キッチン以外の場所でも手軽に調理を楽しめる卓上IHクッキングヒーター。食卓で鍋やすき焼きを囲むものとして使用するイメージが強いかもしれませんが、機能が充実していてふだんの調理でメイン使いできるものや、出しっぱなしにしておけるようなデザイン性の高いものも登場しています。しかし種類が多く、価格にも幅があるので、どれを選んだらいいのかわからない人も多いのではないでしょうか。

この記事では、家事アドバイザーの河野真希さん卓上IHクッキングヒーターの魅力と選び方を教えてもらいました。安全に使うポイントやお手入れ方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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SELECTor

河野真希

家事アドバイザー

河野真希さん

2001年からWebを中心に各種メディアで暮らしに関する情報を発信。料理や家事、インテリアなど、気持ちのいい暮らしを実現するためのライフスタイル提案を行う。2016年から料理教室「つづくらす食堂」を主宰。簡単&時短でできるおいしい料理を教えている。

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目次

選ぶ前に知っておきたい卓上IHクッキングヒーターの魅力

まず最初に、卓上IHクッキングヒーターの魅力について河野さんに伺いました。

安全性が高く、高齢者や初心者にも使いやすい

卓上で鍋を楽しみたいときなど、これまではガスタイプのコンロが主流でしたが、近年では引火のリスクが少ない安全な卓上IHクッキングヒーターが選ばれることが増えています。
卓上IHクッキングヒーターには、鍋をのせずにスタートボタンを押しても加熱しない機能や、空焚きを防止する機能が搭載されている商品も多いため、高齢者や料理に慣れていない人にも使いやすいでしょう。また、カセットボンベを用意しなくていいというのも大きなメリットです。

卓上IHクッキングヒーターは、「ガスボンベ、あったっけ?」という心配がないのも魅力

ガスボンベが必要な卓上ガスコンロ(右)に比べ、卓上IHクッキングヒーターは、電源をつなげばすぐ使えるのも魅力

温度を一定にキープできるから、調理がラク

さらに、卓上ガスコンロと比べると、卓上IHクッキングヒーターは火力が安定しているのが大きな魅力。ガスコンロの場合、同じ温度をキープするには手動で火力を調節しなければならないことが多いですが、卓上IHクッキングヒーターは温度を一定にキープできるため、長時間同じ温度で煮たい料理や高温でカラッと揚げたいフライなどを作るときに便利です。おでんなどは味をしみ込ませるために長時間加熱しますが、温度をキープすることで煮崩れすることがほとんどなく、上手に仕上がります。

卓上IHクッキングヒーターなら、料理に適した火力のキープが可能

卓上IHクッキングヒーターなら、料理に適した火力のキープが可能

お手入れが簡単で、清潔に使える

使用後のお手入れが簡単なのも、卓上IHクッキングヒーターの特徴です。ガスコンロと違って五徳がなく平らなので、使用後すぐに水でしぼった布巾などで拭くだけできれいな状態をキープできます。
また、コンパクトなものも多く、使わないときは棚などにしまっておくことが可能。さらに持ち運びも簡単で、電源があればアウトドアでも活躍してくれる便利なアイテムです。

使用後は拭き取るだけできれいな状態をキープできる

使用後は拭き取るだけできれいな状態をキープできる

プロが教える卓上IHクッキングヒーターの選び方

調理メインで使うのか、お湯を沸かしたり、温めたりすることをメインで使うのか、用途によって必要な機能やスペックなども変わってきます。自分に合った卓上IHクッキングヒーターの選び方について、河野さんに教えていただきました。

「ご自分の用途に合わせて選ぶことがポイントです」

火力はワット数で決まる! 調理の時間を短縮したいなら1400W以上のものに注目

卓上IHクッキングヒーターは消費電力を表す「W(ワット)」数が高いほど、高火力を発揮します。現在販売されている卓上IHクッキングヒーターのW数は1000~1400W程度で、商品によって異なります。
「調理の時間を短縮したい」「高火力で一気に炒めたい、揚げたい」「卓上でゼロから鍋を作りたい」という場合は、1400W以上のものを選ぶのがベター。1400Wのものだと、強火で200℃くらいまで上がる機種も多いです。

今回、500mLの水が沸騰するまでの時間を最大1400Wの3機種で比べたところ、4分9秒~4分35秒という結果に。1400W以上であれば、500mLの水を5分もかからずに沸騰させられます。

500mLの水の沸騰時間を検証。写真の「T-fal フルフラットIH リーガルレッドIH2025JP」(1400W)は、もっとも速い4分9秒だった

一方、お湯を沸かす際それほど急がないという人や、ある程度キッチンで加熱調理を済ませ、卓上IHクッキングヒーターでは保温だけという使い方を考えている人は、1000~1200Wあれば十分でしょう。

また、最大1400Wの商品であっても、1000Wなど一定のW数にセーブできる機種もあります。消費電力が自動で抑えられるので、特に一人暮らしで他の家電と同時に使用するとブレーカーが落ちてしまう心配がある家では注目したい機能です。

1000Wを超えないように設定できるセーブ機能は、ブレーカーが落ちてしまわないか気になるときなどに便利

1000Wを超えないように設定できるセーブ機能は、ブレーカーが落ちてしまわないか気になるときなどに便利

ふだんの調理で使うなら、調理モードが充実しているものが便利

卓上IHクッキングヒーターを日常使いし、さまざまな調理をしたい場合には、調理モード(調理コース)が充実している商品がおすすめです。調理モードを選ぶと、温度を自動で設定してくれるので、火力を調整する手間が省けます。

調理モードの種類は商品によって違いますが、湯沸かし、煮込み、揚げ物などが代表的です。

例えば揚げ物モードは、150~200℃の近い温度に自動的に調節し一定に保ってくれるので、自分で火加減の調節をすることなく、カラッとした揚げ物が作れます。さらに、調理モードを選択後、10℃刻みなどで温度を細かく設定できる機種を選ぶと、食材に適した温度で調理できて便利です。

「煮る」「炒める」「揚げる」などの調理モード(調理コース)は、調理に慣れていない人にとっても便利な機能

その他、お米と水を鍋に入れるだけでごはんを炊き上げてくれる炊飯モードを搭載した機種もあります。調理に慣れていない人も、こういった調理モードが搭載されている機種を選べば、ストレスなく自炊ができます。

一方、お湯を沸かしたり、スープを温めたりする程度の使い方であれば、調理モードがなくても、必要最低限の加熱と保温機能があれば、事足りるでしょう。 機能が充実するとそれに伴い価格も上がるので、自分がどのように使いたいのか考えたうえで、選びましょう。

おしゃれなデザインや、収納性も要チェック

それほど違いがなかった卓上IHクッキングヒーターのデザインですが、最近では円型のものなど、そのまま置いておいてもキッチンになじむデザインのものも増えています。カラーバリエーションが豊富な機種もあるので、インテリアに合わせて選べば部屋にしっくりなじむでしょう。

見落としがちなのが、収納性です。卓上IHクッキングヒーターは比較的コンパクトなサイズなので、使わないときはキッチンキャビネットなどにしまっておくことができます。立てかけてOKのもの、薄型のものなどもあるので、自宅の収納スペースも考慮して選びましょう

薄型のものを選べば、わずかなすき間にも収納できる

薄型のものを選べば、わずかなすき間にも収納できる

卓上IHクッキングヒーターの選び方|ポイントまとめ

卓上IHクッキングヒーターは、用途に合った火力の出るW数、調理モードやデザイン性、収納性などをチェックして選びましょう。選び方のポイントをまとめました。

  • 時短目的や調理メインで使いたいなら、1400W以上のものがおすすめ。保温メインなら1000~1200Wあれば十分
  • 煮込み料理や揚げ物など、さまざまな調理をしたいなら、調理モード(調理コース)が充実したものが便利
  • キッチンインテリアや置き場所に合わせて、デザインや収納のしやすさもチェック

卓上IHクッキングヒーターを安全に使うポイントとお手入れ方法

安全に使うための注意点や、きれいに使うためのお手入れの仕方を河野さんに教えていただきました。

使用する鍋やフライパンはIH対応のものを選ぶ

鍋やフライパンは必ずIH対応のものを選びましょう。基本的に鉄、ホーロー、ステンレスはOK。アルミや銅、耐熱ガラスや土鍋、多層鍋はNGです。

鋳物ホーロー(写真左)や鉄ホーロー、ステンレスの鍋などが卓上IHクッキングヒーターで使用可能。土鍋(写真右)やアルミ鍋などは基本的には使えない

鋳物ホーロー(写真左)や鉄ホーロー、ステンレスの鍋などが卓上IHクッキングヒーターで使用可能。土鍋(写真右)やアルミ鍋などは基本的には使えない

鍋の形は、底の部分が平らでトッププレートに密着するものを使用するようにしましょう。底に反りがあったり丸みがあると安全機能が正しく働かなかったり、火力が弱くなったりするので注意が必要です。

IH対応かどうかわからない場合は、磁石を近づけてみてくっつけばOKです

IH対応の調理器具であれば、磁石がピタッとくっつく

IH対応の調理器具であれば、磁石がピタッとくっつく

本体の下に紙や布巾などを敷くのはNG。使用中は換気も忘れずに

卓上IHクッキングヒーターの場合、ガスコンロと違い本体から二酸化炭素が出ないため、空気が汚れにくいのが特徴です。とはいえ、調理中は水蒸気や油、におい成分などが飛散し、室内に残ります。使用中は忘れずに換気しましょう

火を使わず安全であっても、使用中のほったらかしは危険です。特に油を使った調理中は、目を離さないようにしてください。

また、テーブルや調理台を汚したくないなどの理由で、卓上IHクッキングヒーターの下に紙や布巾を敷く人がいますが、鍋の熱で敷いたものが焦げたり、発火したりするリスクがあるので、絶対にやめましょう

食卓で使うときに気をつけたいのが、コードに足などをひっかけてしまうこと。最近の商品はすぐに外れるマグネット式プラグが多いですが、鍋パーティーなどで話に夢中になり、そのまま席を立ったときなどは特に注意が必要です。

最近の商品はさっと外れるマグネット式プラグが主流だが、コードにひっかからないように注意したい

最近の商品はさっと外れるマグネット式プラグが主流だが、コードにひっかからないように注意したい

お手入れのコツは温かさが残るうちに拭くこと

卓上IHクッキングヒーターを使用した後は、水で絞った布巾で汚れを拭きましょう。油汚れの場合は、台所用洗剤を薄めた水で布巾を絞り、拭き取るようにしてください。

「トッププレートに少し温かさが残るうちに拭くと、汚れが落ちやすいですよ」と河野さん

トッププレートに少し温かさが残るうちに拭くと、汚れが落ちやすい

汚れがこびり付いてしまった場合には、まるめたラップにクリームタイプのクレンザーを付け、軽くこすれば、きれいにとれます。トッププレートの温かさが残るうちに拭くと汚れが落ちやすく、卓上IHクッキングヒーターをきれいに保てます。

こびりついた汚れは、ラップにクレンザーを付けて軽くこすれば、簡単に落ちる

卓上IHクッキングヒーターに関するよくある疑問 Q&A

卓上IHクッキングヒーターに関するよくある疑問について、河野さんに答えていただきました。

「卓上IHクッキングヒーターを使うと、料理の幅が広がります」

Q. 使い方のコツは?

A. 調理器具は振らないようにしましょう

ガス調理に慣れていると、炒め物などを作る際、ついフライパンを振ってしまいがち。しかし卓上IHクッキングヒーターは、鍋底をしっかりつけないと発熱しません。慣れないうちは、この点に特に気をつけましょう。また、使うたびに、汚れを拭き取るなど、ふだんのお手入れも忘れずに行ってください。

つい振ってしまいがちなフライパン。卓上IHクッキングヒーターで調理するときは要注意

つい振ってしまいがちなフライパン。卓上IHクッキングヒーターで調理するときは要注意

Q. 上手なしまい方は?

A. 安定感のある場所に、電源コードと一緒にしまいましょう

収納前に、熱が冷めたことを確認してから、重さに耐えられる安定感のある棚などに電源コードと一緒にしまいます。他の卓上IHクッキングヒーターや電化製品の上に置くのは避けてください。また、収納スペースに余裕がない場合は、スタンド付きのものを選ぶと、立てかけてしまえるので、スペースを節約できます。

電源コードはなくしやすいので、本体と常にセットで収納しておこう

電源コードはなくしやすいので、本体と常にセットで収納しておこう

Q. スクエア(四角)型とラウンド(丸)型の違いは?

A. スクエア型とラウンド型で機能の違いはありません
ただ、ラウンド型は角がない分、面積が小さくなる傾向があります。そのため、テーブルが小さい場合に便利でしょう。圧迫感も少なく、おしゃれなものが多いのも注目すべき点です。

卓上IHクッキングヒーターを小スペースで使いたい、個性的でおしゃれな1台がほしい、という人は、ラウンド型を検討してみるのも一案です。

まとめ

  • 卓上IHクッキングヒーターは、安全性が高く、火力が安定しており、お手入れもしやすいのが魅力
  • 調理メインで使いたいなら1400W以上保温メインなら1200Wがおすすめ
  • 調理モード(調理コース)が充実したものを選べば、さまざまな調理に使えて便利
  • 汚れは調理に影響するので、使うたびにお手入れをする
  • 大きさやデザインも豊富なので、置き場所に合ったものを選ぶ

今回は家事アドバイザーの河野さん監修のもと、卓上IHクッキングヒーターの選び方や使い方のコツなどを解説しました。この記事を参考に、使いやすい卓上IHクッキングヒーターを見つけてくださいね。

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