品の良さは姿勢にあらわれる 美姿勢の決め手は 「おなかの内側」にあり！

「美しい姿勢を手に入れると、いいことしか起こりません」と美希レベッカさん。
ご自身は小さい頃から姿勢の悩みを抱えていたといいます。「もともとすごい猫背で、親からよく注意されていました。5歳から空手をやっているのですが練習中は姿勢を意識しているのに、終わった瞬間猫背に逆戻り。練習して疲れると姿勢が悪くなるという悪循環を繰り返していました」

大学時代、体育会空手部ではどんなに筋トレしても、いつも体のどこかを故障していたというレベッカさん。実は姿勢が悪くて体のバランスが崩れていたことが原因でした。そこで、双子の妹ですでに姿勢インストラクターだった亜耶バネッサさんのすすめもあって姿勢について学ぶことに。

「姿勢」について深く知るうちに、予想外の効果があったといいます。
「体重が減ったわけでもないのに、『骨格が変わった？』と思うくらい体のフォルムがどんどん変化し、着られる服や履ける靴も変わったんです。外反母趾（ぼし）でこれまでムートンブーツかサンダルしか履けなくて、友人の結婚式にもムートンブーツで出席したのに（笑）。 正しい力の入れ方や体の軸の置き方がわかったことでヒールも履けるようになりました」

その他にも、姿勢はこんな変化をもたらしてくれます。

〇服のシルエットが変わる、着やせ効果も⁉
背筋から首まで伸びて全体的に長さが出るので、洋服に変なシワが入らなくなります。服に着られるのではなく、服を着こなせるように。おしゃれをより楽しめるようになりますよ。

〇バストアップ、小顔効果
頭は首、鎖骨、胸骨につながっていますが、姿勢を正すと鎖骨が上がるので胸の位置が高くなります。これだけで若々しい印象に。また、頭のポジションも後ろにひっぱられるので、首が長くなり小顔効果も。

〇肩こり、冷え性、むくみ防止
姿勢を正すと呼吸が深まり、血流が良くなって柔軟性が上がります。むくみや冷え性の解消にもつながるようです。また、頭の位置が上がると、頭を肩や首だけではなく体全体で支えるようになるので、肩や首の負担が減り、肩こりが軽減される効果も。

〇やせ、デトックス効果も期待できる
おなかの内側にある筋肉（横隔膜）を使うようになるので、続けるうちに代謝が上がってやせ効果も期待できます。

〇見た目の印象アップ、モテ効果も？
美しい姿勢はポジティブで活動的な印象をつくってくれます。ちょっとした立ち姿やパソコンを打つ姿、電話で話す姿がキレイだとそれだけで「できる女性」に見えますよ。

「横隔膜ストレッチ」を行うことで横隔膜の柔軟性が高まり、肺でしっかり酸素を取り込み、おなかに力も入って姿勢が安定します。1日何回でも、気づいたときにやってみましょう。

1. あばらの下をたどって「みぞおち」から指2本分外側を、4本の指で押しながら、5秒間息を吐く。指が入りにくい場合は少し前かがみになっても。
2. 手を離し、鎖骨を上げるようにしながら5秒間息を吸う。肩が上がらないように。
3. 息を止め、1回鼻で息を吸ったら下腹部を膨らませる。
4. 1～3を3セット行ったら、最後におなかがぺったんこになるまで息を吐き切ってから胸に空気を入れる。

あばらの下に手が入らない場合には、タオルを太めに丸めたものをおなかにあて、1分間うつぶせで寝転ぶだけでもOK。

＜立ち方＞

1. かかとをつけて、つま先を10～20度開いたら、少し背伸びをしてかかとを浮かせます。
2. 重心が足の母指球（親指の下あたり）にのっている状態で、股関節に両手を置く。
3. 息を吸いながら、股関節を支点に胸を前にスライドさせる。少しだけ肩甲骨を寄せるイメージですが、肩は後ろに張らない。
4. 手を折り曲げるようにしながら、35度お辞儀をする。目線は正面を見た状態であごを引き、頭の先からお尻まで一直線に。おなかの前面が伸びる。
5. 鎖骨を9割天井方向に戻す。重心がかかとに逃げないように。
6. おへそから指3本下の「丹田」（たんでん）を上に引き上げるようにおなかを凹ませ、骨盤を立てたら正しい姿勢です。手をそっと体の横に戻しましょう。

【立ち姿勢のNG例】

＜歩き方＞

歩き方は立ち姿勢の延長です。ポイントは3つ。

1. 足より胸を先に出す。
2. 歩幅は大きくしすぎない。歩幅が広いと骨盤が不安定になり姿勢が崩れやすく、おなかが縮みやすくなります。
3. 重心を少し前に。つま先から先につくよう意識して。常に前足に体重がのるように。馬が歩くイメージで。

座る場合も、立ち姿勢と同じで頭の先からお尻まで一直線に。背もたれにはなるべくもたれないようにしましょう。

「パソコン画面が遠くて見えにくいな」と思ったら、頭だけパソコン画面に近づけるのではなく、お辞儀をするように胸から前へ。背もたれにもたれすぎないよう、タオルを丸めたものを仙骨（お尻の真ん中にある骨）に敷くのがおすすめです。足が開きやすい人はひざの内側にペットボトルをはさんでも。

【座り姿勢の正し方】

1. パソコンを打つ前に……耳たぶの後ろに指をあて、そこを支点に上を向く。
2. そのまま下を向く。鎖骨をあごに近づけるイメージで。
3. 脇を締め手のひらを天井に向ける。
4. その状態のまま、手首だけ返す。肩甲骨は寄り、両脇が締まった正しい姿勢に。肩や肩甲骨近くのコリや張りが軽くなるはず。

正しい姿勢は、自分に自信を与えてくれます。そのために「鏡をたくさん見ましょう」と美希レベッカさん。「体は慣れ。一度慣れると『これがいい姿勢なのだ』と認識して定着します。意識が無意識に変わるまでは、とにかく鏡をたくさん見て。はじめのうちは『これが私？』とドキッとすることもあるかもしれませんが、やがて美しい自分に自信をもらえるようになりますよ」