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若手エンジニア×CTO対談!カルチャーブランド事業に特化したプロダクト開発とこれから

  • 加藤 彰宏
    加藤 彰宏
    AI戦略室フェロー
    楽天市場RMSの開発責任者として開発に従事後、スターフェステイバル株式会社へ参画、CTOに就任。 2015年11月〜17年9月まで同社取締役、2016年7月〜17年6月まで「ごちクル」事業長を兼任。 2018年5月より株式会社Plus10Percent 代表取締役として、複数企業の技術顧問や技術コンサルティングを担当。 2018年よりキュービック技術顧問、2021年より同社CTOを務める。

SIerからの転職

まずは早川さん、キュービックに入社を決めたきっかけを教えてください。
早川

早川

僕は以前、SIerの企業にいました。金融系大規模システムのプロジェクトマネージャーとして働いており、要件定義から設計、開発の管理などが主な業務でした。

当時の僕といえば、エンジニアとクライアントの仲介役になりがちであること、大規模プロジェクトの周期が4年で一通りの業務を経験するまで長い時間を要すことに、少し悩んでいました。

次第に、「プロジェクトマネージャーとして最大限のバリューを発揮するためには、自分でシステム開発ができなければ」「より短いスパンでプロジェクトを回し、大きな経験値を得たい」と思うようになり、転職を決めました。

加藤

加藤

早川のような理由で転職を決める人は、一般的に珍しくありません。「大きなプロジェクトの中の、この部品の中の、このロールでしか活躍できない。自分は会社やプロジェクトの歯車の一つでしかないのでは」と、焦りを感じるパターンですね。

全体像が見えない中で作業を続け、自分の仕事がプロジェクトの役に立っているのか立っていないのか、判断がつかなくなってくると、やりがいを疑問視してやめてしまうというケースが多いように思います。

早川

早川

加藤さんが若手の頃はどうでしたか?

加藤

加藤

実は私も、新卒入社して4年間はSIerにいまして。まさに大きなプロジェクトを動かす歯車のひとつとも言える状況でしたが、私の場合はそこに特別な不満をもつことがありませんでした。

ただ、インターネットが進化する過程で、「アプリケーションを作っていた方が楽しいし、社会に対してより貢献できそうだ」と感じ、キャリアチェンジをしました。それからは、以前担当していたクライアントアプリケーションと比べて、規模の小さなアプリケーションが多くなりました。

結果、一気通貫でアプリケーションを自分の手で作ることができ、自身のやりがいに繋がったなと。今、振り返って思いますかね。

加藤さんのキュービックへの入社のきっかけはどのようなものでしたか?
加藤

加藤

キュービックとの関わりはじめは、技術顧問という形でした。キュービックの当時のIT系課題に対して、自分のアドバイスが活きるなというのを大変強く感じたので、「ぜひ手伝わせてください」と伝えてジョインしました。

数年経って、CDO(Chief Design Officer)の篠原健さんが参画したのが第二段階のきっかけですね。デザインは篠原さんで強化され、テクノロジーはまだ弱い状態だったので、テクノロジーの部分をさらに強化したいと思い、社外CTOとして入りました。

その後、「メディア以外のプロダクトを作り上げたい」という私の以前からの想いが会社の流れとうまくマッチして、社外CTOではなく、キュービックのCTOとしてもっと深く関わることを決め、現在に至ります。

早川

早川

プロダクト開発はやはり、エンジニアにとって一つの目標でもありますよね。

加藤

加藤

そうですね。世に出るサービスを主体的に作ることを、夢として掲げているエンジニアは多いものです。

メディアの開発は、どちらかというと“エンパワーメント”の意味合いが強い。対して、プロダクトの開発は、テクノロジーやエンジニアが主役になれる可能性が大いにありますから。

これはどちらがいいという話ではなく、どちらが向いているかという話ですけどね。

キュービックではここへ来て両者の土壌が揃ったので、主役になれるようなプロダクト開発が好きなエンジニアも、さらに増えてくると嬉しいなと思っています。

やりたい思いの強い人こそ成長できる環境

キュービックはエンジニアから見てどんな会社ですか?
早川

早川

挑戦を応援してくれる会社。

加藤

加藤

それは私も同感です。

早川

早川

例えば、AWSのサンドボックス環境が用意されており、さまざまなサービスを試せる環境があります。

加藤

加藤

ゼロイチでプロダクト開発にも携われますね。

早川

早川

手を挙げれば挑戦させてくれる文化が僕は非常に好きで、自分が目標とするキャリアに近づきやすいと思っています。

何をやるにも「ほんとにそれできるの?」や「やらない方がいいよ」といったネガティブな意見は決して聞かれない。「やってみたらいいじゃん」と応援してくれる人が多い。「やりたい!」という思いの強い人こそ成長できる環境が整っていると感じています。

あと、加藤さんは言わないでしょうから僕から言いますけど(笑)、VPoE(Vice President of Engineering)の後藤康成さん、CTOの加藤さん、両者の存在は大きいように思います。豊富な経験を積んできた人がトップにいて、そのすぐ側で仕事ができるのは魅力です。

プロダクト開発のプロがいて、そこにテックリードとして関われる。手前味噌ではありますがなかなか、他にはない環境ではないかなと。

加藤

加藤

早川はよく後藤さんと壁打ちしているよね。

早川

早川

後藤さんとは週に1回必ず30分、1対1で話す時間を設け、今の状況や今後のキャリアについてのアドバイスをもらっています。加藤さんともMTGで必ず顔を合わせて、毎週お話ししていますね。

加藤

加藤

後藤さんはGMとマネージャーを兼任してるから、早川はGMと毎週壁打ちしていることになるね。

早川

早川

そうですね、ラッキー!

キュービックでは会社の強い意思として、こうして個人の成長に対し多くの時間をかけてくれる。キュービックが考課にとてつもなく時間をかける話は有名ですけれど、人材を単純なリソースとしてではなく、ひとりの人として真摯に向き合ってくれていると感じます。

評価制度も年を追うごとに磨かれていて、働きがいも増しています。

加藤

加藤

個人の成長を促すという意味では、ボトムアップの動きも多いかなと。エンジニア同士での勉強会も積極的にやっていますね。

早川

早川

「もくもくタイム」ですね。好きな技術に関して勉強して共有し合う会は、積極的に業務外で行なっています。みんなで集まるんだけど、みんなでもくもくと個人の勉強するっていう。

加藤

加藤

それで“もくもく”だったんだ(笑)。

早川

早川

そうです。一人で“もくもく”勉強するのは寂しいですが、みんなで“もくもく”するのは楽しいだろうと思って(笑)。

ミドルエンジニア層を強化し、チームを育む

エンジニアチームの課題として、今、どんなことを感じていますか?
早川

早川

今は経験の浅いジュニアなメンバーが多いので、一定の技術や経験を持ったエンジニアをチームに加えることが必要だと感じています。

先程お話ししたような学びの場は積極的に設けているものの、その学びをどう実務に活かすか、応用するかという点ではまだまだ伸び代があるように思います。

加藤

加藤

後藤さんや私のようなある程度経験を積んだ層と、早川たちのようなジュニアエンジニア層の間にミドルエンジニア層がないことは、今のエンジニアチームにおける問題ですね。

ミドルエンジニアはプロダクトを作った経験があるので、「次こういったプロダクトを作りましょう」となったときに手さぐりにならず、過去に作ったプロダクトの経験から「だいたいこういうふうなものを作ればいいんだ」というのが想像ついて進んでいく。一方、経験が浅いメンバーだと、どういうふうに作っていけばいいのかという階段が見えないんですよね。

階段が見えているミドル以上のメンバーとジュニアのメンバーが一緒になっていれば、「階段はこうやって上るんだよ」というガイドとともに上っていけるので、ジュニアメンバーの育成が進みますし、もちろんプロダクト自体も早く作れる。だからこそ、ミドルのエンジニアの方々に早く参画してもらいたいと思っています。

早川は上司にどんなことを期待している?

早川

早川

コードレビューをしてもらいたいです。経験豊富なテックリードの方々は、どのようなことに注意してコードを書いているのかとても気になります。

加藤

加藤

設計・実装のコーディング、全てレビューが大切だよね。自分たちが行なったテストのレビューもそう。人の書いたコード読むというのは助けにもなるし、オープンソースとかの優秀なエンジニアの書いたコードを見るというのもとても良い。

端々のテクニックを見るというよりは、小説と同じで。そこに書いてある、その人の本質的にやろうとしてることが、コードとコードの間を見ればわかる。ハイクオリティなできあがりを見ることが、結果、自分の目指すべきものを見ることにつながる。

今のキュービックにも優秀な人はいるのですが、ジュニアメンバーにとっては、ちょっと遠過ぎるから、より身近なお手本が欲しいというのはあるんでしょうね。 同じエンジニアロールとしての先輩がいるとお手本になるし、目指しやすくなりますよね。

“UIのないソリューション”づくりを推進する

エンジニアチームの今後の展望を教えてください!
加藤

加藤

先ほど「エンジニアが主役になれるようなプロダクト開発を始めた」とお話ししました。そのプロダクトというのは、カルチャーブランド事業に特化したものです。私自身、プロダクトを作りたいという強い思いがあり、アイデアを出しました。

世の中は、多くのSaaSのソリューションで溢れています。働く人たちは新しいソリューションを求めて、どんどんと社内で使用するITプロダクトを増やしています。一方で、都度新しいソリューションの操作を覚えなきゃいけないことに不便や壁を感じている。そこで、新たな操作を覚えなくても、今まで使ってるソリューションを使いながら新しいことができる、そんなプロダクトを作りたいと思いました。

まだ水面下で動いている状態なので、プロダクトの具体名などプロジェクトの詳細は語れないのですが、“UIのないソリューション”づくりを推進しています。

キュービックでは前例がないプロジェクトなのでゼロイチの挑戦です。社会では少しずつそういったプロダクトが出始めていて、この先トレンドになるのではと感じています。たとえば、チャットボットのようなものって、UIのないソリューションの代表例だと私は思うんですよね。

将来的にはUIのないソリューションが連続したものをつくりたいと考えていて、集合体になったときには、今度それらを導入する企業にとってプラスになるような別のHRテックやソリューションに育て上げられる、そういう未来予想図を描いています。

「ヒト・ファースト」を掲げるキュービックならではのヒトテック・プロダクト。きっと面白いものに仕上がるはずなので、楽しみにしていてください。