【2023年】市販のおすすめ歯ブラシ12選！歯科医師が虫歯、歯周病など悩み別に選び方を解説

「大きさ、硬さ、形状などたくさん種類があるけどどれがおすすめ？」
「自分に合う歯ブラシはどれ？」

日常生活の中で、欠かせない歯磨き。しかし、「何となく選んで、何となく使っている」という人も多いのではないでしょうか。
各メーカーからたくさんの歯ブラシが出ていますが、自分の口に合っていない歯ブラシを使っていると、歯や歯茎を傷つけたり、磨き残しが多くなってしまったりして、口内トラブルが悪化してしまうことも。

この記事では、現役歯科医師の阿部洋太郎先生監修のもと、歯ブラシの種類や形状、歯やお口の悩みに合わせた選び方まで徹底解説します。

虫歯や歯周病を予防したい、歯茎トラブルが気になるといった悩み別のおすすめ歯ブラシも、編集部が厳選して12選紹介しますので、あわせて参考にしてください。

注1 アマゾンのみの価格、他サイトは264円/本～になります。
※2023年2月17日時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので、商品販売サイトでご確認ください。

そもそも歯ブラシについて、どんな種類や違いがあるのかよく知らないという人も多いと思います。最初に、歯ブラシについて押さえておきたい基本の種類や特徴を阿部先生にお聞きしました。

歯ブラシの部位ごとの種類

歯ブラシは部位ごとに名前があり、「ネック」「ハンドル」「ヘッド」の部分に分かれていて、ヘッド部分にあるブラシの毛についても「硬さ」「形」など、さまざまなタイプがあります。それぞれの特徴やメリット・デメリットを以下にまとめてみました。

ネック

歯ブラシのネックはおもにストレート、カーブと2種類ありますが、基本的にストレートがおすすめ。奥まで入りやすく、歯の表面に対して垂直に毛が当たるので、汚れを効率よく落とせます。

ハンドル

ハンドルも細めと太めの2種類。ペングリップで握りやすい細めがおすすめですが、手の大きさや握力に合わせて選びましょう。

ヘッド

　

ヘッドの大きさは3種類ありますが、おすすめは「コンパクトサイズ」。奥まで届きやすく、歯の1本1本を細かく磨けます。特に歯並びが悪い人は、歯が生えている角度に合わせて細かく磨ける小さめのものを選びましょう。

歯ブラシの毛の硬さは、JIS規格で決められていて「やわらかめ」「ふつう」「かため」の3パターンで表示されます。歯茎が健康な人は、一般的な硬さで汚れを落としやすい「ふつう」、歯肉炎や知覚過敏の人、歯茎が弱くなっている人は「やわらかめ」を選ぶようにしましょう。「かため」は力を入れて磨いてしまうと歯や歯茎を傷つける可能性があるので避けた方がいいでしょう。

毛の面の形状は、一般的な形状の「フラット」タイプがおすすめです。広い面を一度に磨け、均等に力が加えられるので効率よく汚れを落としてくれます。

毛先の形状はおもに、毛先が丸く歯や歯茎にやさしい「ラウンド」、毛先が先端に向かって細くなっていて歯周ポケットに届きやすい「テーパード」があります。また、短いラウンド毛と細長いテーパード毛が植えられている「二段植毛」もあり、2種類の毛のいいとこどりの形状としてここ数年増えています。

ここまで紹介した歯ブラシの種類や特徴をふまえて、歯ブラシを実際に選ぶ際のポイントを阿部先生に解説してもらいます。悩み別に紹介していきますので、今の自分の歯や口内の状態に合わせてチェックしてみてください。

虫歯の兆候や歯茎の健康状態など、自分の口内がどんな状態かを知ることが歯ブラシ選びの第一歩

歯垢をしっかり落として虫歯を予防したい人

虫歯の原因となるのは歯垢（しこう・プラーク）です。この歯垢をしっかり落とすには、やわらかい毛よりも、ある程度コシのある「ふつう」の硬さの毛の方が効率よく除去できます。毛先の形状はラウンドのものか、歯周病もあわせて予防したいという人は二段植毛のものを選ぶといいでしょう。

歯周病を予防したい人

歯周病は、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットに侵入した菌が歯茎に炎症を起こしたり、歯を支えている骨を溶かしてしまう病気。歯周病の予防には、歯と歯茎の間を意識してブラッシングすることが大切です。そのため、歯茎を傷つけにくい「ふつう」や「やわらかめ」の毛で、毛先が歯周ポケットにも届きやすいテーパードや二段植毛のものを選ぶのがおすすめです。

歯茎にトラブルがある人

歯茎の腫れや出血がある人や加齢によって歯茎が下がっていたり弱くなっているという人は、歯茎を傷つけにくい「やわらかめ」の毛を選ぶのがいいでしょう。毛先はテーパードのものを選んで、やさしくブラッシングするのがおすすめです。

ここまでの歯ブラシを選ぶポイントをふまえて、編集部がピックアップした、悩み別のおすすめ商品を紹介していきます。

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• 虫歯予防向け歯ブラシ
• 歯周病予防向け歯ブラシ
• 歯茎にトラブルがある人向けの歯ブラシ
• 【番外編】赤ちゃん・子ども向けの歯ブラシ

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虫歯予防向け歯ブラシ

まずは、虫歯予防におすすめの市販の歯ブラシをピックアップして紹介します。

女性や10代におすすめのコンパクトヘッドの歯ブラシ。先端はワンタフト形状の「先端集中毛」になっていて、奥歯の奥など届きにくい箇所のポイント磨きに最適。また、先端から3列目以降の毛は長いラウンド毛と短いラウンド毛を混合させた「段差植毛」で、歯の表面から歯間部までしっかり磨けます。

女性の小さな口に合うように設計された歯ブラシ。薄くてコンパクトなヘッドとロングネックでムリなく口の奥まで届きます。ブラシの毛先は1本1本が細かく分かれている「ミラクル毛」。歯表面の凹凸にフィットしやすく、ミクロの汚れをやさしくからめ取ってくれます。

歯垢を落とすことにこだわってつくられた歯科専用の歯ブラシ。密度の高い毛束やコシがあって開きにくい毛を採用しているので、しっかり汚れをキャッチして落とします。毛の硬さが6種類あり、自分の歯や歯茎の状態に合わせて細かく選べるのも魅力。

歯周病予防向け歯ブラシ

歯周病予防におすすめの市販の歯ブラシをピックアップして紹介します。

幅14.9mmの幅広ヘッドにすることで、細かいブラッシングができなくても簡単に効率よく磨けるようにつくられた歯ブラシ。「超先細毛」と「フラット毛」を使い、歯面から歯周ポケットの汚れまでしっかり届くほか、歯茎に当たる外側はソフト毛を植え、内側は歯面や歯茎との境目をしっかり磨けるハード毛を植えているのも特徴。太めのハンドルで高齢者も使いやすい設計です。

デンタルプロ独自開発の「黒の特殊毛」と「フッ素配合ダイヤ毛」を使用し、ツルツルの磨き上りを追求した歯ブラシです。歯周ポケットに届きやすい超極細毛タイプで歯周ケアにおすすめ。4つの角をもつダイヤ毛が奥歯の取れにくい歯垢までしっかり除去してくれます。

システマシリーズから出ている歯周病ケア用の歯ブラシ。奥に届きやすい薄型ヘッドで、歯周ポケットにしっかり入り込む超極細毛が、歯垢や汚れをかき出してくれます。しっかり毛腰タイプは弾力が強い二重芯構造の超極細毛を採用していて、磨き心地にもこだわっています。

歯茎にトラブルがある人向けの歯ブラシ

歯茎が腫れていたり出血がある、歯茎が弱っているといった人におすすめの歯ブラシを紹介します。

知覚過敏の人のために開発された歯ブラシ。毛先が細くやわらかい「極細シルキー毛」で、敏感な歯と歯茎をやさしく磨けるので、知覚過敏だけでなく歯茎にトラブルがある人にもおすすめ。弾力あるネックになっているので力が入りすぎず、やさしいタッチで磨けます。

スイス生まれのオーラルケアブランド・クラプロックスの歯ブラシ。先端が丸く加工されている直径0.1mmの超極細毛と5460本の圧倒的な植毛本数で歯茎を傷めることなく磨けます。高密度の植毛で、歯と歯茎の境目なども効果的にブラッシングできるのが特徴。歯垢の除去と歯茎ケアを両立できる歯ブラシです。

歯茎下がりの原因にもなる強すぎるブラッシングを防ぐために、力の入れすぎを「カチッ」という音で知らせてくれる歯ブラシです。しなるハンドルで余分な力を逃がしてくれるので、適正なブラッシング圧に自然と導いてくれます。2.6mmの極薄ヘッドで、奥歯まで届きやすいのも魅力です。

【番外編】赤ちゃん・子ども向けの歯ブラシ

最後に、子どもの口に合わせた小さめサイズの歯ブラシや歯磨きトレーニング中でも持ちやすい歯ブラシなどをピックアップして紹介します。

虫歯や歯肉炎になりにくい口腔（こうくう）環境を整えるガムのこどもシリーズの歯ブラシ。人間工学に基づくこどもが握りやすいパームグリップ（手のひらで握るタイプ）のハンドルで、お子さんの使いやすさを追求。ミッフィーと一緒に楽しくブラッシングできます。

小さめのヘッドながら、毛の密度が高いので歯をしっかり捉えて効果的に汚れが落とせます。大人が持ちやすい長めのハンドルで、子どもが磨き残した部分の仕上げ磨きがしやすい設計。1本1本の毛先をなめらかにカットしたタフトというタイプの毛先で、やさしく磨けます。

子どもの歯磨きトレーニング用と仕上げ磨き用の2本がセットになった歯ブラシ。トレーニング用の歯ブラシには「のどつき防止安全カバー」が付いています。仕上げ磨き用の歯ブラシは小さいヘッドで口の中が見やすく、どんな角度でも磨きやすいペンシルハンドルです。

最後に、歯磨きのコツや歯ブラシのメンテナンス方法などについて阿部先生にお聞きしました。

正しいブラッシングを習慣化することが、将来の口の健康を守ることにつながります

Q. 歯磨きのコツを教えてください

A.まずは力が入りすぎないように握ることが大切です。鉛筆持ちといわれる「ペングリップ」の持ち方が、余計な力が入りにくいのでおすすめです。歯磨きのコツとしては、磨き残しがちな所を意識して磨くことですね。奥歯の奥や歯の溝、歯間部、歯茎のきわ、歯周ポケット、歯の裏側などがよく磨き残しのある箇所ですが、自分の歯磨きのクセによって変わってきます。一度歯科クリニックで、自分がどんな箇所が磨けていないかをチェックしてもらうといいですよ。

Q. 歯磨きは何分くらいすればいい？

A.全ての歯1本1本をていねいに磨くには10分ほどかかります。できればこのくらいしっかり時間を取って歯を磨く習慣をつけてほしいですね。テレビを見ながらやお風呂につかりながら磨くと時間を取りやすいと思います。

Q. 歯ブラシの買い替えのタイミングは？

A.一般的に1ヶ月が交換の目安といわれていますが、毛の硬さや形状、素材によって耐久性が変わってきます。例えば、毛がやわらかめで毛先が極細（テーパード）になっている歯ブラシは、毛が硬めのものよりも早く劣化します。やわらかめのものや毛先が細い歯ブラシは2週間程度で交換するのをおすすめします。

Q. 歯ブラシの保管方法は？

A.使い終わった後の歯ブラシはしっかり水ですすいで、毛の根元などに汚れや歯磨き粉などが残らないように洗いましょう。ぬれたままだと細菌が繁殖しやすくなるので、保管する際にはきちんと乾燥させることが大切です。また、家族みんなの歯ブラシを同じコップに立てているという人もいますが、他の歯ブラシのヘッド部分がふれることも不衛生。風通しのいい場所で1本1本離して保管しましょう。

Q. 歯ブラシより電動歯ブラシの方がおすすめ？

A.同じ時間磨いたときに清掃効率が高いのはやはり電動歯ブラシです。細かく手を動かさなくても誰でも簡単に歯垢が落とせるというメリットがあると思います。ただし、歯と歯の間が磨きにくかったり、研磨剤入りの歯磨き粉を使ってしまうと歯をすり減らし傷つけることもあるので注意が必要です。例えば忙しい朝には、短い時間で効率よく磨ける電動歯ブラシを使い、夜は時間をかけてブラッシングするなど、使い分けをするといいと思います。

Q. 歯磨き粉選びも大事？

A.もちろん歯磨きの効果を高めるには、歯磨き粉選びも大切です。歯ブラシにも、虫歯予防向き、歯周病予防向きといったタイプがあるように、歯磨き粉もそれぞれの悩みや目的に合わせてさまざまな成分を配合しています。その成分をしっかり働かせるためにも、目的に合った歯ブラシと歯磨き粉を選ぶことが大切です。また、電動歯ブラシには研磨剤の入っていないものやジェルタイプなどの電動歯ブラシ専用の歯磨き粉が出ているので、そういったものを使うようにしましょう。

虫歯予防の歯ブラシに虫歯予防に効果的な成分入りの歯磨き粉を使うことで相乗効果が生まれます

Q. 矯正中に歯ブラシを選ぶうえで注意点はある？

A.矯正装置の種類や状況によってまったく清掃方法が違うため、通院している歯医者で指導を受けたうえでブラシ選びも方法も考える必要があります。ワイヤー矯正は硬い歯ブラシでは凹凸面に対応できないので向きません。小さなヘッドの歯ブラシやタフトブラシを用いることや、毛束のやわらかい歯ブラシや歯間ブラシを用いるように指導されることも多いと思います。

Q. 歯間ブラシは使った方が良いの？

A. 歯と歯の間（歯間部）に隙間のない歯並びや状態であれば歯間ブラシでなくてもデンタルフロスでキレイに清掃できることが多いです。歯間部に隙間がある場合や歯肉の退縮があるケースではデンタルフロスだけでは歯間部を十分に清掃しにくいため、歯間ブラシを併用するのが効果的です。ただし、太すぎる歯間ブラシを用いると歯間ブラシの中心部のワイヤーが歯や歯肉を傷つけてしまうため、歯間ブラシのサイズ選びや使用方法については正しい知識を確認する必要があります。

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どれを買おうか迷ったときは売れ筋ランキングを参考にしてみてもよいでしょう。

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いかがでしたか？ ドラッグストアにずらっと並んでいる歯ブラシ一つ一つにも、大きさや毛の硬さ、毛先の形状などさまざまな違いがあることがわかったと思います。

たくさんの歯ブラシの中から自分に合ったアイテムを見つけるには、今の歯の状態や口内トラブルをしっかり把握することが大事になってくるので、まずは歯科クリニックで歯並びや歯の状態、磨き残しがちな箇所を調べてもらうのがおすすめです。
専門家のアドバイスをもらったうえで、自分に合ったヘッドの大きさや毛先のタイプを選んでいくと、ピッタリなものが見つかりますよ。

ぜひ今回紹介した歯ブラシ選びのポイントを参考にして、毎日の歯磨きに役立ててください。