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30分焼くだけ! 簡単ビクトリアケーキのレシピで 豪華でおいしいティータイムを

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シンプルな材料で 簡単につくれるからこそ アレンジは無限大です

気分が上がるおしゃれなティータイムを家で演出できたら、とっておきの癒やしの時間になるはず。お茶に合わせてお菓子やケーキまでつくるとなると面倒に思えるかもしれませんが、レシピを選べば思いのほか簡単にできてしまうものです。

今回おすすめするのはイギリスの伝統菓子「ビクトリアケーキ」のレシピ。埼玉県川越の菓子屋横丁で週末だけオープンする焼き菓子店『焼き菓子komugi』の立脇純子さんに、お店で出しているサイズより小ぶりなサイズでおいしいつくり方を伺いました。

「ビクトリアケーキって見た目も豪華で主役という感じなのに、30~40分ですぐにつくれるから魅力的なんです。材料は少なくてシンプル。お店でもお客さんに材料を聞かれることがあるのですが、答えると『それだけ!?』って驚かれます(笑)。シンプルだからこそアレンジもしやすいので、基本のつくり方を覚えておくと何度も楽しめますよ」

  1. 夜につくって次の日食べるのがおすすめ! 家で簡単に焼き菓子を楽しむコツ
  2. いちごとチェリージャムのビクトリアケーキ。30分焼くだけで主役のスイーツが完成
  3. ケーキに合わせたい、甘酸っぱいレモンカードのつくり方
  4. 食器にこだわればティータイムがもっと華やかに

夜につくって次の日食べるのがおすすめ! 家で簡単に焼き菓子を楽しむコツ

レシピ紹介の前にまず、家での焼き菓子づくりのコツを伺いました。ビクトリアケーキなど、オーブンを使って焼くお菓子は手間も時間もかかるイメージですが、「夜につくって次の日に食べる」のが時短になっておすすめ、と立脇さん。

「焼き菓子は熱々のままだとカットしたり、間に何かを挟むことができないので冷ます必要があります。なので、夜のうちにつくっておいて、寝ている間に冷まし、次の日食べるようにするといいです。朝食と一緒に食べてもいいし、午後のティータイムに食べてもいい。朝起きたらおいしい焼き菓子が食べられると思ったら、目覚めも楽しみになりますね」

つくるための時間を確保したら、次に必要なのは道具です。

道具

「追加で用意するなら、電動ミキサーがあるといいですよね。力が弱い方でもやりやすくなるし、時短にもなるし。最近は手頃な価格で購入できるので、定期的にお菓子をつくる方はぜひ手に入れてみてください。泡立て器を使って手で混ぜると生地がどっしりした感じになって、電動ミキサーを使うと、空気が入ってふわっとした生地になります。どちらももっている方は、お好みに合わせて使い分けてみてください」

いちごとチェリージャムのビクトリアケーキ。30分焼くだけで主役のスイーツが完成

道具がそろったら、早速ケーキづくりのスタートです!

いちごとチェリージャムのビクトリアケーキ

女王の名前を冠したイギリスの定番スイーツですが、材料とつくり方は驚くほどシンプル。

ケーキ材料

材料(15cm丸型ケーキ1つ分)
・無塩バター:120g
・きび砂糖:120g
・卵:2個(100g)
・国産薄力粉:120g
・アルミフリーベーキングパウダー:5g
・塩:ひとつまみ
・サワークリームorホイップクリーム:100〜120g
・いちごとチェリージャム(お好みのジャムでOK):100g
・粉砂糖:適量

「お店では平飼い卵と国産きび砂糖、よつ葉バターでつくっています。お好みの素材を選んでください。薄力粉の代わりにイギリスの粉に近い中力粉を使用してもOK。どっしりした生地になります。薄力粉でつくると、しっとりふんわりした仕上がりに」

材料をはかりで量り、そろえたら、おいしく上手につくるために次の3つの下準備をしましょう。

・バターと卵を常温に戻しておく
・分量外のバターを型に塗り、分量外の薄力粉をふって冷やしておく

「生地を型から外しやすくするために、ケーキの型は事前にバターを塗り、薄力粉をふって冷やしておいてください。もしクッキングシートがあったら、型に合わせて敷くだけなのでより簡単にできます」

・薄力粉とベーキングパウダーを合わせ、ふるいにかける
「粉がダマにならないように、ふるいにかけておくと失敗しにくいです」

ベースになるスポンジのつくり方

ビクトリアケーキの作り方1

1. 常温に戻したバターをボウルに入れ、泡立て器でポマード状になるまで混ぜる。きび砂糖を2回に分けて入れて白っぽくなるまで混ぜ、塩を加える。
2. 1に卵を1個加えて混ぜ、ふるいにかけたベーキングパウダーと薄力粉をまず半分入れて混ぜる。これを2回繰り返す。
3. 生地にツヤが出るまで混ぜる。ツヤが出てきたらさらに泡立て器で7〜8回ほど混ぜ、ヘラに持ち替えてボウルの底をこするように持ち上げ、混ぜ残しがないかチェックする。
4. 3を型に流し込んで、170℃で予熱したオーブンに入れ、30分程度焼く。

「30分焼いたら、スポンジの真ん中を押してみて、しっかりと弾力があったら焼き上がりのサインです。熱の通りが足りない場合は、少しずつ時間を足して追加で焼いてください。粗熱がとれたらヘラなどを使って型から取り出し、ラップできっちり包みます」ここまでが夜のうちにやっておきたい工程。生地を冷ます時間はゆっくり就寝するのがおすすめです。

ビクトリアケーキの作り方2

5. 生地がしっかり冷めたら横に2枚にスライスする。
6. 下のスポンジにサワークリーム、好みのジャムをたっぷり塗って、上にもう一枚のスポンジを重ねる。

「サワークリームがなければ生クリームや、水切りヨーグルトでもOK。ジャムもいちごだけでなく、他の味やソースでアレンジしてもおいしいです」

最後は粉砂糖

「生地に紅茶の茶葉を入れたり、スポンジを2枚ではなく3枚にスライスして、上下の段でそれぞれ別のジャムを入れたりと、アレンジ次第で何通りも楽しめるのがこのケーキのいいところ! トップを平らにカットして、表面に生クリームを塗り、デコレーションにこだわっても楽しいです」

フルーツをのせても可愛い

完成したケーキをカットしたら、お好みのお茶やコーヒーを合わせてイギリス風のティータイムを楽しみましょう。

「このケーキには王道の紅茶を合わせる方が多いですね。夫がもともとコーヒーを焙煎(ばいせん)する人だったので、『焼き菓子komugi』ではコーヒーを合わせることも提案したりします。深煎(い)りではなくて、中煎りや紅茶に近い浅煎りがおすすめ。ノンカフェインが良い人はルイボスティーでもいいですね。ケーキがしっかり甘いので、さっぱりした飲み物が合うと思います」

ケーキに合わせたい、甘酸っぱいレモンカードのつくり方

ケーキと紅茶にプラスして、もっとティータイムを特別にしたい人のために教えてもらったのは「レモンカード」のレシピ。レモンカードとはイギリスの定番・保存スイーツで、レモンの果汁とバター、卵、砂糖を混ぜてつくるフルーツバターのことです。クリームのようにとろける口当たりで、爽やかなレモンの香りと甘酸っぱさを楽しめます。

レモンカード

「レモンは冬の果物なので、新鮮なレモンが手に入るうちにレモンカードをつくって保存しておくと、その後もずっと楽しめます。冷凍すれば半年ほどもちますよ」

しかも、ビクトリアケーキと同じく、こちらも簡単につくれるのが魅力。

レモンカード材料

材料(400〜450g分)
・レモン:4個(100g)
※皮まで丸ごと使用するため国産無農薬、ノーワックスのものを選ぶ
・無塩バター:100g
・卵:2個(100g)
・グラニュー糖:150g

下準備
・レモンは皮をすりおろし、中身は半分に切って果汁、果肉を取り出す(計量して100gなければレモンを追加)
・バターは1cmの角切りにしておく

レモンカードのつくり方

レモンカード作り方

1. ボウルに卵を入れ、泡立て器で混ぜる。そこにグラニュー糖、すりおろしたレモンの皮、果肉入りのレモン果汁を入れてよく混ぜ合わせる。
2. お湯を沸かした小鍋の上に1のボウルを乗せて湯煎する。温かくなってきたらバターを加え、混ぜ合わせる。卵が固まらないように弱火に近い中火でヘラを使って5分ほど混ぜ続ける。
3. 2を目の細かいザルでこす。レモンのタネや皮などがこされ、滑らかに仕上がる。
4. 再度弱火で8分ほど湯煎して、加熱したら完成。

「火にかける時間を8分より短くすると、ソースみたいにとろっとした感じになります。ビクトリアケーキの間に挟むなど、お菓子に入れることを想定すると、今回の8分ほど火にかけるやり方でつくった方が後で扱いやすいです。とろみが強すぎると、ケーキの間からはみ出したりするので」

完成したら、瓶に入れて冷蔵庫で保存します。使用する瓶の耐熱温度が100℃以上あるかを確認したら、80℃以上の熱湯で10分程度、煮沸消毒してからレモンカードを詰めましょう。たっぷりつくって保存したレモンカードを、立脇さんは毎朝ヨーグルトにトッピングして食べているといいます。

ヨーグルト+レモンカード

「味見をかねて毎朝食べています。SNSにUPするとみんな食べたい!と好評のアレンジなのでぜひやってみてほしいです。あとは、トーストやホットケーキ、シュークリーム、市販のタルト生地にトッピングしたり。少し溶かしたアイスに加えてマーブル模様のように混ぜ、再度冷やし固めて食べたりしても爽やかでおいしいですよ」

食器にこだわればティータイムがもっと華やかに

おいしくて見た目もかわいいビクトリアケーキを焼き、トッピングのレモンカードまでつくったなら、器やカトラリーにもこだわって楽しむのはいかがでしょうか。「ケーキスタンドがひとつあると、お菓子をつくったときの仕上がりがすごく変わります。ケーキだけではなくてスコーンを焼いて山盛りにのせてもいいですよね。準備するのも楽しくなります」

可愛くデコレーション

RECOMMENDED ITEM!

レコメンドアイテム

ブルーキャリコ ティーポット、マグカップ、プレート/バーレイ

バーレイ社の定番となっているブルーキャリコシリーズのティーポットとカップ。「お菓子づくりを本格的に始めた約20年前、いつかお店を始める日のことを考えて、とある店舗の在庫約30点を思い切ってまとめて購入しました。約20年眠らせていましたが、今は店用としてもプライベートでも使用する機会がたくさんあり、大事にしてきて良かったなと思っています。テーブル上が一気に華やかになって、見た目からも癒やされるアイテムです」

HP:https://tasman-inter.net/?mode=cate&cbid=990417&csid=18

2016年に『焼き菓子komugi』をオープンして数年は、お菓子をつくることに一生懸命で自分の時間を楽しむことに目が向けられなかったという立脇さん。最近になってようやく、食べ方や合わせ方も提案できるようになったといいます。「改めて、つくるだけではなくて、盛り付けを工夫したりして、ゆっくりティータイムを楽しむ良さに気がつきました」

簡単にできるのに、しっかりとつくった感を味わえるビクトリアケーキとレモンカード。金曜日の仕事終わりに焼き始めて、豪華なアフタヌーンティーを楽しむ週末を過ごしてみるのはいかがでしょうか。

Profile

立脇純子
『焼き菓子komugi』店主

川越菓子屋横丁の週末のみの焼き菓子店『焼き菓子komugi』店主。
独学でお菓子づくりを始め、店をもたずに注文などで製造をしながら、下北沢のオーガニックのグローサリーなどの卸販売などと同時にイベントへの出店を重ねる。その後、川越にショップをオープン。
できるだけ有機、無農薬栽培の副材料にこだわり、季節の果物を使ったユニークでおいしいスコーンやお菓子をつくっている。

Instagram:https://www.instagram.com/enkomugi/

文/赤木百(Roaster) 構成/宮垣歩乃佳(Roaster) 撮影/中野理

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