【2023年】男性向けおすすめ育毛剤8選！毛髪診断士が薄毛に効果的な選び方を解説

「最近抜け毛の多さが気になり、そろそろ育毛剤を使うべきか考えている」
「市販で購入できる育毛剤でおすすめの製品は？ どのぐらいで効果が感じられる？」

薄毛の悩みは珍しいことではありません。日本人男性の多くは、年齢とともに薄毛を気にし始めますし、近年では女性の薄毛も増えています。抜け毛や薄毛対策として、真っ先に思い付くのが育毛剤。髪の悩みを解消できるような、自分に合った育毛剤はどのように見つければいいのでしょうか。

この記事では、薄毛に悩む男性のための美容室を経営し、毛髪診断士やヘアケアマイスターの資格をもつ栗田卓弥さんに育毛剤と発毛剤の違いなどの基本的な知識から、有効な育毛成分、選び方のポイントなどを伺いました。

あわせて、your SELECT.編集部がピックアップしたおすすめの育毛剤8選（発毛剤2選含む）も紹介します。

男性にとって、頭髪事情は身近で気になるテーマ。年齢を重ねるにつれて、誰もが悩まされるのに、意外と基本的な知識は知られていないようです。自分の頭髪・頭皮の悩みに適した育毛剤を見つけるためにも、まずは薄毛になってしまう仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

「自分に合う育毛剤を見つけるために、自分の頭皮事情を正確に把握しましょう」と語る栗田さん

なぜ薄毛になってしまうのか？

抜け毛や薄毛の原因は、必ずしもAGA（男性型脱毛症）ばかりとは限りません。
そもそも髪の毛には寿命があり、成長期→退行期→休止期がセットになった毛周期（ヘアサイクル）をひと巡りしながら、日々発毛と脱毛を繰り返しているので、1日あたり50～100本程度の毛が抜けるのは自然現象です。

しかし、ヘアサイクルが乱れると成長期の期間が短くなって、毛髪が十分に育つ前に抜けてしまったり、休止期が長くなってしまうことで薄毛へとつながります。

頭皮環境が良好であれば、髪は2～6年間ほど成長し続けます。しかし、何らかの原因で髪の成長が妨げられるとヘアサイクルが乱れ、髪は十分に成長しないまま退行期に移行し、短期間で抜けてしまったり、休止期が長くなって薄毛へとつながってしまうのです。

成長期には毛穴の奥にある毛母細胞の働きで新しい髪の毛が生成され、1日あたり0.3〜0.4mmほど伸び続けます。成長のピークが過ぎると退行期に入り、細胞の働きが弱まり、やがて髪の成長が完全に止まると数ヶ月の休止期を経て、古い髪の毛は自然に抜けます。

ヘアサイクルの乱れにつながる危険な生活習慣

ヘアサイクルが乱れる元凶は、髪の毛を育てる細胞の働きが妨げられてしまうこと。その原因はさまざまありますが、中でも血行不良は髪の毛の成長に必要な酸素や栄養を届けることができなくなるため、抜け毛や薄毛につながる影響は大きいでしょう。血行不良を招いて、ヘアサイクルの乱れにつながりやすい生活習慣をチェックしてみましょう。

喫煙	たばこに含まれるニコチンの影響で動脈が収縮し、血流が悪くなる
慢性的な運動不足	運動不足は筋肉の働きの低下を招きます。筋肉は血液を押し流すポンプの役割をしているため、血液を流す力が弱まり、血行不良につながる
バランスの悪い食生活	偏食や過度のダイエット、脂質の多い食べ物の摂りすぎなどを続けていると、血液がドロドロになって流れが悪くなる
ストレス	ストレスが蓄積すると自律神経のバランスが乱れて、体を休める副交感神経がうまく働かなくなり、睡眠不足や血行不良などの体調不良を招く
睡眠不足	髪の毛を伸ばすための成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が妨げられる
頭皮の汗や皮脂	汗や分泌された皮脂の汚れが残ったままだと、毛穴が詰まったり、フケやかゆみなどの原因になったりして頭皮環境が悪化する

また、生活習慣に加えて、紫外線や乾燥など環境的な要因による頭皮ダメージもあります。特に夏に紫外線の影響などで頭皮がダメージを受けた後の秋は、抜け毛が増えやすくなる傾向があります。

こうした日々の生活習慣から来るヘアサイクルの乱れは、一時的な現象なので、根本原因が改善されれば元に戻ります。

ただし、動脈硬化などの血管系の疾患やAGAによる抜け毛の場合は、医療的な判断が必要です。生活習慣を改善したり、育毛剤などで頭皮環境を良くしても、抜け毛が続くようであれば、医療機関に相談することを考えましょう。

育毛剤、発毛剤、養毛剤の違い

「抜け毛の悩みに効く」とうたわれる育毛ケア製品には、育毛剤、発毛剤、養毛剤など、さまざまな種類があります。どれも同じようなものと混同されがちですが、実は明確な違いがあります。

育毛剤は、抜け毛の防止や原因の抑制などを目的とした「医薬部外品」です。
製品名に「薬用」とうたわれていることもありますが、治療を目的としたものではないので、医薬品の発毛剤よりは作用は弱いです。

発毛剤は、「外用薬」に分類される医薬品です。育毛剤と養毛剤には明確な言葉の定義がないので混同されがちですが、「医薬部外品」と明記されている場合は「育毛効果」に働きかける有効成分が含まれています。医薬部外品と明記されていない化粧品も全成分の表示が義務付けられていますので、代表的な成分を確認することでどのような効果を狙っているのか判別できます。

育毛剤に含まれる有効成分の働き

市販されている育毛剤は種類が豊富で、製品によって含まれている成分が異なります。臨床試験により毛髪に作用する効果が確認された推奨成分（※）が含まれている育毛剤もあります。

※日本皮膚科学会ガイドライン「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」

配合されている有効成分の働きは、大きく分けると次の2つに分類されます。

【発毛促進】 髪の成長を助ける有効成分

血行を良くして毛根まで栄養を届け、毛母細胞の活性化を促すことを目的とした成分です。

★はAGA診療ガイドラインで推奨度C1以上の評価を受けた成分、※は発毛剤にも含まれる医薬成分

【頭皮環境改善】毛が育ちやすい頭皮にする有効成分

頭皮環境を整えるためには、皮脂が出すぎないように抑制したり、頭皮の保湿や抗菌、抗酸化作用をもつ成分が有効です。

有効成分がもたらす働き	代表的な有効成分
皮脂の分泌を抑制	・ピリドキシン塩酸塩（ピリドキシンHCI） ・アスコルビン酸（ビタミンC）　など
潤いを与える（保湿）	・リデンシル（セイヨウアカマツ球果エキス、チャ葉エキスなどの天然成分を複合した成分） ・加水分解F-フコイダン　など
皮膚の炎症を抑える	・グリチルリチン酸ジカリウム（グリチルリチン酸2K） ・ビワ葉エキス ・ジフェンヒドラミン塩酸塩（ジフェンヒドラミンHCI）など
菌の繁殖を防止する	・ヒノキチオール ・ボタンエキス　など
髪に栄養を与える	・ビオチン ・メチオニン　など
頭皮の調子を整える	・酢酸トコフェロール ・トコフェロール（ビタミンE） ・プラセンタエキス　など
清涼感を与える	・L-メントール

残念ながら、誰でも等しく良い効果が出る万能な育毛剤は存在しません。
育毛剤に使用されている成分は100種類以上あり、どの有効成分が自分に合うかは試してみるまではわかりません。まずは、自分の頭皮の状態を把握して補いたい成分の入った育毛剤を選びましょう。

まずは頭皮の状態を把握する

自分の頭皮の状態を把握するために、セルフチェックをしてみましょう。
当てはまる項目が多いほど、頭皮環境が悪く、抜け毛や薄毛が進行しやすくなっています。

→これらの症状がある人は、発毛促進効果のある成分の入った育毛剤をチェック

→これらの症状がある人は、頭皮環境を改善する成分の入った育毛剤をチェック

育毛成分で選ぶ

今の自分の頭皮環境を把握して、どのような育毛ケアが必要なのかを把握したら、自分に合う育毛剤を選びましょう。おもな手がかりになるのは、製品の裏に記載されている育毛成分です。

成分一覧は配合量の多い順に記載されているので、補いたい有効成分を確認

ただ、育毛の有効成分は次々と見つかっていて、各メーカーが独自に配合した成分もあります。医学的な治験を経て効果が認められた医薬成分ではない場合もあるので、どの程度有効に作用するか、試して様子を見ながら確認することが大切です。

おもに生活習慣の乱れやストレスなどで抜け毛が増えているような場合は、生活習慣を見直して、ダメージを受けた頭皮をケアするだけで改善することもあります。一方、さまざまな原因で頭皮環境が悪化している場合は、評判が良いものを使っても満足のいく効果を感じられないこともあります。

6ヶ月から1年程度続けても効果が感じられない場合は、別の成分が入った製品を試すようにした方がいいでしょう。

なお、発毛効果が高いと期待されている「ミノキシジル」は医薬成分で、おもに「発毛剤」に含まれています。市販の発毛剤はほとんどが「第1類医薬品」に分類されているので、治療効果は高いものの、副作用の危険性もあることを理解したうえで使用するようにしましょう。

使いやすさで選ぶ

育毛剤の多くは液状で、頭皮に塗布するための容器別に3タイプに分かれます。

もっとも一般的なのがノズルタイプで、多くの育毛剤がこのタイプです。スプレー（エアゾール）タイプは噴射範囲が狭いので狙いをつけやすく、シュッと吹きかけるだけなので初心者にも扱いやすいタイプ。ミストタイプはスプレータイプよりも噴射力が弱く、広範囲に飛ぶため、しっかりと髪をかき分けて塗布しないと、地肌に届かず髪の表面についてしまうので要注意です。

育毛剤の多くは、有効成分をいくつも配合することで、複合的な効果を狙っています。ここでは、メーカーが独自に開発したり、特徴的な成分によって分類しながら紹介します。

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• 髪の成長を促す育毛剤のおすすめ4選
• 頭皮ケア成分配合の頭皮環境を整える育毛剤のおすすめ2選
• 育毛剤から先に進みたい人向けの発毛剤のおすすめ2選

髪の成長を促す育毛剤のおすすめ4選

毛母細胞を活性化したり、血行を促進するなど、髪の成長を促す成分が配合された育毛剤のおすすめ4選です。

リデンシルには、毛髪をつくり出す働きがある有効成分。毛髪を休止期に進行させてしまう物質の放出を抑制して、抜け毛を防止。さらに、ペブプロミンα（有効成分のヒオウギエキス、ビワ葉エキス、ボタンエキスを混合した成分）という独自のスカルプ成分が頭皮の環境を整えます。

独自成分のバイオポリリン酸は、加工食品などにも用いられる酵母エキスの一種で、もともと体内に存在して、タンパク質に結びついて細胞を再生したり活性化を促す成分である「ポリリン酸」の浸透力や効果を高めたもの。育毛剤に配合することで、有効成分の働きを高めて頭皮の環境を整えます。

香料や着色料、パラベンなどが含まれない無添加育毛剤なので、敏感肌・乾燥肌の人にもおすすめ。

アデノシンはもともとは体内にあり、血管を拡張して血行促進させるとともに、毛母細胞を活性化して発毛を促進させ、ヘアサイクルの成長期を長くする効果がある成分。日本皮膚科学会ガイドラインでも男性に対する発毛効果の有用性が示され、効果が期待されています。整髪料などと併用してもニオイがまざらない無香料タイプ。

有効成分のt-フラバノンを配合。髪の毛が退行期、休止期に向かおうとする働きを抑えることで、髪の毛の成長期を長く維持できる効果が働きます。抗炎症作用、血行促進作用のある有効成分も配合。

ドラッグストアなどでも販売されているので手に入りやすく、育毛剤のお試しをしやすい一品です。

頭皮ケア成分配合の頭皮環境を整える育毛剤のおすすめ2選

頭皮をケアする有効成分が含まれ、トラブルの起きにくい頭皮環境に整えるための育毛剤のおすすめ2選です。

白髪と育毛を同時ケアするハイブリッド育毛剤。育毛を促すと同時に、抗炎症、皮脂コントロールなどの作用でトラブルの起きにくい頭皮環境づくりをサポートします。ホルモンに作用するような成分は含まれていないので、男性でも女性でも安心して使えます。

CTP（6-ベンジルアミノプリン）は、本来は植物の成長を刺激する効果があると園芸などで利用されてきたものですが、近年になってヒトの毛母細胞を活性化する働きも認められた成分です。CTPの効果を高めるために、C-17（豆乳発酵液、マテ茶エキス、チンピエキス）を配合して保湿効果をアップ。頭皮環境を整えて、ハリ、コシのある髪を育みます。

育毛剤から先に進みたい人向けの発毛剤のおすすめ2選

継続して育毛剤を使っているのに満足できる効果が感じられない場合は、発毛剤を検討してもいいかもしれません。臨床試験で発毛効果が認められている「ミノキシジル」を配合した発毛剤を紹介します。

シャンプーの研究を通じて頭皮環境を改善してきたスカルプDから登場した発毛剤。高濃度のミノキシジルに加えて、皮脂の過剰分泌を抑制する「ピリドキシン塩酸塩」、血行促進作用のある「トコフェロール酢酸エステル」、頭皮のかゆみを抑える「L-メントール」を配合。ノズル部分にクッション性の高い「クッションラバーヘッド」を採用しているので、頭皮への当たりがやわらかい。

抜けにくく、強く、太い髪の発毛を目指した発毛剤。フケやかゆみの原因を抑制して頭皮環境を整える6種の有効成分を配合することで、ミノキシジルの効果を後押ししています。液だれを防いで、自然と適量が塗布できるように工夫された独自容器はつけすぎ防止にも有効。1日2回、4ヶ月の継続使用が推奨されています。

育毛剤の有効成分を効果的に働かせるための、一般的なポイントを紹介します。具体的な用量や用法、使用感は製品ごとに異なるので、製品の裏面や説明書などに記載されている指示に従ってください。

育毛剤はたくさん使えば早く効果が出るわけではありません。むしろ頭皮に余計な刺激を与えることで逆効果になってしまう可能性も。有効成分がもっとも効果的に働くように用量や用法が決められているので、商品の裏書きや説明書をきちんと読んで決められた用法、用量を守って使用することが大切です。

育毛剤を使用するにあたって、気になる疑問を栗田さんにお答えいただきました。

「育毛は焦らずに、時間をかけて取り組むことが大切」と語る栗田さん

Q. なかなか効果が出ないときは？

A. 早く効果を出したい気持ちはわかりますが、焦らないことです。毛を育むには時間がかかるので、自分に合った育毛剤に巡り合えたとしても効果はすぐには表れません。成長期の髪の毛が1日に伸びる長さは0.3～0.4mm程度。1ヶ月でも約1cmしか変化しないので気がつきにくいのです。1年ほどたてば、効果を判断できるようになるので、それまでは辛抱強く使い続けることが大切です。

Q. 価格の高い育毛剤と 高コスパの安い育毛剤は効果が違う？

A. 値段が高い製品には高価な成分が含まれているので期待が高まりますが、果たしてその成分が自分に合うかどうかは別の話です。育毛剤で大切なのは、自分の体質、頭皮の状態に合う製品を使うこと。値段よりも、自分の体質に合うかどうかを優先して選ぶことをおすすめします。

Q. 育毛剤以外でできる薄毛予防は？

A. AGAではない薄毛であれば、髪の毛が育ちやすい頭皮環境にすることで、薄毛は改善しやすくなります。「抜け毛や薄毛につながる危険な生活習慣」を避けて健康的な生活を心がけ、血行を促進させましょう。体が健康であれば、髪の毛の細胞も元気になります。気になるほどのフケやかゆみがあるなら、育毛用のシャンプーを併用して、頭皮環境を整えることも有効です。
AGAによる薄毛の場合は治療が必要になりますので、医療機関に相談することをおすすめします。

Q. 育毛剤の注意点は？

A. 効果が感じられないと焦って短期間で育毛剤を次々と変えてみたり、複数の育毛剤を合わせて使ったりすると、頭皮への過度な刺激で逆効果になる可能性もあります。決められた用法・用量を守って、コツコツと使い続けるようにしてください。簡単なことのようですが、案外と途中で投げ出してしまう人が多いのです。

自己判断で使ったりやめたりを繰り返すのも、いい結果は生みません。「育毛剤をやめたら、逆に薄毛がひどくなった」という声もありますが、それは、育毛剤の副作用というわけではなく、育毛剤の効果がなくなって徐々に育毛剤を使う前の状態に戻ってしまうため、悪化したように見えてしまうことが多いです。

Q. 男性用と女性用育毛剤の違いは？

A. 女性は加齢により女性ホルモン（エストロゲン）の分泌が減少すると、髪のハリやツヤ、潤いなどが不足しがちになります。女性用の育毛剤には、それを補うような成分が含まれています。

頭皮環境を整える成分は男女ともに使えますが、男性ホルモンに作用する成分が含まれている育毛剤は、女性に使うことは認められていません。育毛剤を使いたい女性は「男女兼用」または「女性向け」を明記した製品を選んだ方が安心でしょう。

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医薬部外品である育毛剤に使われている有効成分は120種類以上あり、どの成分が有効に働くかは使ってみないとわかりません。まずは自分の頭皮の状態や肌質を知り、自分に合った製品を選ぶようにすることが大切です。

髪が育つには時間がかかるので、少なくとも6ヶ月、できれば1年程度は使い続けるようにして、長い目で判断することをおすすめします。