非常食のおすすめ15選！災害時に備えて長期保存できる備蓄食料の選び方を防災のプロが徹底解説

災害などの非常事態のために備えておきたい「非常食」。しかし、さまざまな種類があるため、何をどのくらい用意しておけばいいのかわからない人も多いでしょう。

そこでこの記事では、 防災アドバイザーの佐伯潤さんに、さまざまな災害現場での経験をもとにした、非常食の基礎知識や選び方のポイントを教えてもらいました。

また、佐伯さんのアドバイスをもとに、your SELECT.編集部が厳選したおすすめの非常食を紹介しているので、選ぶ際の参考にしてください。

保存期間が長く、家族みんなが食べられるものを選んでおくといざというときにも安心

災害時には、電気やガス、水道といったライフラインが止まってしまい、ふだんと同じように食事をすることがままならない場合も少なくありません。

交通インフラの状況によっては物流にも影響が及び、食料の確保自体が難しくなることもあります。また、暑い夏に電気が止まり、冷蔵庫が使えなくなると生鮮食料品などを保存しておくことが難しくなります。

食事は、私たちが生き延びるために欠かすことができないものです。また、ふだんと異なる過酷な状況であるからこそ体力・気力ともに維持できるように、調理不要で長期間保存できる「非常食」を備えておくことが重要なのです。

非常食を選ぶときポイントは、以下の4つです。

これらのポイントをチェックしながら、自分や家族に合った非常食を選ぶとよいでしょう。

管理のしやすさ｜保存期間が3年以上あるものを選ぶ

基本的には、保存期間が3年以上あるものを選んでおけば、賞味期限を確認する頻度を減らせます。保存期間（賞味期限）がわかりやすく印字されたものや購入日を記入できるものを購入しておくと、賞味期限切れに気づきやすいので安心です。

パッケージの表側など、わかりやすいところに記載があるものを選ぶとよい

また、災害時にはゴミの回収も止まってしまうことも。そのため、食べた後のゴミをコンパクトにまとめられるレトルトパウチ入りのものを選べば、ゴミを少なくすることができます。

レトルトパウチはコンパクトでかさばらないのも利点

食べやすさ｜調理不要や開封しやすいものを選ぶ

非常時にはライフラインが停止し、ガス・電気・水道が使えない場合や、ゆっくりと食事を取るための時間や場所がないこともあります。そのため、調理不要ですぐに食べることができるものや、水を注いで待つだけで食べられるものなどを選びましょう。缶詰やレトルトパウチの商品がありますが、缶切りやハサミなどの道具を使わなくても開封できるかもポイントです。また、箸やカトラリーがなくても食べられるように、パッケージの中や外側にスプーンがついているものや、手で持って食べられるものも用意しておくとよいでしょう。

パッケージの底面にスプーンがついた商品もある

栄養バランス｜1日1600〜2000カロリーを目安に選ぶ

食事を取る時間や場所が限られる可能性がある非常時は、すみやかに栄養補給できるものが好ましいといえます。大人の場合、1日あたりの基礎代謝量が1200カロリーほどであり、心身ともにストレスが多い災害時には1600〜2000カロリーが摂取の目安となります。子どもや高齢者は、おおむね60〜80％ほどで考えます。

非常食や保存食として販売されている食品には、カロリーや栄養素が記載されているものがほとんどなので、確認のうえ購入するのがおすすめです。

また、水道が止まってしまうことを考えれば、栄養と水分を一緒に取ることができるスープやおかゆ、リゾットなども用意しておくと安心です。ごはんやパン、麺類などの炭水化物だけでなく、不足しがちなタンパク質を補えるように、魚や肉などのおかず類も忘れずに入れておきましょう。

家族が食べられるか｜アレルギーがあるものや苦手なものを省いて選ぶ

家族みんながおいしく安心して食べられるように、アレルギーのあるものはもちろん、苦手なものも省くようにしましょう。家族の中に、小さな子どもや高齢者が含まれる場合には、やわらかいもの・味付けが濃すぎない（辛すぎないなど）ものを選ぶようにします。

非常時には、心身ともに大きなストレスがかかってしまい、食欲不振になってしまうこともあります。だからこそ、自分や家族の好みに合いおいしく食べられる保存食を選ぶことは大切です。ふだんの食事でよく食べている料理や好みの味付けのものなどであれば、安心して食べることができるでしょう。

非常時に味など気にしていられないと思わず、余裕のあるときにおいしく食べられるものを選んでおくのがおすすめです。

非常食は、大きくわけると5種類あります。
基本的には、ふだんの食事と同じで、主食となる「ごはん類」「麺・パン類」に「おかず類」、おやつや軽食の代わりにもなる「お菓子類」、そして水分となる「飲料水」です。好みの主食はもちろん、おかずなどバランスを考えて用意しましょう。また、食事時間が取れないことや食欲不振になることも想定されるので、子どもや高齢者が口に入れやすいものや食べやすいお菓子類もあるといいでしょう。

ごはん類	水もしくはお湯を注ぐだけで調理できるアルファ化米を使ったもの、すぐに食べられるレトルトパウチ入りのものなどがある
麺・パン類	麺類は、レトルトパウチ入りのパスタや長期保存対応のカップラーメン、うどんなどがある。パン類は、コンパクトかつ形が崩れないように、缶入りのものが中心
おかず類	缶詰・レトルトパウチ入りが中心
お菓子類	ビスケットや羊かんなど。食べ切りサイズの小分けになっているものが中心
飲料類	飲料にも調理にも使える「飲料水」がベスト

防災アドバイザーの佐伯潤さんに教えていただいた選び方のコツ＆アドバイスをもとに、your SELECT.編集部がおすすめの非常食15商品を厳選しました。 種類ごとにご紹介しますので、好きなものを組み合わせて、自分に合った「非常食」を備えましょう。

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• ごはん類のおすすめ3選
• 麺・パン類のおすすめ3選
• おかず類のおすすめ3選
• お菓子類のおすすめ3選
• 飲料類のおすすめ3選

ごはん類のおすすめ3選

やっぱり1番に選びたいのが主食のごはんです。お湯 or 水で調理できるアルファ米、ローリングストックにも便利なパック米、味のバリエーションを楽しみたい人向けの5種セットなど、特徴ある商品をセレクトしました。

白飯・わかめごはん・五目ごはん・ドライカレー・チキンライスの5種類が各2袋ずつ計10食のセットです。お湯を注いで待つこと15分（水の場合は60分）でふんわりやわらかなごはんができあがります。スプーン付きなので、食器＆カトラリー不要で食べられます。賞味期限が大きくわかりやすく表示されているので、賞味期限忘れを防止できます。5年間の長期保存が可能な商品です。

国産うるち米100％。お米の保管に適した15℃以下の低温場にて、保管・精米・包装を行うことで、お米の鮮度とおいしさを保っています。独自の無菌設備と品質保持手法により、添加物はいっさい不使用。宮城のお米＆水のみでつくられています。外装に遮光性の高いアルミ素材を採用し、5年間の長期保存を可能にしました。ローリングストックにも適した商品です。

国産のうるち米を100％使用。通常のアルファ化米に比べ、調理時間を短縮できる商品です。パッケージ内にスプーンが付いているので、できたてを袋のまますぐに食べられます。袋はお湯や水を加えても倒れにくい安心設計のため、災害時や避難所などでも調理しやすいのが特徴です。コンパクトで軽いので、備蓄はもちろん、防災セットに入れる非常食としてもおすすめしたい商品です。

麺・パン類のおすすめ3選

それだけで一食をまかなうことができる麺やパンは、ゆっくりと食事を取る余裕がないときにも、手軽に食べられて便利です。さまざまな味や種類のものがあるので、好みのものを見つけて備えておくとよいでしょう。

京都の祇園発祥のデニッシュパン専門店「ボローニャ」が新潟県中越地震をきっかけに開発した缶詰です。プレーン・チョコ・メープル、3種類の味わいが楽しめます。紙に包まれた手のひらサイズのパンが2つ入っており、缶を開けるだけで食べられます。食事としてはもちろん、軽食やおやつにもぴったりです。

カルボナーラ・ペペロンチーノ・きのこのパスタの3種類のショートパスタが2個ずつセットになった商品です。お湯で3分・水で20分で本格的なショートパスタが食べられます。パッケージの中にスプーンも入っているため、パッケージからそのまま食べることができます。小腹がすいたときの一食にちょうどよく、非常食としてはもちろん、登山などの携帯食としても人気の商品です。ローリングストックとして購入するのもよいでしょう。

缶を開けてお湯を注いで10分待つだけで、カツオと昆布のだしが香る本格的なうどんが食べられます。味はきつねうどん、鶏南蛮カレーうどん、ちからうどんの3種類があります。熱くならない安心構造の容器を採用しているため、缶のまま手に持って食べても、やけどすることはありません。缶内部は保温性があるので、最後まで温かいまま食べることができます。化学調味料不使用、風味と食感にこだわっており、本格的な味わいが楽しめます。非常時こそ、食べたときにほっとする温かいものを用意しておくとよいでしょう。

おかず類のおすすめ3選

おかず類には、缶詰やレトルトパウチ入りのものがあります。子どもからご年配の方までおいしく食べられる人気の商品をセレクトしました。

小さな子どもや高齢者も安心して食べられるやわらかな食感で、ほんのりスパイスを感じる甘口のカレー＆ごはんです。開封すればすぐに食べられるので、スプーンがあればどこでも手軽に食べることができます。しっかりとした量があり、これ1パックで主食＆主菜をまかなうことができるため、調理の手間をかけられない非常時にとても便利な商品です。

4つの味の野菜スープが4個ずつセットになった商品です。温めずにそのままでもおいしくいただけます。温める際にはパウチごと湯せんにかければOK。保存料・化学調味料・着色料無添加で、小さなお子さんからご年配の方まで安心して食べられます。たっぷりの具材で食べごたえがあり、腹持ちが良いのも特徴です。ふだんの食事にもぴったりで、ローリングストックにもおすすめの商品です。

6種類の和風のおかずが2個ずつセットになった商品です。少しずついろいろな種類のおかずを用意したい人にぴったり。ひじきや五目豆など、海藻や豆類、野菜などさまざまな食材が入った定番のおかずは食べ慣れた味わいで、ごはんとの相性のよさが特徴です。ふだんの食事としてもおいしく食べられるので、ローリングストックとして常備しておくのにもおすすめの商品です。

お菓子類のおすすめ3選

食事の合間に小腹がすいたとき、移動中などゆっくりと食事を取るのが難しいときなど、手軽に食べることのできるお菓子があると便利です。おすすめの3選をご紹介します。

小さな子どもからご年配の方まで、家族みんなでおいしく食べられる「ビスコ」は非常食のお菓子の中でも人気の定番商品です。1缶あたり5枚入りの個包装が6個入っています。乳酸菌やカルシウム、ビタミン類も含まれており、栄養バランスが偏りがちな災害時のおやつとしておすすめできる商品です。

1本でごはん1膳分（171キロカロリー）のエネルギーが補給できる「ようかん」です。やわらかくすっきりとした甘さのため、飲み物がなくてもおいしく食べられます。ハサミなどを使わずに簡単に開けられるパッケージを採用しており、小さな子どもや高齢者の方など力の弱い方でも自分で開けることができる仕様になっています。また、添加物やアレルギー物質が含まれていないため、どなたでも安心して食べることができる商品です。

1923年の発売以来、長きに渡り愛されている森永製菓のベストセラー商品「マリー」を味わいそのままに、長期保存パッケージ化した商品です。コンパクトでかさばりにくいパッケージのため、防災セットに入れたい、保管場所が狭いなど、限られたスペースで保管したい人向け。

飲料類のおすすめ3選

重量のある飲料水こそ、頻繁に入れ替えるのは面倒なものです。手間を省きつつ、いざというとき安心して飲んだり調理に使用したりできる、長期間保存可能なものを選びました。

非加熱処理の天然水ながらも7年間保存可能。飲料水としての安全基準をクリアした原水（湧水）を、高性能な機械設備で無菌状態にてペットボトルに充填（じゅうてん）しています。防腐剤や酸化防止剤などの添加物はいっさい不使用。小さな子どもから年配の方まで、安心して飲めます。中硬水でクセが少なく飲みやすいうえ、ミネラル分の補給もできるので、非常時の飲料水に最適です。

頑丈なペットボトルを採用することで、10年間の長期保存を可能にした商品です。高知県室戸岬沖の水深344mからくみ上げた海洋深層水から、塩分やミネラル、有機物やバクテリアなどをしっかりと除去した硬度0の純水は、飲料水として飲みやすいのはもちろん、赤ちゃんのミルク作りにも安心して使用することができます。

ラベルレス商品は、ゴミの分別の手間が省けるうえ、ゴミ自体を減らせるメリットがあります。保存期間（消費期限）はボトルキャップに記載されているので安心。環境に配慮した商品を選びたい人におすすめです。

非常食を買う前に非常食の備えておくべき量や適した保管場所を佐伯さんに伺いました。

非常時＝ふだんと異なる状況であることを想定し、非常食を用意しておくことが大事

備蓄食料として必要な量は家族人数分×3日分

地震などの災害発生後、電気・ガス・水道はもちろん、通信や交通（物流含む）などのライフラインの復旧には1〜3日ほどかかることがあります。その後、救援物資の援助がはじまるため、それまでをしのぐ最低限の備蓄として「家族の人数×3日分」の食事と飲料水が必要です。余裕をもつなら、さらに4日分を追加し7日分（21食）を用意します。

非常食の保管場所

日常的に取り出しやすい場所に保管するのがおすすめです。せっかく備えてあっても、必要なときに簡単に取り出せなくては意味がありません。そのため、クローゼットや押し入れ、床下収納などにしまい込むのはやめましょう。
高温多湿な場所・直射日光の当たる場所は、劣化の原因につながります。できるだけ温度変化が少なく、風通しの良い場所を選んで保管するのがおすすめです。

ハザードマップで浸水の可能性のある場所にお住まいの場合は、2階など少しでも高くて浸水の影響を受けにくい場所に保管しておくといいでしょう。

非常食に関するよくある疑問点について佐伯さんに伺いました。

Q. ローリングストック（日常備蓄）とは？

A. 「ローリングストック」とは、非常食になりそうな長期保存できる食材（缶詰やレトルト、乾麺など）を多めに購入しておき、古いものから順番に食べ、食べたら補充するという方法です。古いものから順番に日頃の食事で消費されていくため、賞味期限切れを防ぐことができます。

また、食べ慣れておくことができる、備蓄用の保管スペースを用意しなくてもよい、賞味期限チェックの手間が省けるなどのメリットもあります。

いつも食べているものを多めに用意することで非常時に備えるのが「ローリングストック」

Q. 非常時に温かい食事を取るには？

A. カセットコンロで湯せんにかけるのも手段の1つです。ただし、屋内でカセットコンロを使用する場合には、換気に注意しましょう。換気扇を回したり、窓を開けたりして調整しましょう。

火を使わずに食べ物を温める方法として加熱剤を使った「加熱袋」を使う方法が手軽です。袋に水を入れるだけで90〜100℃まで温度が上がるので、レトルトパウチなどの非常食を温められます。また、防災グッズとして、発熱剤を利用した湯沸かしポットも販売されていますので、非常食とあわせて備えておくのもよいでしょう。

加熱袋を使えば、レトルトや缶詰を湯せんで温められる

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでは非常食の売れ筋ランキングを見ることができます。どれを買おうか迷ったときは売れ筋ランキングを参考にしてみてもよいでしょう。

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食べることは生きること、災害時の備えに「非常食」は必須

今回は防災アドバイザーの佐伯潤さんに「非常食」の基礎知識や選び方のポイントなどについて解説していただきました。いざというときに、心身ともに健康に過ごすためには、何よりも食事が大事です。自分や家族の命を守るためにも、この記事を参考に、無理なく備えることができる、おいしい「非常食」を選んでみてください。