マルチポットのおすすめ10選！料理研究家が商品の選び方や使用時の注意点を詳しく解説

「マルチポットはどの商品も見た目が似ていて、どれを選べばいいのかわからない」
「おしゃれで使いやすいおすすめのマルチポットが知りたい！」

「マルチポット」とは、煮る、炒める、揚げるなどマルチに何役もこなす鍋のこと。コンパクトでさまざまな料理に対応でき、SNS映えするカラフルでかわいらしいデザインが多いことから、キッチンツールの新定番として人気を集めています。

この記事では、調理器具、調理家電に精通するスーパーエコごはん研究家の桃世真弓さんに、マルチポットの選び方について教えていただきました。

この記事では、your SELECT.編集部おすすめのマルチポット10選やマルチポットを買う前に知っておきたいポイントも紹介しているので、参考にしてみてください。

スーパーエコごはん研究家の桃世真弓さんに聞く、マルチポットの選び方

マルチポットは、片手鍋とやかんの中間のようなキッチンツールです。注ぎ口が付いていて中の液体を注ぎやすく、片手で持っても力を入れやすい形状のハンドルが特徴です。そして、その名前のとおり、沸かす、煮る、揚げるなど、1つ持っていれば何役もこなしてくれます。

マルチポットは容量、本体の素材やコーティングなどの種類がさまざまで、便利な付属品がプラスされている商品もあります。

毎日の調理で、上手に無駄なく使うには、たくさん種類のあるマルチポットの中からどのように選べばいいのでしょうか。選ぶときのポイントを桃世さんに伺いました。

「マルチポットは一見すると同じように見えますが、それぞれ特徴があり使い勝手が変わるので、サイズ、素材、コーティングに注目して自分に合ったものを選びましょう」と桃世さん

一度にたくさんの量を作るなら、容量は3.0L前後のサイズが便利

マルチポットはコンパクトなものが多く、1〜2人分の料理を作るのにちょうどいい2.0L前後のものが主流です。

人数が多い家庭では、マルチポットは容量が少し足りないように思えますが、カレーや味噌汁を作る場合には、1人前が200mlくらい。5人前を作ったとしても1.0Lなので、たいていの料理では十分な大きさといえます。

ただし、実際に容量いっぱいまで中身を入れてしまうと、吹きこぼれたり熱が通るまでに時間がかかったりします。そのため、多くのメーカーでは満水容量の6割程度での使用を推奨しています。

家族が多かったり、作り置きをしたりと、一度にたくさんの量を作ることが多い場合には容量が3.0L前後のものを選ぶと便利です。

マルチポットの容量は、2.0〜3.0Lのものがほとんど。写真左はおよそ3.0L、右はおよそ2.2Lの容量

よくする調理法に合わせて素材を選ぶ

マルチポットのおもな素材は、アルミ、ホーロー、ステンレスです。素材によって熱伝導率や保温性に違いがあり、向いている調理法が異なります。また、多くは直火とIHに対応しています。

アルミは熱伝導が良く、すばやく熱を通すため、お湯を沸かす、炒めるといった調理に向いています。保温性が低いので、煮物や揚げ物はあまり得意ではありません。

ホーローは熱伝導に優れ、保温性が高いのでさまざまな調理に向いています。ただし、焦げつきやすいため、炒め物には向きません。また、酸やアルカリに強くにおいがつきにくいため、1日くらい冷蔵庫での保存が可能です。

ステンレスは、保温性が良いため煮物や揚げ物などが得意です。他の素材と比べて熱伝導率が低いため温度が上がるまで時間がかかり、熱の通りにムラができやすくなります。特に炊飯の場合は注意が必要です。

よくする調理を得意とする素材のものを選びましょう。

お手入れのしやすさにこだわるなら、内側がフッ素樹脂加工のものがおすすめ

マルチポットは、内側にコーティングしてある商品が多く、コーティングの種類もさまざまです。お手入れのしやすさを重視するなら、汚れの落ちやすいフッ素樹脂加工が施されているものがおすすめ。油汚れや焦げつきも落ちやすいので、毎日使ってもお手入れがあまり苦になりません。

ただし、フッ素樹脂加工の場合、金属ヘラなどは使うと傷がついてしまうため使えません。調理の際に金属製の器具を使用するなら、セラミック加工やコーティングがされていないステンレス素材のものを選ぶ必要があります。

マルチポットは内側にコーティングしてあるものが多い。フッ素樹脂加工のものは汚れが落ちやすい

また、内側のコーティングの種類によっては食器洗浄機に対応していない場合もあるため、食器洗浄機で洗いたい人は買う前に商品ページなどをチェックしましょう。

あると便利な機能と付属品もチェックする

マルチポットはとてもコンパクトですが、便利に使えるようなちょっとした工夫がされているものもあります。フタのつまみがスタンドや菜箸置きになったり、フタに穴が開いていて湯切りができたりするものを選ぶと、より便利に使えます。

調理中、菜箸などを置いておけるように、フタのつまみにくぼみがついている商品もある

マルチポットにセットして使えるザルや蒸し器が付いている商品もあり、調理の幅を広げることができます。さらにオリジナルレシピブックなどが付いているものだと、1つで何通りにも活用できるマルチポットを早く使いこなす手助けになるので、意外と便利です。

フタに穴が開いていて、ゆでたものを湯切りすることができる。麺や野菜をゆでるのに便利

おすすめのマルチポット10選

桃世さんに伺ったマルチポットの選び方をもとに、your SELECT.編集部が厳選したマルチポットをご紹介します。

木目調のハンドルが目を引くデザインは、部屋においても、食卓にそのまま出してもおしゃれな雰囲気。プレゼントにもおすすめです。

フタを立たせておけるスタンド型のつまみを採用。熱伝導の良いアルミとフッ素樹脂加工で、どんな料理にも使いやすいタイプです。

日本でもおなじみのフランスの調理器具メーカー「T-fal（ティファール）」のマルチポットです。

食材を入れる適温で色が変わり、タイミングが目で見える「お知らせマーク」や折りたためてコンパクトにフタが収納できるつまみ、使い始めのこびりつきにくさが続くコーティングと、ティファールならではのクオリティを実感できます。

1853年に創業した、ドイツの老舗キッチンツールメーカー「WMF（ヴェーエムエフ）」は、世界約90ヵ国で愛されるブランドです。

内側のコーティングに使われている「フュージョンテック ミネラル」は、天然素材から作られた、傷つきにくく欠けにくいコーティング素材です。食器洗浄機も使えます。

ころんとしたかわいい見た目でありながら、3.0Lの大容量。それを感じさせないコンパクトさで、収納時も場所を取りません。

フタが立てられるようになっていたり、専用のストレーナーが付いていたりと機能性にも優れています。価格もリーズナブルなので、マルチポットをはじめて使う方におすすめです。

パッとキッチンが明るくなるキュートなデザイン。邪魔にならない小さめサイズなので、卓上IHコンロでチーズフォンデュなどもおしゃれに楽しめます。毎日のお弁当や、味噌汁、スープ作りにも活躍するサイズです。

オリジナルレシピブック付きなので、一人暮らしで料理を始めた方にプレゼントするのもおすすめです。

かわいらしいデザインが多いマルチポットですが、こちらの商品はオールステンレスでスタイリッシュです。プロが使う鍋のような清潔感のあるシンプルさで、落ち着いたインテリアのキッチンにあっても、浮くことなくなじみます。

フタには大小の湯切り穴が開いており、野菜や麺類をゆでたときにザルなどを使わずにマルチポットだけで湯切りができます。

シンプルな白の本体と、淡い木目のグリップがおしゃれなデザイン。内側がピンク色なので、いろいろな料理が映え、食卓に明るい彩りを添えてくれます。

また、内側のコーティングはピンクマーブル・ハードコート（フッ素樹脂塗膜加工）、ハンドルはシリコーン塗装と、見た目だけでなく機能性も確かな商品です。

金属加工の産地、新潟県燕三条で作られているマルチポットです。容量はそこまで大きくはないものの、しっかり深さがあり、カレーなどのレトルトパウチ食品を湯煎するにもちょうどいい大きさです。

マルチポットの本体はとてもコンパクトですが、底がしっかり丸いので、効率よく対流しお湯が早く湧きやすい構造です。

卓上に置くのに便利なコルクの鍋敷きと、お手入れに使えるマイクロファイバークロス付き。ニトリならではのコスパの良さで、マルチポットを使ってみたい人にうれしい商品です。

やかんの代わりに使っても、注ぎ口がしっかりとあるので注ぎやすく、やかんよりも洗いやすいのでストレスがありません。

ホーローは、表面がガラス質でコーティングされているため、色やにおいがつきにくいのが特徴です。油を使う揚げ物や、カラフルなフルーツを使うジャム作りも、このマルチポット1つで行えます。

また、ホーローは塩分や酸に強い素材なので、料理の保存にも向いています。保存するときは粗熱を取りそのまま冷蔵庫へ。本体の高さを抑えたコンパクトな作りで、冷蔵庫にも入れやすくなっています。

マルチポットを買う前に知っておきたいこと

マルチポットを使ったレシピを考案したことがあるという桃世さんに、マルチポットを買う前に知っておきたいことについて伺いました。

「マルチポットはいろいろな使い方ができますが、何に使いたいかが買うときの大事なポイントです」と桃世さん

マルチポットでできる調理法とメリット

小さいながらも深さがある形のマルチポットは、片手鍋とやかんの両方の良さを備えていて、その多彩な使い方を可能にしています。

マルチポットでできる調理法と、マルチポットで調理するメリットを下の表にまとめたので、参考にしてみてください。

調理法	メリット
沸かす	やかんのような丸い形が、お湯を対流させて効率よく沸かせる。ティーバッグなどを入れてお茶を沸かすのにも便利。
煮る	底の面積が小さいので、水分が少なくても煮物を作ることができる。調味料が少なくても作りやすい。
ゆでる	底の面積が小さいので、少ない水分でゆでられる。フタをすると、内部の温度が上がりやすいので早くゆで上がる。
炒める	深さがあるので、中で炒めた具材が飛び散りにくい。つぼのような形で、具材をこぼさずに混ぜやすい。
揚げる	深さがあるので、周囲に飛び散る油が少ない。つぼのような形で中の熱が逃げにくいので、カラッと揚げやすい。
炊飯	丸い形は中で対流を起こしやすく、短時間で米を炊くことができる。
あえる	具材をこぼさずに混ぜやすい。調理したものをそのままあえることができる。

IHコンロとガスコンロを使用する際の注意点

マルチポットは比較的新しく普及した調理道具のため、その多くがIHコンロに対応しています。ただ、素材やコーティングなどによって、まれにIH対応していない商品もあるので、買う前に必ずチェックしましょう。

ガスコンロで使用する場合は、取っ手が下向きに付いているため、マルチポットからはみ出すような強火で使用してしまうと、取っ手が熱くなったり、壊れたりする原因になります。ほとんどのメーカーでは中火以下での使用を推奨しているので、ガスコンロで使用するときは注意しましょう。

マルチポットは、IHコンロとガスコンロの両方に対応している商品が多く、引っ越しが多くキッチン環境が変わりやすい人でも使いやすい

マルチポットに関するQ&A

最後に、マルチポットに関するよくある疑問について桃世さんにお答えいただきました。

「コンパクトで万能だから鍋としてメインでもサブでも使える。見た目のかわいさも魅力です」と桃世さん

Q. マルチポットは保存容器として使える？

A. 素材がホーローの場合は使えます。ホーローは菌が繁殖しにくく、においもつきにくいので、1日くらいの保存であれば大丈夫です。ただ、急な温度変化には弱いため、冷凍する場合は保存容器に詰め替えたほうがいいでしょう。

他の素材のものは、菌が繁殖しやすかったり、色やにおいが残りやすかったりする場合があるので避けてください。マルチポットは注ぎ口が付いていて、片手でも保存容器に詰め替えやすいので、1日以上保存するなら保存容器を使いましょう。

ホーロー素材のマルチポットなら、冷蔵庫に入れて一晩くらいは保存可能。できるだけ早く消費しよう

Q. マルチポットの人気メーカーはどこ?

A. 和平フレイズやWMFなどの調理器具メーカーが人気です。

和平フレイズは、カトラリーなどで有名なものづくりの町、新潟県燕市のキッチンツールメーカーです。WMFは、2023年に170周年を迎えるドイツの老舗キッチンツールメーカー。2社とも、高品質で使いやすく、信頼性の高いメーカーです。

Q. マルチポットを長持ちさせるにはどうしたらいい？

A. ステンレスなど、傷がつきにくい素材のものを選びましょう。マルチポットは内側がコーティングされている商品が多いので、傷をつけてしまうと劣化が早まる場合があります。ステンレスは焦げつきやすいものの、ガシガシとこすって汚れを落とすことができ、金属のキッチンツールを使えるくらい丈夫なので、長持ちします。

コーティングされている商品でも、強火での調理、空焚きや金属ツールの使用を避けたり、米は別の容器で洗ってから炊飯したりといった、少しの工夫で長持ちさせられます。

コーティングがなくても、ステンレスは傷などに強く丈夫なので長持ちしやすい

Q. 収納がない狭いキッチンでも使える？

A. 見せる収納として、キッチンインテリアのアクセントに置いてもかわいいです。毎日のように使うなら、インテリアになじむ色にして出しっぱなしにしてしまいましょう。いろいろな鍋をそろえなくてもいいので、狭いキッチンでこそ活躍してくれますよ。

カラーバリエーションも豊富なマルチポット。インテリアになじむ色を選べば出しっぱなしでもOK

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どれを買おうか迷ったときは、売れ筋ランキングを参考にしてみてもよいでしょう。

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まとめ

今回はスーパーエコごはん研究家の桃世さんにお話を伺い、マルチポットを選ぶときのポイントや買う前に知っておきたいことなどをご紹介しました。

マルチポットはさまざまな調理ができ、コンパクトに収納もできる便利なキッチンツールです。ぜひ、この記事の内容を参考に、自分に合うマルチポットを選んでみてください。