公開日:2020.10.27
更新日:2021.02.25
目次
「法人カードと個人カードは何が違うの? 個人カードで十分?」
「法人カードって、結局どれを選べばいい?」
いざ法人カードを作ろうと思った際に、どのカードを選んだらよいのか、そもそも個人カードとの違いがわからず、迷ってしまう人は多いかもしれません。
この記事では、株式会社ポイ探の代表取締役であり、クレジットカードとポイントの専門家・菊地崇仁さんに「法人カードの選び方」と「目的別おすすめ法人カード」を教えていただきました。また、法人カードを選ぶ際に必要となる基礎知識も紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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菊地崇仁さん
北海道札幌市出身。1998年に法政大学工学部を卒業後、同年日本電信電話株式会社(現NTT東日本)に入社。2006年、ポイント交換案内サービス・ポイ探の開発に携わり、11年3月代表取締役に就任。
90枚を超えるクレジットカードを保有し、約150万円の年会費を支払っている。実際に利用することで、信用できる情報提供をめざしているクレジットカードの達人。
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達人直伝!法人向けクレジットカードの選び方
クレジットカードを90枚以上所有しているポイントの達人・菊地崇仁さんは、株式会社ポイ探の代表でもあり、これまでに10枚以上の法人カードを利用してきたといいます。
そんな菊地さんをもってしても「複雑で選ぶのが難しい」という法人カード。
そこで、中小企業や個人事業主が法人用のクレジットカードを選ぶうえで押さえておきたいポイントを聞いてみました。
会社の規模にマッチする法人カードの種類を知る
――菊地さんが法人カードを選ぶ基準は何ですか?
法人カードは個人向けのカードと比べて種類は少ないですが、情報が複雑で条件を読み取るのが困難なため、比較検討がしづらいという特徴があります。まずは、法人カードに対して、正しい知識をもつことが重要です。
法人カードと一口に言っても種類はさまざまで、大きく分けると以下の2つの種類があります。
- 大企業向け=コーポレートカード
- 中小企業・個人事業主向け=ビジネスカード
カード会社によって名称はまちまちで、例えばJCBでは「JCBビジネスカード」というのは大規模企業向けであったりします。また、コーポレートカードでも法人代表者向けの「ビジネスオーナー向けカード」というものも存在します。

基本的には、「ビジネス」と付くのは中小企業向け、「コーポレート」と付くのは大企業向け、と覚えておくとよいでしょう。
――法人カードの種類はどのように選べばよいのでしょうか?
法人カードの種類は、会社・事業の規模から選ぶのが正解です。
ここでいう「規模」とは従業員数のことで、従業員用に追加カードを何枚発行したいのかで、選ぶ法人カードの種類が変わってきます。
中小企業や個人事業主向けの「ビジネスオーナー向けカード」は追加できるカード枚数が少ないです。追加カードを発行できないものもあります。一方、コーポレートカードの場合は、10枚とか20枚とか上限なしというものもあります。
――追加カードは有料なら何枚でも作れるのでしょうか?
有料の場合でも、追加カードの発行枚数上限はカードごとに決められています。さらに、無料で作れる場合も、発行枚数の上限が別途決められています。
例えば、「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード」の場合、追加プラチナカードは4枚まで無料、5枚目以降はビジネス・ゴールド・カードになり1枚につき年会費1万2000円がかかります。
「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」の場合は、追加カードの年会費は1枚あたり3000円で、4枚までしか発行できません。
セゾン プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

年会費 | 初年度:初年度:無料(2020年2月15日~5月6日) |
---|---|
2年目以降:2万円 | |
ポイント還元率 | 0.5% |
追加カード年会費 | 3000円 |
ETCカード年会費 | 無料 |
申し込み条件 | 個人事業主または経営者 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 新規入会キャンペーン!永久不滅ポイント最大9,000円相当付与(2021年2月15日~5月6日)
- 海外1300箇所以上の空港ラウンジが利用できるプライオリティパスに無料で登録可能
- 様々な優待サービスが受けられるビジネス・アドバンテージなど、限定サービスが豊富
追加カードが有料の場合は、「親カードの年会費+(追加カード年会費×発行枚数)」の料金がかかるので、それをどう捉えるかも重要です。ただ、法人カードの年会費は経費として計上できるので、年会費は多少高くても利用目的にマッチしたグレードの高いカードを選ぶことをおすすめします。
法人カードは審査が厳しい?
――個人事業主や起業したばかりのスタートアップ企業の方、フリーランスの方は審査に通りづらいでしょうか?
コーポレートカードは、大企業向けの「法人」カードなので、カードの支払口座は法人口座となります(使用者の個人口座を設定できるものもある)。審査は基本的に「法人」が対象になり、申込時に登記簿謄本や決算書が必要となります。
書類を郵送する必要があるため、Web申し込みで発行できないことが多く、審査から発行まで時間がかかるのが一般的です。

一方、中小企業や個人事業主向けのビジネスカードは代表者の個人口座を設定できるものが多く、審査も個人与信、いわゆるオーナー(代表者)審査の場合も増えています。
「登記簿謄本・決算書が不要」とうたっているものがありますが、それは「法人そのもの」を審査しないからであり、オーナー個人を審査するから不要なのです(法人の登記簿謄本は誰でも取得できるためカード会社が取得していると思われる)。
代表者向けのビジネスカードは、コーポレートカードと個人カードの中間の位置付けのイメージです。審査は個人カードとほぼ一緒で、個人事業主やフリーランスの方も申し込みができます。
また、すぐにカードが欲しいときにも作れるので、個人事業主やスタートアップ企業の方、フリーランスの方には個人与信で発行できる「ビジネスオーナー向けカード」を選ぶことをおすすめします。
法人カードは情報が複雑なので、カードの種類や種類ごとの審査の特徴を押さえてから、自分の目的に合ったものはどれか、というふうに選んでいきましょう。
クレカの達人が64枚から厳選!
目的別おすすめ法人カード8枚

クリックすると高画質版が表示されます
クレジットカードの専門家である菊地さんが目的別に厳選した、おすすめの法人カードを紹介します。中小企業や個人事業主の方、フリーランスの方向けの「ビジネスカード」を中心に選出してもらっています。
選出理由、カードの概要、おすすめポイントもあわせて解説しているので、クレジットカード選びの参考にしてみてください。

年会費無料の法人カードが作りたい
法人カードの年会費は経費で落とせるとはいえ、初めて作るビジネス用のカードは「年会費無料がいい」という方も多いのではないでしょうか。個人向けカードほど数は多くありませんが、法人カードにも初年度年会費無料や永年年会費無料のカードがあります。
エントリーカードとして最適で、ビジネス用途で役立つ特典も付帯するオールマイティな1枚をおすすめしてもらいました。
年会費無料かつ還元率1.0%!個人事業主の強い味方となるカード
NTTファイナンスBizカード レギュラー

年会費 | 初年度:無料 |
---|---|
2年目以降:無料 | |
ポイント還元率 | 1.0% |
追加カード年会費 | 無料 |
ETCカード年会費 | 500円/1枚 |
申し込み条件 | 法人または個人事業主の方 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 年会費無料で還元率1.0%のポイントサービスあり!
- 最高2000万円、充実の海外・国内旅行傷害保険が付帯
- 国内・海外対象、年間補償限度額100万円のショッピング保険
「NTTファイナンスBizカード レギュラー」は年会費無料でポイント還元率が1.0%です。「初年度無料」ではなく「永年無料」で、しかも国際ブランドはVISAなので世界中で使えます。法人カードの中では圧倒的に優秀なカードです。
ショッピング利用額1000円につき10ポイントが貯まり、キャッシュバックやギフトカード、電子ギフトなどと交換が可能です。ポイントの有効期間は2年間で、「使えるポイント」であることが最大の魅力です。
法人の申し込みと個人事業主の申し込みは別になっていて、法人の方はオンライン入会はできないので注意しましょう。
無料で多くのカードを追加できる法人カード
「従業員にカードを持たせて経理事務や経費管理を効率化したい」と思っても、追加カードが有料の場合は追加枚数分の年会費が上乗せになってしまいます。
従業員の立替金精算や仮払いの手間をなくすことが目的で、たくさんの従業員にカードを持たせたい場合に最適な「追加カード無料」の法人カードを選んでもらいました。
追加カードもETCカードも最大999枚まで無料!
freee MasterCardワイド

年会費 | 初年度:無料 |
---|---|
2年目以降:無料 | |
ポイント還元率 | なし |
追加カード年会費 | 最大999枚まで無料 |
ETCカード年会費 | 最大999枚まで無料 |
申し込み条件 | 法人代表者・個人事業主 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 年会費永年無料
- 約2週間で発行可能
- 「クラウド会計ソフト freee」新規申し込みで2000円分ディスカウントクーポン
freeeカードはfreee株式会社とクレジットカード会社とが共同開発した法人カードで、「freee MasterCard」と「freee VISAカード」、AMEXブランドの「freee セゾンプラチナビジネスカード」の3種類のラインナップがあります。
選出した「freee MasterCard」はライフカードとの共同開発なので、「ライフカードビジネス特典」に加えて、会計ソフトの優待サービスや無料士業問い合わせなどのfreeeオリジナル特典が付いています。
従業員カードだけでなくETCカードも最大999枚まで無料で発行可能です。サブカードの発行枚数が多く、利用限度額も高い法人カードですが、年会費は永年無料です。
出張時に便利に使えるカードが欲しい
出張時に力強くサポートしてくれる特典の一つに「コンシェルジュサービス」があります。
コンシェルジュサービスが利用できる法人向けのプラチナカードの中から、ビジネスサービスが充実しているカードを選出してもらいました。
個人秘書のように便利なコンシェルジュサービスが秀逸!
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード

年会費 | 初年度:13万円 |
---|---|
2年目以降:13万円 | |
ポイント還元率 | 1.0% |
追加カード年会費 | 4枚まで無料、5枚目以降は1万2000円/1枚 |
ETCカード年会費 | 500円/1枚 |
申し込み条件 | 法人代表者・個人事業主 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 「メンバーシップリワード・プラス」付帯でポイント有効期限が無期限
- 最高5000万円の国内旅行傷害保険、最高1億円の海外旅行傷害保険が付帯
- 厳選された1100ヵ所以上のラグジュアリーホテルやリゾート施設で優待特典あり
- 対象ホテルの上級会員に登録
アメリカン・エキスプレス(以下、アメックス)のビジネス・プラチナ・カードは「プラチナ・セクレタリー・サービス」という名称のコンシェルジュサービスがあります。24時間365日、出張や接待の手配をはじめ、さまざまな要望に応えてくれる個人秘書のような存在です。
追加カードは4枚まで無料で発行できます。それぞれ「プライオリティ・パス」が発行できます。
年会費は13万円と高額ですが、追加カードでも基本カード会員同様の特典・サービスが受けられることを考えると、4枚追加発行すれば年会費は1枚あたり2万6000円です。
高い限度額のカードで資金繰りを改善したい
リースやクラウドサービスの費用、広告費などの高額な支払いを法人カードに集約して、資金繰りを改善したい方も多いのではないでしょうか。
さまざまな経費の支払いを集約して経費管理の手間を削減できるのが法人カードのメリットですが、カードの利用限度額が低ければ実現できません。
そこで、あらゆる支払いに利用できるような限度額の高い法人カードをおすすめしてもらいました。
利用限度額に一律の制限がないから高額利用も可能!
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

年会費 | 初年度:入会特典で初年度無料 |
---|---|
2年目以降:3万1000円 | |
ポイント還元率 | 1.0% |
追加カード年会費 | 1万2000円 |
ETCカード年会費 | 500円/1枚 |
申し込み条件 | 法人代表者・個人事業主 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 入会後1年以内のカード利用で3万ポイント獲得可能
- 最高5000万円の国内旅行傷害保険、最高1億円の海外旅行傷害保険が付帯
高額な支払いを考えているなら、法人カードを何枚か持つのも一つの手です。
もしくは、アメックスの「デポジット(保証金)」を利用しましよう。アメックスは一律の利用限度額がなく、デポジットを入金するとその金額分だけ決済に利用できます。
ビジネスユースで高額な決済が必要になった際にも非常に便利です。また、設備投資などでさらに高額の利用の場合も、相談にのってもらえます。
会計ソフトとの連携で利用限度額が柔軟に変わる!
freee セゾンプラチナビジネスカード

年会費 | 初年度:無料(2020年2月15日~5月6日) |
---|---|
2年目以降:ショッピング年間200万円以上利用で次年度1万円 | |
ポイント還元率 | 0.5% |
追加カード年会費 | 3000円 |
ETCカード年会費 | 本人/従業員カード各5枚まで無料 |
申し込み条件 | 個人事業主または経営者 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 有効期限がない「永久不滅ポイント」が貯まる
- 「プライオリティ・パス」に無料で登録可能
- 最高5000万円の国内旅行傷害保険、最高1億円の海外旅行傷害保険が付帯
- 「クラウド会計ソフト freee」新規申し込みで2000円分ディスカウントクーポン
「freee セゾンプラチナビジネスカード」はfreee株式会社とクレディセゾンの共同開発で、経費処理効率化や資金繰り改善などを目的としたカードです。
クラウド会計ソフトfreeeとカードを連携することで、財務状況によって与信判断がされて、ビジネスの成長に合わせて利用可能枠が自動で上がります。ただ、下がることもあるので注意が必要です。
カードの利用で「永久不滅ポイント」が貯まるので、経費削減にもつながります。ポイントはマイルにも交換可能です。
個人事業主でも作りやすい、お得なカードが欲しい
個人事業主の場合、法人カードで「支払いの公私分離ができて、経費の状況が明細で確認できればいい」と考えている方も多いのではないでしょうか。その場合、豪華な特典や付帯サービスは必要なく、業務上の買い物でお得に使えるカードがおすすめです。
経費の支払いを「楽天」に一本化してポイントをお得に貯める
楽天ビジネスカード

年会費 | 初年度:2000円 |
---|---|
2年目以降:2000円 | |
ポイント還元率 | 1.0% |
追加カード年会費 | ― |
ETCカード年会費 | 1枚目無料、2枚目より500円/枚 |
申し込み条件 | 法人代表者・個人事業主 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 楽天市場で買い物でポイント最大5倍
- 楽天プレミアムカードの特典が利用可能
- ETCカード複数枚発行可能
個人事業主の方におすすめなのが「楽天ビジネスカード」です。
楽天ビジネスカードは、楽天プレミアムカードの子カードとしてセットで利用する法人カードです。楽天ビジネスカードのみでの申し込みはできません。
楽天プレミアムカードは個人口座から、楽天ビジネスカードは法人口座からの引き落としになるので公私の分離ができて便利です。
楽天ビジネスカードはSPU(スーパーポイントアッププログラム)の対象なので、楽天市場の買い物でポイントが最大5倍になります。法人カードでの買い物で貯まるポイントは個人カードに集約されるので、個人事業主が個人で使う分にはかなりお得といえます。
特定店舗で還元率アップがある法人カードが欲しい
JCBカードBiz 一般カード

年会費 | 初年度:無料 |
---|---|
2年目以降:1250円 | |
ポイント還元率 | 0.5% |
追加カード年会費 | ― |
ETCカード年会費 | 1枚のみ無料 |
申し込み条件 | 法人代表者または個人事業主 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- インターネット新規入会限定キャンペーンで初年度年会費無料、最大7000円分プレゼント
- カードの利用額1000円(税込)につき1ポイントが貯まる
- 最高3000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯
三井住友ビジネスカード for Owners クラシックカード

年会費 | 初年度:無料 |
---|---|
2年目以降:1250円 | |
ポイント還元率 | 0.5% |
追加カード年会費 | 1名につき400円、初年度年会費無料 |
ETCカード年会費 | 500円、初年度無料・次年度以降も年1回の利用で無料 |
申し込み条件 | 法人代表者・個人事業主 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 新規入会&一定金額の利用などでもれなく最大1万円分のVJAギフトカードプレゼント
- インターネット申し込みで初年度年会費無料
- カードの利用額1000円(税込)につき1ポイントが貯まる
「JCB CARD Biz」と「三井住友ビジネスカード for Owners」は個人事業主と法人代表者向けのビジネスカードです。
「JCB CARD Biz」は、ポイント優待店のセブン-イレブンやAmazonでポイントが通常の3倍貯まります。
「三井住友ビジネスカード for Owners」は、全国のセブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンでいつでもポイントが5倍貯まります。
これに加えて、どちらのカードもApple PayやGoogle Payに設定できるので、ちょっとした備品などを購入するときにも重宝します。
SELECTorが教える!
達人おすすめ!法人カード選びの4つのポイント
次に菊地さん直伝の法人カード選びのポイントを紹介します。押さえておくべきは以下の4つです。
【法人カード選びのポイント】
- 年会費に注目する
- 還元率を知る
- 追加発行枚数を確認する
- 利用限度額と特典の充実度を見る
それぞれ詳しく見ていきましょう。
年会費に注目する
経費として計上できるとはいえ、法人カードを作るうえで気になるのが年会費です。
法人カードの年会費は、無料のものから10万円を超えるものまでさまざまです。また、追加カードを発行する予定がある場合、追加カードが有料だとその分の年会費も上乗せして考える必要があります。

法人カードの年会費は有料ものもと、無料のものがあります。最近は年会費無料の法人カードも増えてきています。
スペックにそれほど違いはないので、経理業務の簡略化が目的であったり、サブの法人カードを作りたいだけだったりする場合は、年会費無料の法人カードで十分といえば十分ですね。
出張時における空港ラウンジ無料利用や国内・海外出張サポートや旅行傷害保険が目的の場合は、年会費が有料の法人カードを選んだ方が特典やサービスが手厚いので安心です。
還元率を知る
法人カードは個人カードと比べると限度額が大きく、利用金額も大きくなるのでポイント還元率は気になるところです。
個人カードの場合は、還元率0.5~1.0%が相場ですが、法人カードの場合はポイントが貯まらないカードも珍しくありません。

還元率で選ぶとすると、まずはポイントが「貯まるか貯まらないか」を見極めることになります。
ポイント還元がないカードも多いので、法人カードの場合は0.5%あれば合格といえます。
また、マイルを貯めたい場合はカードを選ぶ際に注意が必要です。例えば、「ANA VISA/マスター<法人用>カード」は還元率0.5%でクレジットカード会社のポイントが貯まりますが、マイルには移行できません。
追加発行枚数を確認する
追加カードを発行して従業員にカードを利用してもらうことによって、従業員の仮払いや立替払いがなくなり、経費精算の業務負担を軽減できるメリットがあります。
法人カードの種類によっては、追加カードが発行できないものもあります。また、有料と無料のものがあることと、発行枚数の上限が決められていることに注意が必要です。

プラチナカードだと追加カードが何枚か無料のものもあるので、社員にプラチナカードを持たせることができます。
プラチナカードはコンシェルジュサービスが利用できるので、秘書を雇うことを考えれば断然お得です。
中小企業でもプラチナの法人カードを選んで従業員にプラチナカードを使ってもらえば、モチベーションが上がるといったことも期待できるので一石二鳥かと思います。
利用限度額と特典の充実度を見る
法人カードは個人カードよりも利用限度額が大きく設定されているものの、法人カードの利用限度額は、グレードによって以下のような相場になっています。
カードグレード | 利用限度額相場 |
---|---|
一般 | 10~100万円 |
ゴールド | 50~300万円 |
プラチナ | 150~500万円 |
クラウドサービスやリスティング広告などの高額なサービスの支払いに法人カードを利用する場合は、限度額に注意が必要です。

仕入れがある業種など、使う額が結構大きいのであれば、ビジネスカードを何枚か分けて持つか、コーポレートカードを選ぶことになります。もしくは、アメックスの「デポジット(事前入金)サービス」を利用する手もあります。
デポジットを入れておけば、実質利用可能枠に余裕をもたせることができるので、限度額不足を回避することが可能です。
法人カードも個人カードと同様に、上位グレードのカードの方が付帯サービスや特典が充実していますが、「本当に利用するサービス・特典であるか」をしっかりと見極めなくてはいけません。

出張が多い会社などでは、空港ラウンジサービスが使える、社員向けに出張中の保険が付帯している、というのはメリットが大きいでしょう。
アメックスの法人カードは、トラベル、ビジネス系の特典が充実しています。
空港ラウンジの無料利用や国内・海外旅行傷害保険、ショッピング保険の付帯はもちろんのこと、国内出張の際にカードでチケット購入した航空便において、遅延や手荷物紛失などにより発生した費用を補償してくれます。
法人カードを選ぶ前に知っておきたい基礎知識
事業が軌道に乗り出すと売上同様に経費も増えていきます。クレジットカードで事業の経費を支払うことができれば、経費精算の手間を減らせたり、キャッシュフロー改善につながるなどいくつもメリットがあります。
しかし、法人カードを持ちたいと思っていても、そもそも法人カードはどんなものか、審査に通るか不安という方も多いでしょう。ここでは法人カードの基礎知識を紹介します。

基礎知識・Q&A監修者
IFPコンフォート代表/ファイナンシャル・プランナー(一級FP技能士・CFP)
岩永真理さん
大手金融機関に入行し、ルクセンブルグ赴任などを含め10年以上勤務。夫の転勤に伴い退職後は、欧米アジアなどに通算15年以上在住し、その間に金融機関時代の知識と経験を生かすべくファイナンシャル・プランナー資格を取得。2011年にCFP®取得後は、個別相談・セミナー講師・執筆(監修)などを行う。
空港ラウンジや海外旅行保険など、クレジットカード付帯のサービスも定期的に利用。海外のクレジットカード事情にも詳しい。

法人カードって何? 個人カードとの違い
法人カードとは法人や個人事業主向けのクレジットカードのことです。
企業や個人事業の経費の支払いなどに使用することができます。法人カードもクレジットカードの一種なので、基本的な使い方は個人カードと同じです。
個人カードと同様にポイントを貯めることも可能など共通点もある一方で、法人カードならではの特徴や違いがあります。まずは、個人カードとの違いについて説明します。
審査の対象
申し込みの際の審査については法人の代表者に加えて、法人自体も審査対象となります。カードによっては、代表者個人の審査だけでカードを発行できる場合もあります。また、個人事業主向けの法人カードは事業主が審査対象となります。
引き落とし口座
個人カードは個人の口座しか引き落とし口座として登録できませんが、法人カードは法人口座からの引き落としが可能です。個人事業主の場合は屋号の口座や個人の口座でも登録できます。
引き落とし口座が法人や屋号の場合でも、カードの名義については法人の場合でも代表者などの個人名義になります。そのため利用する際のサインも会社名ではなく、カード上に記載された個人名でしなければいけません。
法人カードの場合、引き落とし口座の名義とカードの名義が異なる場合もあるので覚えておきましょう。
利用限度額
企業や事業主の経営状況によって異なりますが、一般的に利用限度額も個人カードに比べて大きいです。個人の利用に比べて大きな金額を取引することが多いためです。
支払い方法
法人カードでは基本的に支払いは一括払いのみとなっています。個人カードのような分割払いやリボ払いはできません。ただし、カード会社によっては、法人カードでも一括払い以外の支払い方法を扱っているカードもあります。
キャッシングの利用
法人カードでは、カード会社にもよりますが、基本的にキャッシングが使えません。個人カードのように資金が足りないときにキャッシングで資金調達をすることは難しいと考えた方がよいでしょう。
事業資金が足りずに資金調達がしたい場合は、キャッシング機能付きの法人カードを探すか、ビジネスローンを検討してみましょう。
例えば、「オリコ EX Gold for Biz S」はキャッシング機能付きの個人事業主向け法人カードであり、会員限定の優遇金利で「カードローン」や「証書貸付」商品を提供する融資金利優待制度があります。
オリコ EX Gold for Biz S

年会費 | 初年度:無料 |
---|---|
2年目以降:2000円 | |
ポイント還元率 | 0.5% |
追加カード年会費 | 無料 |
ETCカード年会費 | 無料 |
申し込み条件 | 個人事業主 |
国際ブランド |
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おすすめポイント
- 資金調達に役立つ「ローンカード」を会員限定の優遇金利で用意
- 出張に役立つ国内外30カ所以上対象の空港ラウンジサービス
- 会計ソフト「freee」の有料プランがお得に利用可能
付帯サービス
法人カードは付帯サービスもビジネス向けのものとなっています。カードによっては健康診断が割引で受けられるなどの福利厚生サービスや無料で経営のコンサルティングを行ってくれるサービスなどもあります。
追加カード
法人カードは従業員向けの追加カードが発行できます。規模が大きい企業などは、企業の経費となる支払いは従業員向けカードで行うと、経理の効率化につながります。
<法人カードと個人カードの違い>
法人カード | 個人カード | |
---|---|---|
審査対象 | ・法人 ・法人の代表者 ・(個人事業主の場合)事業主 |
個人 |
引き落とし口座 | ・法人口座 ・屋号の口座 ・個人の口座 |
個人口座 |
利用限度額 | 高い | 低い |
支払い方法 | 一括が基本 | 分割払いやリボ払いも可能 |
キャッシング | 利用できない場合が多い | 利用可能 |
付帯サービス | 法人向け | 個人向け |
法人カードの種類(コーポレートカード、ビジネスカード)
法人カードと個人カードについて説明しましたが、厳密にいえば法人カードは2種類に分かれます。コーポレートカードとビジネスカードです。2つを分ける基準となるのが企業の規模です。
カード会社によってはさらに細かく分類される場合もありますが、一般的には大企業向けの法人カードをコーポレートカード、中小企業や個人事業主向けの法人カードをビジネスカードといいます。
法人カードの使用者が20名以上の場合はコーポレートカード、20名未満の場合はビジネスカードと呼ばれるのが一般的です。
コーポレートカードの方がビジネスカードよりも利用限度額が高い傾向にあります。
<コーポレートカードとビジネスカードの違い>
コーポレートカード | ビジネスカード | |
---|---|---|
企業規模 | 大企業 | 中小企業・個人事業主 |
利用限度額 | 高い | 低い |
カードを使用する従業員の人数 | 20名以上 | 20名未満 |
法人カードを利用するメリット・デメリット
法人カードの利用にはメリットはもちろん、デメリットもあります。個人事業主か企業かによって、メリット・デメリットも多少異なりますので、個人事業主の場合と企業の場合に分けてそれぞれ紹介します。
個人事業主が法人カードを利用するメリット
個人事業主にとってのメリットは、プライベートの買い物と事業の経費を明確に分けることができることです。個人カードで経費の支払いをすることも可能ですが、毎月明細を確認し、どれが私的でどれが事業での利用かを分類するのは手間がかかります。法人カードを利用することで、経費の支払いを一括管理することができます。
会計ソフトと法人カードを連携すれば、さらに経理の手間も減らすことができます。確定申告の時期に慌ててレシートや領収書を入力することもなくなるでしょう。
個人事業主が法人カードを利用するデメリット
デメリットは、カードの年会費がかかるものが多いことです。さらに法人カードの中にはポイント還元率が個人カードよりも低いカードもあります。
企業が法人カードを利用するメリット
企業にとってのメリットは、経費精算や経理の手間が省けるということです。例えば備品の購入費、出張の際の交通費や宿泊費など経費が発生するたびに毎回精算することは手間と時間がかかります。
従業員に法人カードを渡し、経費の支払いをカードで行ってもらえれば上記のような手間と時間が省けます。また、誰がどこで何にいくら使ったのか明確になるので、経費の透明性が高まるメリットもあります。

さらに、キャッシュフローの改善にもつながるメリットがあります。決済に法人カードを使えば、現金のようにその都度支払うのではなく、毎月決まった日にまとめて指定口座から引き落とされます。カードの利用から引き落としまでは1〜2ヶ月あり、その間に資金を準備することも可能でしょう。
仕入れなどで先行して多額の資金が必要となる法人は、支払いまでの猶予があれば資金繰りを調整しやすくなります。また、振込や代引きなどの手数料もかかりません。
企業が法人カードを利用するデメリット
企業にとってのデメリットは、法人カードは一括払いが基本で、分割払いやリボ払いはできないことです。また、キャッシングができないことも挙げられます。
しかし、最近では法人カードでも分割払いやリボ払いができるカードや、キャッシングも可能なカードも増えてきているので、カードの選び方でデメリットを減らすことも可能です。
法人カードに関する疑問・Q&A
法人カードの利用を検討するうえでは、さまざまな疑問があるでしょう。
法人カードは個人事業主やフリーランスでも作れるのか、法人カードの審査は個人カードとどう違うのかなど、よくある疑問についてQ&A形式で紹介します。
Q. 個人事業主やフリーランスでも法人カードは作れる?
A. 個人事業主やフリーランスでも法人カードを作ることは可能です。
個人事業主やフリーランスの場合は、個人事業主や中小企業に発行されるビジネスカードになります。ただし、申し込みをすれば誰でも法人カードを作れるわけではなく、個人カード同様に審査があります。
審査では、過去に支払いの遅延がないかなど、カード利用履歴が重要となります。また、開業届を出しているかどうかも社会的信用につながり審査に影響するので、法人カードの審査通過率を高めたいなら、開業届を出しておきましょう。
さらに、カード会社によっては申し込みの際に固定電話の記入が必要となる場合もあるので、申し込み条件は事前に確認しておきましょう。
Q. 個人カードを法人用に使うことはできる?
A. 個人カードを法人用に使うことは可能です。
しかし、個人カードの引き落とし口座を法人の口座に設定することはできません。そのため毎回経費として精算する必要があります。経費精算の手間や個人での利用分と区別する煩雑さを考えると、法人カードを使用する方がよいでしょう。
Q. 法人カードの申し込み方法、どうやって作るの?
A. 法人カードの申し込みはおもに2種類の方法があります。
法人カードの申し込み方法は主に2種類あります。インターネットでオンライン申し込みをする方法と、申込用紙に記入し郵送で行う方法です。できるだけ早くカードを発行したいのであれば、オンライン申し込みがおすすめです。

申し込みの際は、会社や事業の規模や業種、資本金など法人の基本的な情報を記入します。
以下のような書類も申し込み時に必要です。
個人カードに比べて用意する書類が多く、役所に取りに行かなければならない書類もあるので、余裕をもって手続きをしましょう。また、カード会社ごとに必要な書類は異なるので事前にしっかり確認しておきましょう。
【必要書類の例】
- 登記簿謄本や印鑑証明書
- 法人の確認書類
- 代表者または個人事業主の本人確認書類
前提として法人の場合は、法人名義の口座が必要ですので、起業したばかりでまだ口座が準備できていない場合は、法人カードの申し込みより先に口座の開設手続きを行いましょう。
申し込みが完了後は審査が行われ、無事審査に通過すればクレジットカードが発行されます。手続きが早いカード会社であれば申し込みから2〜3週間で手元に届きます。
Q. 法人カードの審査は個人カードの場合とどう違うの?
A. 法人カードの審査は法人代表者と法人が審査の対象となります。
法人の業績やこれまでの実績も審査対象となるので、個人カードに比べて審査が厳しくなる傾向にあります。ただし、法人格を持たない個人授業主は、事業主自身の信用情報が重視されることが多いようです。
Q. 税金を法人カードで払うにはどうすればいい?
A. 法人カードでの税金納付は「国税クレジットカードお支払サイト」にアクセスすれば可能です。
「国税クレジットカードお支払サイト」上で、利用者情報、納付内容、クレジットカード情報を入力します。支払い内容を確認して納付ボタンをクリックすると納付が完了します。
法人カードで税金を支払うことで窓口まで出向く手間が省ける、支払いをカードで管理できるなどのメリットがあります。一方で、納付税額に応じた決済手数料がかかる、領収書が発行されないなどのデメリットもあります。また、全ての税金の支払いを法人カードでできるわけではないので、注意が必要です。
Q. 法人カードで貯めたポイントを個人で使ってもいい?
A. 法人カードのポイントは個人で使うことはできません。
その理由は、法人カードは名義が個人名義でも、あくまで契約主は法人であり、ポイントも法人の資産の一部になるからです。法人カードのポイントを個人利用した場合は、横領と見なされる場合もあります。
まとめ
菊地崇仁さんが厳選したおすすめの法人カードを目的別に8枚を紹介しました。
以下に、6つの目的で選出された法人カードをまとめているので、ぜひカード選びの参考にしてください。
中小企業や個人事業主の方、フリーランスの方が法人カードを利用するメリットは多くありますが、「複雑で選ぶのが難しい」のも事実。選び方のポイントをしっかりと押さえて、目的にあった法人カードを選びましょう。
券面 | カード名 | 公式サイト | |
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年会費無料の法人カード | ![]() |
NTTファイナンスBizカード レギュラー | 公式サイト |
追加カード無料の法人カード |
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freee MasterCardワイド | 公式サイト | 出張時に便利な法人カード |
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アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード | 公式サイト |
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個人事業主でも作りやすい法人カード |
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JCBカードBiz 一般カード | 公式サイト |
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三井住友ビジネスカード for Owners クラシックカード | 公式サイト |
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