最近、ちまたで聞く機会が増えた「ととのう」というワード。サウナに入った後に訪れるという「癒やしの瞬間」を説明する言葉です。2019年放送のテレビドラマ『サ道』をきっかけに最近じわじわと人気を集めているサウナ。現在も新しい施設が続々とオープンしています。
今回お話を伺ったのは、サウナ愛好家=「サウナー」の美咲さんと松野井雅さん。サウナの本場フィンランドの観光局公認サウナアンバサダーです。
「サウナに通うようになってから、ポジティブになって、いろいろなことにチャレンジできるようになった」と話す美咲さん。美容や健康に良いだけでなく、通うと前向きな気持ちになれる。そんな新しい自分になれる場所「サウナ」での、極上時間の過ごし方について、お二人に聞いてみました。
- 一度ととのえば「サウナー」の仲間入り。プロが教える極上タイムの作り方
- グッズがかわいい! サウナタイムを充実させる“通”なアイテム
- はじめの一歩におすすめ。本場を体感できる「フィンランドサウナ」
- 素直なままの自分でいられる、特別な場所
一度ととのえば「サウナー」の仲間入り。プロが教える極上タイムの作り方
知り合いが口にしていた「ととのう」という言葉の意味を知りたくて、サウナに連れていってもらったのがハマったきっかけという松野井さん。「最初はサウナって苦しそうだし、水風呂は怖いってイメージがあったんですけど、思い切って入ってみたら、初めて体験する感覚を味わって。その感覚にハマっていったんです」
それが、サウナーが増える理由にもなっている「ととのう」という状態。「どんな状態かとよく聞かれるんですが、私は“ほろ酔い”の感覚が近いと思います。頭がぼーっとして、小さなことが気にならなくなるんです」と美咲さん。「私は“無”と呼んでいます。雑念が消えて、頭の中をリセットできるから、精神的にもリラックスできます」(松野井さん)
「ととのう」状態はどうすれば訪れるのか、サウナの基本的な入り方と一緒に教えてもらいました。まず体と髪の毛を洗い、タオルで汗を拭いてからサウナ室に入るのがマナー。初心者は忘れがちですが、前後に水分補給をしっかりすることも大切です。
「サウナ室にはだいたい6〜12分いるといいといわれています。いっぱい発汗させてから、サウナ室を出て水風呂に入ります。最初は慣れないかもしれませんが、ぜひ肩までしっかり漬かってみてください」(松野井さん)
極上の「ととのう」体験には、実はこの水風呂が重要。「ちゃんと水風呂に入ることで“温度の羽衣”状態を体感できます」と松野井さん。「温度の羽衣」とは、冷たい水に入っていても、まるで羽衣をまとっているかのように体の表面があたたかく感じる現象。「水風呂はだいたい1分以内といわれていますが、温度の羽衣ができた状態だと、体の中心がミントの香りを嗅いだときのようにスーッと涼しく感じるので、それが出るタイミングです」(松野井さん)
そして水風呂を出た後に、しっかりと休憩を取ることで訪れるのが「ととのう」世界。体も脳も極限までリラックスした癒やしの時間は、まさに“ほろ酔い”のような感覚なのだそう。
グッズがかわいい! サウナタイムを充実させる“通”なアイテム
最近は特に女性のサウナーが増えたこともあってか、見た目もかわいくて、もっているだけで楽しくなるようなサウナグッズが増えています。特に「サウナハット」は、種類も豊富で選ぶだけでも楽しいアイテム。「サウナに入ると、頭の方が熱くなってしまうので、断熱効果のあるサウナハットは便利ですよ。熱で髪の毛がいたまないようにかぶる人も多いです」(松野井さん)
また、「サウナマット」も美咲さんのおすすめ。「サウナ施設では大小2種類のタオルを貸し出してくれるところが多いのですが、体を拭いたり、お尻の下に敷いたりするのに使うので、いつもちょっと足りないんです。サウナ室でお尻の下に敷く小さなマットをもっておくと、衛生的にも気持ちよく利用できますし、タオル不足も解消できます」(美咲さん)
「私も美咲ちゃんと同じ理由で、マイタオルをもっていきます。外気浴しているときに、体がすっぽり隠れる大きめのサイズ感がポイント。このタオルは端だけ手ぬぐい生地になっていて、頭に巻くときに結びやすい点も気に入っています」(松野井さん)
はじめの一歩におすすめ。本場を体感できる「フィンランドサウナ」
興味は湧いてきたけれど、まずどんなサウナに行けばいいのか、迷う人も多いはず。お二人が初心者におすすめするのは今話題の「フィンランドサウナ」です。
「熱々のサウナストーンにサーッと水をかけて蒸発させ、室内の湿度と温度を上げる”ロウリュ”ができるのが特徴です。施設にもよりますが、日本式のサウナより部屋の温度が低めだから、息苦しくなくて入りやすい。湿度が高いので汗も出やすくて気持ちいいですよ」(松野井さん)
日本では高熱で乾燥した「ドライサウナ」が主流でした。最近はその数に迫る勢いで「フィンランドサウナ」が増えてきているのだとか。「『庭の湯』さんみたいに、本場フィンランドと同じ山小屋のような形をしているところも多いです」と美咲さん。「サウナ室から香ってくる木のにおいにも癒やされますよ」
初心者におすすめのフィンランド式サウナ施設を尋ねると、ここをきっかけにハマる人も多いという、長野県にある完全予約制の施設「The Sauna」を教えてくれました。「森の中にある小屋のサウナなんですけど、川の水を引いて水風呂にしていて、景色も良くてすごく気持ちいい。冬は雪が積もるので、水風呂じゃなくて雪にダイブしたりもできます」(松野井さん)
素直なままの自分でいられる、特別な場所
松野井さんと美咲さんは、もともとサウナを目的にした旅、通称「サ旅(さたび)」で出会った友達同士。「美咲ちゃんとは、いつも自分を飾らずに、プライベートなことも丸ごと話せるんです」と松野井さん。「すっぴんも裸も見られているからか、怖いものなしです」(美咲さん)
サウナに興味が湧いた人は、ぜひ「サ旅」にも行ってみてください。
「このサウナに行こうって決めてから、その周辺の宿やおいしいお店を探します。旅行中は、朝サウナに入ると、目が覚めてシャキッとするので最高ですよ。その後にコーヒーをまったり飲むのも至福のひとときです」(松野井さん)。「サ旅の計画を立てたら、その日のために、毎日大変なこともがんばれるんです」(美咲さん)
「今まで行ったサ旅で記憶に残っているのは知床の「北こぶし知床 ホテル&リゾート」のUNEUNA・KAKUUNA。名前のとおりうねうねしたサウナ室とカクカクしたサウナ室があって、寒い時期には世界遺産の流氷をサウナに入りながら見られるんです」(松野井さん)
アウトドアなサ旅では、キャンプ用サウナをもっていく人もいるのだとか。「テントとサウナストーブのセットが売っているんです。人を集めてキャンプ場でイベントみたいにしている人も多いですよ」(美咲さん)
「お肌もきれいになって、睡眠も改善して、小さなことが気にならなくなったら、悩みがだいたい消えますよね」と話す美咲さんと松野井さん。お二人にとってサウナは、忙しい毎日でも輝き続けるために、欠かせないものになっているようです。
Profile
美咲&松野井雅
サウナアンバサダー(左:美咲さん)2014年のミス・ユニバース日本大会で3位に輝き、同時にモデルコレクショングランプリも受賞。静岡の「しきじ」でサウナと出会い、今では家にプライベートサウナを置くほどのサウナ愛好家に。YouTubeチャンネル「MISAKI CH.」では、モデル活動の傍ら、サウナ女子として活動する様子を発信中。
Instagram:https://www.instagram.com/misaki_saunner_/
(右:松野井雅さん)女優。15歳で芸能界デビュー。出演作「牙狼」シリーズなど。札幌「ニコーリフレ」など、さまざまな施設やイベント等で熱波師としても活躍。YouTube「松野井雅チャンネル【公式】」では日本各地のサウナ施設を巡る様子を公開中。
Instagram:https://www.instagram.com/miyavimatsunoi
取材・文/森美和子(ミニマル) 構成/大倉詩穂(Roaster) 撮影/藤井由依(Roaster)
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