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“らしさ” を “らしく” 。コーポレートサイトリニューアルまでの道のり

  • 朝倉 悠
    朝倉 悠
    1994年愛知県生まれ。2017年明治大学政治経済学部卒業。2017年4月、キュービックに新卒入社。広告出稿用メディアの企画を主に担当。2020年より、UXチームに異動。コーポレートサイトリニューアルPJ(プロジェクト)ではUXデザイナーとしてリサーチやコンテンツ設計・情報設計を担当。
  • 平山 直子
    平山 直子
    PR
    1988年生まれ、中央大学法学部卒業。2011年4月、株式会社エムティーアイに新卒入社。2013年12月、株式会社キュービックに9人目の社員として入社。WEB広告運用、WEBメディア立ち上げ・運営、採用など経て現在PRおよびブランディングに従事。コーポレートサイトリニューアルPJではライティングを担当。
  • 小野 翔太郎
    小野 翔太郎
    UIデザイナー
    1989年生まれ。京都工芸繊維大学造形工学課程を卒業。2013年4月に新卒で株式会社博報堂アイ・スタジオに入社し4年半勤務。その後グリー株式会社に中途入社し2年半勤務を経て、2度目の転職でキュービックに入社。自社メディアのグロースや新規事業開発などに携わる。コーポレートサイトリニューアルPJではアートディレクションを担当。
  • 須田 詩織
    須田 詩織
    プロジェクトマネージャー
    2015年7月、キュービックにマーケティングディレクターとして中途入社。もともとWEBデザイナーだったが、キュービックへの入社を機にキャリアチェンジ。その後は再び制作ディレクターとして社内メディアの運営に携わる。コーポレートサイトリニューアルPJでは全体進行管理を担当。

1年弱におよぶコーポレートサイトのリニューアル

朝倉

朝倉

この日を迎えるまで長かったですね…。このPJ(プロジェクト)の発足が昨年、2020年の9月ですか。

このPJはどのように始まったのですか?
平山

平山

コーポレートサイトには賞味期限みたいなものがあると考えていて、もともと2〜3年サイクルでのリニューアルを想定していました。前回リニューアルしたのが2018年12月だったので、ちょうど2021年の今がそれに適したタイミングで。

須田

須田

2020年10月には新たなCI(コーポレート・アイデンティティ)とVI(ヴィジュアル・アイデンティティ)が誕生しましたから、リニューアルの必要性もいっそう高まっていましたね。

平山

平山

そうそう。ですから、新たなCI/VIにしっかりリンクしたコーポレートサイトを作りましょうと。

PJメンバーにアサインされたときは、どんな気持ちでしたか?
朝倉

朝倉

正直不安が90%、楽しみが10%ぐらいでした。コーポレートサイトのような大規模サイトの制作に携わるのははじめてだったので「自分に本当にできるのか?」という不安が大きかったです。

須田

須田

私も「力不足感が否めない」と不安でしたが、さまざまなプロフェッショナルに囲まれて仕事できる機会が楽しみでもありました。大役をいただいたので、期待に応えたいなと思いました。

平山

平山

私自身はCI/VI刷新にも深く携わっていたので、これはがんばらねばと気合を入れました。言葉・ビジュアルとして整えた組織の想いを、この先は会社のすべてに反映させていくことが必要。まさにここからが本番だなと。

しかし小野さんは、入社まもなくどころか入社と同時?にこのPJでしたよね。

小野

小野

はい。正確には「入社前」です! 採用面接の際にPJへアサインされました。まだ入社も確定しないタイミングで「小野さんにはコーポレートサイトのリニューアルをお願いしたい」という期待をいただき、とまどいもありましたがうれしかったですし、その期待は入社のひとつの決め手になりました。

キュービックらしさを伝えるための情報整理

PJはどのように進みましたか?
須田

須田

まずは目指すコーポレートサイトの役割をPJメンバー間ですり合わせました。「新たなCIを軸にキュービックの企業活動が生み出す価値を示し、みんなの共感と応援を引き寄せる」、こうした役割を担えるサイトにしようという結論になりました。

平山

平山

「価値を示し」と言っても、その示し方にも私たちらしさが必要。「ステークホルダーごとの視点に立ち、過不足ない情報を適切なタイミングかつ適切な表現で提供する」、ここにこだわろうとPJメンバーで思いを一つにしましたね。

なるほど、ありがとうございます。朝倉さんはUXデザイナーとしてコンテンツ設計をしていたと思いますが、どのように進めていきましたか?
朝倉

朝倉

まずは「ステークホルダーがコーポレートサイトに何を求めるのか」を理解するためにインタビューをしました。インターンや中途で入ってきたばかりの方を含む社内メンバーやそのご家族、お付き合いのあるパートナー企業の方、転職エージェントの方などなど。すると今のキュービックの課題が徐々に明らかになってきまして。

そのなかでも特に解消すべき課題として捉えたのは「会社の“らしさ”が一貫性を持って伝わってないこと」でした。キュービックの印象を社外の方にうかがうと、「いい人が多い会社」や「インターンが活躍している会社」といったものばかりで、組織的な文脈“のみ”で語られてしまっていた。そうしたことから、「らしさ」に偏りが生じており一貫性が欠けていると思いました。

そこで、「どのような情報やコンテンツがあれば、キュービックらしさをもれなく感じてもらうことができるのか」という点を強く意識して進めました。インタビューで拾った声を整理・分析して、コンテンツや情報の精査をしました。

ユーザーインタビューをふまえて、キュービックらしさを感じてもらうために必要なコンテンツや情報というのは、だんだん理解できました。しかし、会社の情報は莫大にあります。必要だからといって全部載せていては、見づらいサイトになってしまう。また、会社内での情報整理の方法とユーザーが理解しやすい情報整理の方法は違うことがある。会社の情報をどう抽出し、整理してユーザーにとってベストなものに仕上げるか。ここのステップがとても大変でした。

キュービックらしく表現する難しさ

続いてデザインを担当した小野さん。小野さんはどんなことを意識して挑みました?
小野

小野

朝倉さんが作ったコンテンツをいかに「キュービックらしく」伝えられるか。その点にこだわりました。ただ、私がキュービックに入社して間もないため、自分ひとりでキュービックらしさをつかむには限界がありました。

そこで、「キュービックらしさとは何か」を理解するために社内メンバー50人ほどにインタビューを行いました。いろんなエピソードや大事なキーワードが出てきたので、自分なりに整理をしてみて。今回はそのなかでも「前進」「仲間」「愛」といったキーワードをもとにデザインを作り込もうと決めました。

その後も、ラフに作ってみたものをもとに「これはキュービックらしく感じるか」というインタビューを重ねてデザイン案を磨いていきました。たった一度話を聞いたくらいで、本当のらしさを表現できるとは思えなかったからです。

大変なプロセスではありましたが、インタビューを通して、徐々にキュービックらしさを自分で言語化できるようになり、デザインに対して自信を持てるようになっていったのを覚えています。

ありがとうございます。平山さんはライティングを担当されていましたが、そこにも「らしさ」を表現する難しさがありましたか?
平山

平山

そうですね。2人が話すように、会社の“らしさ”って本当にいくらでもあって。そのなかでどの“らしさ”を切り取り、どのように伝えるのか。これはなかなか…骨の折れる仕事でした。

ライティングで出会った難しさでいうと、「わかりやすさ」と「会社らしさ」を両方実現することでしょうか。

たとえばその会社らしさって、組織のなかで熱く交わされる共通言語とか、ある意味“強烈な内輪”のなかにあったりするもの。だけどその共通言語に頼りすぎてしまうと、独りよがりで「誰にも通じない言葉」になってしまう。かと言ってわかりやすく平易な言葉に置き換えすぎると、もうその言葉はその会社のものじゃない「誰でも構わない言葉」になります。“らしさ”を決して損なわず、キュービックを知る人とも知らない人とも広くコミュニケーションできる言葉を探し続けました。

特に“らしさ”が重要な部分については、全社内メンバーに呼びかけ意見をもらって、推敲を重ねていきました。「意識的に多くの人の目を通す。だけど、すべてを鵜呑みにしない」と決めて、取り入れるべき視点と取り入れる必要のない視点を精査しながら磨き込みました。

「わかりやすさ」を担保するために、書いた文章は最低でも必ず5人には読んでもらいました。当社には紙媒体出身の編集者がそろったエディトリアルデスクという部署があるのですが、その部署のメンバーからのフィードバックには本当に助けられましたね。

コーポレートサイト制作で改めて気づいた“キュービックらしさ”

PJを終えて、今どんな気持ちですか?
朝倉

朝倉

もう一生やりません。疲れました…っていうのは冗談で(笑)。

コーポレートサイト制作は初めての経験だったので、自分ができることが広がったなといううれしさと達成感でいっぱいです。さらにこのPJを進めていくなかで、メイクさん・カメラマンさん・デザイナーさん・エディターさんなど、制作に携わる方々の仕事ぶりを間近で見ることができて、そのプロフェッショナル精神に刺激を受けました。

須田

須田

私の場合は、PJの途中で産休をいただくことになったので、周りの人にたくさん助けてもらいました。今は本当に、支えてくれた皆さんへの感謝の気持ちでいっぱいです。

キュービックのコーポレートサイトは過去に何度かリニューアルをしていますが、そのすべてが外部へ制作を依頼してきたもの。ですから今回が、初めての「完全内製」です。

自社のコーポレートサイトを完全内製する話は、なかなか周りでも聞かない。改めて、ずいぶんと貴重な挑戦機会をいただいたと感じています。お腹の子とこの機会をともにできたこともうれしい。きっとたくましく育ってくれるだろうと思います。

小野

小野

僕はこのPJを経て、ますますこの会社のことが好きになりました。

会社のコーポレートサイトはやっぱり“みんなで”作るサイトでありたい。だから、PJの過程であえて多くの人を巻き込みながら進めたわけですが、巻き込むほどに“キュービックらしさ”が体でわかり、自分との共通項もたくさん見つかりました。

そして、「やっぱりこの会社の魅力は人だな」という確信を得ましたね。“キュービックらしさ”の源はそこであると。

朝倉

朝倉

僕もそれを改めて感じました。これからも大事にしていきたいところですね。

小野

小野

にしても、終わった瞬間から「もっとあのページをこうしておけばよかった」などの悔しさが…。次はもっといいものを作れる予感がしています。

平山

平山

小野さん、安心してください!ここがゴールではありませんから!運用は今からですし、リリースでやっとスタートラインかと。

小野

小野

たしかに(笑)。このPJメンバーともっと一緒に仕事がしたいと思っていたのでうれしいです!

平山

平山

またここから声を拾って、検証して、改善して。一緒により良くしていきましょう。

これからサイトを訪れた方に、どんな体験をしてほしいと思いますか?
平山

平山

「このメンバーと働きたい」「このサービスを使ってみたい」「この企業を取材したい」「この制度、仕組みを取り入れたい」「一緒にこんな取り組みをしたい」など、どんな形でもいいんです。

キュービックとともに前進する。そのひとつのキッカケを、このサイトからつくれたらいいなと思っています。