ワイヤレス充電器のおすすめ9選！選び方のポイントやスマホを高速で充電できるモデルを紹介

「高速充電ができるワイヤレス充電器が欲しい」
「機種を問わず使えるワイヤレス充電器はどれ？」

スマホを置くだけで充電ができる「ワイヤレス充電器」。充電ケーブルを挿す手間がかからないので、スマホライフをより快適にすることができます。ただし、機種によって充電できる端末の種類や充電速度などに違いがあるため、自分が充電したいものに合った商品を慎重に見極めなくてはいけません。

では実際に購入するとなると、どんな点に注意して選べばよいのでしょうか。

この記事ではコンピューター関連ライターの内川功一朗さんに、ワイヤレス充電器に関する基礎知識や選び方などを教えてもらいました。

また、your SELECT.編集部おすすめのワイヤレス充電器9選も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

ワイヤレス充電器の選び方

ワイヤレス充電器は、充電できる端末の種類や数、充電性能などが商品によってさまざまです。家の中だけで使用するのか、外出先でも使いたいのか、何を充電したいのかなどによって適切なものが変わります。

ワイヤレス充電器を選ぶときは、どのような点に注意すればよいのでしょうか。内川さんに伺いました。

「ワイヤレス充電器にはコードタイプとモバイルタイプがあります」と内川さん

1. 充電器のタイプで選ぶ

ワイヤレス充電器には、「モバイルタイプ」と「コードタイプ」の2種類があります。

「モバイルタイプ」は、「コードレス充電ができるモバイルバッテリー」です。充電面を接触させるだけで、ケーブルなしで気軽に充電を行えます。コードが不要になるので、外出先で気軽にスマホを充電したいという人におすすめです。

スマホをカバンやポケットに入れて移動しながら充電したい場合は、磁力で取り付けるなど、ズレないよう工夫が施されているものを選びましょう。ただし発熱が大きいため、長時間の利用はおすすめしません。

モバイルタイプのバッテリー容量はさまざまですが、例えば5000mAh程度の容量があれば、iPhone 12/13/14シリーズを1回分フル充電できます。「外出時にスマホを1回フル充電できればOK」という場合は5000mAhを目安に、「外出時に2回はフル充電が必要」という場合は1万mAhを目安に選びましょう。

モバイルタイプは、外出先でワイヤレス充電が可能

コードタイプは、コンセントやUSBポートにプラグを挿して使う仕様のもので、家の中やオフィスなど室内でスマホを充電したい人におすすめです。コードタイプは形状によって「パッド式」と「スタンド式」に分かれます。

パッド式は直径10cm、厚み1cm程度のコンパクトな商品が多いのが特徴。スマホを置くだけで充電でき、充電中はスマホをあまり使わないという人におすすめです。ただし、スマホのバイブレーション機能などでスマホの位置がズレると充電に失敗することがあるので、ズレが起こりにくい滑り止め加工が施されたものやゴム素材のものを選びましょう。

コードタイプのパッド式は充電中に位置がズレて充電に失敗することがあるので、ズレ対策が施されたものを選ぶ

スタンド式は、スマホを立てかけると充電が開始され、スマホスタンドとしても使えます。充電中にSNSの通知を確認したり、動画を閲覧することもできるので、充電中もスマホを使いたい人におすすめです。スマホを立てかける構造なので、充電時のズレも起きにくく、使い勝手がよいのもポイントです。

コードタイプのスタンド式はスマホを立てかけるため、充電ミスが起きにくい

2. 同時に充電できるデバイスの数で選ぶ

「スマホを2台持っている」「家族でワイヤレス充電器を使う」という場合や、スマホ以外にワイヤレス充電の規格「Qi（チー）」に対応したスマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンを使っている場合は、2台同時に充電できる「2in1タイプ」や3台同時に充電できる「3in1タイプ」を選ぶのもおすすめです。複数台を同時にしても充電速度が遅くなったり、充電時間が長くなったりはしないので、安心してください。

ふつうはデバイスごとに充電ケーブルが1本ずつ必要ですが、複数台同時に充電できるワイヤレス充電器なら、ケーブルを1本にまとめることができます。デザイン性に優れた商品も多く、スマホやスマートウォッチをオシャレに飾りながら充電を行えます。

Qi規格に対応したスマートウォッチ、ワイヤレスイヤホンを使っている場合は、複数同時に充電できるタイプもおすすめ

3. 充電速度で選ぶ

ワイヤレス充電器の最大出力は、10〜15W（W：1秒間で供給する電気エネルギーの量）の場合が多く、W数が高いほどすばやく充電を行えます。

一方で充電速度は、スマホの充電性能も考慮に入れる必要があります。例えば、iPhoneの充電性能は7.5Wなので、ワイヤレス充電器が15Wの場合でも、7.5W分の充電速度になります。

おもなスマホの充電性能（W数）は以下のとおりです。

充電性能	スマホの機種
15W	Xperia 1 III、iPhoneシリーズ12以降
12W	Pixel 6、Pixel 6 Pro
10W	Galaxy S22、Galaxy S22 Ultra、Galaxy S21、Galaxy S21+
7.5W	iPhoneシリーズ
5W	LG V50、LG V40

ただ、iPhoneに関しては例外があり、ワイヤレス充電器とiPhoneの両方がApple社による充電方式「MagSafe（マグセーフ）」に対応している場合は、最大15Wで高速充電が可能。例えば、Belkin社のワイヤレス充電器「MagSafe対応3-in-1ワイヤレス充電器15W WIZ017dq」は、最大出力15Wで、iPhone 14 Proを約1.5時間で80％まで充電できます。

MagSafeに対応しているのは、iPhone 12以降（12/13/14/15）の機種になります。

まとめると、iPhone 12以降の機種を使っている場合は、MagSafeに対応したワイヤレス充電器を選べば、15Wでの高速充電が可能。それ以外のスマホを使っている場合は、スマホの充電性能を調べ、そのW数と同等以上の最大出力をもつワイヤレス充電器を選べば、もっとも速い充電速度を得られます。

ワイヤレス充電器のおすすめ9選

内川さんに伺った選び方をもとに、your SELECT.編集部が厳選したおすすめのワイヤレス充電器をご紹介します。すべてQi規格に対応しており、コードタイプ・パッド式、コードタイプ・スタンド式、モバイルタイプをバランスよく選びました。

気になる内容をクリック

• コードタイプのおすすめ7選
• モバイルタイプのおすすめ2選

コードタイプのおすすめ7選

コードタイプのおすすめ7選です。ワイヤレス最大出力が10～15Wの商品で、PC周辺機器を多く手がけているメーカー製のものを選びました。

スマホやスマートウォッチなど、Qi対応機器を本体の上に置くだけで充電できるワイヤレス充電器。最大出力は15Wで、Xperiaなどの高速充電15W、Galaxyの高速充電10W、iPhoneの高速充電7.5Wに対応しており、幅広い機種で高速充電が可能です。

デスクなどに設置しても場所を取らない、直径10cmの薄型のワイヤレス充電器。最大出力は10Wで、Galaxyの高速充電10W、iPhoneの高速充電7.5Wに対応しています。厚さ5mmまでのスマホケースなら、装着したまま充電することができます。

充電パッドを2つ備えた、2in1タイプのワイヤレス充電器。スマホなどのQi対応機器を置くだけで、最大15Wの充電が行えます。滑り止めグリップを施しているので、デバイスをしっかりと固定しながら充電が可能。充電中はLEDライトにより、正しく充電できているかを教えてくれます。

本体内に3枚のコイルを並べて設置しており充電できる場所が広いため、スマホを縦に置いても横に置いても充電が可能。スマホのほかに、AirPodsなどQi対応機器の充電も行えます。最大出力は10Wで、Androidの高速充電10W、iPhoneの高速充電7.5Wを行えます。

世界市場シェア1位（※）の携帯電話アクセサリーブランド・Belkin社製のワイヤレス充電器。スタンド式で縦置きでも横置きでも充電でき、充電しながら操作を行えます。ワイヤレス最大出力は10Wで、Galaxyは最大9W、iPhoneは最大7.5Wで充電できます。

※最新の米国NPD市場シェアレポートおよび、英国、フランス、オーストラリアでのGfK市場シェアレポートより

iPhone 12/13/14/15、Apple Watch7/8/Ultra、AirPodsの3台を同時に充電できる3in1タイプのワイヤレス充電器。MagSafe対応で、ズレなく充電を行えます。ワイヤレス最大出力は15Wで、iPhone 12シリーズ以降の機種なら最大15Wで高速充電が可能。例えばiPhone 14 Proは約1.5時間で80％まで充電できます。Androidのスマホは磁力で取り付けできないため、台座部分でのみ充電できます。

iPhone、Apple Watch、AirPodsの3台を同時に充電できるワイヤレス充電器。MagSafeに対応しており、磁石でiPhoneがピタッとくっつき、ズレることなく安定して充電が可能。Apple公式のMagSafeモジュールを採用しており、最大15WでiPhone 12シリーズ以降を充電できます。Androidのスマホは磁力による取り付けができず、台座部分でのみ充電が可能です。

モバイルタイプのおすすめ2選

モバイルタイプのおすすめ2選です。バッテリー容量が5000mAhのコンパクトタイプと、1万mAhの大容量タイプを選びました。

1万mAhの大容量バッテリーを備えたワイヤレス充電器。外出先でコンセントに接続することなく、iPhone 12なら2回以上、Galaxy S20なら約2回充電することが可能。厚さ5mmまでのスマホケースなら、装着したまま充電することができます。

5000mAhの電池を備えたワイヤレス充電器。MagSafe対応で、磁力でiPhoneと接続して充電を行えます。ワイヤレス最大出力は7.5Wで、iPhone 12/13/14シリーズを約1回分充電することが可能。またUSB-Cを用いた有線接続にも対応しており、最大10Wで充電できます。Androidのスマホも充電できますが、磁力による取り付けはできません。

ワイヤレス充電器を選ぶ前に知っておきたいこと

ワイヤレス充電器はどのような仕組みでつくられているのでしょうか。またワイヤレス充電器を使うメリット・デメリットは何でしょうか。内川さんにワイヤレス充電器を選ぶ前に知っておきたいことを聞きました。

「ワイヤレス充電器を使用することで、充電のストレスから解放されます」と内川さん

ワイヤレス充電器の仕組み

ワイヤレス充電は「無線給電」や「非接触給電」とも呼ばれており、「電磁誘導方式」という方法で給電を行います。

ワイヤレス充電器の中には「送電用コイル」が入っており、電気を流すとコイルが磁界を発生させます。一方でワイヤレス充電に対応したスマホには「受電用コイル」が入っており、空気中の磁界に反応して電力に変換。このときに誘導電流が発生し、電力をバッテリーに蓄えるという仕組みです。

「Qi規格」とは

Qiは、電磁誘導方式を採用したワイヤレス充電規格。WPC（Wireless Power Consortium）という団体が規格策定を行っています。

「Qi規格」に対応していれば、本体裏などにこのマークが記されている

Qiに対応していれば、iPhoneやAndroidを問わずスマホの充電が可能。またスマホ以外に、Apple Watchなどのスマートウォッチや、AirPodsなどのワイヤレスイヤホンの充電も行えます。ワイヤレス充電器を購入する際は、Qi規格に対応したものを選ぶのがおすすめです。

「MagSafe」とは

MagSafeは、Apple社製のデバイスに搭載された磁石で貼り付く充電コネクタのことで、iPhone 12シリーズ以降のiPhoneに採用されています。磁石でピタッとくっつくので、ワイヤレス充電にありがちな充電器とスマホのズレによる充電ミスを軽減できるのが特徴。またMagSafeに対応しているiPhoneは最大15Wまでの高速充電も行えます。

WPCは、MagSafeをベースとしたワイヤレス充電「Qi」の次世代規格「Qi2（チーツー）」を2023年末に導入すると発表しており、今後、MagSafeに対応したワイヤレス充電器が増えていくことが予想されます。

ワイヤレス充電器を使用するメリット・デメリット

ワイヤレス充電器を使用する最大のメリットは、「充電を意識せずに生活できる」こと。ワイヤレス充電器を「スマホ置き場」として考えれば、「スマホを置いていたら自然と充電できている状態」をつくり出すことができます。

ワイヤレス充電器は「スマホに充電ケーブルを毎回挿すのが面倒くさい」と感じていたり、「年齢を重ねてケーブルを挿す穴が見えにくくなってきた」という方に特におすすめです。充電ケーブルを使わないので、ケーブルの破損リスクからも解放されます。

ワイヤレス充電器を「スマホ置き場」にすれば、生活する中で自然と充電できるようになる

一方でワイヤレス充電器を使用するデメリットは、「充電速度が遅い」ことです。ワイヤレス充電器の最大出力は10～15Wの場合が多いですが、USBケーブルによる充電は一般的に20～30W程度で、中には60W以上の高速充電に対応したケーブルもあります。急いで充電したいときのために、ワイヤレス充電器を購入しても、スマホ購入時に付属していた充電用ケーブルは手元に置いておくとよいでしょう。

車での移動中に充電したいなら「マウント・ホルダータイプ」が便利

ワイヤレス充電器には、車用のスマホホルダーとして使える「マウント・ホルダータイプ」もあります。ダッシュボードなどに設置し、ナビを表示しながら充電も行えるので、とても便利です。

おすすめのマウント・ホルダータイプのワイヤレス充電器をご紹介します。

車用スマホホルダーを使う感覚で、スマホの充電ができる車載タイプのワイヤレス充電器。本体への給電はUSBで行います。伸縮式の調節アームとボールジョイントで、取り付け後も360度見やすい位置に角度を調整できます。

車内で充電ができる、コンパクトタイプのワイヤレス充電式車載ホルダー。Qi充電に対応したスマホを自動でホールドし、Galaxyであれば10Wで、iPhoneであれば7.5Wで高速充電を行うことができます。

ワイヤレス充電器に関するよくある疑問 Q＆A

内川さんにワイヤレス充電器に関する疑問に答えてもらいました。

「ワイヤレス充電器のそばにクレジットカードなど磁気カードを置いてはいけません」と内川さん

Q. ワイヤレス充電器を使うときに注意することは？

A. ワイヤレス充電器の上に異物を乗せるのは避けましょう。ワイヤレス充電器が反応して勝手に電力を放出する可能性があり、異常発熱や故障の原因になります。

またワイヤレス充電器は、スマホケースを装着した状態で充電できるものも多いですが、ケースとスマホの間に異物を挟むのはやめましょう。例えば金属片が挟まっていると、発熱による発火の危険性があります。またクレジットカードや交通系ICカードを挟んで充電するのもNG。ワイヤレス充電器が発する磁気により、カードが破損する恐れがあります。

スマホケースに交通系ICカードを入れた状態でワイヤレス充電を行うと、磁気により破損する恐れがあるので要注意

Q. ワイヤレス充電非対応の機種も使える？

A. 基本的にQi規格に対応するスマホなら、ワイヤレス充電器を使うことができます。

iPhoneの場合、iPhone 8以降のシリーズはすべてQi規格に対応していますが、Androidの場合は、例えばGalaxy S23 SC-51Dは対応、Galaxy A54 5G SC-53Dは非対応など、機種によって違うので、使用するスマホが対応しているかをまず調べましょう。

自分のスマホがQi規格に対応しておらず、かつワイヤレス充電器を使いたい場合は、スマホに装着して使う「ワイヤレス充電レシーバー」という製品もありますが、商品によっては「すぐに壊れる」「かなり発熱する」といった声が多く、使い勝手や安全性に疑問が残る場合があるため、あまりおすすめしません。

Q. 過充電の心配はした方がいい？

A. スマホを100％を超えて充電し続けると電池の劣化が起こる場合がありますが、現在のスマホは過充電にならないよう制御されており、満充電になったタイミングで充電が自動的に終了します。ワイヤレス充電でも同様の制御が行われており、基本的に心配は不要でしょう。ただし接触と非接触を繰り返すと何度も充電が開始されるため、この限りではありません。モバイルタイプを利用し、移動時に鞄の中で充電する場合は注意が必要です。

安全面でいうと、スマホ側で電圧を制御しており、スマホの許容電圧を超えることはないので、基本的に充電による発火などの心配はありません。

Q. ワイヤレス充電は体に悪くない？

A. ワイヤレス充電に電磁波の影響を心配される方がいますが、ワイヤレス充電のおもな規格である「Qi」は磁界共振を用いているため、人体への影響はほとんどありません。

Q. ワイヤレス充電器の買い替え時は？

A. ワイヤレス充電器に特に寿命はありません。故障したときや、他に欲しいワイヤレス充電器を見つけたときに買い替えればよいでしょう。

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まとめ

今回は、コンピューター関連ライターの内川功一朗さんにワイヤレス充電器に関する基礎知識や選び方を教えてもらいました。

ワイヤレス充電器を選ぶ際はまず、どこで使用するかを決め、自宅やオフィスで使う場合は「コードタイプ」を、外出先で使う場合は「モバイルタイプ」を、車内で使う場合は「マウント・ホルダータイプ」を選びましょう。また、充電の速度を重視する方は、スマホの充電性能（W数）と同等以上の最大出力をもつワイヤレス充電器を選びましょう。

本記事で紹介した内容を参考に、自分に合ったワイヤレス充電器を見つけてくださいね。