こんにちは、CUEBiCのmiztr55です。
こちらに行ってきました。
表題のテーマの内容に、Web業界の人へ興味がある人がどれくらいいるのかは正直微妙だと認識していますが、奇特な人向けに書き記します。
後述していますが、わかりやすい実用化の分野でいうと、セキュリティ面と思います。
なぜ量子コンピューティング?
- 個人的に数年前から動向を追っていて、久々にその機会があったので行ってきた
- 実用化されれば、計算力でいうとスパコンよりも上ということもあり、あらゆるものがひっくり返る可能性があるため、動向調査を実施している
- 前提として、量子論というややこしすぎる物理理論や線形代数(行列とベクトル)の知識が必要なので、ちゃんと理解するのはかなりハードルが高い
- 筆者は数年前に量子論の本を読み、とても興味深いと感じた(それでも正直ちゃんと理解できていない)
- 量子論の研究者の人でも結局よくわからない、となるようなものなので、そもそも理解するのが難しい
結論
実用的な面で劇的な進捗はまだなさそう。 数年前に、某大学院で量子コンピュータを専攻していた友達に聞いた、「まだ実用化には安定していない」というところからは進んでいなさそう。(とはいっても研究者の方々は日々努力されているので、少しずつ進んでいる様子)
まだまだ課題も多く、発展途上ではあるものの、実用化できればかなりのパワーを発揮するので、引き続き数年単位でウォッチしていきたい。
その現状を、具体的に聞いてきたのでメモ程度に残します
TISのR&Dの人との会話
◼︎量子コンピュータとスパコン
- 正確な量子ビットが50あれば今のスパコンより計算力が上になる
- 消費電気量も大幅に下がる
- 今は不安定な量子ビットが400で計算している
- 10年前は10らしく、指数関数的に伸びてるらしい
- 不安定な量子ビットが50000あれば正確な50ができる
- IBMの試算では2025年で不安定な量子ビットが1000くらいになるとのこと。試算通りに行くかは不明...
- 不安定な量子ビットありきで、正確な計算ができるのでは?というアプローチでがんばってる研究者もいるとのこと。
◼︎量子コンピュータは特化型コンピュータ
- 因数分解がものすごく得意
- 今のセキュリティは楽勝で突破できる(ちゃんとした量子コンピュータなら)
- セキュリティ強化の文脈で実用化されるのが、Web業界では分かりやすいかも
- その他、化学の分子計算など、研究分野への効果の方が多そう
◼︎他への実用化の模索
- 今でも既存コンピュータで実用化できているが、交通路の計算は量子コンピュータの余地がたくさんあるので、小さい部分から始めている企業もいた(出展してた)。
- 何万人も同時に最適な通路を計算するなど計算の変数が膨大になると、量子コンピュータの計算力が発揮できる余地があるとのこと
- それでもまだまだ発展途上
雰囲気を感じてもらうための写真