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リスティング広告運用代理店が抱える8つの矛盾

リスティング広告の運用代行。手数料20%相場だったのも今は昔で、平均して10%前後しか取れていないと聞く。

ひどい案件になると、「手数料率=粗利率」が「運用額=売上」の5%を切ることもあるとか。月1,000万円を預かっても粗利50万円となると、社員1名を専属で張り付けるのが限界。チームを組んであたることは当然できない。その案件だけだとトントンになっちゃうもんだから、他の広告の提案を追加で差し込んで仕事をもらわないと、そのクライアントとの関係は不採算になってしまう。

DSPなんかも合わせると、市場規模は余裕で4桁億円中盤〜後半あるにもかかわらず、運用代行できちんと利益を出せてる会社はあまりない。ゼネコンや開発会社ばりの下請け・孫請けの仕組みも手伝って、この業界は大きな矛盾を抱えていると思っている。

1. 差別化が難しく、手数料の削りあいから結局逃れられない

有料広告の運用代行は商品に色や形があるものではないので、営業マンも提案時点では競合他社との差別化を語ることが難しい。実績、運用体制、会社の知名度でふわっと持ち込む他ない。

とすると、広告主側にとっては唯一の客観的な尺度となるのが手数料率になるため、ここで相見積もりを取って検討するのは当然のこと。

広告主間でも情報は回ってて、「うち10%でやってもらってるよ。」「えっうち15%取られてるわ。交渉しよう。」という流れから、値切りやリプレイスにつながることも少なくないと予想される。結局、定価の20%を取れることはなかなかない。

2. 労働集約的な業務なのに、コスト的に人手をかけられない

リスティング広告は、手間をかければかけるほどアカウントの整理整頓がうまくいき、費用対効果がよくなる。逆に、ひとつのアカウントにかける時間が確保できないと、ズルズルとパフォーマンスは低下していってしまうもの。

手数料率が10%だとした場合、営業コストなども考えるとやはりひとりあたり月1,000万円=手数料100万円分は運用してもらわないと、トータルで採算は合わない。運用額が小さい運用担当者の給料を上げることはできないし、ひとりで何千万円も運用できるエース級トレーダーも、赤字社員となっている若手の分をカバーしなければいけないため昇給しづらいという構図がある。らしい。

3. ランディングページはいじれない

キーワード(面)=>広告文(クリエイティブ)=>LP=>オファーが一連のストーリーで繋がっていることが、費用対効果の高い広告運用の基本。だから、キーワードの追加や除外、CPCの上げ下げばかりをしていても、肝心のLPやクリエイティブをいじくれなければトータルの費用対効果が上がるわけがない。

「TDのABテストを繰り返した結果、CTRは上がったしCPCは下がったけど、CVRが下がったのでCPAはむしろ悪化」では話にならない。

多くの場合、広告運用代理店はリスティング広告の管理画面から出ることを許されない。LPまでトータルで改善しながらの広告運用を許されることはほぼない。

4. レポーティング業務にしこたま時間を取られる

広告主がどのぐらい読んでくれてるかもわからないレポートを作成するのにも、そこそこの時間とパワーがかかる。振り返りや分析をする時間は大事だと思うけど、本分である最適化業務にもっと時間を割いて収益効率の改善をすることが、広告主の要望でもある。

5. 新しい広告メニューがすぐ導入できない

Yahooリスティングの仕事は請けてるけど、他の広告メニューは別の広告代理店が運用しているから使えないとか。新しい広告メニューの提案をしたいけど、営業がめんどくさがって動かないとか。広告主も資料の提出を促すわりにGO出すまでやたら時間がかかるとか。

リタゲだけでいいので様々なDSPを使いたい。GoogleアドワーズならSCMやGSP、youtube動画広告などの新しいメニューを駆使していくことで収益効率アップの幅がぐっと広がる。

言ってみれば、現場は左フックだけで総合格闘技を戦わないといけないような状態になっていたりする。「もっとやれることあるのに」ってみんな思ってるんじゃないだろうか。

6. 運用額が小さすぎて腕を振るえない・技術力が身につかない

月額予算30万〜50万ぐらいのアカウントをいくつ運用しても、できることってあまりない。最初のアカウント構築がせいぜいのところで、運用担当者も技術力向上の成長実感を得ることは難しい。

でも実際には、月額の広告予算をYahooリスティングだけ・Googleアドワーズだけで100万円以上使える広告主はそこまで多くない。

7. 「うち、この業界に強いんですよ!」と言えない

SEOとリスティングの難しいところ。たとえば旅行会社に営業に行く際、「うちは旅行会社さんのお客さんが多いので、この業界に強いんですよ」と言いたいところだが、言いづらい。

広告主からすれば、ちょっと考えれば競合に自社のマーケティング情報が漏れる可能性があることに気づく。現場でも実際、成果のいいあっちを弱め、収益効率の悪いこっちを強めるみたいなよくわからないことをやる。広告主からすれば、せっかく費用対効果がよかったところ、競合他社にその枠を譲るなんてまっぴらごめんのはずである。

広告予算の多い少ないでうまくコントロールできるのかもしれないが、「本当においしいキーワード」「獲得効率の高い露出面」は、そういくつもの広告主に提供できるものではない。

8. 最重要課題は「最適化」ではなく「広告予算満額の消化」

広告予算の消化のため、無駄なキーワードを買ったりCVの出ない露出箇所を開放したり、ここが最大の矛盾かもしれない。最適化のつもりで時間をかけたり上司に提案したりすると、「余計なことをするな」と怒られることまであるらしい。。年末の道路工事じゃないんだから・・・

・・・とまあ矛盾というかやりきれない思いが募りがちなこの業界だけど、うちは「自社メディア」×「広告費自腹運用」×「成果報酬」型なので一味違いますよ。

1. 成果報酬型なので、50%を超える利益率を出すアカウントまである。一時的に赤字になるアカウントもあるが、そもそも人件費・家賃・光熱費などの固定費はすべてロングテールSEO(バックリンクなし)のメディアが稼いでくれているのでリスクは極小。

2. 学生インターンが主体となって広告運用をしてくれているので、おそらく人件費コストは同規模の他社の半分以下で収まっている。浮いた分はすべて広告費に突っ込める。

3. 自社メディア型だから、クリエイティブはもちろんサイトもガンガンいじる。いじろうと思ったらその日のうちにいじってリリースしてテストを開始できる。どんどん業務が機械化されていく中、人間にしかできない仕事にこそ時間を割くべき。

4. レポーティング不要。分析や施策に残してもらいたい記録はあるけど、せいぜいそんなところ。最適化に最大限時間を使ってもらってOK。

5. ベテランでも1年目でも、もちろん学生インターンでも、新規メニュー提案いつでも可。なんなら今日提案してくれたら、今日のうちに出稿できるものまである。社内完結なので、かっこいい営業用資料の作り込みもアポイントも不要。決裁権はマネージャーにあるので直接話ができる。広告なんてどんどん新しい枠に挑戦していかないと、採算を合わせるためにKWも面も縮小に追い込まれるだけ。

6. 予算に上限がないので、いくらでも使ってくれていい。会社の内部留保を食い尽くすぐらい使いたいって言われたら、銀行に走って出かけて借りてきます。どんどん回して技術・知識・経験を身につけてもらいたい。

7. 自社メディア型なので、もともと同じジャンルの広告主をひとつの自社メディアに並べて掲載し、ユーザーに選んでもらうのがベース。メディア単位の最適化になるため、あっちのクライアントは手を抜いて・こっちのクライアントは本気出すみたいなことが起こらない。

8. 広告費は自腹捻出なので、無駄なキーワードや面に露出させてたらたいへんなことになる。「広告予算の消化」という概念はそもそもなく、本来の最適化業務に集中して良い。

ということで、リスティング広告運用やトレーディングデスク業務に行き詰まっている方のご応募お待ちしております。鋭意採用拡大中ですよ。

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平山はどうでもいいので、広告の運用をぜひ・・・!