〜水道水に「総合的に満足している」割合はどの年代も50%以上、30〜39歳の子育て世代の62%が「水道水をそのまま飲むことに抵抗がある」と回答〜
2021年5月26日
株式会社キュービック
株式会社キュービック(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:世一英仁、以下「キュービック」)が運営する『水と暮らす』は、生活者の水道水に対するイメージや、価格の差・地域差などを、調査・分析しました。人々の生活になくてはならない水。私たちの生活と水は常に隣り合わせです。ミネラルウォーターやウォーターサーバーの台頭により、年々生活者の水に対する意識は高まっています。では、水道水に関してはどうでしょうか? 世界の中でも安全性が高い水道水が飲めると評価されている日本の「水道水への意識」に迫ります。
調査結果サマリ
水道水について「総合的に満足している」割合は、どの年代においても50%以上
30〜39歳の子育て世代の62%が「水道水をそのまま飲むことに抵抗がある」という回答。子どもや妊娠を控える自身(もしくは配偶者)への気遣いが窺える
年代別で水道水や節水に対する意識に違いはあるのか?
まずは年代別の意識の差を明らかにするため、「味」「安全性」「価格」において満足度を調べました。
1.味
『現在使用している水道水の「味」について満足していますか?』という質問に対して、19歳以下の約60%が「とても~やや満足している」と回答していますが、20~59歳では「とても~やや満足している割合」が約40~45%と下がった結果となりました。30~39歳が、「味について満足している」層が最も少ない一方で、そこから年齢が上がるにつれて満足度が上昇しており、70歳以上では約68%の割合で「とても~やや満足している」と回答しています。
『現在使用している水道水の「味」について満足していますか?』
2.安全性(衛生面)
『現在使用している水道水の「安全性(衛生面)」について満足していますか?』という質問に対して、どの年代においても、半数以上が水道水の安全性(衛生面)について「とても~やや満足している」と回答しています。こちらも、19歳以下は68%、70歳以上では78%の割合で「とても~やや満足している」と回答しており、若年層と高齢層の満足度が高い結果です。一方、30~39歳が安全性について「とても~やや満足している」層が最も低くなっています。
『現在使用している水道水の「安全性(衛生面)」について満足していますか?』
3.価格
『現在使用している水道水の「価格(水道代)」について満足していますか?』の質問に対しては、「味」と「安全性」上記2つのグラフと比べると「やや不満」(緑)「とても不満」(オレンジ)の回答が圧倒的に多いことがわかります。ただ、19歳以下の「やや~とても不満」と回答した割合は16%と最も低いです。これはまだ水道代の支払いを自身で経験していないことや、一人暮らしなど同居家族人数が少ないことが影響していると考えられます。
『現在使用している水道水の「価格(水道代)」について満足していますか?』
以上の結果から、現在の水道水について、19歳以下と70歳以上が突出して「味」「安全性(衛生面)」「価格」の満足度が高く、飲み水として利用することへの抵抗も低いと考えられます。
世代が上がるにつれ満足度が上昇している要因としては、特に高齢層になるほど何十年も前の水質を知っており、当時と比べれば随分と「味」「安全性(衛生面)」の不安が取りのぞかれたということがあげられるでしょう。一方で「価格」に関しては、世代が上がるにつれ不満度が上がっています。以前に比べて水質が改善されることにより、水道代が上がっていることが推察されます。
下記のグラフが現在の水道水に対する「総合的」な満足度です。
水道水に対する「総合的」な満足度
「価格」に満足している割合がほとんどの年代で低い結果となりましたが、「総合的」に満足している割合がほとんどの年代で50%以上と高いため、水道水に強く求められているのは「価格」ではなく「味」や「安全性」であると考えられます。
子育て世代とそれ以外の世代で、水道水や節水に対する意識に違いはあるのか。
続いては、水道水に対する年代別の調査で特に高いハードルを持っていた「子育て世代」に注目します。子育て世代は「味」「安全性(衛生面)」の満足度がほかの世代よりも低く、結果として「総合的」な満足度も低くなりました。そんな子育て世代は水道水とどのように付き合っているのでしょうか?
『水道水を飲み水として利用していますか?』の質問では、これまでの水道水に対する満足度と行動が正の関係となりました。
『水道水を飲み水として利用していますか?』
全体を見てみると、どの年代も水道水を飲み水として利用している割合が高いことがわかります。また、年齢が上がるにつれて飲み水としての利用度は高まっています。特に70歳以上の層は20代と比較して、水道水を飲み水として利用する割合が約2倍弱となっています。
『水道水を飲み水として利用していますか?』という質問に続いて『水道水をそのまま飲むことに抵抗はありますか?』と尋ねると、年齢が上がるにつれ水道水をそのまま飲むことへの抵抗が少ない割合が高まっています。
『水道水をそのまま飲むことに抵抗はありますか?』
子育て世代は特に、水道水をそのまま飲む割合が低く、水道水を飲用水とすることに対する抵抗が強いことがわかります。その理由として、子どもや妊娠を控える自身(もしくは配偶者)への影響を考え、水に求めるものが高くなっていると考えられます。
一方で、19歳以下は水道水をそのまま飲むことへの抵抗がない割合が高く、19歳以下の「味」や「安全性」への満足度が高い結果と同じ傾向であるため、このことからも若年層は全体的に飲み水に関しての意識がまだ十分に醸成されていないものと考えられます。
『あなたは普段、水をどのように飲んでいますか?』については、以下の結果となりました。
『あなたは普段、水をどのように飲んでいますか?』
年齢が上がるにつれて水道水をそのまま飲む割合が増えており、こちらも前の質問の結果と比例しています。また39歳以下の約25~30%は「ミネラルウォーターなどを購入して飲む」と回答しており、水道水を利用せず市販の水を飲用としている層が40歳以上と比較して多い結果となりました。
今後も『水と暮らす』では、より多くの生活者のみなさまの声を元に水に関する調査をさまざまな形でおこなっていきます。データを利用したい、調査について詳しく聞きたいなどの質問がありましたら、下記連絡先までお気軽にお問い合わせください。
『水と暮らす』とは
「水の違いって、結局のところよくわからない…」「もう少し環境に配慮した行動しなきゃって思ってるけど、なかなか行動にうつせてないなぁ」水に対して距離を感じるすべての人へ。「水と暮らす」は、水の価値基準を見直すキッカケをお届けします。「水と暮らす」が提案するのは、インフラとアイディアを用いて水を届けるヒトを取材することで明日からすぐに体験してみたくなる水ライフです。
一人ひとりの価値観は、産まれ育った場所やこれまでの水に対する知識量から形成されていますが、大人になって水は当たり前の存在となり、深く理解してみようという機会は少なくなっています。しかし、「今の当たり前」になんとなく違和感を感じている人もいるのではないでしょうか。そこで、私たちは水を届けるために試行錯誤し日本の水を沸かす人たちへ取材し、声を届けることでこれからの水との暮らし方をクリアにしていきます。
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