家にいることが増えて運動不足になったり、ふらっと道端で新しいお店に出合うことも少なくなってしまったり……。外出もままならず何かとストレスを感じやすい昨今。このお悩みを一気に解消してくれるのが、自転車。中でも、クロスバイクやロードバイクなどのスポーツバイクは、日常の街乗り用としても人気があり、軽快に走ることができるのでおすすめです。けれど「ハードルが高い……」と躊躇(ちゅうちょ)している人もいるのでは?
モデルやフォトグラファーとして活躍している柴田ひかりさんは、クロスバイク愛用者の1人。YouTubeにアップしている「Vlog」でもサイクリング姿が多く見られるように、撮影や買い物、散歩がてらのリフレッシュにも自転車が欠かせないのだとか。
今回は柴田さんと一緒に、学芸大学駅にある行きつけのサイクルショップ『tempra cycle』さんに伺い、自転車の選び方とメンテナンスなどについて教えていただきました。初心者の人でも取り入れやすい情報満載! 愛車を手に入れて、爽快にサイクリングを楽しみましょう。
- スポーツバイクは機能性と見た目が充実
- 挑戦の前に不安や疑問を解消しよう
- 気持ちのいい自転車との付き合い方
- 初心者さんもOK! 挑戦しやすいスポーツバイク3選
スポーツバイクは機能性と見た目が充実
スポーツバイクはシティサイクル(ママチャリ)に比べてタイヤや車体が細いものが多く軽量なので、スピードが出しやすいのが特徴。変速ギアが付いているものは、環境に合わせて変速すれば急こう配の上り坂なども楽に乗りこなすことができます。スタイリッシュなデザインのものもたくさんあるので、ファッション感覚で楽しめるのもうれしいところ。
「クロスバイクは軽くてこいでいても疲れないし、坂道もあまり負担がないですよ。もともと重そうなイメージがあったけど、軽いので日常遣いしやすいです」
見た目は、タイヤが細くて不安定そう、サドルとハンドルの位置が水平で前のめりになりそうなど、少し乗りづらいイメージを抱く人もいるかもしれません。しかし、車体が低めで初心者でも安定して乗れるものや、モデルによっては前傾姿勢を軽減する構造のハンドルに変更できるので心配は不要。きっと自分好みの自転車に出合うことができるはずです。
挑戦する前に不安や疑問を解消しよう
いざスポーツバイクを始めようにも、乗るときの姿勢、空気の入れ方、メンテナンス、保管方法など、初めての人には不明点がたくさんあるはず。そんな不安をひとつずつ解消していきましょう。柴田さんと一緒にtempra cycleさんに伺い、お話をお聞きしました。
乗るときの姿勢
スポーツバイクに挑戦したことがない多くの人が不安になるのが、乗るときの姿勢。
実は難しいことはなく、乗っているうちにすぐに慣れるので心配はいりません。それでもなかなか慣れなさそうだなと不安な人は、前傾姿勢になりすぎないハンドルや車体のものを選ぶことも可能。
空気の入れ方
タイヤの空気は、自転車屋さんにもっていくのが一番手っ取り早いそう。空気を入れてもらうのはtempra cycleさんの場合は無料ですが、有料のお店もあります。また、設置された空気ポンプを借りて自分で入れるところもあれば、お店の人が適正な空気圧で入れてくれるところもあるなど、さまざまです。
「私はお店で入れてもらう派です。適正な空気圧で入れてくれるついでに、自分が気づかなかった部分を一緒に見てもらえるお店もあります。空気入れは1~2ヶ月に1回、メンテナンスは最低でも半年に1回行うのがおすすめです」
メンテナンス
街の自転車屋さんは、気軽に空気入れやメンテナンスもしてもらえるので安心。病院のように、行きつけの自転車屋さんをつくっておくのもよいかもしれません。お店によっては、自分好みの自転車作りやメンテナンスに、優しく対応してくれます。
保管方法
自転車タイヤの寿命は、使用頻度だけではなく、保管状況によっても長持ちするかどうかが決まります。自転車を屋外に置いていると、日差しが強いときや気温が高くなったときにタイヤの中の空気が膨張します。その圧力で空気注入口(バルブ)から空気が抜けてしまうので、若干タイヤの寿命も短くなるのだとか。自転車の保管は屋内が一番望ましく、難しい場合は、日の当たらない日陰に置くようにしましょう。
気持ちのいい自転車との付き合い方
サイクリングが一番気持ちよいと感じる季節は、春から夏にかけてだそう。そんな柴田さんが自転車に乗っていて良かったと思う瞬間と、柴田さんの愛車へのこだわりについてお聞きしました。
「電車やバスに乗っているときは知らない間に空が暗くなっていることもあるけど、自転車ならそのときの空気を肌で感じながら移動できるのが魅力だと思います。あとは、渋滞に引っかかったりすることもなく時間どおりに移動しやすいので、通勤にもいいですよね」。リアルタイムで季節の移り変わりを楽しみながら、交通機関での待ち時間ロスも解消できるのは自転車移動のうれしいところ。
スポーツバイクの金額はモデルによってピンキリですが、だいたい6.5万円(税抜)台前後から購入可能。窮屈だったり遅延の不安もあるバスや電車に乗るよりも、運動不足も解消できて移動を爽快に楽しめると思えば高くはないかも? そんな柴田さんが、日常の街乗り用にカスタムした愛車が、こちら。
「長距離走行やスピードを特に求めない、日常で使用する街乗り想定でカスタムをオーダーしました。フレームに合わせてハンドル、ペダル、サドルなど、ほぼすべてカスタマイズして一から組んでもらったものです。フレームが私にはちょっと大きめなので、自分の体のサイズに合わせてどうやったら楽に乗れるかを考慮しながらパーツを一緒に選んでもらいました」
特にお気に入りのパーツは、クロスバイクに乗るきっかけにもなったフレーム。知り合いの方が譲り先を探していて、いただいたものなんだとか。
「このフレームは日本にあまりないものらしくて。当時は知らなかったんですが、買い物で駐輪して戻ってきたら知らない男の子が自転車を見て『SOMAがある!』って興奮してたんです(笑)。少し珍しいものなんだと知り、さらに愛着が湧きました」
サドルはレディースのもので、自転車を乗りやすくするために選び抜いたアイテムだそう。「たまたまお店に一つだけ残っていたので、これしかない!と選んだものです。レディースモデルなので女性が使いやすい形になっています。サイドと後ろに入ったロゴもかわいい」
そんな柴田さんが愛車に乗るときは、ファッションとの組み合わせも楽しみます。
「自転車に乗るときは汚れないように白いパンツははかないようにしているんですが、はきたいときは裾が巻き込まれないようにするパンツストラップを使います。使わないときは、自転車やバッグの取っ手などにコンパクトに収納できますよ。本格派の人はあまり使用しないアイテムらしいのですが、好きなファッションも楽しみたい人にはうれしいですよね」
初心者さんもOK! 挑戦しやすいスポーツバイク3選
tempra cycleさんに、初心者の方が選びやすいものからスポーツバイクに慣れてきてスピードを求めたいという人に向けて、レベルに分けたスポーツバイクの選び方とおすすめの自転車をレクチャーいただきました。数あるブランドの中でも特におすすめなのが、どんなレベルの人でも段階に応じたラインナップがある『KONA BIKES』だそう。
1.クロスバイクに興味があるけど
まだ踏み出せていない初心者さん向け
KONA BIKES/COCO
サドル位置が低く、泥除けも付いているので初心者の人でも挑戦しやすいモデル。また、他のクロスバイクよりハンドル形状が真っすぐではないので前傾姿勢になりにくいタイプです。少しスピードは出しにくくなりますが、ママチャリよりもフレームが軽量なので早く走ることも可能。「前傾姿勢になりすぎないので、初心者の方もトライしやすいですね。すごく乗りやすそうだなと思いました」と、柴田さん。カゴも付けられるので、通勤や買い物で多用したい人はカスタムしてみて。
2.クロスバイクに慣れてきたので
パーツをカスタムしてみたい人向け
KONA BIKES/DEW
通勤や街乗り移動に適した、定番のクロスバイクスタイル。パーツカスタムの入門におすすめなのは、乗り味が変化しやすいハンドルとサドル。見た目を変えたいときは、タイヤやハンドルグリップを変えてみて。「トップチューブ(ハンドルとサドル下をつなげるパイプ)が低いから、乗り降りするときに足を高く上げなくていいので乗りやすそうですね」
3.もう少しスピードを求めて
ロードバイクを始めたい人向け
KONA BIKES/ROVE AL 650
ロードバイクは基本レーシング用なので、スピードが出やすいようにタイヤやフレームが細くデリケート。しかし、このバイクはオフロードも走れる設計なので、他のロードバイクよりもタイヤやフレームが太めで丈夫な作りとなっていて、少し雑に扱ってもOK。柴田さんは、「やっぱりロードバイクには憧れがありますね。もし2台目を買うとしたらドロップハンドルにしたいなと思っています」とのこと。
「スポーツバイクは軽くて爽快に走ることができて、週末の遠出にも活躍しています。都内から、大宮まで行ったこともあります。坂道が多くてちょっと大変でしたが、運動にもなるし楽しかったです」と、柴田さん。日常にも、週末にも大活躍してくれるスポーツバイク。自分のスタイルに合わせた自転車を選んで、気持ちのいい季節をきっかけに、爽快な自転車ライフを始めてみてはいかがでしょうか。
Profile
柴田ひかり
モデル・フォトグラファーボーイッシュなファッションセンスと独自のスタイルをあわせ持ち、SNSでの発信が同世代から支持を集める。モデル活動に加えて、フォトグラファーとしての一面もあり、ブランドコラボや写真展の開催など、クリエイティブな活動も行っている。YouTubeでは自身の日常を綴った「Vlog」も人気。
Instagram:https://www.instagram.com/shibatahikari/
取材・文/藤岡沙羅(Roaster) 撮影/藤井由依
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