、編プロ、広告代理店などで編集・ディレクションを学ぶ。縮小傾向の紙媒体に限界を感じていたと同時に、Webならばこれまでの経験を活かしつつ新しいチャレンジも可能と考え、2017年にキュービック入社。
STORY 02
手探りで作り上げ、
今もアップデートが続く
オリジナルのデザイン評価基準
「『メンバーのアウトプットの質を上げるために実制作したデザインをフィードバックしあう機会を作りたい。協力してもらえないか』。当時のマネジャーからそんな話をもらったのが品評会実施のきっかけですね」。エクスペリエンスデザインセンター UIデザイナーの小野翔太郎はこう振り返ります。
メンバー同士でデザインの品評会を行い、アウトプットの良し悪しを決めていく。言葉にすれば簡単なことですが、具体的にどうやって評価すればいいのか。基準をどこに置くのかは簡単なことではありません。小野はヒントを求め、他社に所属する旧知のデザイナーへのヒアリングを始めました。
「7社のデザイナーに聞いてみてわかったことは、ある程度の考え方はあるものの、明確な基準は存在しないということでした。基準を設けることの大切さは理解しているけれども、デザインに点数をつけるのは難しくて……と、どのデザイナーも困っていたんです。『ならば、自分たちがそういう基準を作れれば他のデザイナーにも役立つかもしれない』と、自らを奮い立たせました」(小野)
そこで小野は社内のデザイナーを集め、それぞれが作ったデザインについてコメントをし合う場を設定。いいコメント、悪いコメントすべてを分析していく中で、少しずつ基準が見えてきました。そのデザインは全体が統一されているか、強調すべきところが強調できているか、情報の階層は正しいものになっているか……そうした具体的な項目を設けることで、定量的な判断ができるようになったのです。
「ただ、その指標ではデザインの『表層の質』までしかチェックすることができません。そこで、プロジェクトの上流部分でデザイナーがどう関わっていくべきか、UIの設計内容の評価や、要件定義を含めたデザイン着手時のプロセスを評価する指標も加えました。さらに、チェック項目も、現状のメンバーが抱えている課題に沿ったものに修正しています。結果、メンバーの納得感も得られる基準になってきたのかなと思います」(エクスペリエンスデザインセンター UIデザイナー 西村愛美)
西村はデザイン組織のスキルやリテラシー向上に資するマネジメントの経験も豊富。2023年2月の西村のキュービック入社により、深い洞察力を得たUIデザインチームはデザイン評価基準の細かなアップデートを行い続け、デザインのスキルを日々切磋琢磨しています。
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エクスペリエンスデザインセンター
デザイナー
マネージャー西村 愛美Manami Nishimura
スマホコンテンツ制作会社で13年間、インハウスデザイナーとして主にグラフィックデザインやUIデザイン業務を担当。後半はアートディレクションを担当しつつマネージャーや組織長を経験。2023年2月入社。
STORY 03
マーケター向けのフレームを
全社員向けに拡張した「CUEM」
キュービックをキュービックたらしめているものさしの1つが、CUEM(キューム)。ユーザーのインサイトをつかみ、より本質的な課題解決へと導くためのキュービックの基幹となるフレームワークです。
「私がキュービックに入社した2019年以前から、既にCUEMはありました。マーケターが業務で使う具体的なフレームとして、創業者である世一が作り上げたものです。社外にいた私も、当時のCUEMはデザインをマーケティングに活かす上で非常に魅力的なフレームだと感じていました」(執行役員/CDO 篠原健)
篠原は世一との対話を経て、当時からキュービックの独自性を象徴していたこのCUEMを発展させ、マーケターのみならず社員全員が使えるようなフレームへ変更。それが2020年のことです。
「CUEMにはいくつかのプロセスがありますが、その最初に『得たい成果を明確に』というプロセスを加えました。ゴールを見据えた意志を加えた形です。単なる手法に留まらず、こういった意思を示すことが私たちキュービックの今後の事業において必要だと考えました。また、従来のCUEMがマーケター向けということでかなり具体的な業務フレームだったため、全社員が拠り所にできるよう、各項目の汎用性を上げました」(篠原)
それから数年が経ち、社内においてCUEMの浸透は深まりつつあります。ただ、「いえ、まだ全然! まだまだです。CUEMにはもっと大きな可能性があります」と篠原。
会社としては、CUEMの活用をさらに進めるために、半期ごとに「BEST CUEMing賞」という大きな顕彰を行い、その取り組みの共有を行っています。それと並行して、メンバー自身もCUEMを浸透させる取り組みを自発的に行っています。
「CUEMの話を聞くと、その効果の大きさにビックリするんですよね。だからCUEMの浸透度を上げるための施策を新卒メンバー全員で考えて実行しました。仕事を進める上でCUEMの考え方を活用する場合とそうでない場合とで何が違うかを考えるワークです。これによって、新卒メンバーもCUEMの有用性を感じることができました」(新卒マーケター)
キュービックではこうした取り組みが自然発生的に起こるのも特徴です。CUEMがキュービックを超え、様々な企業やプロジェクトで活用される日も遠くないかもしれません。
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エクスペリエンスデザインセンター
執行役員 CDO篠原 健Takeshi Shinohara
2012年株式会社ドリコムに入社。クリエイティブ領域の執行役員として、既存事業・新規事業に跨るデザイン・アートディレクションの他、デザイナー採用の戦略設計・実行も兼任。その後、株式会社Speee、株式会社NextBeatではCDO(Chief Design Officer)として、全メディアのアートディレクション、CI・VI刷新などの企業ブランディング強化、クリエイティブ組織開発などを経験。
2019年3月キュービックへ入社し、CDOに就任。コーポレートブランディング、事業PRの強化、デザイン視点での組織開発といった「デザイン経営」を実行。