ブルーな雨の日こそ、 スタイリングにこだわって 晴れモードに

情報番組「ZIP!」のお天気キャスターとしても活躍する貴島さんの、好きな天気は「雨のち晴れ」。「雨が降った後は雨雲をもっていってくれるため、雲ひとつない、すっきりとした晴れ空になることが多いんですね。その気持ちよさが好きなんです」

雨の日はヘアスタイルが崩れてしまったり、傘をもつと荷物がかさばったりします。どうしてもテンションが下がりがちですが……お天気キャスターとして日々のお天気と向き合っているからこそ、雨との付き合い方もお手のもの。「髪形やファッションを雨仕様にしてみると、いつもと違う自分を発見できたりして、案外楽しいんですよ。工夫次第でハッピーに過ごせます！」

実際の天気だけではなく、“心が雨の日”だって貴島さんはポジティブ。いつも和やかな笑顔で私たちを癒やしてくれますが「もともとは落ち込みやすい性格だった」のだとか。「これまでの経験や応援してくれる皆さんの声で、今は自分でもびっくりするほどポジティブになりました」といいます。そんな彼女は、”心の雨の日“とどう向き合い、人々を癒やす存在となったのでしょうか。

「雨の日は、ふだん使わないアイテムの出番でもあります」と貴島さん。「チャンスだと思って、雨降りならではのファッションを楽しむ！　私はおしゃれなレインシューズや水に強いビニール素材のバッグをコーディネートに組み込んだり、いつもはつけない大ぶりなヘアアクセサリーで髪をまとめるなどして、テンションを上げています」

中でも「職種にかかわらず、1つもっていると便利」というおすすめはレインブーツ。「ふだんはあまりはかない短いスカートでブーツを際立たせたり、今日の衣装のようなロングスカートに合わせて上品なコーディネートにしたり。さまざまなテイストがつくれるアイテムなんです」

髪形については「雨が降っていたら、まとめることがほとんど。そのぶんアクセサリーで遊びます！」。「それでも前髪はぺたんとなりやすいから、このアイテムが欠かせない」と、教えてくれたのはヘアスプレー。

「これでセットすれば、雨降りの中、外出してもひやひやしなくて済みます」というほど、信頼しているよう。「ヘアスタイルが崩れてしまう心配があると、やっぱり表情にも出ると思うんです。気分を高めてくれるものに加えて、こうしたほっとさせてくれるアイテムがあると、雨の日も1日中 ハッピーでいられますよ」

ヘアメイクを含めファッションは、着ている人と見ている人、両方の気分に影響するもの。「ビジュアルでもお天気模様を伝えられて、見ている皆さんが出かけるときに参考になるスタイリングを意識しています」と貴島さん。「街中を歩く人の服装を観察するようになりました。例えばマフラーをしている人が増えたら、今日は寒いんだなとか。ファッションでお天気模様も伝えられるんだなって気がつきました」

それと同時に、「見ていてほっとする」雰囲気づくりを心がけているのだとか。「毎日私の顔を見る方も多いと思うので、お茶の間に自然となじめるような落ち着いた雰囲気にこだわっています。派手な色みの洋服を選ばず、髪の毛をほとんどアレンジしないのもそのためです。このお仕事をはじめてから、モデルとして洋服の魅力を伝えるのとはまた違ったファッションの視点をもつようになりましたね」

「朝起きて、どんな服が今日の天気にちょうどいいか悩んだら、お天気キャスターのファッションを参考にしてみてください」と貴島さん。その日の天候にぴったりのファッションを身につけているだけで、たとえ雨が降っている日でも、ブルーな気持ちにならずに済むかもしれません。

貴島さんからやわらかな癒やしオーラを感じる理由は、ビジュアルだけではなく、どこかほっとする声のトーンにもあります。モデルとお天気キャスターを両立するようになり「どんなテンポで話せば心地よく伝わるか、表情のつくり方とともに考えました」

アナウンスの先生から「『おばあちゃんに話しかけているようなイメージで、ていねいにはっきりとしゃべる』とアドバイスを頂きました」。以来、実生活にもいい影響が。「モデルの先輩に、声の出し方が変わったね！といわれて。自覚はなかったんですが、聞き取りやすくなったみたい。『ゆっくりだな』と感じるくらいの速度で話してみると、思いのほか相手に心地よく感じてもらえるかもしれません」

意外なことに「もともと人見知りで、笑うのも得意な方じゃなかった」という彼女。「視聴者や仕事仲間の皆さんの励ましによって、私の笑顔はつくられていると思います。SNSなどで『明日香ちゃんの笑顔が好き』といった声を頂くと、皆さんと毎朝顔を合わせている実感が湧いて、とてもうれしい。私の原動力ですし、このお仕事を通して自分自身が変われましたね」といいます。自分が意識して癒やしオーラを身にまとうこと、これが仕事を通して、貴島さん自身の癒やしにもつながっているのかもしれません。

4年半前にお天気キャスターの世界に入ってから、性格にも変化がありました。「笑顔に自信がもてるようになったんです。学生時代の友人に『そんなに明るかったっけ？』っていわれるほど、マインドもポジティブになって（笑）」

輝く笑顔の裏には、19歳で上京した頃の経験も。「夢をもって上京したものの、東京に友人もいなかったし、仕事もうまくいかなくて。同世代の子たちが大学に行ったり働きはじめてキラキラしていたのもあり、もんもんとしていましたね。そして、もう神戸に帰ろうかな？と思いはじめた20歳の終わりに『ZIP!』のオーディションに受かったんです。前年に1度落ちていたから、うれしかったですね」

「それからは大変だと感じることを含め、毎日充実していて。はじめてのことばかりだったので、日々課題ができたのは大きかったですね。新しいことに挑戦するのはドキドキしますが、小さくても明確な目標があると、前向きな気持ちが勝るってことに気づくことができました」

ときにはブルーな日もあります。それでも今は、心の雨がすっと上がるようになったとか。その理由は「家族のような『ZIP!』チームと出会えたこと。期待に応えられなくて落ち込んだときも、素直に弱音が吐ける場所ができたことで、カチッとスイッチを切り替えられるようになったんです。すぐにとはいかなくても、素の自分が出せる場所や小さな目標を見つけると、どんな雨でも晴らすことができるんじゃないかな」。

毎朝、周りの人をも晴れモードにしてくれる貴島さん。続く#3では、彼女自身の完全OFFな癒やし時間に迫ってみましょう。