FEATURE
進化する整理収納術ともの選び
目指すは家事の効率性を追求したキッチン
日々の暮らしを自分らしく楽しむ人のキッチンを訪ねて、そのキッチンを構成するこだわりの愛用品を紹介してもらう「理想の台所の住人が選んだ、珠玉のキッチンツール図鑑」。
今回ご登場いただくのは整理収納コンサルタントの本多さおりさん。好きになれないと語る料理をいかに無理なく続けるか。そのために考えたどり着いたキッチンの姿とは。
整理収納コンサルタント
本多さおりさん
夫と長男、次男との4人暮らし。“生活重視、ラク優先”を掲げて片付けや収納を中心に、家づくり、子育て、無印良品などのテーマで執筆・発信を行う。あるものを生かしたシンプルで軽やかな考え方に定評がある。2021年からはオンライン収納相談も本格スタート。『無印良品と365日』(大和書房)、『旅は暮らしの深呼吸』(集英社クリエイティブ)ほか、著書多数。
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目次
自分のエネルギーを無駄にしない、譲れなかった横一列の導線
埼玉県内のマンションにお住まいの本多さんのご自宅は、中央の箱のような水回りスペースを囲むように生活機能が配置され、くるっと一周できる特別な間取り。半年以上かけてリノベーションで完成した洗面台、ランドリー、キッチン、ベランダの“横一列”の動線構造には、「時間も空間も、そして自分のエネルギーも無駄にしない」という本多さんの想いが込められていました。
「キッチンと洗面所などが横一列だと、水回りが一本になって掃除がとてもラクなんです。炊事と掃除・洗濯ってどうしても行ったり来たりが多いですよね。そこを通路も兼ねてつなげることで省スペースにもなり、家事の効率性が格段に上がりました。面倒くさがりなので、いかにアクションを減らせるかを常に意識しています(笑)」
最短距離の動線を手に入れることで、お子さんとの時間も増えたそう。
「前に住んでいた家は複雑な間取りで……子どもがまだ小さかったこともあり、牛乳をこぼされてキッチンにふきんを取りにいく、お代わりと言われて冷蔵庫まで取りに戻る、と何往復もするのが常でした。今の家に越してきてからはその手間もなくなり、時間に少し余裕ができた気がします」
暮らしをもっとラクに回していくためには、家事のモチベーションが上がるシステムづくりが必要と語る本多さん。ご自宅キッチンでは、大好きな植物をキッチン近くに置く、そして収納ケースをそろえる、といった工夫がされています。
「やる気だけでは限界があると思うんです。例えば自分の好きな植物が近くに見えると、もう少し頑張ってみようと思える。収納ケースのサイズや色をそろえることで秩序が生まれ整う、そうすると精神的なゆとりも生まれる。生活は続いていくものだから、無理なく家事を続けられる仕掛けづくりが大事だと思っています」
テーマは“ワンアクション”。本多さおりさん流キッチンのつくり方
“なるべく一つの動作で完結する”ように、ものを収納している本多さんのキッチンには、よどみなく家事のサイクルを回していく工夫がたくさん!
「私は右利きなので、1軍のアイテムをはじめ、つるしているミルクパンや収納しているお鍋も右側に置いています。いつでもぱっと取れる位置にものがあることで迷いなく手が伸び、時短はもちろん料理のモチベーションを上げるのにもつながります」
使う頻度が低いものたちはキッチン上の戸棚へ。よく使う食器はどこに何があるかふかんして把握したいためシンク下の引き出しに収納して、家事効率をアップ。
「料理を好きになることは諦めました(笑)。だけど、好きになれない家事でも続けていくために、収納方法を常に見直し、厳選したアイテムを置くようにしています」
本多さおりさんのキッチンをつくるアイテム図鑑
少しでも快適に家事をこなすために役立っている、本多さん愛用のアイテムを吟味してご紹介。常にアンテナを張って情報収集し、中には整理収納コンサルタントのお仕事上でお客様との会話から購入に至ったものも。買う前に、実際にお店に行って自分の目で確認するのが本多さんのこだわりです。
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デザインが素敵で印象に残っていたが、後になってプエブコのものと判明し購入。自立するので収納しやすく、乾くのも早い。
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ヨーグルトにのせるグラノーラなど、よく使うものを入れている。パッと見て残量がわかりやすいので詰め替えのタイミングも把握しやすい。
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4人分の卵を割ったり、合わせ調味料をつくったり、子どもが食べる混ぜご飯をつくったり……過不足ないサイズ感でいろいろな場面で活躍。
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つるし収納のため、デザインが良くてキッチンになじむものを探して購入。ゆで卵をつくったり、スープを温めたりと、文字どおりひっぱりだこ。
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菜箸よりトング派。子どもが好きな春雨スープをよくつくるので、具を取り分けやすい。食材を混ぜたり盛り付けるのにトングよりちょうどいいサイズ感。
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一番使っているキッチン用品! 電子レンジと食洗機対応、同じ向きだと収納の際に、縦横だと調理中にスペースを取らない。これに出会ってからボウルとざるを手放した。
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硬めの方を使用。カレーやミートソースの後の洗い物でスポンジを汚したくないとき、こびりついてしまったものを落とすときに役立っている。
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吸水力・速乾性が高く、水回りの掃除にぴったり。今まで綿のふきんを使っていたがもう戻れない。煮沸消毒でいつでも清潔に使えるのも高ポイント。
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今や一番使う食器。漆なのに食洗機対応可能で、シックな色味が食卓に変化を与えてくれる。軽くて扱いやすく、どんな料理にも合う使い勝手の良さが魅力。
毎朝のヨーグルトがこの一台で家計にも優しく、なくてはならない存在に
ヨーグルトを毎朝食べる本多家。家族全員が毎日食べるので、買い出しの頻度も多く、昨今の物価高で出費もかさんでしまっていたそう。
「ヨーグルトメーカーの存在自体は知っていたものの、なかなか購入に踏み切れずにいました」
そんな中、ヨーグルトメーカーを使っている友人からお薦めされたのが、背中を押されたきっかけ。
「牛乳パック1本分のヨーグルトをいただいたんですが、実際に食べてみたら、市販のものと遜色ないくらいおいしかったんです。まろやかで少しとろっとしていて……私が好きな生乳系のヨーグルトそのものでした。できたてはまったく酸味もなく、これなら!と思い購入に至りました。今ではなくてはならない存在です」
ビタントニオ
ヨーグルトメーカー
参考価格: ¥5,900(税込)
サイズ | 幅125×高さ280×奥行145mm |
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重さ | 810g |
牛乳パックをそのまま使える手軽さが長続きできる理由
牛乳パックに種菌(本多さんはドリンクタイプのR-1を使用)を入れて7時間待つだけで新鮮なヨーグルトが楽しめます。簡単で衛生的、そして何といってもこの手軽さが本多さんのお気に入りポイント。
「パックのままでヨーグルトができるので、容器がいらない点も気軽に続けられる理由の一つ。前日の夜に仕込むこともできるんですが、私は在宅で仕事をしているので、いつも朝につくり始めます。そうすると日中にできあがり、次の日の朝冷たいヨーグルトがすぐ食べられる。2、3日おきの間隔でつくっています」
収納に困らないコンパクトさ。見やすい液晶表示で操作も簡単
ヨーグルトメーカー購入に踏み切れなかった理由の一つが、置く場所の問題だったそう。新しい家電を導入する際に誰もが一度は思いを巡らすことですが、ビタントニオのヨーグルトメーカーは縦型スリムで省スペース。ちょっとした隙間にすっきり収まるサイズ感です。
「想像していたよりずっとコンパクトでした。デザインがシンプルなのがいいですね。ポンと置いてあっても空間になじみます」
液晶表示も見やすく、メニューボタンで簡単に操作できるので、広いスペースも不要。本多さんのキッチンでの居場所は、毎朝のヨーグルトにのせるトッピングたちと一緒のスペースに。
不便さも味方につける、機転を利かせて家事の助けに
取り出しやすく、片付けやすいをモットーにキッチンアイテムを収納している本多さん。
使う場所の近くに収納場所を設ける、使う頻度が多いものほど取り出しやすいところに置く、ということを大切にしています。実際にキッチン台のすぐ後ろには収納棚が。いちいち移動せずに、振り返るだけで必要なものに手が届く。そんな効率の良さを日々改善しながら追求しています。
収納スペースが足りない、という悩みをお客様からもよく相談されるそうですが、機転を利かすことでうまく狭さを利用できることもあるそう。
「4人家族にはややコンパクトな我が家。狭いというのは一見不便に思えますが、どこにでもアクセスしやすいという面もあります。空間づくりや収納の配置を味方につけると家事の助けになってくれるんです」
変わりゆく生活に呼応して、進化し続けるキッチン
完璧と言っても過言ではないほど整理整頓が行き届いているキッチンですが、「完成、という状態には今後もならない」と本多さんは語ります。
「暮らしは変わっていくので、それに応じてアップデートする必要があると思っています。キッチンはまさに私にとって試行錯誤を繰り返す実験場所のようなところ。最近だと、鍋のふたの収納を更新しました。100円ショップのDIYツールで、倒さずに置けるようになりました。小さな変化ですが、それで確実にストレスが減ったんです」
もっとシンプルに、もっと生活をラクに。
本多さんのキッチンは、心地よい暮らしを続けていく工夫にあふれていました。