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目次
テレワークやゲーム時間の増加で「Wi-Fiの通信速度が遅い」「ネットがつながりにくい」など、自宅のインターネット環境に不満を感じている人は少なくないようです。
ルーターの買い替えを検討したいところですが、ネット通販や家電量販店で売っているルーターは値段も性能もさまざまで、基本的な知識がないと自宅環境に合ったものを見極めるのが難しいですよね。
そこで今回は、インターネット回線やWi-Fiルーターに詳しいブロガー・YouTuberのふじもんさんが、Wi-Fiルーター選びに必要な知識について、初心者にもわかりやすく解説してくれました。おすすめのルーターの紹介もありますのでぜひ参考にしてみてください。

ブロガー・YouTuber
ふじもんさん
日本最大のモバイル専門調査機関での勤務を経て、現在はインターネット回線やポケットWi-Fiなどのガジェットの情報をブログやYouTubeで発信している。
ブログURL:https://fujimotoyousuke.com/osusume-wifi-ranking/
YouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/channel/UCW5OZVOB638Tq8YIaV1QFyw
SELECTorが教える!
Wi-Fiルーターの基礎知識
「今すぐにでも買い替えたい!」でもその前に、自宅のインターネット環境やWi-Fiルーターの使い方などチェックしておきたいポイントがあります。
<Wi-Fiルーター買い替え前のチェックポイント>
- 既設ルーターの使用期間をチェック
- 契約している光回線サービスのプランに適したルーターは?
- 周波数帯を確認! 切り替えで通信が速くなることも
既設ルーターの使用期間をチェック
引っ越しや光回線の契約変更タイミングでWi-Fiルーターの購入や買い替えを検討する人が多いですが、そのようなきっかけがなく10年以上買い替えていないという人もいるようです。
Wi-Fiルーターは耐久性が高いものが多く、ほとんど壊れることがありません。しかし、壊れていないからといって長期間買い替えていないと、新しい通信規格に対応していなかったり、セキュリティの面で不安があったりと、さまざまな不具合が出る可能性があります。まずは自分のルーターが何年前に購入したものなのかチェックしましょう。

ルーターは見た目の大幅なモデルチェンジが少ないので、新しく見えるが実は古い機種ということも
ソフトウェアは日々更新されている
パソコンやスマホと同じように、ルーターも定期的に自動でソフトウェアアップデートが行われています。アップデートにより、不具合が修正されたり新機能が追加されたりします。10年買い替えていない場合、自動アップデートに対応できないことがあるので注意が必要です。
5年に一度は買い換えたほうがいい
Wi-Fiルーターの買い替え頻度は、5年に一度が目安です。5年以上、同じものを使っている人は、買い替えを検討しましょう。

Wi-Fiルーターは5年に一度は見直すことをおすすめします。
Wi-Fiルーターのハードウェアとしての保証期間は、各メーカーで多少異なりますが、だいたい購入から1年で、長くても3年程度。ただし、電源オンオフの切り替え操作もなく、現実的に壊れることがあまりないため、5年以上使おうと思ったら使えるような家電機器です。ここ最近の傾向で無線通信規格は、5年に一度のペースでアップデートされている状況ですし、5年に一度は見直すべきだと思います。
また、現時点で「Wi-Fi 4(11n対応)」のWi-Fiルーターを使っている人も買い替えのタイミング。Wi-Fi 4などの通信規格については後述の「Wi-Fiルーターの選び方」の項目でも解説します。
契約している光回線サービスのプランに適したルーターは?
すでに光回線を契約している人、これから契約する予定の人も、契約する光回線のそれぞれのプランによってWi-Fiルーターの選び方が変わることを知っておきましょう。
「IPv6」について知っておこう
安定したインターネット環境を整えるには、「IPv6 IPoEサービス」対応のWi-Fiルーターを使うのがおすすめです。ただし、契約する光回線によって対応するルーターかどうかが異なります。対応する機種を知るには、回線の担当者に相談するのがもっとも確実です。
- 「IPv6」とは?
- IPv6とは、新しいインターネット通信規格。「Internet Protocol Version 6」の略で、アイピーブイシックスと読む
- インターネットを使っている人が多いピークタイムの混雑を避けて通信速度を安定させるメリットがある
- 光回線のサービスによって名称が違うために混乱しやすい。ほとんどの光回線サービスでは、“V6プラス”が採用されているが、「楽天ひかり」では“クロスパス”が採用されており、注意が必要。他にも“IPv6オプション“、“transix”、“OCNバーチャルコネクト”などがある
日本国内のプロバイダが採用する「IPv6 IPoEサービス」はさまざまな形式があり、「IPv6対応」と書かれていても、海外などのWi-Fiルーターによっては、通信速度が上がらないものがあります。
理由は海外で採用されているIPv6 IPoEの方式と、利用しているプロバイダのインターネットサービスで採用されている方式が異なることがあるためです。
レンタルも視野に入れたい
自分でも購入できるWi-Fiルーターですが、光回線サービスでレンタルすることもできます。レンタルされる機種は、「IPv6」にほぼ対応しているのがメリット。レンタル料金は月額300円程度で、中には無料のサービスもあります。
月々の出費を考えて「安さ」を優先するなら、購入したほうが安くなるケースもあります。もし購入を検討するなら、光回線サービスの窓口に「IPv6」対応しているルーターの情報について相談してみましょう。注意ポイントなどを教えてくれるはずです。

光回線サービスを選ぶ際は、IPv6に対応しているかチェックしましょう。ふじもんが個人的におすすめしている、契約の縛りがなくて業界最安級の「おてがる光」は、月額プラス165円(税込)でIPv6に対応していて、対応ルーターを月額330円(税込)でレンタルできます。また2年縛りではあるもののIPv6を標準対応していて、対応ルーターを無料でレンタルしてくれる「@スマート光」も注目サービスです。ルーターをレンタルするならぜひ参考にしてください。
周波数帯を確認! 切り替えで通信が速くなることも
多くのWi-Fiルーターでは2.4GHzと5GHzの周波数を飛ばしており、それを端末側で選ぶようになっています。周波数を変えるだけでも通信速度が上がることがあるため、設置するときにチェックしてみましょう。

ルーターの裏面や横に書かれている「SSID」と書かれているのが周波数。自分で切り替えることができる。バッファロー製のWi-Fiルーターなら、このSSID(a)というのが5GHz帯なので、ふじもんさんは「SSID(a)」を使うことをおすすめしている
Wi-Fiルーターの周波数帯とは?
インターネットの電波は、近所にある電波の基地局からNTTの回線を通り、自宅のWi-Fiルーターに届きます。
Wi-Fiルーターの規格は、「IEEE 802.11a」「IEEE 802.11b」「IEEE 802.11g」「IEEE 802.11n」「IEEE 802.11ac」「IEEE 802.11ax」の6種類があり、最新の規格が「IEEE 802.11ax」です。それぞれの電波の種類はおもに「2.4GHz」と「5GHz」の2つ。ルーターからこれらの電波を飛ばしているわけです。「2.4GHz」と「5GHz」の違いや特徴は下記のとおり。
- < 2.4GHzの特徴/向いている人 >
- 床や天井などの障害物に強いが、通信の速度が遅い
- 階をまたいでも通信が安定しやすく「2階建てや3階建ての戸建て」などにおすすめ
- < 5GHzの特徴/向いている人 >
- 床や天井などの障害物に弱いが、通信の速度が速い
- 電波が直線で飛んでいるため「ワンルームやワンフロア」で通信が安定しやすい
周波数のおすすめは5GHz
それぞれ異なる特徴をもつ周波数ですが、2.4GHzはさまざまな家電製品や電子機器で利用されているため干渉を受けやすく不安定ですが、5GHzの周波数帯を利用している機器は少ないため干渉を受けにくく速度低下が起きにくいというメリットがあります。そのため、5GHzの周波数帯に接続したほうが通信速度が速くなるケースが多いです。
実際に通信速度を計測してみよう
どちらの周波数帯が速くなるのかは自宅の環境によっても異なるため、両方試して計測してみるのがおすすめです。速度の目安として、光回線を契約しているなら、100Mbps出ていれば十分です。

アクセスするだけで使用回線の速度を計測してくれる「Fast.com」

2.4GHzと5GHzの違いや、使い分けることのメリットは、あまり知られていません。これは体感レベルで違いがわかることが多く、このことをYouTubeで解説した時は、みなさんから「笑えるぐらい爆速になった」「とっても役に立った」「本当に改善した」とコメントがあったぐらいです。
Wi-Fiルーターを購入する前に知っておいて損はない知識です。
SELECTorが教える!
Wi-Fiルーターの選び方
Wi-Fiルーターの値段は約5000〜6万円と、その差は10倍以上。
「Wi-Fi 6」「メッシュ対応」「トライバンド」という3つが付くと値段が上がりやすい傾向です。これらの機能が自分に必要かどうかを見極めることで、予算に合わせたWi-Fiルーターを選びやすくなります。
<Wi-Fiルーターの選び方>
- 速さにこだわるなら「Wi-Fi 6」を選ぶ
- 家中に電波を届けたいなら「メッシュWi-Fi」対応を選ぶ
- 複数人で使うなら「トライバンド」を選ぶ
1. 速さにこだわるなら「Wi-Fi 6」を選ぶ
Wi-Fiルーターを選ぶうえでもっとも重要なのは「無線通信規格」です。予算が許すなら、値段は若干張るものの、最新規格であるWi-Fi 6対応のルーターを選びましょう。
Wi-Fi 6は「IEEE 802.11ax」という正式名称ですが、IEEE 802.11axという言い方は長くてユーザーフレンドリーではないので、Wi-Fiの普及を目的とする業界団体であるWi-Fi Allianceが「Wi-Fi 6」としました。
パッケージには「Wi-Fi 6対応」もしくは「11ax対応」と書かれています。特に通信速度にこだわる人にはWi-Fi 6対応がおすすめです。
家電量販店でもWi-Fi 6の機種を推している
通信規格とは?
iPhoneなどの規格が世代が進むと変わっていくのと同じように、Wi-Fiの規格もしだいに変わっていきます。今2021年8月時点での最新規格は、2020年1月に承認されたWi-Fi 6です。特に大きく変わるのは通信速度で、Wi-Fi 6の通信速度は、11年前に登場したWi-Fi 4(IEEE 802.11n)に比べて約16倍です。
第6世代 | Wi-Fi 6/IEEE 802.11ax | 2020年に承認 | 最大通信速度9.6Gbps | 2.4GHz/5GHz |
第5世代 | Wi-Fi 5/IEEE 802.11ac | 2014年に承認 | 最大通信速度6.9Gbps | 5GHz |
第4世代 | Wi-Fi 4/IEEE 802.11n | 2009年に承認 | 最大通信速度600Mbps | 2.4GHz/5GHz |
「Wi-Fi 6対応」には速さ以外のメリット満載
Wi-Fi 6は通信の速さだけでなく、ネット回線が混雑したときのつながりにくさを解消し、大容量通信が可能になるなどのメリットがあります。
予算を少しでも抑えたいならWi-Fi 5対応でも十分ですが、Wi-Fi 4対応を使っている人は買い替え時。通信速度が改善する可能性がとても高いです。
迷ったら、使用デバイスの規格をチェック
Wi-Fi 6に切り替えるかどうか迷ったら、自分が使っているデバイス(スマホやパソコンなど)が、どの通信規格に対応しているかをチェックしましょう。
- Wi-Fi 6対応のiPhone⇒iPhone11以降・iPhoneSE第二世代
- Wi-Fi 6対応のMac⇒M1 Mac以降
- Wi-Fi 6対応のAndroid⇒Xperia(Xperia PRO、Xperia 1 Ⅲ、Xperia 1 Ⅱ、Xperia 5 Ⅱ)、AQUOS(AQUOS R6、AQUOS R5G)など
- Wi-Fi 6対応のWindows⇒Microsoft(Surface Pro 7、Surface Laptop 3)、NEC(LAVIE VEGA)など
※Android、Windowsについては代表的なものを挙げています。お使いのデバイスが対応しているかどうかは公式サイトをご確認ください

今はパソコンやスマホだけ通信接続している人も、Wi-Fiルーターを買い替えるなら、Wi-Fi 6対応のルーターをおすすめします。というのも、今後あらゆる家電製品が無線通信でつながる時代になりますから、Wi-Fi 6の恩恵を受けやすくなっていくでしょう。Wi-Fi 6とは、ただ通信速度が速いだけでなく、複数デバイスに同時接続しても通信が安定しやすいといったメリットがあります。
2. 家中に電波を届けたいなら「メッシュWi-Fi」対応を選ぶ
2点目にWi-Fiルーターでチェックしたいのが、「メッシュWi-Fi」に対応しているかどうかです。自分の部屋には必要なのかどうかを見極めておきましょう。
メッシュWi-Fiとは?
子機を部屋ごとに置くことで通信を網の目のように張り巡らせ、家中どの場所でネットを使っても通信を安定させる技術のこと。「メッシュルーター」と呼ばれることもあります。最近はメッシュWi-Fiを使って通信を網の目のように張り巡らせ通信を安定させる“メッシュ化”がトレンドです。
戸建てには「メッシュWi-Fi」がおすすめ
そもそもWi-Fiは縦の通信が弱いので、2階建て以上の広い家(戸建て)ならメッシュ化を取り入れたいところです。ワンルームに住んでいる人は、わざわざメッシュ化にする必要はないでしょう。

ネットの電波(正しくは周波数帯)は、水の影響を受けやすいです。水は周波数帯を反射したり吸収したりして、通信を不安定にさせてしまう原因の一つです。デザイナーズマンションなど水回りが特殊な場所に配置されている部屋、大きな水槽やウォーターサーバーを置いた部屋なども、メッシュ化することで通信が安定します!

3. 複数人で使うなら「トライバンド」を選ぶ
ほとんどのWi-Fiルーターの周波数は2.4GHzと5GHzの2種類(デュアルバンド)ですが、現在は3つの周波数を使い分けられる「トライバンド」が登場しています。どんな部屋に適しているのかチェックしてみましょう。
トライバンドとは?
2.4GHzと5GHzに加えて、5GHzをもう一つ使うことができる機能のことです。複数の5GHzの周波帯を使えるため、複数人が同時に回線を使うときに、通信の混雑を避けることができ、通信速度が遅くなりにくいです。
ファミリーには「トライバンド」がおすすめ
自分が仕事でパソコンを使っているときに、子どもがオンラインゲームをしている……という状況なら、トライバンドを取り入れると通信が安定します。複数の機器を同時に使うファミリーにおすすめです。逆に、一人暮らしではほぼ不要な機能です。

Wi-Fiルーター選びで重視したいポイントは時期によって変わりますが、今現在のトレンドを踏まえたポイントは「Wi-Fi 6」「メッシュWi-Fi」「トライバンド」です。中でも圧倒的に重要なのは、「Wi-Fi 6」(最新の無線通信規格)に対応していること。その他の「メッシュWi-Fi」「トライバンド」は、必要に応じて判断してみてください。
SELECTorが選ぶ
おすすめWi-Fiルーター5選
自分に合ったWi-Fiルーターは、住んでいる環境(ワンルームか戸建て)や、使用目的(ゲームか仕事か)などによって違ってきます。機能を備えた商品やコストパフォーマンスがよい品を厳選して紹介しますので、目的に合わせて選んでみてください。なお、ここで紹介するのはすべてWi-Fi 6対応機種です。
品名 | 画像 | 価格(税込) | メッシュ対応 | トライバンド | こんな人におすすめ |
---|---|---|---|---|---|
ASUS zenWiFi AX(XT8) |
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6万6000円 | ○ | ○ | 高価格でも最強のルーターが欲しいという人 |
ASUS ROG Rapture GT-AX11000 |
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5万2999円 | ○ | ○ | ゲーマー、ゲーム配信をする人 |
TP-LINK Deco X20 |
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1万9045円 | ○ | × | 自宅のWi-Fiをメッシュ化したい人 |
バッファロー AX5400(WSR-5400AX6S) |
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1万6280円 | × | × | ワンルームでもハイエンドモデルが欲しい人 |
バッファロー AX1800(WSR-1800AX4S) |
![]() |
8800円 | × | × | とりあえずWi-Fi 6が使えてエントリーモデルでもいい人 |
※購入を検討する際は、それぞれの光回線に対応しているかご確認ください
※価格はAmazon調べ(8月16日時点)
予算上限なしでとにかくいいものを使いたい人ASUS zenWiFi AX(XT8)
価格(税込) | 6万6000円 |
---|---|
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
メッシュ対応 | ○ |
トライバンド | ○ |
対応周波数 | 2.4GHz/5GHz |
搭載ポート | 3 |
サイズ・重量 | 160×75x161.5mm・716g |
※価格はAmazon調べ(8月16日時点)
公式サイトへ→メッシュ対応で、2ユニット(2台)セット。2台を同時に使うことで、最大約511平米、およそ6部屋をカバーし、家中どこでも快適にインターネット接続ができます。「AiMesh」でのメッシュネットワーク構築により音声や画像が途切れるのを防ぐため、Web会議やゲーム中でも安定した接続を可能にしてくれます。高度なペアレンタルコントロール機能を備えたAiProtectionの搭載により、セキュリティはビジネスレベル。使用する人全員のセキュリティを専用アプリで管理できます。

Wi-Fi 6、メッシュ対応、トライバンドの3つがそろっています。最大4.8Gbpsという驚異的な通信速度を誇ります。値段は高いですが文句のつけようがない、バケモノクラスのWi-Fiルーター。メッシュ化もアプリで簡単にできます。ふじもんの知り合いの人気ブロガーや人気YouTuberがこのルーターを使っています。広い家に住む人や、予算上限なしでとにかくいいものを使いたい、という人におすすめです。ちなみにASUSは台湾メーカーですが、高機能でブランド力があるので人気です。
ガチのゲーマーの人におすすめASUS ROG Rapture GT-AX11000
出典:https://rog.asus.com/networking/rog-rapture-gt-ax11000-model/
価格(税込) | 5万2999円 |
---|---|
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
メッシュ対応 | ○ |
トライバンド | ○ |
対応周波数 | 2.4GHz/5GHz |
搭載ポート | 4 |
サイズ・重量 | 240×240×60mm・1717g |
※価格はAmazon調べ(8月16日時点)
公式サイトへ→Wi-Fi 6対応だけでなく、強力CPUを搭載するほか、1つの5GHz帯域をゲーム専用に割り当てるトライバンド対応で、最高のパフォーマンスを発揮するゲーミングルーター。通信速度は5GHz帯で最大4804MBps、2.4GHz帯で最大1148Mbpsと、これまでの高速Wi-Fiルーター(5GHz帯で1734Mbhz)の約2.7倍高速とされています。Aura RGB対応により、1680万色以上の色の組み合わせと5つのプリセットパターンがあり、好みの照明を演出できます。

クワッドコアのCPU搭載で処理速度が速く、さらにゲーマー・プライベート・ネットワーク(GPN)というゲームで使っている回線を優先させる機能が付いているので、ゲーマーにはおすすめです。特にFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)などは、データの送受信にかかる時間の速度(ping値)がとても重要なので、このルーターを使うメリットは大きいです。またルーターがピカピカ光るAura RGBもあるので、本格的なゲーマーには自信をもっておすすめできるルーターです。
広い家におすすめでコスパ重視TP-LINK Deco X20
出典:https://www.tp-link.com/jp/home-networking/deco/deco-x20/v1%20(2-pack)/
価格(税込) | 1万9045円 |
---|---|
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
メッシュ対応 | ○ |
トライバンド | × |
対応周波数 | 2.4GHz/5GHz |
搭載ポート | 2 |
サイズ・重量 | 110x114x110 mm・585g |
※価格はAmazon調べ(8月16日時点)
公式サイトへ→2ユニットセット。2台同時の接続で最大370平米をカバー。単体ユニットが販売されており、3ユニットに増設すると最大538平米までカバーできます。メッシュ機能を利用するかどうかは、端末ごとに選択できます。初期設定は、iOSまたはAndroid搭載スマホより専用アプリを使い、案内に沿って操作するだけで簡単に完了。Amazon Alexa対応で、音声認識によりスピードテストなど簡単なコマンドを行うことができます。

世界シェアトップクラスのTP-LINKの人気商品です。Wi-Fiの通信をメッシュ化したい人でコスパ重視の人には、個人的にイチオシです。白い筒状の形がインテリアになじみやすいですし、家電量販店でもメッシュ化したい人には、とても人気だそうです。
ワンルームにおすすめのハイエンドモデルバッファロー AX5400(WSR-5400AX6S)
出典:https://www.buffalo.jp/product/detail/wsr-5400ax6s-mb.html
価格(税込) | 1万6280円 |
---|---|
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
メッシュ対応 | × |
トライバンド | × |
対応周波数 | 2.4GHz/5GHz |
搭載ポート | 4 |
サイズ・重量 | 175 x 59 x 177mm・約650g |
※価格はAmazon調べ(8月16日時点)
公式サイトへ→日本国内販売台数18年連続第1位を受賞(2019年 BCN調べ)しているAirStationシリーズ。スリムの縦長タイプで場所を取らずに設置でき、壁掛けもOK。内蔵ハイパワーアンテナにより、電波が同心円状にムラなく届きます。高速インターネットIPv6にも対応しており、回線の通り道が混雑しづらいのもポイント。サポート面も万全で、初心者にもわかりやすいマニュアルが付いているうえに、見えない電波などの不安はサポートセンターで気軽に相談できます。

国産ブランド・バッファローのハイエンドモデルで、国内で主要のIPv6通信サービスを利用できます。「やっぱり仕事に関係している機材にはお金をかけたい」という志向の方に、個人的におすすめしたいルーターです。コスパは最強クラスですし、一人暮らしで、インターネット関連の仕事をしている人には、だいたいこのルーターをすすめておけば問題にならないという認識です。
とにかくコスパ重視で最低限の機能を求める人にバッファロー AX1800(WSR-1800AX4S)
出典:https://www.buffalo.jp/product/detail/wsr-1800ax4s-bk.html
価格(税込) | 8800円 |
---|---|
ワイヤレス規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
メッシュ対応 | × |
トライバンド | × |
対応周波数 | 2.4GHz/5GHz |
搭載ポート | 4 |
サイズ・重量 | 160x36.5x160mm・約373g |
※価格はAmazon調べ(8月16日時点)
公式サイトへ→バッファローは日本向け無線LAN製品を開発して20年という実績をもち、日本の住宅に合わせてチューニングを行っているメーカー。OFDMAにより同時接続を高速化し、ビデオ会議や動画視聴が途切れにくく、安定して接続してくれます(端末側も対応している場合のみ)。引っ越しの際はボタンを押すだけで旧モデルから新モデルに無線で移行できるため、買い替えをしても設定の仕方がわからなくなる心配が少ないです。

上記で紹介したバッファローのハイエンドモデルに対するエントリーモデル(初心者向け)のルーターです。実は、光回線サービスでレンタルされるルーターとして、これがレンタルされているぐらい信頼と安心があるWi-Fiルーターでもあります。賃貸マンションで各部屋の備え付けルーターとして使われている実績もあります。Wi-Fi 6に対応していて、とにかく安いのが良い人におすすめです。
SELECTorが教える!
Wi-Fiルーターの注意点
基礎知識やおすすめの商品がわかったうえで、さらにWi-Fiルーター選びで注意したいことや、使用時のポイントなどをふじもんさんに聞きました。

Q. 置いてはいけない場所はありますか?
A.トイレや水槽、シャワールーム、ウォーターサーバーなど水回りの近くだと通信が不安定になりやすいことは先ほども話したとおりです。通信が途切れたり、遅いと感じたときは水の影響を受けている可能性があるので、Wi-Fiルーターの設置場所を変えてみましょう。
Q. 古いWi-Fiルーターを使っている場合、セキュリティの心配をしたほうがいい?
A.セキュリティに関しては、古いからダメ、新しいからいい、というものではないんです。誤解を生まないように説明すると、iPhoneなどと同じように、Wi-Fiルーターでも自動でソフトウェアがアップデートされているはずなので。ただ、10年前のWi-Fiルーターではファームウェアが更新できない可能性があるので、やはり買い替えをおすすめします。
もう一つ伝えておくと、Wi-FiルーターのSSIDの暗号キーをわかりやすいものに変えてしまうとハッキングの恐れがあるので、最初に設定されたしっかりとしたパスワードを使っていたほうがセキュリティを維持できます。
Q. 選ぶWi-Fiルーターによって消費電力の差は大きいですか?
A.正確なデータは発表されていないのですが、年間でそこまで変わらないのではと推測しています。ただ、Wi-Fi 5の規格よりWi-Fi 6規格のほうが電力を消費しにくい規格であることは発表されています。電気代が気になるなら、Wi-Fi 6に対応したルーターを選ぶのがいいかもしれません。
Q. 「ビームフォーミング」という機能をよく見かけますが、購入時に考慮するべき?
A.ビームフォーミングは、Wi-Fiに接続しているデバイスの距離を検知して、出力強度をコントロールし、通信速度を向上させるといった機能の1つで、非対応の機種より15~20%ほど通信環境が向上するともいわれています。ただし直近で発売されているWi-Fiルーターにはほとんど搭載されていますし、飛びつくような機能でもないので、あまり意識する必要はないと思います。
Q. アンテナの向きはどうすればいいのですか?
A.アンテナから飛ぶ電波はアンテナの向きに飛ぶとイメージしがちですが、実際にはアンテナから水平に飛んでいます。上に向けると真横に水平に広がり、横に向けると垂直に水平に広がります。イメージはイラストを参照してください。

まとめ
リモートワークによるオンライン会議やオンラインゲームの利用では大容量のデータを使用するため、今がまさにWi-Fiルーターを見直すときだといえます。
Wi-Fiルーターを選ぶ際は、5000円か5万円かで迷うくらいだったらコスパ重視で十分。重要なのは、Wi-Fi環境はどんどん更新されているので、古くなるとアップデートに対応できなくなってしまうことです。5年前や10年前の機種、もしくはWi-Fi 4対応を使っている人は、今すぐ買い換えることをおすすめします。
また、通信環境を整えるには、よりよいWi-Fiルーターを選ぶだけでなく、Wi-Fiルーターの設置場所や、契約している光回線やIPv6サービスの追加、使用する周波数帯(有線の場合はLANケーブル)など、全体を最適化させることが重要です。インターネット回線の安定が欠かせない時代、今後は定期的な見直しを習慣にしていきましょう。
公開日: