ALL2000円以下でつくる 大人のプチプラメイク術

「プチプラコスメは若い世代をターゲットにしてつくられているものが多いので、とにかく落ちないとか、持続力といった機能性に優れたものが多いんです」。プチプラコスメの魅力をたずねると、柳橋さんはそう語ってくれました。「だから私はアイライナーやマスカラなど、アイメイクのアイテムはプチプラアイテムを選ぶことが多いです」

ただしプチプラコスメを選ぶ際は“過度な期待”をしないよう注意した方がいいといいます。「例えばプチプラのアイシャドウは実力派がそろっているしバリエーションも多いけど、デパコスと比べると、質感の違いはあるんです。どちらが良い・悪いということではないんですけどね。それを理解したうえで、値段と好みの質感、どちらを優先するのか意識することが大切です。自分の中で何を重要視するか優先順位をつけて、落としどころを決めておくと選びやすくなると思います」

ファッションと一緒で、すべてをプチプラにしたり高い値段のものにしたりする必要もないそう。「お気に入りのブランドがあるなら値段に関わらずそれを使ったらいいと思います。それ以外はプチプラを取り入れてうまくバランスを取ると、自分のスタイルを保ちながら、さまざまなメイクが楽しめます」。気軽に冒険をしたいときは、プチプラコスメが大活躍！「2000円くらいまでなら直感で選んで買ってみて、ダメだったらしかたない……って思うのもありなんじゃないでしょうか」

『KATE』のカラーパレットは、アイシャドウ、フェイスカラーとして使える便利アイテム。アイライナーは『dejavu』のペンシルタイプとリキッドタイプを2本使いしているそう。「上まぶたの粘膜部分には色がのりやすいペンシルタイプを使用し、目尻のアイライナーは筆ペンタイプのリキッドで、ひと塗りできれいに仕上げます。『dejavu』はきれいに描けるのにお湯でオフできる便利さがお気に入りです」。「ブラシ付きなのもうれしい！」という『dejavu』のアイブロウは、パウダーをペンシル形状に練り固めているため、自然な仕上がりになるそう。

一日中カールが持続する『MAYBELLINE NEW YORK』のマスカラは「いろいろ試してみて一番カールがキープされるのでリピートしています」とのこと。最近は日本ブランドだけでなく韓国コスメもチェックしているという柳橋さん。「韓国コスメは日本のコスメとは少し質感が違うので、取り入れるといつものメイクに変化を与えてくれるんですよね。『rom&nd』のリップはジューシーな質感で一気に艶っぽくなります」

“ちょっとそこまで買い出しに”。そんなときにぴったりの即席メイクを、プチプラアイテムで柳橋さんがレクチャーしてくれました。10分もかからずに仕上がったポイントメイクは、柳橋さん流のメイクテクニックがふんだんにちりばめられています。

「アイシャドウ、チーク、リップをピンクブラウン系にしたのは、大人の落ち着きも感じられつつ、血色感をプラスすることによって顔色がよく見えるからです」

「きつい目がコンプレックス」と話す柳橋さん。目元の印象を柔らかくするためにアイラインで工夫しているそう。「目尻のアイラインは真っ黒ではなくダークブラウンにし、跳ね上げて描くのではなくストレートにすることで、少しリラックス感のある、柔らかな印象に仕上げています」

【EYE MAKE HOW TO】

1. 『KATE』のパレット左上と右下の色を指でとり、手の甲で色を混ぜる。それをアイホール全体に塗り、下まぶたにも涙袋をなぞるように全体に塗る
2. 『KATE』のパレット左下の濃いブラウン色をチップにとり、二重幅に塗る
   「濃い色が苦手な人は、塗らなくてもOK。1のアイシャドウだけでも十分華やかな印象になっています」
3. ビューラーでまつ毛をカールさせ、『MAYBELLINE NEW YORK』のマスカラを塗る
4. 『dejavu』の「ラスティンファイン ペンシル リアルブラック」で、上まぶたの粘膜部分にアイラインを引く
5. 『dejavu』の「ラスティンファイン 筆ペンリキッド」で、目尻から1cmくらいアイライナーを引く

【CHEEK＆LIP MAKE HOW TO】

1. チークは『KATE』のパレット左上と右上の2色をパレット上で指で混ぜ、頬骨に沿ってVの字を描くようにのせる。
   「お風呂上がりに頬が赤くなる位置に色を入れると顔色がよく見え、メイクが薄くても印象がよくなります」
2. リップは『rom&nd』のリップティントを唇に塗って完成！
   「じゅわっと感が出るリップを選ぶと、フレッシュな印象になります」

【EYEBROW MAKE HOW TO】

『dejavu』の「パウダーペンシル アイブロウ ステイナチュラ ナチュラルブラウン」で、眉毛の隙間を埋めるように眉を描き、ブラシでぼかす。

「実は、即席メイクで重要なのは眉毛なんです。マスクをするのでリップは省いてもいいし、目元は顔立ちによってマスカラもアイラインも省けます。でも眉毛がないと、どうしてもすっぴん感が出てしまうので、しっかりと描いて“メイクしています感”が出た方がいい。だた眉以外が薄いと眉毛の存在感が際立ってしまうので、必ずブラシでぼかすようにしましょう」

「最近は私が10代の頃よりもプチプラブランドがいっぱい誕生して、プチプラでもどんどんブラッシュアップされているので、質や性能が良いものが増えています。でもやっぱり一番の魅力は、手軽に買えるからこそ、新しいメイクにチャレンジできることじゃないでしょうか」

30代になると自分のスタイルができ、メイクも好きなものが決まりがち。「でも守りのメイクだけではつまらないので、ポイントメイクやリップなどは手軽に買えるプチプラコスメではやりの色に挑戦したり、季節によって印象を変えてみたりして、いつもと違うメイクを楽しんでみてください。新しい自分を発見できて、メイクの可能性が広がります」

自分のメイクを知って、プチプラをバランスよく取り入れるのが柳橋さん流。ネイルを変えると気持ちがぱっと明るくなるように、いつものメイクもちょっとだけ冒険してみることで、日常が少し楽しくなりそうです。時短にもなる柳橋さんのメイクテクニックも参考にして、近くのドラッグストアなどにあるプチプラコスメで新しい自分に出会ってみませんか？