素敵なセルフネイルと モチベーションの関係

学生時代は、美容学校ではなく一般的な大学に通っていた福本さん。この道に進んだきっかけはあるネイルとの出合いでした。

「少し前までジェルネイルといえば長さを出す大人っぽいデザインが主流だったのですが、短い爪でも楽しめるショートジェルネイルの存在を初めて知って。もともと短い爪にワンカラーをのせるようなネイルが好きだったこともあり、ショートジェルネイルに出合うなり「『これやりたい！』」とピンときたんです」

その頃は飲食系のアルバイトをしていたため、なかなかネイルができなかったそうですが、まずは通信講座などでネイルの勉強を始めたそう。「その後就職したサロンは研修制度が充実していたので、そこで基礎から学ぶことができました」

普段サロンではジェルネイルの施術をしている福本さん。セルフネイルにもジェルネイルとはまた違ったメリットがあるとお話ししてくれました。「ジェルネイルは長持ちするのが利点ですね。一方セルフネイルは好きなときに気軽にチェンジできるところがいいと思っています」

そんな福本さんが思うネイルの魅力は「モチベーションが上がる」こと。「ネイルは一番自分の目に触れる部分。きれいなネイルをしていると所作に気を遣おうと思えて、いろんなシーンでモチベーションが上がります。お客様にも、仕事が忙しいときこそネイルだけでもきれいにしておきたいという方が多く、仕事中にネイルが視界に入るともう少しがんばろう！　と思えるというお話も聞きます」

さらにセルフネイルなら、自分で作業をすることで頭の中までリフレッシュできるのだとか。「考えていたことから一旦離れて手先を動かしていると、爪だけでなく心もスッキリして気分転換になります。爪がきれいになるのはもちろん、心や頭の中もリフレッシュできる大切な時間です」

思いついたときに簡単にチェンジできるのも、セルフネイルならでは。「その日の気分に合わせて色や柄を変えられるのが楽しいですよね。明日はこの服を着たいからこのネイルにしよう！ とか、シーンに合わせてすぐに変えられるのがいいです」

セルフネイルといえば単色塗りをするイメージがありますが、実はラフなデザインを施した方がネイルの欠けやムラが気にならないそう。そんな、セルフネイルをより気軽に楽しめるコツもご紹介いただきます。

簡単にできるのが魅力のセルフネイルですが、爪の付け根部分が塗りにくかったり、欠けた部分が気になったり、適量がわからずきれいに仕上がらなかったりすることがありますよね。そんなお悩みを解決する4つのコツをご紹介。どれも簡単にできるから、きっと今すぐ試してみたくなるはず。

（1）日頃から保湿をする

「日常的に爪と指先の保湿を行うことで、ささくれを予防したり、健康的な爪が生えるといわれています」。同じデザインのネイルでも、きちんとケアされた爪と、乾燥して白く硬くなっている爪とでは印象が大きく変わるのだとか。セルフネイルをする前に、爪周りからきれいに整えましょう。

（2）お風呂上がりに甘皮ケア

爪の根本にある薄い甘皮のケアは、お風呂上がりのタイミングがおすすめだそう。
「ふやけた薄い甘皮に綿棒をくるくると当てるだけでケアは完了。こうすることでネイルポリッシュを塗れる面積が広がり、ネイルがしやすくなります」

（3）一回目に塗る量が仕上がりを決める

基本的なネイルポリッシュの塗り方は、最初に軽く塗ってベースをつくり、乾いた頃に少し多めにのせて仕上げる、という流れ。一回目に軽く塗るのがきれいに仕上がるポイントです。「一回目はまず、瓶の縁で筆を平らにして片側についているポリッシュを落とします。こうして量を調節してから爪にのせると、塗りはじめに筆が平らになるので塗りやすく、きれいに仕上がります」

（4）ベース＆トップコートを忘れずに

爪への色素沈着を防ぐためにも、ベースコートはきちんと塗るべし。ネイルの持ちを良くする効果のあるトップコートは、塗り方にコツがあるそう。
「ベースもトップコートも爪の表面だけでなく先端の側面も塗るといいです。爪の断面にふたをするようなイメージで、先端を塗ってから表面を塗るとやりやすいですよ」

セルフネイルの魅力は、思い立ったら簡単にチェンジできること。コーディネートや気分に合わせて気軽にネイルチェンジを楽しんでみて。仕事の日と休日におすすめのセルフネイルをご紹介。

さりげないグリーンラメと混じり合う、〈ヌーディーオフィスネイル〉

2色のネイルポリッシュをベースコートで混ぜてつくるマーブルネイル。オフィスにおすすめのカラーは、ピンクベージュとラメの組み合わせ。まずはピンクベージュとブラウンラメを混ぜて、仕上げにグリーンラメをひと塗り。落ち着いた印象はキープしつつも、上からのせたグリーンがこなれ感を演出します。

ビビッドカラーの組み合わせを楽しむ、〈休日カラーネイル〉

休日の色選びは、ちょっと大胆に。鮮やかなパープルとブルーのネイルポリッシュを軽く混ぜてマーブルをつくったら、爪の左端と先端にフレンチネイルのようにカーキのラインを引いてひと工夫。ビビッドカラーも、少しずつ合わせれば、品のある印象に仕上がります。

〈ヌーディーオフィスネイル〉と〈休日カラーネイル〉の方法をレクチャー。どちらも、実は基本のつくり方は同じ。単色塗りだと気になりがちなムラや欠けも、このデザインは自由に色を混ぜ合わせるだけだから気になりにくい！　意外と簡単な〈ニュアンスマーブルネイル〉のやり方を教えてもらいました。

（1）使用するカラーを筆先で少しずつのせる

（2）ベースコートでカラーを混ぜる

（3）仕上げのひと工夫

ネイルはただかわいいだけではなく、視界に入ることでモチベーションを上げてくれる存在。きれいに仕上げてもセルフネイルだと欠けてしまうのが気になるという人に、福本さんからこんなアドバイスが。「今回ご紹介したような、まだらなデザインだと少し欠けてもわかりづらいので気になりません。欠けたりはげたりするのが嫌だなという人こそ、ラフなデザインのネイルをする方が結果的に正解。気負わずに、セルフネイルのひとときを楽しんでほしいです」

セルフネイルは、思っていたよりも簡単におしゃれに仕上げられそう。忙しいときこそ少しだけ時間をつくってセルフネイルをすれば、そのきれいな指先がふとした瞬間に「がんばろう」と思える活力になってくれるはず。