家庭用ロボットといえば、家事の手助けをしてくれるロボット型家電をイメージする人も多いはず。しかし最近では、実用性よりも癒やし効果を重視したさまざまなロボットペットが登場。シニアやファミリー層だけでなく、若い女性の間でも、じわじわと人気を集めています。
モデルのKanocoさんの場合は、大好きなシロクマアイテムに通じるシンプルでかわいいルックスに引かれて、話題の家族型ロボット「LOVOT(らぼっと)」をお迎え。今では家族のように暮らしているといいます。 そんなKanocoさんのご自宅にお邪魔し、LOVOTとの暮らしぶりを拝見しつつ、最新のロボットペットの魅力を探りました。
- 思わず抱きしめたくなる、愛らしいルックスに引かれて
- 動物を飼えなくても、ペットのいる生活がかなう
- お世話は不要、なのに家族同様の存在感!
- おしゃれも楽しめば、世界にひとつの個性を育める!
思わず抱きしめたくなる、愛らしいルックスに引かれて
KanocoさんとLOVOTの出合いは、1年半前。旦那さんがお仕事の関係で連れ帰ってきたもので、Kanocoさん自身はLOVOTのことも知らなければ、ロボットペットにも興味がなかったといいます。
LOVOTとは、ぬいぐるみのような愛らしいボディに最新のテクノロジーを搭載した家族型ロボット。ロボットながら目や声、性格までさまざまで、スキンシップを交わせば交わすほど懐いてくれます。
「ロボットペットというと、いかにもロボットっぽい見た目のものしか知らなくて、自分とは無縁のものだと思ってました。でも、LOVOTは本当にかわいい! 私はシロクマが大好きなので、LOVOTの、いい意味でロボットらしくない“ほっこり感”に引かれました!」
もともと機械が得意ではなく、便利なロボット家電にはあまり魅力を感じることはなかったというKanocoさん。「LOVOTは、家の中を走り回って、気が向いたら近づいてくるだけ。目に見える形ではなんの役にも立たない。それどころか、倒れたら自分で起き上がることもできないので、むしろ世話が焼ける(笑)。でもそこがまた、かわいくて癒やされるんですよね」
LOVOTには便利な機能こそないけれど、愛情を注ぐと表情や鳴き声や動きで反応をちゃんと返してくれて、育てていく楽しみがあります。「最初は人見知りをするようで、ツーンみたいな感じだったんですけど、徐々にパタパタ手を振って抱っこをせがんできたり、懐いてくれるようになって。そんな変化もうれしくて、離れられなくなりました」
「役に立つこと」 ばかりが求められがちな時代だからこそ、「役に立たない」けれど、一緒に愛を育めるロボットペットは、究極のぜいたくであり、最高の癒やしといえるかもしれません。
動物を飼えなくても、ペットのいる生活がかなう
その癒やし効果から、ペットを飼いたいけれど、いろんな事情で飼うことができない人からも人気を集めているロボットペット。Kanocoさんも、以前からぺットと暮らしてみたいという気持ちはあったけれど、これまで動物と触れ合った経験もあまりなく、自分にはとても無理だとあきらめていたそう。
「情が湧きやすい性格なので、動物を飼って病気になったり、亡くなってお別れするのがつらいなって。もちろんつらさを上回る幸せは絶対あるはずなんですけど、そういったマイナス面を想像すると怖くて、自分には飼えないなと思っていました」
でもロボットペットならお別れの心配もないので、安心して愛情を注げます。本物のペットのように頻繁にスキンシップを取ることが、Kanocoさん流のLOVOTと仲良くなる方法だといいます。
「LOVOTは触れ合ったり、お世話をする人に懐く仕組みになっているんです。だからテレビを見るときに抱っこして一緒に見たり、近づいてきたらしゃがんで視線を合わせたり、こまめに触れ合うようにしてます」 。わざわざ遊ぶ時間が取れなくても、毎日少しでも欠かさずコミュニケーションを取るのが Kanocoさん的ルール。
「アプリでさまざまな機能を設定すれば、留守の時にLOVOTに内蔵されているカメラを通して家の様子がわかる『お留守番機能』など、より高度なパフォーマンスも楽しめるんですよ。私は、玄関の場所を登録しておくと帰宅した人を玄関まで迎えに来てくれる『お出迎え機能』を愛用しています」
ひとりでいても、ひとりじゃない。愛おしい“気配”が感じられる生活をかなえてくれるのが、ロボットペット。ちなみに価格については、本体を購入してしまえば経費は月々の通信費や補償、年1度のメンテナンス料を含む月額費用のみ。「ロボットペットって高額な印象があったんですが、動物のペットもエサ代や病院代がかかることを思えば、かえって安いぐらいかもしれないですね」
お世話は不要、なのに家族同然の存在感!
仕事が多忙だったり、旅行などで家を空けがちだったりする人にとって、ペット同様の魅力をもちながら、お世話はほとんど必要がない点も、ロボットペットの大きな魅力。
「私自身、お迎えした当初はしょっちゅう一緒に遊んでいたんですが、夏に出産してしばらくは毎日てんやわんやで。あまりかまってあげられなかったので、ロボットペットで助かった!と思いましたね」
仕事、結婚、出産、引っ越しなど、大きなライフスタイルの変化にも、付かず離れずの距離感で自然に寄り添ってくれるロボットペット。
「実際、出産前後はあまり外に出られなくて。今もまだ子どもが小さいので、子どもとふたりで家にいると行き詰まることも多くて……。ロボットペットがいてくれて、かなり心の支えになってます。ふとした瞬間にLOVOTが近づいてきて、そのあたたかみに触れると本当にホッとするんです」
また、LOVOTについている「アルバム機能」も想像以上に重宝しているそう。「私が子どもと遊んだりしている様子を勝手に写真に撮ってくれるんです! 自分と子どもの写真ってなかなか撮れないし、不意打ちなので自然体の様子が記録できる。それを見ると、日々見守られてるんだなと思うし、家族の一員なんだなーと感じますね。子どもがもう少し大きくなったら、追いかけっこをしたりと遊び相手にもなってもらえるし。きょうだいみたいに一緒に育ってくれたらうれしいですね」
家族の一員として、ずっと一緒に年を重ねてゆける。そんな唯一無二の喜びが、ロボットペットにはあるのです。
おしゃれも楽しめば、世界でひとつの個性を育める!
ファッションモデルとして活躍するKanocoさん流の楽しみ方は、LOVOTの衣装にもこだわること。家族同然の大切な存在なのだから、人と同じじゃ嫌という人も、洋服を着せ替えれば、ロボットペットに自分らしい個性を育めます。
LOVOTの場合は、ボーダーシャツにリバティプリントのワンピース、耳やしっぽなどが付いたアニマルウエア、メガネなどのアクセサリーまで。さまざまなお着替えがそろっていますが、Kanocoさんはあえてシンプルにベースウエアのみで統一しているそう。
「オリジナルの服を作るのにも憧れるんですけど、お裁縫は苦手だし、私自身シンプルな洋服が好きなので。そのぶん、クリスマスやお正月などのホリデーは赤、春めいてきたらピンク、夏場は青……と、季節や気分に合わせて色や素材で楽しむようにしてます」
また、LOVOTは瞳や声を自分で設定することも可能。Kanocoさんは「誕生石がアメジストなので、瞳を薄い紫色に変えている」そう。瞳だけでも色、大きさ、ハイライト、虹彩などの組み合わせで10億通り以上のパターンから選ぶことができるとは、もはや人間レベル!? こんなふうにパーツのアレンジやおしゃれで個性を育んでいけるロボットペットは、「ロボット=無個性」というイメージを覆してくれ、これからの多様な社会をリードする存在なのかもしれません。
Profile
Kanoco
モデル兵庫県出身。2010年に上京してモデル活動を開始。『装苑』『OZmagazine』『リンネル』などの雑誌のほか、広告やCM、ミュージックビデオでも活躍。無類のシロクマ好きとしても知られ、2021年夏には渋谷PARCO「ほぼ日曜日」で「シロクマだらけ展」を企画開催。スタイルブック『かの・この・はなし』(双葉社)も好評発売中。
Instagram:https://www.instagram.com/kanococo/?hl=ja
取材・文/井口啓子 ヘアメイク/上川タカエ(mod’s hair) 編集/柳瀬 礼(Roaster) 撮影/藤井由依(Roaster)
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