無料プログラミングスクールおすすめ5選!無料の仕組みやエンジニア転職について専門家が解説

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目次

「無料のプログラミングスクールがあるって聞いたけど本当?」
「無料でも本当にスキルが身に付けられるの?」

ここ最近、耳にすることが多くなった職業に、エンジニアやプログラマーがあります。これまでまったく違う業界にいて、プログラミングを勉強してみたいけれどスクールに通うのはお金がかかりそう……と、二の足を踏んでいる人も少なくないかもしれません。

そこでオススメしたいのが、無料で学べるプログラミングスクールです。無料で大丈夫なのかと心配に思っている人も必読! その理由やスクールの仕組みについて、社会保険労務士の岡佳伸さんに解説していただきました。

また後半部分では、Webエンジニア育成のプロである後藤康成さんに、学ぶにあたって必要なものやスクールに通う意義などについて伺っています。

さらに、実際に無料で学べるプログラミングスクールを編集部で厳選して紹介していますので、ぜひチェックしてください。

社会保険労務士に聞く!

無料プログラミングスクールとは?

岡さんインタビュー風景

「負担なく転職のための知識やスキルを身に付けられる無料のプログラミングスクールが、非常に注目されています」と岡さん

未経験者がエンジニアやプログラマーを目指して通う、プログラミングスクール。

特に最近、注目を浴びているのが無料で学べるプログラミングスクールですが、まずその特徴や仕組みなどについて、社会保険労務士でありキャリアコンサルタントでもある岡さんにお話を伺いました。

社会保険労務士法人岡佳伸事務所代表
岡佳伸さん
岡佳伸
大手人材派遣会社、自動車部品メーカーなどで人事労務を担当した後に、労働局職員(ハローワーク勤務・厚生労働事務官)としてキャリア支援や雇用保険給付業務、助成金関連業務に携わる。現在は開業社会保険労務士として活躍。各種講演会講師および記事執筆、TV出演などの実績多数。特定社会保険労務士、キャリアコンサルタント、1級ファイナンシャル・プランニング技能士。

プログラミングスクールが注目を浴びる背景

今、社会問題ともいわれているのが、深刻なIT業界のエンジニア不足です。IT市場の成長、労働人口の減少、急速な技術革新などを背景に、2030年には最大で約79万人ものIT人材が不足するという政府の試算もあります(※)。企業としても、その解決のためにエンジニアの待遇を改善したり、育成に一層力を入れたりするなど、対応を図っているところです。

※経済産業省「IT人材需給に関する調査

一方で働く側も、最先端の技術に携わる仕事をしたい、将来的に有望と思われるIT業界にエンジニアとして転職したいという人が増加する傾向に。しかし未経験からの転職はかなりハードルが高いことから、余分な負担をかけずに必要な知識やスキルを学べる無料のプログラミングスクールが注目されています。

岡さん指差し

私の顧問先であるIT関連の人材紹介会社の例を見ると、ITエンジニアの紹介料が大幅に上昇しています。一般的な人材紹介会社では通常、紹介料は年収の30%程度ですが、ITエンジニアを紹介した場合、50~100%となってきています。このことからも、企業側がITエンジニアを欲しがっているということがわかります。

プログラミングスクールってどんなところ?

プログラミングスクールは、プログラマーやITエンジニアを目指す人が転職などに向けてその知識やスキルを学ぶ場所です。プログラムの言語などは本や学習サイトなどで独学で知識を身に付けることもできますが、未経験者の場合、それだけでは転職に結びつけるのはなかなか難しいでしょう。
プログラミングスクールには、企業が入社後にOJTで教育すべき部分を、代わりに行ってくれているといった側面もあります。具体的には、コンピューターやインターネットの仕組み、プログラミングの言語を実践的に学び、わからないことがあった場合は講師に質問できるので、ひとりで学習するよりもはるかに効率も良くなります。

社会保険労務士に聞く!

無料のプログラミングスクールのからくりとは?

無料でプログラミングを学べるというのは、いったいどんな仕組みで可能になっているのでしょうか? そのからくりについて岡さんに解説していただきました。

なぜ無料で学べる? その仕組み

エンジニアイメ―ジ

プログラミングを無料で学べるのには、それぞれ理由がある

まず公共職業訓練や求職者支援訓練となっているものが挙げられます。公共職業訓練は雇用保険の受給資格者が対象で、求職者支援訓練は雇用保険の受給資格がない求職者が対象。運営するスクールは国からの委託で資金を得られるため、受講者は無料で講座を受講できるのです。いずれの講座も管轄が厚生労働省なので、ハローワークでの申し込み手続きなどが必要となります。

参考:ハロートレーニング(離職者訓練・求職者支援訓練)|厚生労働省


次に挙げられるのは、都道府県からIT人材の養成を目的として業務委託を受けるケースです。例えば東京都では「デジタル人材育成支援事業」や「成長産業分野キャリア形成支援事業」として、さまざまな講習のコースを展開していますが、スクール側は、自治体から資金を得て運営することで、受講料を無料としています。

参考:【公式】東京都 デジタル人材育成支援事業


また、企業が資金を提供することで無料にするスクールも。人材紹介会社と提携したり、中には人材紹介会社が無料スクールを直接経営したりするケースもあるようです。技術を得た人材を企業に紹介することで、紹介料を得てスクールを運営するという仕組みです。

このようなスクールの場合、就職できなかったり、紹介先に就職しなかったり、研修途中でやめたりした場合に違約金を設けているところもあります。

<無料となる理由>

  • 求職者向けの公共職業訓練などの場合、国からの委託を受けて講座を運営しているから
  • 人材育成を目的とした事業の委託を受けている場合、都道府県からの資金提供を受けているから
  • 企業と提携しているプログラミングスクールの場合、紹介先から紹介料の支払いを受けているから

有料スクールとの大きな違いは?

岡さんインタビュー風景

「条件に合うなら、無料のプログラミングスクールはおすすめです」と岡さん

基本的に無料のプログラミングスクールは、企業への就職を前提としたものといえます。

また公共職業訓練などの場合は、おもに4月開講など、年度の中で決まった時期からの募集となります。スクールによって違いはありますが、国や都道府県の予算から資金が出ているからです。中途半端な時期からだと、入りづらいかもしれません。

一方、有料のプログラミングスクールは、自由度も高いことから、フリーランスを目指したり、スキルアップを目的としたりする受講者も少なくありません。始める時期も比較的自由に選べるようになっています。さらに言語やコースも幅広く選択できるという特徴もあります。

無料プログラミングスクールで学ぶメリット・デメリット

無料のプログラミングスクールには、まず無料で学べるという大きなメリットがありますが、必ず受講条件があります。例えば、20代限定だったり、公共職業訓練の場合は離職していたりといったことが条件となります。

その他、有料のプログラミングスクールと比較して、メリット・デメリットを以下にまとめましたので、確認しておきましょう。

<無料・有料のプログラミングスクール それぞれのメリット・デメリット>

無料 有料
メリット ・無料で知識やスキルを身に付けられる
・エンジニアへの転職をサポートしてもらえる
・転職先を自由に選べる
・学習言語やコースを自由に選択できる
・幅広い年齢層を受け入れている
デメリット ・さまざまな受講条件がある(年齢制限など)
・転職先が限定される
・学習言語やコースを自由に選べない
・受講料が高額
岡さん指差し

ハローワークが窓口となる公共職業訓練や求職者支援訓練などの場合は、複雑な手続きが必要になるというデメリットも。受講の仕方について、ハローワークでよく確認する必要があります。 また学校説明会も開催されていますので、そちらにも参加した方がいいでしょう。

無料プログラミングスクールに向いている人は?

先にも述べましたが、無料のプログラミングスクールにはさまざまな制限や縛りがあります。したがって、その制限の影響を受けない人は、無料のプログラミングスクールに向いているといえるでしょう。例えば20~30代で、転職をしたいけれども、転職先の企業にはそれほどこだわりのない人などです。

編集部厳選!

おすすめの無料プログラミングスクール5選

無料のプログラミングスクールには、それぞれに特徴があります。その中から5つをピックアップしてご紹介していきます。

<おすすめ無料プログラミングスクール比較>

スクール コース 学べる言語 対象年齢 受講場所・地域 受講期間 詳細
GEEK JOB スピード転職コース ・Java
・Ruby
・PHP
・MySQL
・HTML
・Linux
満18~29歳 東京(九段下、四ツ谷) 最短1ヶ月 詳細
0円スクール ・初心者コース
・開発コース
・Java
・SQL
・HTML
・CSS
・jQueryなど
満18~35歳 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡 初心者コース:1~3ヶ月前後
開発コース:1~2ヶ月半前後
詳細
プログラマカレッジ ・HTML
・CSS
・Java
・PHP
・Ruby
・MySQL
・jQueryなど
30歳以下 現在、オンライン運営 1〜3ヶ月 詳細
ITCE Online Academy ・ITエンジニアコース
・Webプログラミングコース
・HTML
・CSS
・JavaScriptなど
・PHP など
20~30歳 オンライン 1〜3ヶ月 詳細
無料PHPスクール ・PHP
・JavaScript
・HTML
・CSS など
18~32歳 東京(池袋) 23日(来校8日間) 詳細

転職成功率97.8%の実績を誇るGEEK JOB

出典:https://camp.geekjob.jp/

コース名 スピード転職コース
学べる言語 ・Java
・Ruby
・PHP
・MySQL
・HTML
・Linux
対象年齢 満18~29歳
受講場所・地域 東京(九段下、四ツ谷)
受講期間 最短1ヶ月
授業形態 オンライン型・通学型
教室学習・自宅学習+質問
無料体験・カウンセリング 無料体験・説明会あり
公式サイトへ

転職成功率97.8%(※公式サイトより)という実績を誇る無料プログラミングスクールが「GEEK JOB」です。これまで公務員や営業職、自衛隊員など、まったく畑違いの業界からエンジニアへ転職を成功させたのは1000名以上。就職先企業も、大手が名を連ねています。

転職成功率の高さの秘密は、そのサポート体制にあります。専属のキャリアアドバイザーから、定期的にキャリアカウンセリングを受けることが可能で、転職用資料の作成や面接練習のサポートまで受けられます。また同校では、未経験者の就職可能求人が500社以上あり、その企業に合わせた面接対策サポートも行っています。

実践型のカリキュラムでプログラマーに転身0円スクール

出典:https://zero-school.com/

コース名 ・初心者コース
・開発コース
学べる言語 ・Java
・SQL
・HTML
・CSS
・jQueryなど
対象年齢 満18~35歳
受講場所・地域 札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、福岡
受講期間 初心者コース:1~3ヶ月前後
開発コース:1~2ヶ月半前後
授業形態 教室学習
無料体験・カウンセリング 説明会・体験入学あり
公式サイトへ

「0円スクール」の特徴は、現役のエンジニアが実際に現場で実装した開発プロセスを土台としてカリキュラムがつくられているところです。そのため、より実践に近いものになっており、即現場で役に立つ実践力を身に付けることができます。

カリキュラムは、進めていくごとに難度が上がっていきます。最初は写して覚えるという単純なものから、後半は自分の頭で考えてアプリケーションを実装していくといった感じで、ひとりひとりの理解度に合わせて学んで行くことが可能です。

資格取得から就活直結のプログラミングスクールプログラマカレッジ

出典:https://programmercollege.jp/lp4/

コース名
学べる言語 ・HTML
・CSS
・Java
・PHP
・Ruby
・MySQL
・jQuery など
対象年齢 30歳以下
受講場所・地域 現在、オンライン運営
受講期間 1〜3ヶ月
授業形態 ・オンライン
・通学(現在、オンライン運営)
無料体験・カウンセリング 説明会・無料体験あり
公式サイトへ

インターノウス株式会社が運営する無料のプログラミングスクールが「programmercollege(プログラマカレッジ)」です。紹介先企業は大手を含む3500社以上あり、転職成功率は96.2%、平均内定獲得数は3.7社(※公式サイトより)となっています。

受講期間は1~3ヶ月と、短期間で学べるのも特徴のひとつ。現在はオンラインの形で講義は運用されていますが、マンツーマンで気になるポイントを質問することもできます。受講生全員がオラクル社のJavaの技術レベルを認定する資格「Oracle Certified Java Programmer Silver SE11」を取得した後で就職活動を行う仕組みを採用しており、そのため、日常的なプログラミングスキルに加えて、さまざまな状況に対応可能な能力を身に付けることができます。

40万円相当の受講が無料!ITCE Online Academy

出典:https://www.it-careerexpo.com/

コース名 ITエンジニアコース
Webプログラミングコース
学べる言語 ・HTML
・CSS
・JavaScript
・PHP など
対象年齢 20~30歳
受講場所・地域 オンライン
受講期間 1〜3ヶ月
授業形態 オンライン
無料体験・カウンセリング 説明会・無料体験あり
公式サイトへ

未経験のITエンジニアに特化した就職支援サービスを行っている無料プログラミングスクールが、「ITCE Online Academy」です。講師には実務経験20年以上のベテランがそろっており、実践的な未経験者向きのカリキュラムが用意されています。

就職対応としては、IT専門のキャリアアドバイザーがマンツーマンで面接対策をサポート。未経験者率は100%で、そのうち文系出身者が60%を占めています。Webプログラミングコースはその内容も豊富で、プログラミング基礎や開発環境構築、データベース操作にWebサイト制作演習と、それぞれの専門分野を学んでいくことができます。

最低内定2社保証! 12人限定でみっちり学べる無料PHPスクール

出典:https://www.dt30.net/phpschool/

コース名
学べる言語 ・PHP
・JavaScript
・HTML
・CSS など
対象年齢 18~32歳
受講場所・地域 東京(池袋)
受講期間 23日(来校8日間)
授業形態 通学・オンライン
無料体験・カウンセリング 説明会あり
公式サイトへ

ドリーム・シアターが運営する、新卒・既卒・第二新卒向けの就職・転職プログラムが「無料PHPスクール」。授業初日に保証金として7万円、産休などでブランク期間が長い場合などは13万円を預ける必要がありますが、就職決定後(入社後研修時)に全額返金されます。

毎回12人限定の少人数でスクールを開設。わずか23日間で実務経験3ヶ月レベルのプログラマーと同等のスキルを身に付けることが可能です。新人教育に熱心な企業1024社の中から、厳選して就職先を紹介。最低内定2社保証で、多い場合は未経験であっても6社から8社の内定を獲得(※公式サイトより)しています。

現役エンジニアに聞く!

エンジニアを目指す前に知っておくべきこと

後藤さんインタビュー風景

自身もITエンジニアとしてさまざまな企業で経験を重ね、活躍してきた後藤さん

実際にプログラマーやエンジニアが働いている現場では、どのような人材が求められているのでしょうか? Webエンジニア育成において豊富な経験と知見をもつ後藤さんにお話を伺いました。

株式会社キュービック VPoE
後藤康成さん
後藤康成
シリコンバレーのスタートアップにてプログラマーとして経験を積む。2000年株式会社ネットエイジのCTOとしてネットのゼロイチおよびベンチャー投資を担当。自身でフィードパス株式会社を設立し、COO、CTOを歴任しヤフー株式会社へ売却。12年ヤフーにてソフトバンクとのインド合弁企業の立ち上げ、Y! mobileの事業立ち上げを統括。16年株式会社ネオキャリアにて海外事業部CTO兼IT戦略を担当。その後InsurTechのiChain株式会社のCOOを経て20年に株式会社キュービックに参画し、VPoEに就任。 インターネット関連メディアのオピニオンや雑誌のコラムニスト、ブロガーとしても活躍し、多くのWeb関連の書籍を執筆。

ITエンジニアに関する基礎知識

現在、人材不足といわれるエンジニアですが、そもそもエンジニアとはどんな職業なのでしょうか。その種類や必要なスキルなどについて、おさらいします。

ITエンジニアの種類は?

ITエンジニアの中でも需要が多いのが、Webアプリケーションエンジニアです。その例でいうと、Webアプリケーションエンジニアはさらに細分化され、フロントエンドエンジニアとバックエンドエンジニア、スマホエンジニアに分類されます。

<Webエンジニアの種類>

Webエンジニアの種類 仕事内容
フロントエンドエンジニア Webブラウザ側を担当し、HTMLやCSS、JavaScript(jQuery)、PHPの設計や実装などを行う
バックエンドエンジニア
(サーバーサイドエンジニア)
サーバー側で行う処理に関するプログラム開発や、サーバーで扱うデータの管理を行う
・データサイエンティスト
・データベースアドミニストレーター など
スマホエンジニア スマホアプリを開発する

フロントエンドエンジニアは、まさにサービスの「顔」をつくる分野を担います。利用者にどのように見えるのか、どんな表現ができるか、どんなふうに動くのかといったものを含めて、開発、改修を行うのがフロントエンドエンジニアの仕事です。

一方、Webの中でコアになるプログラミングを行ったり、データベースを扱ったりする部分を担うのが、バックエンドエンジニアです。細分化すると、多くの情報を集めて必要な情報を抽出するデータサイエンティストや、データベースを専門に扱うデータベースアドミニストレーターと呼ばれるエンジニアが挙げられます。

さらに加えて、スマートフォンが登場したことから、スマートフォンのアプリを開発するスマホエンジニアが活躍しています。

後藤さん指差し

紹介した以外にも、例えばセキュリティエンジニアや、最近大人気のサイトリライアビリティエンジニア(SRE)などもあります。SREは、サービスを止めない仕組みをつくったり、アプリケーション以外の立場で収益をどう上げていくのかについて、エンジニアリングを行ったりといったことを担当します。ちなみにSREの技術は非常に普遍的なものであり、今後10年は食べるのに困らない職種と言っていいかもしれません。

エンジニアに求められるスキルは?

まずコンピューターサイエンスを学ぶことが、一番大きなベースになります。その知識があるかないかで、その人の成長曲線が圧倒的に違ってくるからです。

コンピューターサイエンスとは、コンピューターの仕組みやプログラミング、ソフトウェアやシステムなどのコンピューター活用全般を扱う学問のこと。一言でコンピューターサイエンスといっても、大学などで学ぶケースもあれば、国家資格の取得を目指して勉強するケースもあり、いわば普遍的なテーマといえます。

プログラミングスクールでは学びませんが、自分で学ぶことは可能です。応用が利くものであり、基礎を学んで固めることが、実務における成長につながります。

エンジニアに向いているのはどんな人?

よく「文系でもエンジニアになれますか」と聞かれますが、理系か文系かはまったく関係ありません。ちなみに私が勤める会社にも、文系で法学部卒のメンバーがいますが、実は法律とプログラミングには共通点があります。例えば「契約書」は、いわばプログラミングだといえます。契約のスコープを定義し、言葉を定義して、どのようなときに何をするのかと条件を定義する、すべてプログラミングと同じ考え方です。

さらに加えるなら、きれいな日本語を使える人は、エンジニアに向いているといえます。簡潔でロジカルな文章を書く能力はプログラミングにおいても重要で、きれいな日本語を書ける人は、きれいなプログラムも書けるのです。

未経験者がプログラミングスクールに通う意義とは

言語イメージ

プログラミングスクールでは、さまざまな言語が学べる

スクールにも、RubyコースやPythonコース、Java Scriptコースなど講座もいろいろとありますが、さまざまな言語を学習できることや、言語がどのような形で成り立っているのかを学べることは、プログラミングスクールに通うことの大きなメリットです。

また、同じ志をもった人たちとコミュニケーションをとれることも大きいでしょう。他の人が書いたソースコードを見たり、自分が書いたものを見せてお互いにレビューしたりすることも可能ですから。プログラミングスクールでの学習やコミュニティへの参加の意義は、そういったところにあるのではないでしょうか。

現役エンジニアに聞く!

エンジニアへの転職にまつわるQ&A

プログラミングスクールで学んでエンジニアへの転職を目指すにあたって、出てきがちな疑問を後藤さんに聞いてみました。

後藤さんインタビュー風景

「プログラミングスクールに通うメリットは、実践的に学べること」と語る後藤さん

Q. エンジニアへの転職を目指すなら、何歳が限界?

A. 一般的には、未経験からスクールに通って目指すのであれば20~30代まででしょう。ただ転職して経験を積んでいき、そこからさらにスキルアップをしていくための転職であれば、年齢に関係なく可能です。

Q. エンジニアの年収ってどれくらい?

A. 例えば20代のサーバーサイドエンジニアの例で、平均年収は377万円です(※)。これは平均なので、当然のことながらそれよりも下の人もいれば上の人もいます。

※doda「平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】 」より

ちなみにスマホアプリのエンジニアは、2006年にiPhoneが出たときには圧倒的に人数が少なかったこともあり、経験者は1000万円を超える年収で採用されていました。今や開発者はそれなりの数がいるので、需要と供給のバランスからかなり下がってきています。20代だけに絞ると、下位は年収300~400万円ぐらいになるでしょう。

Q. 企業を選ぶときはどこを重視すればいい?

A. 転職先としては、大企業かベンチャーやスタートアップを選ぶかという問題があります。どちらにもいいところと悪いところがあり、例えば大企業であれば、さまざまな社会のルールなどを学べる機会が多く、そこでの弊害も学ぶことができます。ただ、いわゆるスコープが決まっていて、その先はできないということも特徴です。

一方、ベンチャーの場合はスコープも決まっておらず、新たな仕事にどんどんチャレンジしていくことが可能です。しかし、会社の予算や組織などが必ずしも成熟していません。

どちらがいいとは言い切れませんが、強いて言うなら自分の好きなサービスを提供している企業に入るのが一番いいのではないでしょうか。サービスの内容を自分でわかっていることは、大きな意味をもつでしょう。

Q. もっているといい資格は?

A. 国家試験では、基本情報技術者試験(FE)と応用情報技術者試験(AP)があります。プログラミングを含めた技術者のスキルを獲得することができるので、この二つの資格をもっていることが、コンピューターサイエンスの学位を取ったこととほぼ同等と見なしていいのではないでしょうか。

<エンジニア向けの資格試験一覧>

基本的な知識・技能 基本情報技術者試験(FE)
応用的な知識・技能 応用情報技術者試験(AP)
高度な知識・技能 ITストラテジスト試験(ST)
システムアーキテクト試験(SA)
プロジェクトマネージャ試験(PM)
ネットワークスペシャリスト試験(NW)
データベーススペシャリスト試験(DB)
エンベデッドシステムスペシャリスト試験(ES)
ITサービスマネージャ試験(SM)
システム監査技術者試験(AU)
情報処理安全確保支援士試験(SC)

表にある「高度な知識・技能」に記載された資格は、さらに次の新しい領域に入りたくなったときにチャレンジするスタンスでいいでしょう。

自動車の運転免許にたとえるなら、表にある資格試験は「学科試験」で、プログラミングスクールでの学習は「実地試験」です。本来であれば、どこかの企業に就職してOJTで学んでいくことを経験できるので、その意味では、プログラミングスクールで学ぶことも大きなスキルの獲得につながることになります。

社会保険労務士に聞く!

制度や給付金などに関するQ&A

ここまでの話も踏まえて、最後に国や自治体の教育制度や給付金に関する疑問について社会保険労務士の岡さんに質問してみました。

岡さんインタビュー風景

Q. 無料にはならなくても、安くなる給付金の制度について教えて

A. 厚生労働省指定の専門実践教育訓練給付金制度対象講座に該当する、経済産業省「第4次産業革命スキル習得講座」などがあります。制度を利用することで、雇用保険の被保険者や離職者を対象に、厚生労働大臣の指定する専門実践教育訓練を受講し修了した場合、受講中に50%、修了後(専門実践教育訓練の修了後1年以内に、目標として設定した資格を取得し、雇用保険の被保険者となる就職をした場合または就職をしている場合)に20%を支給するというものです。70%(1年の場合、上限56万円)が戻ってくるので、受講者は、実質30%の受講料で学ぶことが可能となります。

対象となるプログラミングスクールは、「DMM WEBCAMP(ディーエムエムウェブキャンプ)」「TECH CAMP(テックキャンプ)」「DIVE INTO CODE (ダイブイントゥコード)」「TECH I.S.(テックアイエス)」など。例えばTECH CAMPの短期集中コースであれば、通常91万800円の受講料が、実質35万800円になる計算です。

また、各都道府県の後援を受けている講座などもあります。例えば東京都の場合、在職者向けの訓練に「キャリアアップ講習」があります。それほど深い内容は学べませんが、最低限のものが学べます。金額も1万3000円ほどで4~5日間と、長期間ではありません。

Q. 過去に給付金の支給を受けたことがあっても、制度を利用できる?

A. 以前は10年経過しなければ受給できせんでしたが、現在は雇用保険に入って3年経過すれば、専門実践教育訓練給付金を受ける資格を得られます。IT関連企業に入ったものの、例えば介護など他の業界に移りたくなったときでも、3年間待てば受けることができます。

初回のみ、雇用保険に加入して2年が経過すると、専門実践教育訓練給付金が受けられます。その後就職して雇用保険に入った場合は、3年経過してからしか次に行くことはできません。

ちなみに、雇用保険は1年以内に転職すれば継続扱いになるので、同じ会社に3年間いなければならないということではありません。

Q. 自分が住んでいる都道府県以外で実施している講座やスクールに参加することは可能?

A. 基本的には住所地を管轄するハローワークの扱いになりますが、他の都道府県からでも東京のスクールや全国の公共職業訓練に申し込むことができます。例えば、本場で学びたいと、飛騨高山にある木工のスクールで学ぶことも可能です。

Q. 無料のプログラミングスクールに通えば就職できる?

A. スクール側も就職に力を入れているので、実力に合った企業を紹介してくれます。無料のところは就職実績が必要になるので、スクールに入った後のキャリアコンサルティングなど相談できる人が必ずいます。不安がある人は、気軽に相談するといいでしょう。

まとめ

後藤さんのお話にも出てきたように、エンジニアはスキルや経験を身に付けていくことで、「一生もの」にできる職業だといえます。特に20代で転職を考えている人には、最大のチャンスといえるのではないでしょうか?

経験のない業界に足を踏み入れるには、かなりの勇気が必要です。しかし、一度その世界に慣れてしまえば、自分で将来のキャリアプランを描いていくことができます。エンジニアを目指して無料プログラミングスクールの情報をお探しの方は、今回の記事や岡さんにご紹介いただいた給付金などの制度を活用して、ぜひ未来への扉を開けてください。

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