電卓のおすすめ10選！文具王が簿記検定やビジネスで使える電卓の選び方を徹底解説

「簿記の検定で使いやすいおすすめの電卓が欲しい」
「仕事で使っている電卓が使いづらいので買い替えたい」

勉強や仕事で役立つのはもちろん、簿記検定や公認会計士など経理関係の勉強や仕事には欠かせない「電卓」。手軽に使える安いものから多機能なプロ仕様のもの、持ち運びに便利なポケットサイズや数字が見やすい大きめサイズのものまで、デザインやカラーバリエーションもたくさんの選択肢があり、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね。

そこで、あらゆる文具に精通している文具王の高畑正幸さんに聞いた電卓の選び方や、知っておきたい機能などをご紹介します。

この記事では、文具王・高畑正幸さんおすすめの電卓10選も紹介しているので、自分に合った電卓を見つけるための参考にしてください。

生活のあらゆる場面で役立つ電卓。どんな種類があるのか、どの機能が選ぶポイントになるのか、ここでは知っておきたい電卓の基礎知識を解説します。

電卓は種類も機能もさまざまだからこそ、基礎知識を押さえておこう

電卓の種類

電卓は、その機能や使用方法によって多種多様です。一般的によく流通しているのは、普通電卓、実務電卓、関数電卓の3種類で、その他にもさまざまな電卓があります。

電卓のおもな機能

電卓は、小さいながらもさまざまな機能を備えています。備えている機能は商品によって異なりますが、ハードとソフトの両面から、知っておきたいおもな機能を見てみましょう。

ハード面の機能

電卓の見た目はみんな同じような印象ですが、それぞれに細かい工夫がされており、機能によって使いやすくなる工夫が施されています。おもな機能を表にまとめました。

キー	・キーの形状 認識しやすいよう、凹んでいたり、ドーム状になっていたり、凸があったりする。続けて作業をしても押しやすい配列のものもある ・2色樹脂のキー 2色の樹脂を組み合わせ、繰り返し押しても文字が摩擦で消えない構造 ・静音設計のキー サイレントタッチキー、サイレントキーなどと呼ばれる。押しても音が出にくい構造
液晶画面	・チルト機能 液晶画面部分を自由な角度に調節できる ・バックライト 液晶画面の背面が光る。暗いところでも見やすくなる ・大型表示 数字が大きく表示されて視認性が上がる ・傾斜表示 液晶が傾いており表示が見やすい ・表示桁数 10〜12桁が標準的。12桁で1000億単位まで表示ができる
本体	・背面の滑り止め 底面にゴム足などが付いており、机上でも滑りにくい ・側面の滑り止め 両サイドにゴムなどが付いており、手で持っても滑りにくい ・防水、防じん 水回りやホコリの多い場所でも使える。水洗いできるものもある ・傾斜 押しやすいように本体に傾斜が付いている ・バッテリー 乾電池式、ボタン電池式、ソーラー式、充電式、電池とソーラーを組み合わせたツインパワー式がある

ソフト面の機能

見た目からはわかりにくいですが、電卓は小さなコンピューターです。ソフト面にもさまざまな計算をしやすくする機能が備わっています。対応しているキーとおもな機能を表にまとめました。

※写真は一例。キーの配置は商品によって異なる

	機能	内容
①	ラウンドセレクター	小数点以下の数値の決め方を設定する。指定した桁までの切り捨て、四捨五入する
②	小数点固定	小数点以下の桁数を指定する
③	税計算	税率を記憶させると、その税率を呼び出して計算する
④	グランドトータル（GT）	集計を行う機能。＝を押して出た答えを自動的に合計する
⑤	桁下げ（▶︎、→）	表示している数値の最小桁の数字を1桁ずつ消去する。バックスペースキーとする場合もある
⑥	日数／時間計算	期間の日数や日付、時間の計算などをする
（⑥）	検算	計算した結果について、確認や訂正をする。検算キーに対応している。
⑦	メモリー（M+、M-など）	数字を一時的に記憶して計算する
⑧	キーロールオーバー	早打ちを可能にする機能。入力する時、キーから指を離す前に次のキーを押しはじめても、次のキーを認識する

商品によって、搭載されている機能や使用方法、呼び方もメーカーによって変わる場合があります。商品を選ぶときは、公式サイトなどで確認するのがおすすめです。

日本のおもな電卓メーカー

電卓を製造している日本のメーカーは、おもにカシオ、シャープ、キヤノンの3社です。他にも多数のメーカーが電卓を製造していますが、経理などで使うのはカシオとシャープが2強といわれており、メーカーで指名買いをする人も多くいます。

3社の電卓で異なるのは、キーの配列や搭載している機能などです。それぞれどんな特徴があるか見ていきましょう。

カシオ	・電卓の種類が多く、職種ごとに専用の計算ができる電卓も豊富にそろう ・高価格のものもラインアップされている
シャープ	・手に取りやすい価格のものが多い ・「シャープ配列」と呼ばれる、左下に数字キーが固まっているキー配列のものがスタンダード
キヤノン	・コストパフォーマンスに優れた電卓が多い ・「千万単位」と呼ばれる機能の先駆者で、千、万、億といった単位を漢字で表示、キー一つで大きい数を計算できる

高畑さんは多くの電卓をコレクションしており、その特徴にも詳しい

電卓は、一般向けから特定の職業向けのものまで多種多様。多くの機種の中から、用途別に選ぶポイントを高畑さんに伺いました。

簿記検定、税理士や会計士の試験で使う電卓の選び方

資格試験に電卓を持ち込む場合は機能の制限に注意が必要

簿記検定や、公認会計士試験、税理士試験などの経理や会計に関わる試験で電卓は必需品です。限られた時間でこなすには、電卓の機能や使いやすさなどが重要になってきます。

何よりも重要なのは試験に持ち込む電卓の規定を守ること。それぞれの試験によって規定は異なるため、必ず受ける試験の公式サイトなどで公式から出している電卓の規定を確認しましょう。以下の特殊な機能を搭載している電卓は、禁止されていることがほとんどです。

使いやすさで選ぶなら、各メーカーのスタンダードな実務電卓がおすすめです。12桁の表示ができるものを選んでください。資格の学校などに通っているなら、一般には流通しておらず専門学校などからでないと購入できない、学校専用電卓でもよいでしょう。メーカーで迷うようなら、試験について教えてもらっている教師や上司が使っている電卓と同じメーカーのものを選ぶのが無難です。

実務電卓は、使いやすさや丈夫さはもちろん、打ち損じが減る工夫がいろいろとされています。試験で使うなら、静音設計のものを使うとキーを押す打鍵音が気になりません。価格は3000〜10000円くらいが目安。しっかりしたものを買えば実際に仕事についた後にも使用でき、長く使えます。サイズは、自分の手のひらくらいのサイズが使いやすいでしょう。

ビジネスで使う電卓の選び方

ビジネスで使うなら、使用するシーンに合わせて機能やサイズを選ぼう

ビジネスに使う電卓を選ぶときは、四則演算以外の機能が必要か否かをまずは考えましょう。電卓は職業に合わせた専用モデルが多く出ており、複雑な計算が必要な場面でも効率よくサポートしてくれます。例えば小売業なら軽減税率に対応して税計算が2種類できるタイプ、看護師なら点滴の量など必要な数値が計算できるタイプなどがあります。

オフィスで使うのであれば、デスクで場所をとらないサイズのものを選ぶのがおすすめ。チルト機能のあるものを選ぶと、フラットになるので引き出しなどに収納しやすく、持ち歩きもコンパクトです。カラフルなものを選ぶと、他人の電卓との区別がつきやすくなります。

アパレルや美容院など接客をするなら店のイメージに合わせたおしゃれなデザインのもの、金額を客前で扱うなら相手から液晶が見えにくいチルト機能のあるもの、工事現場や水回りで使うなら防水・防じんのものを選ぶなど、使うシーンに合わせてデザインや機能を選びましょう。

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ここからは、高畑さんが選んだおすすめの電卓をご紹介します。今回は、使用する人が多い実務電卓と普通電卓を中心に選んでいただきました。電卓を選ぶときの参考にしてみてください。

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• 簿記検定などでも使えるおすすめの電卓4選
• ビジネスシーンで活躍するおすすめの電卓6選

簿記検定などでも使えるおすすめの電卓4選

簿記検定などの試験で使えて、就職しても長く使えるスタンダードな実務電卓を中心に、シンプルながら充実した機能の商品を選びました。

経理、財務、簿記や金融に関わるプロたちのニーズを徹底的に追求した電卓。3つのキーをどの順番で押しても入力できる、3キーロールオーバー機能を搭載。スピーディーな計算をサポートしてくれます。

計算をするために最適なキー配列は、さらに人間工学に基づきキーの形を指の動きに合わせて配列ごとに変えており、快適な操作を実現。大型ディスプレイで視認性も高く、ワンランク上の電卓を求める人におすすめです。

傾斜付き液晶に大型表示で見やすく、3桁ごとのコンマは数字の上につきます。1回前の計算結果と答えを自動的に照合できる、アンサーチェック機能を搭載している商品。数字の視認性が高く、計算を正確にできる工夫が詰まった一台です。

キーの形状は指がスムーズに動かせるように工夫してあり、数字キーと四則演算記号キーの間隔、クリアーボタンの位置も、誤入力を避ける配慮がされています。キーのサイズが大きく、早打ちをしても、端を打ってもきちんと入力できます。

機能別にフラット、凸、凹と3タイプのキー成型を採用しており、入力ミスのリスクを低減。キーの端を押しても垂直にキー入力ができる構造になっているうえ、すばやいキー入力を可能にするキーロールオーバーの機能も搭載されています。

また、桁数を3桁ごとのカンマ区切り、「億・千・万」を漢字で表示、と切り替えられる機能もあります。例えば「900,000,000」に対し、表示切り替えを行うと「9億0000万0千000」と表示され、大きい数値の計算が見やすくなります。桁の大きい数字を処理する方に、特におすすめの商品です。

税計算を合計する機能が搭載されており、10％と8％の税率が混在していても合計額（税込額、税抜額、税額）の計算が可能。2023年導入予定の適格請求書等保存方式（インボイス制度）の導入後は、事業者の発行する請求書に「税率ごとの合計額」を明記することなどが求められるため、注目の機能です。

サイズは机上で見やすく使いやすいデスクタイプのほかに、コンパクトなジャストサイズもあり、使う場面によって好みの大きさを選べます。

ビジネスシーンで活躍するおすすめの電卓6選

ビジネスシーンで使うために、四則演算以外のあると便利な機能や、デザインにも注目して選びました。

究極の機能美を追求した、カシオ電卓のフラッグシップモデル。本体はアルミニウム合金を削りだして作られ、外周はダイヤカットが施されています。重厚感がある質感ながらもキラキラと美しい見た目に、技術者の並々ならぬこだわりが感じられます。

業界初、液晶のガラスの両面に反射防止のコーティングがほどこされ、蛍光灯や太陽光などあらゆる光源の反射を低減。さまざまな状況で、鮮明な表示を可能にしています。ほかにも人間工学に基づき、キーの形を指の動きに合わせて配列ごとに変えるなど、機能面でもすみずみまでクオリティを高めた商品です。

丸みのある形にポップな色使いがかわいい電卓。最近のトレンドカラー、ペールブルーやビビッドなピンクまで、8色の豊富なカラーバリエーションがそろいます。

携帯にもデスクの上でも使いやすいコンパクトサイズながら、12桁の計算ができます。他にも、

税込・税抜・税額をそれぞれ計算できる税計算機能、時間計算機能が搭載されており、頼もしく計算をサポートしてくれます。

±0（プラスマイナスゼロ）は、「ちょうどいい」形を目指して2003年に誕生した日本初の家電・雑貨ブランドです。トレンドに流されすぎず、シンプルで使いやすいアイテムを多くリリースしています。

電卓も±0らしいシンプルなフォルム。キーまで本体と同じ色にそろえたシックなブラックと、清潔感のあるホワイトの2色展開で、使うシーンを選びません。おしゃれなだけでなく、12桁表示、税率変更可能な税計算機能、グランドトータル機能など、機能も充実しています。

防水、防じん機能を搭載した電卓。水しぶきを受けても大丈夫な防水機能と、ほこりを本体内部へ侵入させない防塵機能で、キッチンなどの水回りや、工事現場などのほこりが多い環境でも使えます。

電卓本体とキーパッドが分離できるようになっており、汚れたらサッと外して水洗いすることが可能。きれいな状態をキープでき、原価、売価、利益率の計算機能が搭載されているので、飲食業や生花店など、水回りで使う方におすすめです。

キヤノンのビジネス電卓シリーズの中でも、「手帳タイプ」と呼ばれている携帯性を高めた電卓。外回りが多く荷物を増やしたくない人にはうれしいコンパクトさです。ストラップホールが付いているので、落下防止用のストラップなどを付けて使えます。

本体は手前に向かいややカーブしており、片手で持ってもキーの入力がしやすくなっています。小さいながらも税計算機能やバックスペース機能もしっかり搭載。サブ機として持つのもおすすめです。

クリーンな状態を保ちやすい抗菌加工タイプの電卓。軽減税率に対応した2種の税率のキーがあらかじめ設定されているほかに、任意の税率が設定できるキーもあり、3つの税率で税込、税抜計算が簡単にできます。税計算のほか、サービス料などの計算に応用できて便利です。

見やすいチルト機能を搭載した液晶には、税計算をしているときには税率が表示されるので、どの税率で計算をしているかわかりやすくなっています。

最後に、電卓に関する気になる疑問を高畑さんに聞きました。

最高級のものから変わり種まで、電卓の世界は奥深いと語る高畑さん

Q. 基本的なキーの動作を教えて

A. 数字と演算記号以外は、以下の表のようになります。キーはメーカーや機種によってさまざまですが、おもなキーは共通しているものも多くあります。

キー		動作
AC	オールクリア	数や計算結果をすべて消去する
C	クリア	直前に入力した数字だけを消去する
M+	メモリープラス	表示されている数字を記憶し、加算する
M−	メモリーマイナス	表示されている数字を記憶し、減算する
MRC	メモリーリコール・メモリークリア	M+やM−で記憶（メモリー）した数字を呼び出す、呼び出した数字の記憶を消去する。押すごとに動作が切り替わる。MR（メモリーリコール：記憶の呼び出し）とMC（メモリークリア：記憶の消去）の2つのキーがある場合もある
√	ルート	表示した数の平方根（ルート）を計算する
%	パーセント	演算記号と組み合わせて、百分率の計算をする
+/−	サインチェンジ	表示した数値の正負を切り替える。押すごとに切り替わる
・	小数点	小数点を入力する

※メーカーによって表記やキーの有無は異なります

Q. ソーラー式の電卓でも寿命はあるの？

A. あります。ソーラーの機能そのものが使えれば電卓は使用できますが、長く使用してソーラーパネルや周囲の部品が劣化や故障をしてしまえば使えなくなってしまいます。ソーラー式の電卓は、暗いところにしまっていても光に当てればすぐ使えるかどうかが判断できます。何年も使っている電卓が、光を当てて電卓をONにしても表示が出なくなったら、寿命が来たと考えましょう。

電卓に多いソーラー電池式。電池交換の手間は不要だが経年劣化による故障に気をつけよう

Q. 100均で売っている電卓でも大丈夫？

A. 日常の計算で使うなら問題ありません。しかし、安い電卓は機能が少なくなります。単純な四則演算には十分ですが、早打ちで計算する場合にロールオーバー機能がなくて打ち損じたり、キーの押し心地が悪かったり、といったことが考えられます。仕事で大量の計算をする場合にはあまり向きません。

Q. スマートフォンの電卓アプリと電卓はどう違うの？

A. 計算できる速さが違います。スマートフォンはまずアプリを立ち上げるところから始めなければなりませんが、電卓は電源を入れればすぐに計算ができます。また、スマートフォンはキーを目視する必要がありますが、電卓はキーを見なくても入力できます。さらにキーの形状やキーロールオーバーの機能によりすばやく大量に、間違いの少ない入力が可能です。

効率を求めるなら、電卓の方が優れたパフォーマンスを発揮してくれます。一方で、スマートフォンのアプリはいろいろな計算機能が気軽に使えるので、たまに使う、スピードを求めていない、という場合にはスマートフォンのアプリでも便利に使えます。

Q. ボタンの隙間にほこりが溜まったら？

A. エアダスターなどで掃除しましょう。電卓はキーが多いため、隙間にほこりや汚れが溜まりやすくなります。ほこりや汚れが溜まると、キーが押しにくくなることもあるため、気づいたら掃除しておきましょう。防水仕様でない電卓は、水拭きをすると故障の原因になることがあるため水洗いはNG。ほこりの多いところで使用する場合は、丸洗いできる電卓や本体を覆うキーカバーが付いている電卓を使うのもおすすめです。

キーの部分が外れて、丸ごと水洗いできる機種もある

どの電卓を買おうか迷ったときには、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのランキングを参考にしてみましょう。

Amazonでは上位100位、楽天市場ではリアルタイム・デイリー・週間別のランキング、Yahoo!ショッピングでは販売数、レビュー評価、閲覧数からカテゴリ別に上位20位までのランキングを紹介しています。

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電卓は、経理などの事務作業のほか、簿記検定、税理士や会計士の試験の必需品です。大量に多くの計算をするなら、スマートフォンやタブレットよりも電卓を使用した方が、すばやく正確な計算が効率よくできます。また、さまざまな業種の計算が必要な場面でサポートしてくれる、優れたツールです。

今回の記事を参考に、多機能で正確な計算ができるものや、職種に合った計算ができるものなど、自分の用途にあった電卓を探してみてくださいね。