腰痛ベルトのおすすめ12選！効果的な使い方や選び方のポイントを専門家が徹底解説

「腰が痛いので腰痛ベルトを使ってみたいけれど、どれを選べばいいかわからない」
「腰痛ベルトのおすすめのタイプは？　いろいろな種類があるけど、何が違うの？」

腰痛ベルトは、腰の痛みをやわらげたいときにおすすめのアイテムです。たくさんの種類が出ているので、自分にはどれがいいのか選び方に迷っているのではないでしょうか。

この記事では、整骨院を経営し、猫背や腰痛に悩む患者さんに寄り添い続けている柔道整復師の伊集院博さんに腰痛ベルトの基本的な知識や効果的な使い方、腰の負担を軽減したり痛みを緩和したい人にとっての自分に適したタイプの選び方を解説していただきました。

あわせて、your SELECT.編集部がピックアップした「おすすめの腰痛ベルト12選」も紹介します。

※今回ご紹介するのは、腰を支えて腰痛を緩和することを目的とした健康アイテムの腰痛ベルトで、ウエストを細く見せたいときの美容コルセットや、ケガや病気で腰を痛めたときのリハビリや治療のために腰を固定する医療用コルセットは取り扱いません。

「猫背など姿勢の崩れが原因で、腰に負担がかかり、腰痛になる人が増えています」と伊集院さん

腰痛のおもな原因は、筋肉疲労の蓄積によるダメージです。日常的に姿勢が悪かったり、前かがみの中腰など、無理な体勢で腰まわりの筋肉に負担がかかる状態を長く続けていると、筋肉が疲労してダメージが蓄積していきます。疲れた筋肉は休息や睡眠をとることで回復しますが、それでは追いつかなくなってくると、慢性的な腰痛や、ぎっくり腰などを引き起こしてしまうのです。

腰に負担がかかりやすい理由

体の中心にある腰は、上半身の重さを支え、姿勢のバランスをとるための大切な部位です。しかし、肋骨と骨盤の間には骨がないので、脊椎と腰まわりにある筋肉で上半身を支えるしかありません。そのため、日常のなにげない動作や姿勢だけでも、腰まわりの筋肉には負担がかかりやすくなっています。

「腰まわりは骨の支えがないため、筋肉に負担がかかりやすいのです」と伊集院さん

腰まわりを支えている大事な筋肉が腸腰筋（ちょうようきん）です。腰椎の前側から始まって、骨盤の内側を通り、太ももの付け根の内側まで続いているインナーマッスルで、大腰筋、小腰筋、腸骨筋の三つの筋肉から構成されています。

骨の支えがない状態で上半身と下半身をつないでいるため、腸腰筋には日常的に負担がかかり、ダメージを受けやすくなっています。やがて、筋肉が硬くなったり、衰えたりしてくると正しい姿勢が保てなくなり、腰に大きな負担がかかるのです。

腰痛になりにくい姿勢・なりやすい姿勢

デスクワークが多い人は、座り方を意識して腰に負担をかけないようにすることも大切です。背もたれにもたれかかったり、前かがみになったり、浅く腰掛けすぎると姿勢が崩れやすくなります。

正しい座り方は、足裏が床につくくらいの高さで椅子に深く腰掛け、上半身が坐骨（骨盤の一番下にある骨）の真上にくるようにします。自然と坐骨が立って骨盤が並行になります。

良くない座り方を続けていると、腰まわりの筋肉が衰えて猫背や反り腰になりやすくなり、腰痛を引き起こします。

腰痛ベルトの効果

腰痛ベルトの働きは、おもに腹筋のサポートです。腹筋の代わりに腰まわりの腹圧を高めて、姿勢を整えることで、腰に負担のかかる動作を抑制。弱った腸腰筋やダメージを受けている腰周辺の筋肉への負担を減らすことで、腰の痛みを軽減させます。同時に、腰～下腹部を温めて血行を促すので、腰の痛みが緩和されるのです。

「腰痛ベルトをしていると腰まわりが支えられるので、腹筋にさほど力を入れなくても姿勢良く座れます」と伊集院さん

ただし、腰痛ベルトは医療用コルセットとは役割が異なり、治療を目的としたアイテムではないので、頼りすぎるのはよくありません。長時間着け続けたからといって、腰の筋肉が鍛えられるわけではなく、むしろ筋肉を甘やかしてしまう可能性もあります。

腰痛を本格的に改善したいのであれば、腰痛ベルトの力を借りて負担を減らしながら、腰まわりにある腸腰筋や腹部のインナーマッスルを鍛えることをおすすめします。

腰痛ベルトの種類と選び方のポイント

腰痛ベルトにはいくつもの種類がありますが、おもに幅の広さ、強度によって、固定力や動きやすさが変わります。また素材によって、通気性やお手入れのしやすさが変わります。構造の特性や傾向を知っていると、自分に適した腰痛ベルトが選びやすくなります。

1. 幅の広さ

腰痛ベルトの幅が広いほど、腰をカバーする面積が広がるので、固定力が高まります。一方、幅が広いと腰まわりの動きが制限されてしまうため、動きやすさを求めるなら幅の狭いベルトの方がいいでしょう。幅の狭いタイプは衣服の下に着けても目立ちにくいのもうれしい点です。

2. 硬さと強度

ベルトの中にステー（補強素材）を組み込んでいたり、高密度で硬さのある素材でつくられていたりするハードタイプの腰痛ベルトは、背骨から腰まわりをがっちりと固定してくれます。車の運転やデスクワークなど長時間同じ姿勢をするときにサポート力を発揮します。

一方、クッション性のある柔らかな素材でつくられたソフトタイプは、フィット感があり、体を動かしやすいので、装着しながらスポーツをしたいときなどに向いています。

ハードタイプの中には、ストリング（特殊糸）などが仕込まれていて、腰への締め付けを強くできる調整タイプもあります。腰痛がひどいとき、安静にして腰を休めたいときなどに効果的です。

3. 素材の特性

腰痛ベルトの本体や補助ベルト、留め具などには、目的に応じたさまざまな素材が使われている

腰痛ベルトの多くは、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンなどの合成繊維を組み合わせてつくられています。以下の表に、腰痛ベルトに使われている、おもな素材の特徴や効果をまとめました。

各素材の特徴となる性質は、一長一短です。保温性のある素材は、腰を温めて血行を促してくれますが、汗をかく季節に着用すると蒸れやすいでしょう。通気性を高めている製品は、保温力に関しては物足りなくなります。フィット感を重視すれば固定力が弱まり、固定力を求めれば動きづらくなります。万能な素材はないので、最も重視したいことに応じて選ぶといいでしょう。

your SELECT.編集部が、おすすめの腰痛ベルトを選びました。目的に応じた4つのタイプをそれぞれ3点ずつ、計12点の商品を紹介します。

動きやすさを重視したい人向け｜骨盤サポートタイプのおすすめ3選

腰の重さはあるけれど、がっちり固定はしたくない、動きやすさを重視したいという人には、骨盤まわりを安定させておける骨盤サポートタイプはいかがでしょう。骨盤サポートタイプのおすすめの腰痛ベルト3選を紹介します。

体軸を安定させて、骨盤の歪みや姿勢バランスを整えるのに役立つベルト。面ファスナーで本体のベルトを固定させた後に、背面にある補助ベルトを前方に引き寄せることで骨盤を締め付けます。通気性の高いメッシュタイプは、着用していても蒸れにくいのがうれしい点です。

ゴムバンドのような伸縮性のある素材で、骨盤の歪みを安定させ、腰にかかる負担をやわらげてくれる骨盤サポートタイプの腰痛ベルト。補助ベルトで、締め付けの調整ができます。本体は薄型のメッシュ生地なので、目立ちにくく蒸れにくい仕様です。

ダイヤルを回すと締め付けが強くなる独自構造で、自分好みに圧迫力を微調整できる骨盤サポーター。本体内側にはグリップ力の高いウレタン生地（パワーグリップテクスチャー）が仕込まれ、ベルトのずり上がりを抑制してくれるのでスポーツをする人にも安心です。

フィット感を重視したいなら｜薄型フィットタイプのおすすめ3選

腰をカバーしながらスポーツを楽しんだり、がっちりと固定したくないなら、薄手で腰にフィットする腰痛ベルトがぴったり。薄型フィットタイプのおすすめの腰痛ベルト3選を紹介します。

解剖学に基づいて人体を解析したり、動作をシミュレーションしたりして、人間の動きを妨げない設計により誕生した、サポート力と動きやすさを両立させたアスリート対応の腰用サポーター。ベルトとパッドで腰をサポートすることで腰の筋肉を保護し、負担を軽減させます。

縦方向には伸びにくいのに、横や斜めの方向には伸びやすくした三次元フィット形状の腰用サポーター。生地に縫い込んだクロスネットが腰まわりを包み込んで安定させ、テーピングしたように支えながら、背中をそらせる動きを抑制。適切な姿勢をサポートすることで腰の負担を軽減してくれます。通気性のいい薄型設計も魅力です。

薄手で柔らかな素材で、装着しても動きやすいコンパクト設計の腰用サポーター。圧迫力の高いパワーゴム素材を採用した補助ベルト、従来品より強度を2倍にアップさせたS字軽量ステーで腰をしっかりとサポート。前合わせ部を引っ張りやすいようにループを付けるなど、使いやすさを高める工夫がうれしい点です。

前かがみになりやすくしたいなら｜腹部スリムタイプのおすすめ3選

腰まわりをしっかりとカバーしてくれる固定力のある腰痛ベルトは幅広く、中腰や前かがみになると苦しい思いをすることも。そんなときには、前傾姿勢がとりやすいように、前側のベルト部分が薄手で、少し幅が細くなっているようなタイプがおすすめです。腹部スリムタイプのおすすめの腰痛ベルト3選を紹介します。

滑車の原理を利用した補助ベルトは軽い力でも引っ張ることができるので、腰への締め付けを調整しやすい腰痛ベルト。腹部側の幅が細めで、座ったり前かがみになる動作をするときに邪魔になりにくい仕様です。背部にポケットが付いていて、腰を温めたいときにはカイロを入れたり、タオルを入れたりすることもできます。

帯のような厚みがある本体は高密度なメッシュ織りで、通気性を確保しながら、腰まわりをしっかりとホールドしてくれる腰痛ベルト。腰と背中をダブルでがっちり固定してくれる補助ベルトは、軽い力でも簡単に締め付けを調整できます。素材の伸縮性が少ないので固定力が高く圧迫感がある分、着け心地はハード。

人間工学に基づいて理想的なカーブを描くように設計された3Dランバープレートと、サイドに内蔵した4本のボーンで腰椎と骨盤を無理なくサポート。補助ベルトのつなぎにツインリングを採用し、てこの原理で締め付けを調整するなど、腰への固定力とフィット感を高める工夫がされています。

できるだけ腰を動かさないようにしたいなら｜がっちり固定タイプのおすすめ3選

すでに慢性的な腰の痛みに悩まされていて、できるだけ腰を動かさないようにしたいときには、腰をしっかりと固定して支えてくれるタイプが安心。がっちり固定タイプの腰痛ベルトのおすすめ3選を紹介します。

独自技術の調整ベルト、動滑車、調整ストラップ、調整用ストリング（ひも）により、腰への締め具合を細かくコントロールできる腰痛ベルトです。ひもを横に引くだけで簡単に下腹部と腰まわりを固定でき、背筋が伸びて骨盤が立つので、自然と姿勢を改善。常に腹圧がかかった状態になるので、無理なくインナーマッスルも鍛えられます。

旭化成せんいと帝人ファィバーが共同開発した、伸縮性、耐久性、速乾性の高い独自素材テクノファイン(R)を採用し、汗をかく季節でも使いやすい腰痛ベルト。上下に分かれた二重構造の補助ベルト（Wクロスベルト）で、フィット感を調整しながら腰全体をしっかりと締め込んでサポート。Sサイズ～5Lサイズまでを幅広くカバーしているので、どんな体型の人も自分サイズが見つかります。

片手で操作できる調整用ストリング（ひも）を引くと、使用者の腰の形やサイズに合わせて、自動的に腰への締め具合が調整される腰痛ベルト。背筋を伸ばすことで、自然と姿勢が改善されます。高品質ポリエステルをメッシュ加工して通気性を高めているので、汗蒸れせずに快適に使えます。

腰痛ベルトを装着するときには、腹筋の代わりに腹圧が高まるようにすることが大切です。次の手順で装着してみてください。

腰痛を改善するには、腰を支えている腸腰筋を鍛えることが大切です。体の奥深くにあるインナーマッスルである腸腰筋が強くなると、体の内側から体が支えられて姿勢が良くなるので、体の動きがスムーズになり、腰まわりの筋肉に無理な負担をかけずにすむのです。

反り腰を改善する猫のポーズ（キャット＆カウ）

ヨガのポーズの一つでもあるキャット＆カウは、背中の筋肉がしなやかになり、反り腰による腰痛の改善に効果があります。

腸腰筋をほぐすストレッチ

腸腰筋をしっかり伸ばしてほぐすストレッチです。反り腰改善にとても効果的です。

腰痛正ベルトを使用するにあたって、気になる疑問を伊集院さんにお答えいただきました。

「腰痛ベルトに助けてもらいながらも、自分の筋肉で腰を支えられるようになることが理想です」と伊集院さん

Q. 腰痛ベルトにダイエット効果はある？

A. 骨盤の位置を整えたり、内臓を圧迫して引き締めることができる腰痛ベルトの働きにより、体の調子が整って結果的にダイエットにつながる場合もありますが、それは本来の目的ではありません。

ダイエットを意識して、必要以上に体をきつく圧迫していると、血行不良で体調を崩してしまうことも考えられるので、腰痛ベルトを使ったダイエットはおすすめできません。

Q. 一日中ずっと、寝るときにも着けていられる？

A. 腰痛ベルトは腰痛の治療をするものではなく、長く着けているほど効果が高まるわけではありません。日常の痛みを緩和させるためには効果的なサポートアイテムですが、腰痛ベルトで腰を固定して動きを制限しているうちに筋肉が衰えてしまっては本末転倒です。ぎっくり腰などで痛みのある場合は別として、長時間着けっぱなしにはしない方がいいでしょう。

腰痛ベルトの助けを借りて、つらい痛みを緩和させながら、正しい姿勢を維持したり、無理なく体を動かせる程度の筋肉を鍛えることが大切です。痛みが治まってきたら、徐々にベルトをしなくても済むようにしていきましょう。

Q. 腰痛ベルトとコルセットは何が違う？

A. 明確な区別をしていない商品もありますが、ここでは日常的な腰痛を緩和させるための健康アイテムを「腰痛ベルト」、腰まわりの骨折や椎間板ヘルニアなど、病気やケガによる腰痛の治療に用いられるものを「コルセット」と、区別して考えています。

なお、美容目的のコルセットはウエストにくびれをつくってボディラインをきれいに見せるために着用するものなので、腰痛とは関係がありません。

Q. 産後の骨盤ベルトを腰痛ベルトとしても使える？

A. 子どもを出産するとき、女性の骨盤は大きく広がります。産後もそのまま放置していると、骨盤が歪んでぐらつき、股関節まわりの不調につながることがあります。これを防ぐために、用いられるのが骨盤ベルトです。

このように骨盤ベルトと腰痛ベルトとでは使用目的が異なります。ただ、骨盤ベルトには骨盤を安定させる効果があるので、痛む箇所が骨盤に近い場合は痛みを緩和させる効果があります。こうした場合は代用も可能でしょう。

Q. 反り腰の矯正にもいい？

A. 腰痛ベルトには、腰まわりと腹筋に圧をかけて骨盤の位置を整える働きがあるので、反り腰の矯正にも効果はあります。

ヒールのある靴でつまさきに重心がかかる前傾姿勢になりやすかったり、男性よりも筋力が弱いことから、女性の方が姿勢を崩しやすく反り腰になりやすいといわれています。日常生活に筋トレやストレッチを取り入れて、姿勢改善を意識するようにした方がいいでしょう。

Q. 腰痛ベルトの他に腰痛改善に効くアイテムはあるの？

A. 座っているときや寝ているときに、腰への負担を減らしてくれるアイテムがあります。

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでは腰痛ベルトの売れ筋ランキングを見ることができます。どれを買おうか迷ったときは売れ筋ランキングを参考にしてみてもよいでしょう。

Amazonの売れ筋ランキングへ 楽天市場の売れ筋ランキングへ Yahoo!ショッピングの売れ筋ランキングへ

腰痛ベルトは、治療目的のアイテムではないので、根本的に腰痛を治す効果はありませんが、装着することで腰まわりを安定させ、つらい痛みを緩和させることはできます。腹筋代わりに姿勢を維持するためのサポートとして活用するといいでしょう。

根本的に腰痛を解消したいときには、エクササイズやストレッチで、腰を支えるためのインナーマッスル（腸腰筋）を鍛えることが大切です。慢性的につらい腰痛に悩まされていたり、運動不足で筋力が弱っていることを感じているのであれば、整骨院などで相談して施術を受けることをおすすめします。