五感を解放して、 自分自身と向き合う キャンプ時間。

「忙しいときこそ、ちゃんとリラックスタイムをつくることを大切にしている」という高橋さん。「だから仕事で力を出しきれるし、プライベートとのメリハリもつくんです。なかでも大好きな自然に囲まれて過ごすキャンプは、心身が解放されるとっておきの時間」なのだとか。そして「小さいころから自然と一緒に暮らしていたから、友達を気遣うのと同じように彼らを大切にしたいし、共生していきたい。だからキャンプでも、自然と対話する気持ちで過ごします」。そんな彼女と森キャンプに出かけてみたら、ゆったりと健やかなひとときが待っていました。

「自分のペースで過ごせるのも、キャンプのいいところ。家にいると、『キッチンの掃除しなきゃ！』なんて、どうしても気が散りやすくなるでしょ？　でもキャンプ中は、テントを立ててしまえばやることがないんです。だから自分本来のペースを取り戻せるし、精神的にも安定する」。そして、自然の中で「木に抱きついたり、石を触ったりしています」と高橋さん。「緑の匂いを胸いっぱいに吸い込んで、足裏からダイレクトに大地を感じる。最高に気持ちいいですよ！素足で地面に触れると、体内にたまった静電気を放出させると言われる“アーシング効果”ですっきりします」

「夕刻になったらたき火を始めます。火を眺めていると無になれて、今の自分の状態が見えるんです。良いところも悪いところも含めて、自分の内面と向き合えるんですよ。友達と一緒のときは、いつも口に出さない心の内がぽろっと出てきたり」。「こうしてただ、ぼーっとするだけでリフレッシュになる」と続けます。「屋外で過ごすのが苦手な人は、身軽な状態でホテルステイしたり、ドライブするのもいいと思う。私も遠出ができないときはそうしています」。ちなみに高橋さん、キャンプには必ずマイチェアを持参するそう。「どこでも腰を下ろせるし、自分になじんだ椅子があるとほっとします」

「何度もキャンプに行くのは、この体験を求めているから」と彼女が周りの木々を見渡しながら話すのは、テントを包み込むように鳴り響く、虫や鳥たちが織りなすハーモニーのこと。きっかけは、何年か前に訪れたグランピングでした。「夜中から朝方にかけてウトウトしていたら、まるで夢の中にいるようなキラキラした音色が聞こえてきたんです。都会で耳にするのとはまったく違う、自然のオーケストラのような美しい音で。その感動が忘れられなくて、時間があればキャンプに出かけちゃうんですよね。癒やされるのと同時に、自然にはまだまだ知らない顔があるんだなと、そのおもしろさにもひかれるようになりました」

たっぷり自然と触れ合った後は、「日が落ちたら眠って、明るくなったら起きる」「自然のリズムに合わせて過ごすことで、おのずと心身のリズムも整うんですよね。単調な過ごし方に見えて、季節や場所によって空気感もぜんぜん違ってくるし、キャンプはやめられません！」。さらに「こうした自然との関わり合いが、自分と向き合うことや日常のルーティンにもつながっていきました」と話します。#03（近日公開予定）では食べるものへのこだわりや、力を入れているフードロス削減の活動など「結果的に、私自身の癒やしにつながっている」という、高橋さんが普段の暮らしで大切にしている考え方をうかがいます。