「メイクアイテムの中でもリップが断トツで好き!」と話すのは、モデル界きってのリップマニアである土屋巴瑞季(つちやはずき)さん。そのコレクションは、100本近くに上るというから驚き。「もともとメイク自体が好き」という彼女ですが、とあるきっかけでリップメイクを中心に研究するようになったそう。
「私は顔立ちが濃いので、アイメイクに色みを加えたり眉毛をしっかり描いたりすると、顔の印象が強く見えてしまうんです。でも春夏は特に、鮮やかなカラーメイクを楽しみたくて。色で遊ぶにはどうすればいいかな?と考えたときに、リップだけなら派手な色を使っても、他の部分をナチュラルにすればバランスが取れるなって。それからすっかりリップの世界にハマりましたね」
リップメイクは「奥が深い」と土屋さん。「唇の状態や血色によって発色の仕方も変わりますし、思わぬカラーが自分に合うおもしろさもあります。例えば濃いブラウンやイエローなどの少々奇抜な色も、ベースがスッピンやナチュラルメイクであればバランスが取れて顔になじんでくれたり」
そして、「最近はマスク生活でリップメイクをしない人も増えているようですが、やっぱり唇が色づいているとテンションが上がりますよ!」と土屋さんは続けます。「見えないところにこだわってこそ、隙のない美しさみたいなものも生まれてくると思うんです。なので私は変わらず、リップメイクを楽しんでいますね。ただマスクでヨレてしまうのは避けられないので、落ちにくく、かつ美しいリップがキープできるよう、いろいろなメイク方法を試しました。その中で身についたコツが、皆さんの参考にもなればうれしいです」
そんな彼女のリップメソッドには、テクニックだけではなく毎日の気分を高めてくれるときめきがありました。
- マスク生活の今こそ、リップメイクを極めよう!
- 1日中“美リップ”でいられる、落ちないテクニック
- この春使いたい“落ちないリップ”コレクション
- メイク映えする唇は、毎日のケアでつくられる
マスク生活の今こそ、リップメイクを極めよう!
ルージュからグロス、ティントまで……常に最新のリップを試して取り入れている土屋さん。「テクスチャーやパッケージ、唇ケアもしてくれるリップなど、シーズンごとにいろんなカラーやタイプが出るから、どんどん増えちゃう!」。リップは「365日欠かせないアイテム」だといいますが、マスク生活になってからそのメイク方法に変化があったとか。
「コロナ禍前はルージュにグロスを重ねたり、2種類のリップを混ぜて好きな色をつくったりしていましたが、マスクでヨレてしまうのを避けるために重ね塗りをしなくなりました。単色で楽しむようになってからは、長時間つけていても発色を保ってくれるものを吟味して、色がきれいにのるように唇自体のケアにもより気を使うようになりましたね」
とはいえ、マスクをつけるとどうしても色落ちしたり、ヨレたりしがち。そんなときは「メイク時にひと手間を加えれば、キープ力抜群なリップがつくれますよ」と土屋さん。ではまず、そのテクニックを教えてもらいましょう。
1日中“美リップ”でいられる、落ちないテクニック
マスクが欠かせない今は、出先でちょっと飲み物を飲むときなど、ふとマスクを外したらリップがべっとりついていた……なんて経験をしたことがある人も多いのではないでしょうか。
そこで、「リップを塗るときにちょっと工夫するだけで、ぐっと落ちにくくなる」4STEPを伝授していただきました。
STEP1 リップクリームで保湿をして、ティッシュオフする
色がきれいにのるように、事前にリップクリームなどで唇を保湿しておきましょう。後に塗るルージュの色ノリを良くするためにティッシュオフもお忘れなく。
STEP2 ルージュを塗る
このステップで、きちんとまんべんなく色を塗っておくことがポイントです。
STEP3 ティッシュオフしてルージュを重ね塗りする
やさしくティッシュオフして色をなじませたら、同じカラーのルージュを重ねて色づきをアップさせます。
STEP4 スポンジを使ってクリアパウダーをのせる
リップの上からトントンと、粉がフィットするようにクリアパウダーをやさしくたたいてのせましょう。きめ細かなパウダーがバリアになってマスクにもつきにくく、さらにヨレ防止にもなります。
「この簡単なひと手間で、ふいにマスクを外すときも『崩れていないかな?』と心配しなくて済みますし、手持ちのパウダーですぐにできるから試してみてください」
そして、メイク術以外にもリップが落ちにくくなるコツがあるそう。
「意外と重要なのが『口呼吸をしないこと』。マスクで鼻と口がふさがれているとつい気づかぬうちに口で呼吸しがちですが、吐いた息の湿気でリップがヨレやすくなるので、鼻で呼吸することを意識しましょう」
この春使いたい、“落ちないリップ”コレクション
この春夏におすすめの落ちにくいリップを聞いてみると「カジュアルでフレッシュ感のあるバームタイプのリップと、きちんと色みが唇に残ってくれるティントリップ!」との返事が。
通常のルージュよりも保湿力が高く、ジュワッとほのかに色づくバームリップと、唇を染め上げて色もちを良くしてくれるティントリップ。
土屋さんに、この2タイプの愛用リップコレクションを見せていただきました。
おすすめのバームリップはこちら。
「ブランドでいえば『NARS』と『エスティ ローダー』が今の愛用品。リップクリームみたいなテクスチャーだから気軽に塗れるし、色も薄づきなのでマスク落ちもあまり気になりません。保湿成分が入っているものもあるので、ケアも同時にできて一石二鳥ですね」
おすすめのティントリップはこちら。
「落ちないリップの代名詞でもあるティントリップは、『トムフォード』と『セザンヌ』のものが特にお気に入り。トムフォードは時間がたっても塗りたてのような発色が続きます。くすまずに1日の終わりまで品よくきれいなリップを保ってくれるんです。そしてセザンヌは、お手頃でつい集めてしまうブランド! 発色もいいのでかわいらしい印象にしたいときはこちらを使います」
さらに「落ちにくさも大切ですが、美しいリップはベースの唇が健康的であってこそ」と土屋さん。縦ジワが入っていたり乾燥していたりするとリップのノリも悪くなりますし、マスク生活になってからは、土台づくりという意味でケアにもより気を使うようになりました」
メイク映えする唇は、毎日のケアでつくられる
落ちにくいティントやマットなど、さまざまなタイプのリップを楽しむためには、ベースに状態のいい唇があってこそ。そんな“美リップ”をつくるのは、コツコツ地道なデイリーケアです。
「もともと唇が乾燥しやすくて、唇の縦ジワが多いのが悩みなので、昼夜のリップケアは欠かせません! ケアするうえで重要なのは、やっぱり保湿。ただその前に、メイク落としをするときにしっかりオフすることが基本です。特に落ちにくいティント系のリップは、色が唇に残ってしまいくすみにつながるので気をつけていますね。そのうえで、リップセラムやバームを使った保湿ケアが生きてくると思うんです」
朝起きてから塗るセラムや、撮影の合間にさっと保湿するリップバーム、特に荒れている日はスクラブでケアするなど、シーンや唇の状態によってケアアイテムを使い分けているといいます。
中でも毎日必ずポーチに入っているというレギュラーは「ドゥ・ラ・メール」のリップセラム。「撮影ではたびたびメイクチェンジをするので、唇への負担が人一倍かかっているんです。いろいろ試した結果、リカバリーできるのはこれしかなかった! というくらい信頼しているアイテムです」
「1日働いた後は、ご褒美感覚で『シスレー』のリップバームをたっぷり塗って寝ます。そうすると朝起きた瞬間から唇が潤っていて、気分も上がるんですよね。この朝夜のケアを続けることで、パックなどの特別なケアをしなくても唇の状態が安定しています」
とはいえ、まれに撮影で合わないリップをつけるなどして、ひどく荒れてしまう日もあるとか。「そんなときは、バームを塗る前に『エスティ ローダー』のスクラブでやさしくマッサージします! スクラブといってもザラザラしているのではなく、とろりとしたテクスチャーのもの。指に取ってくるくるとマッサージすれば、唇がぷるんとよみがえるんです」
彼女にとってリップは、「自分のご機嫌を取ってくれるアイテム」。
「もともとリップ好きだからというのはありますが、マスク生活でリップが目立たなくても『今日のリップ、いい感じなんだから』と心の中で思っているだけで、気持ちが高まるんです(笑)。そんなこだわりを一つもっていると、毎日の気分がぜんぜん違ってきますし、そうした小さなワクワクの積み重ねが、人生をハッピーにしてくれるんだと思います」
Profile
土屋巴瑞季
モデル1994年2月14日、神奈川県生まれ。高校生の時に事務所に所属したのをきっかけに、芸能活動を開始。16歳で小学館「CanCam」で初の単独表紙に登場し、話題を呼んだ。現在は、ファッション誌をはじめファッションカタログのモデルとして活躍中。カジュアルから和装まで、幅広いスタイリングを魅せることでも知られている。趣味はリップコスメ集め、フラワーアレンジメント、焼肉店巡り。
取材・文/金城和子 編集/田中朝子(Roaster) 撮影/藤井由依
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