ダッチオーブンのおすすめ9選！キャンプ飯の幅を広げる人気商品を徹底比較

「キャンプ初心者におすすめのダッチオーブンはどれ？」
「ソロキャンプで使うダッチオーブンのサイズは？」
「おいしい料理が作れてコスパのよいダッチオーブンの選び方は？」

ダッチオーブンはパンやローストチキンも焼けるキャンパーに人気の万能鍋ですが、サイズや種類がさまざまで、選ぶのが難しいですよね。この記事では、アウトドア料理人のA-sukeさんに、ダッチオーブンの種類や使い方といった基礎知識や選び方のポイントについて伺いました。

また、A-sukeさんがおすすめするダッチオーブン9選もご紹介するので、これからキャンプをはじめたい初心者も、ダッチオーブンで料理してみたい方も、チェックしてみてください。

ダッチオーブンには鉄製やステンレス製などがある

まずはダッチオーブンを選ぶうえで押さえておきたいことについて、A-sukeさんに伺いました。

1.ダッチオーブンを使えばアウトドアで本格的なオーブン調理が可能！

ダッチオーブンとは、厚手の金属で作られた蓋つきの鍋のこと。ステンレス製やホーロー加工したものなどもありますが、もともとはアメリカの西部開拓時代に使用されていた鉄製鍋のことをいい、炭火で使うために作られたものです。蓋に炭が乗せられるよう凹んでいるのが特徴で、熱が均一に伝わりやすく、蓄熱性に富んでいるため、アウトドアでも本格的なオーブン料理が楽しめます。

蓋が凹んでいるので炭を乗せて、上下から加熱できる

ダッチオーブンの構造と使い方

ダッチオーブンの構造は以下のようになっています。

①本体	ダッチオーブンの鍋の部分。厚みのある金属でできており、コンロや焚き火台に直接乗せたりする。
②蓋	炭を置いて上火で加熱できるタイプのものもある。重さがあり、蒸気を逃さずしっかり加熱できるようになっている。ひっくり返してフライパン代わりにして使えるデザインのものもある。
③脚	直火の焚き火に直接置けるよう脚つきのものもある。コンロで使用する際に邪魔になってしまうので、最近は脚のないものが多い。
④ツル	焚き火の上に吊るすときは必須。持ち運びしやすいので移動が楽。
⑤炭（上火）	蓋のデザインによって、炭を置いて上から加熱することができる。
⑥三脚	焚き火や炭火の上に広げ、ダッチオーブンを吊るす。遠火にしたいとき、ダッチオーブンと火との距離を取ることができて便利。
⑦取っ手	両手鍋タイプのものや、蓋の中央に取っ手がついているタイプなどがある。
⑧炭（下火）	ダッチオーブンは直接焚き火や炭火で加熱できる。三脚に吊るさず、焚き火や炭火の上に直接ダッチオーブンを置いて加熱することもある。
⑨底網	ローストチキンなどのオーブン料理やパン、蒸しものなどのとき底に敷いて使う。別売りのことが多い。

ダッチオーブンは、焚き火の上や炭火の上に三脚を立てて吊るして使ったり、火の中に置いて加熱したりして使います。厚みのある金属でできているため、食材が焦げつきにくく、火が弱くてもじっくり加熱すればしっかり火が通りおいしくなります。

ダッチオーブンでできる料理

ダッチオーブンは蓋が重く密閉性が高いため、水蒸気が抜けにくく、食材に圧力をかけて調理することができます。圧力鍋と同じような効果があるので、塊肉や骨つき肉、根菜など火が通りにくい食材でも短い時間で火を通すことができたり、中まで味を染み込ませたり、プロのような料理を作ることができます。

ダッチオーブンで作ったスペアリブの煮込み。レシピは後半に

煮込み料理はもちろん、ピザやローストチキン、焼きりんごなどのオーブン料理も作れますし、カレーやビーフシチューなど、本来は長い時間かけてコトコト煮るものも、短時間でおいしく作ることができます。

2.手入れしやすさ重視ならステンレス製、キャンプらしさ重視なら鉄製

ダッチオーブンは、さまざまな素材でできています。おもな素材は鉄とステンレスで、鉄製は鋳鉄と黒皮鉄板のものなどがあります。それぞれにメリットとデメリットをまとめました。

鉄製を選ぶなら、油を絶やさずに塗ること、水分を残さないこと、湿度を与えないことが大切です。燻製は、においがなかなか落ちないので覚悟が必要です。また、トマトやレモンなど酸味の強い食材を使うと、さびつきやすくなります。特に、作った料理をそのままダッチオーブンの中に入れて放置すると、鉄の味が料理に移ってしまうので、早めに移し替えるようにしましょう。

黒皮鉄板は、鉄製ですが、表面に黒皮と呼ばれる黒色の膜をもつ鉄材です。酸味の強い食材に気をつけるなど、基本的な使い方は鉄製と変わりません。シーズニングは必要ですが、一般的な鉄鍋よりさびにくく、手入れしやすいのが特徴です。

ステンレス製は手入れが楽で鉄製よりは軽く、便利です。ただ、キャンプらしさという意味では、鉄製に軍配があがります。

3.10インチならどんな調理にも使えて便利

ソロキャンプに向いている小さなサイズもある

ダッチオーブンのサイズは、直径約15cmの6インチからあります。インチごとの使用人数目安を表にまとめたので、参考にしてください。

ここでは、A-sukeさんにおすすめのダッチオーブンを素材別に選んでいただきました。

気になる内容をクリック

• 【鉄製】昔ながらのフォルムや経年変化を楽しみたい人におすすめのダッチオーブン6選
• 【ステンレス製】手入れが楽でどんな料理にも使えるおすすめのダッチオーブン3選

【鉄製】昔ながらのフォルムや経年変化を楽しみたい人におすすめのダッチオーブン6選

鉄製のダッチオーブンは、手入れやシーズニングなど、大変な面もありますが、道具を育てる喜びもあります。また、写真や動画などで撮影すると映えるのも魅力的です。

キャンプは、便利ではないことを楽しむ遊びでもありますから、機能のよさ以外のところで選ぶのも楽しいでしょう。

すでに食用油を吹き付けてオーブンで焼き込んでいるため、はじめの油ならしが不要の鉄製ダッチオーブンです。鍋の厚みは5mmでずっしりとした重さがあり、高温で短時間調理するのにも向いています。蓋の裏にはたくさんの突起がついていて、水滴がヘリだけに落ちずまんべんなく降り注ぐため、チキンなどを焼いてもムラがなくしっとりと仕上がります。

1900年ごろに立ち上がったアメリカの老舗キャンプメーカーのものとあって、昔ながらのメジャーな形状が人気の商品。日本でもかなり認知度が高く、ホームセンターでも購入することができます。植物性オイル仕上げなのではじめの油ならしが不要で、買ってすぐに使えるのがメリットです。

珍しいデザインが目をひく、小さなサイズのダッチオーブン。丸ごと1個のりんごがぴったり入るくらいの大きさです。コロダッチポットの蓋はお椀型になっていて、調理もできます。蓋の上にはコンパクトながらも薪を乗せるスペースもあり、ソロ用としてはもちろん、メインのダッチオーブンだけで賄えない調理をしたり、使い方はさまざまありそうです。

1910年にドイツで創業した灯油ランタンのブランド。ダッチオーブンは0.5〜20Lまで8サイズ展開で、好みの大きさのものをチョイスできます。また、サイズ違いでそろえる楽しみもありそうです。こちらもはじめのオイル塗布が不要で、届いたらすぐ使えるのがうれしいところです。

長いツルと取っ手に純銅のアクセントをつけた、ハイクオリティーなダッチオーブン。今回紹介する中で唯一の脚つきですが、キッチンのゴトクにも乗せられるようワイドに設計されています。

ユニフレームのダッチオーブンは、一枚の鉄板で作られた黒皮鉄板製。割れにくく、急な加熱や冷却にも強いのがポイントです。シーズニングは必要ですが、鍋を焼き切ったらくず野菜を炒め、油を薄くひくだけで大丈夫。使った後は洗剤で洗うことができるのも、黒皮鉄板の特徴です。

【ステンレス製】手入れが楽でどんな料理にも使えるおすすめのダッチオーブン3選

ここでは、ステンレス製のダッチオーブンをご紹介します。面倒が少なく、初心者の方に向いているダッチオーブンです。

キャンプアイテムではおなじみのSOTO。ダッチオーブンのデザインはシンプルで、蓋にある十字の取っ手がSOTOらしさの目印。鋳物と違って蓋のがたつきがないので、密閉性も高いのが特徴です。無水調理や煮込みにも適しています。黒く汚れてしまったら、たわしでよく洗うとまたきれいに戻りますよ。

新潟の燕三条で作られているアウトドア用品のブランド。ステンレスの内部にアルミを入れて三層構造にし、熱伝導率を高め、さびにくく耐食性に優れた作りのダッチオーブンです。キッチンとアウトドアの2wayを見越してデザインされているので、どちらでも使いたい方にぴったり。ツルが着脱でき、不要なときには外せるのもよいところです。

こちらも新潟県三条市にある、フィッシングとキャンプのギアを開発しているメーカーのものです。ユニークなデザインで小型ながらも使い勝手がよく、蓋には炭を乗せる他、食材を温めることもできる深さがあります。もちろん、蓋だけをフライパンや平たい鍋のように使うこともできます。ダッチオーブン自体をケーキ型やグラタン皿として使えば、料理の幅が広がりそうです。

A-sukeさんにダッチオーブンで作る「スペアリブの煮込み」のレシピを教えていただきました。骨つきの肉はキャンプらしい豪快さがありますが、案外簡単に火が通り、骨からスルッと肉がほどけていくほどに柔らかくなるので、ダッチオーブンを買ったらぜひ作ってみてください。

スペアリブの煮込み

ご飯にもお酒にも合うおすすめの一品

材料（ダッチオーブン10インチ1台　4人分）

作り方

①スペアリブは、アクをとりながら10分ほど下ゆでしておきましょう。ダッチオーブンに下ゆでしたスペアリブとジンジャエールを入れ、蓋をして煮ます。

②スペアリブが柔らかくなったら、4等分にしたじゃがいもと、くし切りにした玉ねぎを入れ、野菜に火が通るまで5分ほど煮込みます。

③しょうゆ、マスタード、はちみつを加え、10分ほど煮たらできあがりです。

柔らかく煮えた骨つき肉に甘酸っぱいソースが絡み、ごはんのおともとしても、おつまみとしてもおすすめです。

最後に、ダッチオーブンについての疑問点をまとめて紹介します。使用時の注意点などをA-sukeさんに教えてもらいました。

Q. シーズニングはどのようにすればよいでしょうか？

A. 下記の方法を参考にしてみてください。

新しい鉄製のダッチオーブンには、さび防止のワックスが塗られていることが多いので、そのワックスを一度落とし、油膜を作ります。ワックスが塗られたままで調理すると、料理にワックスの味やにおいが移ってしまいますし、シーズニングせずに使いはじめてしまうと、すぐにさびだらけになってしまうので注意しましょう。

Q. お手入れと保管の仕方を教えてください。

A. 下記の方法を参考にしてみてください。

＜使い終わった後のお手入れの仕方＞
ダッチオーブンで料理をした後は、水でよく汚れを落としましょう。洗剤を使ってしまうと、せっかくシーズニングで作った油膜が剥がれ落ちてしまうので、水だけで洗います。洗い終えたら水分をしっかり拭いて乾燥させ、薄くオイルを塗って保管します。焦げてしまった場合は、再度くず野菜を炒めましょう。

＜保管の仕方＞
使い終わった後は、オイルが他の調理道具などに付着しないよう、新聞紙や古タオルなどでつつんで保管しましょう。

Q. ホーロー加工の鋳物鍋や陶器の鍋はキャンプで使えますか？

A. 使えます。
基本的には、焚き火や炭火などに直火で置くことができませんが、網を敷くなど距離を取れば使うことができます。手入れも楽で、焦げつきにくく、扱いやすいことや、家でも使い勝手がよいので、キャンプよりも家で使うことの方が多い方には便利でしょう。ただし、ホーローは欠けてしまうこともあるので、取り扱いに注意が必要です。

キャンプでも使える、ホーロー加工がされたおすすめの鍋をご紹介します。

Q. 他に、あわせて持っておいた方がいいギアはありますか？

A. ダッチオーブンの底に敷く網やリフターがあるとよいでしょう。
底に敷く網は、ローストビーフやローストチキン、パンなどを焼くときに使います。そのまま食材を入れてしまうと、底に当たっている部分だけが焦げてしまうからです。
引っ掛けて蓋を開けられる道具・リフターはひとつあると便利です。ダッチオーブンの形状によって、滑ってしまうものもあるので、よく確認しましょう。

底網は蒸物にも使える

どのダッチオーブンを買おうか迷ったときには、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのランキングを参考にしてみてもよいでしょう。Amazonでは上位100位、楽天市場ではリアルタイム・デイリー・週間別のランキング、Yahoo!ショッピングでは販売数、レビュー評価、閲覧数からカテゴリ別に上位20位までのランキングを紹介しています。

Amazonの売れ筋ランキングへ 楽天市場の売れ筋ランキングへ Yahoo!ショッピングの売れ筋ランキングへ

ダッチオーブンは、焚き火で調理するとスモーキーな香りがして、アウトドアならではの味わいになります。アウトドアデビューする方も、まだダッチオーブンを持っていない方も、一台あると料理が楽しくなり、キャンプも充実するでしょう。

この記事を参考に、ぜひ好みのダッチオーブンを探してみてください。