除湿機のおすすめ10選！衣類乾燥や結露対策に効果的な商品の選び方を家電のプロが詳しく解説

「洗濯物の乾燥にも使えるおすすめの除湿機はどれ？」
「商品数が多すぎて、自分が求める性能にあった除湿機がどれかわからない」

部屋の湿度を取り除いてくれる除湿機。最近では、部屋干しの衣類乾燥にも便利な機能を備えたモデルも増えてきています。しかし、いろいろなメーカーから商品が販売されており、除湿方式や搭載されている機能もさまざまなので、どれを選んでよいのか迷ってしまう方も多いでしょう。

この記事では、家電ライターの倉本春さんに、除湿機の基礎知識や選び方のポイントをお聞きしました。また、倉本さんからお伺いしたお話をもとに、your SELECT.編集部が厳選したおすすめの加湿器も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

家電のプロに聞く！

ここが知りたい除湿機の基礎知識

サーキュレーターやエアコンの除湿機能との違い、除湿方式の種類、除湿のパワーを表す数値など、除湿機を購入するうえで押さえておきたい基礎知識を倉本さんにお聞きしました。

「除湿能力が高いものは本体も大きいことが多いので、自分にあったスペックを見極めることが重要です」と倉本さん

除湿機、サーキュレーター、エアコンの除湿機能の違い

最近の除湿機は、湿度を下げるだけではなく、室内での衣類乾燥に便利な機能を搭載した機種が増えてきています。室内での衣類乾燥でサーキュレーターやエアコンの除湿機能を使う人もいると思いますが、季節を問わず室内での衣類乾燥に使いたい場合は除湿機が便利です。

サーキュレーターは除湿能力がありません。そのため、湿度が低い時期であれば風で洗濯物を乾かすことはできますが、梅雨や夏場など湿度が高い時期だとしっかり乾かせないことがあります。また、サーキュレーターの風は洗濯物の湿気を部屋全体に散らすことになるため、部屋全体がジメジメしてしまいます。

サーキュレーターは湿気を部屋全体に散らしてしまうので、梅雨や夏場の衣類乾燥には不向き。除湿機は季節を問わず使用しやすい

エアコンの除湿機能は、後述するコンプレッサー式の除湿機と除湿の仕組みが同じですが、電気代はエアコンの方が安いことが多いです。しかし、エアコンの除湿機能は部屋の温度を下げながら湿気を取り除くため、冬の使用には向いていません。また、エアコンは備え付けなので、決まった場所でしか使用できないというデメリットもあります。除湿機であれば家の中を移動できるので、浴室で使えたり、干した衣類のそばに置いておけたりなど、機動性の部分でメリットがあります。

除湿方式｜コンプレッサー、デシカント、ハイブリッドの特徴

除湿機のおもな除湿方式は、コンプレッサー式、デシカント式、ハイブリッド式の3種類があります。それぞれの仕組みと特徴を解説します。

コンプレッサー式

コンプレッサー式は湿った空気を冷却器で冷やすことで、水滴に変えて湿気を取り除きます。エアコンの除湿機能もこの方式です。

消費電力も少ないので、ランニングコストを抑えることができます。空気と冷却器の温度差が大きいほど湿気を水に変えられるため、気温が高いほど効果が高くなります。ただし、コンプレッサーを搭載している分、本体が大きくなってしまううえ、稼働音も大きいのがデメリット。夏にはパワーを発揮しますが、冬は夏ほどの効果が期待できません。

デシカント式

デシカント式は除湿機内にある乾燥剤に湿気を吸着させて、ヒーターで気化させる方式です。気化した水分は熱交換器で水に変えてタンクに溜めます。

コンプレッサー式と比べ、本体はコンパクトで静音性も高いことがメリットです。ただしヒーターで気化させるため、コンプレッサー式と比べてランニングコストは高くなります。また、稼働させていると除湿機の周りが熱くなるので、夏の使用には向いているとはいえません。逆に冬であれば部屋の空気を温めながら除湿してくれます。

ハイブリッド式

ハイブリッド式はコンプレッサー式とデシカント式の両方の機能を搭載し、気温によって2つの方式の除湿比率を自動で調整しながら稼働します。

夏にはコンプレッサー式、冬はデシカント式をメインに稼働させることで、1年中高い効果を発揮。さらに、2つの方式を効率よく切り替えるので、電気代も比較的安くすみます。一方で、両方の機能を持っているため、本体は大きくなるうえに、価格も比較的高めになってしまいます。

除湿方式の違いを表にまとめたので、チェックしてみてください。

除湿方式	コンプレッサー式	デシカント式	ハイブリッド式
本体サイズ	やや大きい	小さめ	大きい
本体価格	やや高め	安め	高め
ランニングコスト	安め	高め	安め〜普通
稼働音	大きい	小さい	大きい
除湿性能（夏）	高い	高い※	高い
除湿性能（冬）	低い	高い	高い

※ 除湿機の周りが熱くなり部屋の温度の上昇につながるので、夏の使用には向かない

除湿能力の目安は「定格除湿能力」でわかる

除湿機には、除湿能力を示す共通の指標があり、それが「定格除湿能力」になります。定格除湿能力は、簡単にいうと「室温27℃（デシカント式は20℃）、相対湿度60％を維持したときに1日あたりに除湿できる水の量」を表しており、数値が大きいほど除湿能力が高いといえます。

また、除湿能力の目安となる指標には「適用畳数」というものもあります。こちらは除湿機がどれくらいの大きさの部屋を除湿できるかを表した数字になります。こちらも畳数が大きいほど除湿能力が高いといえます。

定格除湿能力や適用畳数は、購入前にメーカーのサイトなどで必ずチェックしよう

専門家が教える！

失敗しない除湿機の選び方

除湿機は用途や使用環境などによって、適切なものが異なります。合わないものを選んでしまうと、思ったような除湿効果が得られなかったり、オーバースペックのものを購入して無駄なコストがかかったりしてしまいます。自分にあった除湿機の選び方を、倉本さんに伺いました。

「除湿機はどのように使うかで重視すべきポイントが変わってきます」と倉本さん

通年使いたい人はハイブリッド式、寝室に設置するならデシカント式がおすすめ

通年で使いたい人はハイブリッド式がおすすめです。ハイブリッド式であれば1年を通して高い除湿能力を発揮でき、運転効率もいいのでランニングコストも抑えられます。ただし、ハイブリッド式は本体が大きいものが多いため、部屋を移動させて使用するならキャスター付きのものが便利です。

「ハイブリッド式は10kg以上ある商品が多いので、キャスターが付いているかは要チェックです」と倉本さん

梅雨や夏の時期の除湿、冬の結露対策といったように、使用する時期が限られるならコンプレッサー式やデシカント式も選択肢になるでしょう。寝室に使用するなら稼働音が40dB（図書館の館内程度）以下が目安となり、静音性に優れたデシカント式が向いています。

部屋の大きさや乾燥させる衣類の量に合った除湿能力のものを選ぶ

除湿機を選ぶ際は用途や使用環境をふまえて、自分に必要な除湿能力を見極めることも必要です。

3人以上の衣類乾燥に使うなら「定格除湿能力」は10L以上が目安

衣類乾燥で使う場合は、除湿能力が高ければ高いほど効果を発揮します。3人以上の家族の衣類をまとめて洗って乾燥させる場合には、10L以上の定格除湿能力があるものがおすすめです。ただし除湿能力が高くなるほど本体のサイズも大きくなってしまうので、置く予定のスペースの広さをチェックしておきましょう。また、一人暮らしやカップルであれば10L以下でもかまいませんが、置くスペースに余裕がある場合は、できるだけ定格除湿能力が高いものを選ぶと、衣類乾燥の時間を短縮できます。

衣類乾燥で使う場合は、除湿能力と置けるスペースを考慮する

部屋の除湿で使う場合は適用畳数とタンクの容量を確認

部屋の除湿をメインで使う場合は、適用畳数をチェックし、使用する部屋の大きさにあったものを選ぶようにしましょう。ただし梅雨や夏場など湿度の高い時期に使うのであれば、使用する部屋よりも適用畳数が大きいものを選ぶと効率よく除湿できます。適用畳数が小さいものを選ぶと除湿できるまでに著しく時間がかかってしまうので、最低でも部屋の大きさと同じものを選ぶようにしましょう。

また、適用畳数や定格除湿能力が高くても、貯水タンクの容量が小さいと頻繁に水を捨てなければいけないので手間がかかってしまいます。梅雨どきや夏場をメインに使う人は、タンクの容量ができるだけ大きいものを選ぶと便利です。水捨ての手間を減らしたいなら、浴室などに排水ができる連続排水機能付きのもを選ぶのもいいでしょう。ただし、ホースが届く範囲でしか使用できないので注意が必要です。

排水用のホースをつなぐ穴は、本体裏に付いていることが多い

衣類乾燥メインで使うならルーバーは必須！

その他の便利機能もチェック

おもに衣類乾燥で使う場合に重視したいのが、ルーバー（羽）です。ルーバーがあれば広い範囲に送風できるので、洗濯物が乾きやすくなります。ルーバーは、上下に自動で動くものが多いですが、上下に加えて左右にも動くものや、センサーで生乾きの洗濯物を検知して送風してくれる機種など、性能に差があります。洗濯物の量が多い人は、ルーバーが上下左右に動き広い範囲に送風できるものを選ぶと、効率よく衣類乾燥ができます。

衣類乾燥で使うならルーバーは必須。風が送れる向きや範囲をチェックしよう

雑菌や部屋干しのにおいが気になる人は除菌・脱臭機能を搭載したモデルを選びましょう。睡眠中や外出中などの時間を使って効率的に行いたい人はタイマー機能があるものがおすすめです。

除菌・脱臭機能	イオンを放出させることによって雑菌の繁殖を抑制し、部屋干しの生乾き臭や汗のにおいなどを抑える。代表例として、パナソニックのナノイーX、シャープのプラズマクラスターなどがある
タイマー機能	2時間、6時間など設定した時間が経過すると自動的に電源がオフになる
内部乾燥機能	運転後、本体内部に残った水分を乾燥させ、カビの発生を防ぐ

「機能とあわせて、液晶パネルの有無や操作のしやすさもチェックしましょう」と倉本さん

おすすめの除湿機10選

倉本さんのアドバイスをもとにyour SELECT.編集部が厳選したおすすめの除湿機を紹介します。

ハイブリッド式ながらもすっきりとした大きさなので、部屋の場所を取らずに設置できます。またキャスター付きなので移動も楽です。イオンで空気をきれいにしてくれるプラズマクラスターを搭載しているので、除菌や消臭もしてくれます。定格除湿能力が11Lあり、ルーバーは、左右や上下にスイング。広範囲に送風できるので、多めの洗濯物でもしっかりと対応できます。

部屋の雰囲気になじみやすい、コンパクトでシンプルなデザインのハイブリッド式除湿機。コンプレッサーを動かしたときに生まれる熱を再利用することで、1年を通して高い除湿能力が発揮できます。温度、湿度の変化を感知して、乾燥が完了したら自動停止してくれるセンサーを搭載しているので、無駄な電気代を抑えてくれます。

イオンによって、空気中の菌やウイルス、アレル物質などを抑制してくれるナノイーを搭載。除菌と脱臭を行ってくれるので、部屋干しでも安心です。ルーバーは約160度上下に動くので、本体後方への送風も可能なうえ、左右は約110cmと幅広く送風できるので、大量の洗濯物でも乾燥できます。デシカント式なので本体も小さく、重量も6kgと複数の部屋に移動させて使いやすい除湿機です。

コンプレッサー式ながらも、パワフルに運転させる“冬モード”を搭載しており、1年中安定して除湿ができます。ルーバーは、広角オートスイングで大量の洗濯物もすばやく乾かせるうえ、下吹きもできるので布団やカーペットの湿気取りにもぴったりです。夜干しモードも搭載していて、低騒音運転をしてくれるほか、万が一タンクが満タンになっても送風運転してしっかり乾燥してくれます。キャスターが付いているので、持ち運びが楽なのも◎。

効率よく乾燥してくれる機能を多数搭載した除湿機です。「部屋干しおまかせムーブアイ」は、センサーによって衣類の状態を感知して、生乾きの衣類を見つけてくれる機能。ふとんの湿気を検知して布団乾燥してくれるモードもあるなど、パワフルな除湿パワーで幅広く使えます。上下左右に自動で動く「3次元広角狙えルーバー」と「部屋干しおまかせムーブアイ」によって、衣類乾燥を効果的に行ってくれます。

定格除湿能力が16L、適用畳数は鉄筋であれば40畳（50Hz）と強力な能力を持つ除湿機です。4つの衣類乾燥モードを搭載しており、部屋干しにも力を発揮。キャスター付きなので、部屋の移動も簡単です。コンプレッサー式ながら冬はヒーターを併用して除湿を行うなど、1年を通して使いやすいのが特徴です。また、弱運転時は39dBと静音性も高く、寝室での使用にも向いています。カビの発生を抑制する内部乾燥モードを搭載しているので、本体内の衛生面も安心です。

サーキュレーターと除湿機が一体となった除湿機です。サーキュレーターは分離させて使用することが可能。本体とは赤外線通信によって連動しており、衣類の乾き具合を検知して、送風の強さや向きなどを自動調整してくれます。またサーキュレーターは送風距離が約6mあり、エアコン使用時などに単体として使うこともできます。タンクの容量は3.6Lと大きめ。連続排水機能も備えているので、長時間外出する際も気にすることなく室内乾燥ができます。

定格除湿能力12L、適用畳数は30畳とパワフルな除湿能力を持っている除湿機。環境湿度ランプを搭載し、部屋の湿度状況を5段階表示で知らせてくれます。また内部乾燥機能や、冷却器の霜を自動で取り除いでくれる自動霜取りといった便利機能も充実。重さは14kgと重めですが、キャスターが付いているので、設置場所の移動もスムーズに行えます。

除湿機に関するよくある疑問 Q＆A

除湿機に関するよくある疑問について、倉本さんに答えていただきました。

Q.そもそも除湿機を利用することのメリットって何?

A. 湿度は結露の原因となり、放っておくとやがてカビを発生させてしまいます。カビにはダニなどが集まり、その死骸やフンは、アレルギーなどの健康被害を及ぼすことがあります。除湿機は結露の原因となる湿度を下げることができます。夏場に除湿機を使うと湿度が低くなり体感温度が下がります。そのためエアコンの設定温度が上げられるので、電気代の節約にもつながります。また、洗濯物の室内干しをしたときには、乾燥スピードを早くすることができます。

「湿度を下げることで得られるメリットは案外多いです」と倉本さん

Q.衣類乾燥や除湿を効率的に行うコツは？

A. 除湿機は除湿したい場所や物の近くで使用するのがおすすめです。

部屋干しに使うのであれば洗濯物の近く、結露対策に使う場合は窓の近くなど、目的に合わせて位置を変えましょう。また、部屋干しの場合は、水分は衣類の下の方に溜まるため、衣類の下側に送風するのもポイントです。

送風機能付きの場合は、風が除湿したいものや場所に直接当たるように設置するとより効果的です。コンパクトなタイプは衣服の下に設置し、風向きを真上に調整すると、効率的に乾燥できるうえに省スペースになります。

「丈の長いものは両端、短いものは中央に干すと、風が効率よく当たります」と倉本さん

Q.使用後のお手入れ方法は？

A. 使用後は必ず排水タンクの水を捨て乾燥させましょう。

タンクに水がたまったままにしておくと、雑菌が繁殖したりカビが発生したりと不衛生です。排水タンクは1〜2週間に一度しっかり内部をすすぎ、汚れは中性洗剤で落としましょう。

「タンクはできるだけマメに水洗いするようにしましょう」（倉本さん）

また、プレフィルターも定期的な手入れが必要です。プレフィルターにほこりがたまると除湿能力が下がってしまうため、2週間に一度程度の頻度でプレフィルターを取り外し、掃除機でほこりを吸い取りましょう。

プレフィルターは簡単に取り外せるものが多い

Q.メーカーによる違いはある？

A. 除湿機はメーカーごとに特徴や強みが異なります。人気メーカーのおもな特徴を見てみましょう。

メーカー	おもな特徴
パナソニック	・デシカント式とハイブリッド式を展開 ・大容量タイプから一人暮らし向けのコンパクトタイプまで豊富なラインナップ ・イオンの力で空気中の菌やアレル物質の作用を抑制する「ナノイーX」を全機種に搭載
三菱電機	・全機種がコンプレッサー式 ・除湿能力が高くパワフル ・機種によって、生乾きを検知するムーブアイ機能や、低温時にも対応する冬モードなどを搭載
シャープ	・コンプレッサー式、デシカント式、ハイブリッド式の3種類を展開 ・比較的スマートな設計で設置スペースが小さめ ・イオンの力で空気中の菌の抑制や除臭ができる「プラズマクラスター」を全機種に搭載
コロナ	・コンプレッサー式のみの展開 ・比較的軽量で排水タンクも大きめ ・洗濯物が乾くと自動的に運転が停止するオートストップ機能や、風向きの自動調整機能を備えたモデルが多い
アイリスオーヤマ	・コンプレッサー式とデシカント式を展開 ・機能を絞った低価格な商品が多い ・サーキュレーターを搭載したユニークな商品もある

とにかくパワーを求めるなら三菱電機、イオンによる除菌・消臭効果を求めるならパナソニックやシャープなど、メーカーごとの特徴や機能を知っておくと、除湿機選びがスムーズになります。

除湿機のAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの人気ランキングをチェック

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでは除湿機の売れ筋ランキングをチェックできます。いまの売れ筋ランキングを、商品選びの参考にしてみてもいいでしょう。

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まとめ

部屋の湿度を下げてくれるだけでなく、部屋干しの衣類乾燥にも便利な除湿機。商品によって除湿能力が異なり、独自機能を搭載したモデルが各メーカーから販売されています。

ぜひ本記事を参考にして、自分にあった除湿機を見つけてください。