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目次
「povoって評判がいいみたいだけど、どんな特徴があるの?」
「auのスマホを使っているけど、povoに乗り換えるとどんなメリットがある?」
2021年3月よりKDDIが導入した、格安プランの「povo」。「トッピング」という独特なサービスが評判を呼び、auのユーザーのみならず多くの人から関心を集めています。ただ、いざ乗り換えるとなると不安もあり腰が重くなってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、povoに乗り換えるとどうなるのか、また注意すべきポイントはどこか、povoユーザーであり、スマホ事情に詳しいITジャーナリストの法林岳之さんにお話を伺いました。
専門家が解説!
格安プラン「povo」はどんなサービス?
povoは、auの‟オンライン専用”プランです。auの料金プランとはサービスの仕様が異なりますが、基本的にはauと同じネットワークが利用できます。KDDIでは、auの通常プランと別ブランドとして「UQ mobile」、そして格安料金プランのpovoという3種類の通信サービスを展開している形になります。
povoの仕組み「トッピング」とは
従来の料金プランは、基本的な使用料に加えてどの程度データを使うかをパックにして、例えば「3GB 5000円/月」のように通信料金を構成しているものがほとんどでした。
それに対してpovoは、通話と最大128kbpsのデータ通信を基本サービスとし、データ容量を増やしたいときやコンテンツなどを含めてサービスを追加したいとき、ピザの具を追加するように「トッピング」の形で足していくというのが基本的な仕組みです。
データ通信量だけでなく、「5分以内通話かけ放題」や「通話かけ放題」といった通話に関するサービスも、povoではトッピングで提供されています。
180日間以上有料トッピングの購入などがない場合、利用停止や契約解除の可能性はあるものの、基本料金は0円なので、使わなければ維持コストはかかりません。いわば海外のプリペイド携帯に近いサービスといえます。
在宅で過ごすことが多い今のご時世では、Wi-Fiの環境などが整っているため、あまりデータ量を消費しないかもしれません。そんな状況で、たまに外出するときにデータ追加をトッピングするといったことも可能です。使い方、使用するデータ量に合わせて、いつでもどこでも臨機応変に対応できるのは、povoの魅力のひとつといえるでしょう。
ちなみにデータ残量が少なくなったときは、「残量が○○です」といった通知が届きます。またデータを全部使い切ったとしても、最低限の速度は出るのでLINEのテキストメッセージ程度なら利用可能です。
povoとauの通常プランを比較すると、以下の表のようになります。
<auの通常プランとの比較>povo 2.0 | au(通常プラン) | ||||
---|---|---|---|---|---|
ピタットプラン 5G/4G | 使い放題MAX 5G/4G | ||||
データ通信量 | 1GB~無制限 | 〜7GB | 無制限 | ||
料金 | 基本料金:0円 トッピング: 24時間 330円 1GB 390円(7日間) 3GB 990円(30日間) 20GB 2700円(30日間) 60GB 6490円(90日間) 150GB 1万2980円(180日間) ※データの繰り越しはできない |
3465~6765円/月 | 7238円/月 | ||
サポート | オンライン | 店舗/オンライン | |||
通話料金 | 22円/30秒 (5分通話無料オプションを付ける場合は550円) |
22円/30秒 (5分通話無料オプションを付ける場合は880円) |
※すべて税込
※2022年3月現在
他キャリアのオンライン専用プランとどう違う?
NTTドコモにはahamo、ソフトバンクにはLINEMOと、他のキャリアにもオンライン専用の格安プランがあります。それぞれどんな特徴があるのか、表にして比較してみました。
<他社のオンライン専用プランとの比較>プラン名 | povo | ahamo | LINEMO |
---|---|---|---|
利用料金 | 基本料金:0円 トッピング:24時間 330円 1GB 390円(7日間) 3GB 990円(30日間) 20GB 2700円(30日間) 60GB 6490円(90日間) 150GB 1万2980円(180日間) |
基本料金:2970円/月 | 基本料金: 3GB 990円/月 20GB 2728円/月 |
データ通信量 | 24時間 1GB(7日間) 3GB(30日間) 20GB(30日間) 60GB(90日間) 150GB(180日間) |
20GB dカード支払いの場合、データ量追加1GB(dカード GOLDなら5GB) |
3GB 20GB |
利用可能データ量超過後の通信速度 | データ容量0GB時は送受信最大128kbps | 送受信最大1Mbps | 3GB:最大300kbps 20GB:最大1Mbps |
通話料 | 22円/30秒 | 5分以内無料 (超過後は22円/30秒) |
22円/30秒 |
その他特徴 | トッピング 330円 24時間データ使い放題(混雑時の通信制限あり) |
国際ローミング(82ヵ国)が追加料金なしで利用可能 | 「LINE」での通信をカウントフリー |
※すべて税込
※2022年3月現在
表を見ただけで、povoの料金形態が特徴的であることがわかります。一方、ahamoの特徴は料金がシンプルでわかりやすく、通話5分以内無料のサービスが付いていることなどが挙げられます。
格安SIMとは何が違う?
まず、povoと格安SIMとで違うところは、通信速度です。格安SIMのいわゆるMVNO各社は、回線を大手キャリアから借りている通信事業者であり、一部の帯域しか利用できません。そのため12:00~13:00のお昼時など利用者が多く混み合う時間帯だと通信が遅くなってしまうことがあります。
一方でpovoはau回線をそのまま利用していて、キャリアと変わらない速度が出せるので、利用者にとってもストレスはありません。
MVNO各社は、高速大容量の5Gに対応していないところもけっこう多いのですが、povoはエリアに関してもauと同じであり、もちろん5Gでもつなぐことができます。
専門家が解説!
povoに乗り換えるメリット・デメリット
実際にpovoに乗り換えると、どんなメリットがあるのでしょうか。また、デメリットなどについても、法林さんに解説していただきました。
メリット1. 通信料金が抑えられる
基本的に、povoは通信コストを抑えられるという点がメリットです。例えばコロナ禍のように、学校や会社に毎日は通わない状況のときには、自分の使い方に合わせてデータ量をトッピングで調整ができるので、非常に使い勝手がいいといえます。
自宅や会社などにWi-Fi環境があって通信ができるときは、それほどスマホのデータ通信量は消費しませんから。もちろん、ある程度使うことを見込んでいるときは、長期のデータプランをトッピングするという使い方も可能です。有効期間はありますが、比較的ムダがないところは大きなポイントでしょう。
では、実際にはどの程度料金が安くなるのか、auの通常プランとの比較で見ていきましょう。
<割引を加味したau「ピタットプラン 5G」との料金比較>povo | ピタットプラン 5G | ||||
---|---|---|---|---|---|
(3GB/30日) | (20GB/30日) | ~1GB | ~4GB | ~7GB | |
月額料金 | 990円 | 2700円 | 3465円 | 5115円 | 6765円 |
家族割プラス (3回線以上) |
― | ― | -1100円 | -1100円 | -1100円 |
auスマートバリュー | ― | ― | ― | -550円 | -550円 |
合計額 | 990円 | 2700円 | 2178円 | 3278円 | 4928円 |
※すべて税込
※2022年3月現在
auの通常プランには、加入している同居家族の人数に応じて適用される「家族割プラス」や、自宅でauのインターネットサービスを利用している場合に適用される「auスマートバリュー」といった割引があります。一方でpovoには、割引がありません。
それでも表を見ると、auのプランで使用したデータ容量が1GBを超えて4GB以下だった場合の金額よりも、20GBまで使えるpovoの方が安くなっています。また3GBの契約であれば990円で、かなり割安なプランであることがわかります。
メリット2. 豊富なトッピングメニュー
データトッピングは、データ使い放題(24時間)からデータ追加150GB(180日間)まで、非常に幅広くラインアップされています。データ追加150GBは1万2980円(税込)ですが、1ヶ月あたり約2163円なので、20GB(30日間)プランの2700円(税込)と比較しても金額としては悪くない印象です。
<トッピングのバリエーション>
- データ使い放題(24時間):330円/回
- データ追加1GB(7日間):390円/回
- データ追加3GB(30日間):990円/回
- データ追加20GB(30日間):2700円/回
- データ追加60GB(90日間):6490円/回
- データ追加150GB(180日間):1万2980円/回
※すべて税込
特定の短い期間で使用したいときに、データ追加1GBや3GBを利用したり、しばらく利用するときは長期のプランを選んだりという使い方も可能です。
今後、こうしたプランのバリエーションは増えていくと予想されるので、期待したいところです。
povoでは、「DAZN」や「smash.」といったコンテンツトッピングも用意されています。例えば、1週間だけサッカーの日本代表戦の中継が見たいといったときに、760円(税込)で「DAZN」をトッピングして視聴することも可能です。「smash.」はいわゆる縦型動画を提供しているサービスですが、こちらは220円(税込)で24時間使い放題としてトッピングすることができます。
データトッピングやコンテンツトッピングがpovoの魅力
メリット3. データが増えるギガ活やクイズも提供
トッピング以外にも、povoではデータ容量を楽しくためて使える「ギガ活」といったサービスが用意されています。例えばローソンで500円(税込)以上の買い物をしたときにクーポンがもらえて、プロモコードを入力することで300MB分のデータを追加できるといったものです。
ギガ活を利用するには、auIDとひも付けておく必要がありますが、ふだんau回線を使っている人が仕事用にpovoを導入したときに同じauIDをひも付けしておけば、auPayで買い物した場合でもクーポンがもらえます。
auIDはひとつの回線にひとつのIDと捉えられがちですが、実は、同一人物であればひとつのauIDに複数の回線を紐付け、共通化できるようになっています。共通化しておけば、どの回線でも同じauIDで利用している形になります。
povoでは、他にもSNSでクイズを出題し、それを解くと3日間300MBのデータがもらえるといった試みも展開しています。もらったコードを入力してチャージし、楽しみながら利用可能なデータ量を増やせる、おもしろい取り組みといえるでしょう。
povoに乗り換えるデメリット
いいことばかりではなく、もちろんデメリットもあります。そのうちのひとつが、端末のセット販売がされていないことです。auオンラインショップでの購入は可能ですが、機種の種類は多くありません。
またauからの乗り換えであれば、通常そのまま同じ端末を利用できますが、その場合でも、必ずしも全ての端末が使えるわけではないので、注意が必要です。
またサポートはオンラインだけとなっているため、チャットを利用するか自分で調べる必要があります。auのショップでは受け付けてくれません。
そんな意味で、スマートフォンや「格安SIM」などに慣れている人向けだといえます。これまでスマートフォンを持ったことがなく、初めて使う人にはあまり向いていません。
povoで利用できないものに、国際ローミング(※)があります。auでは「世界データ定額」などのサービスが提供されていますが、現時点では、povoにそうしたものに該当するトッピングなどは用意されていません。
※国内で契約をしている携帯電話を、海外でも利用できるようにするサービス
【結論!】povoの乗り換えに向いている人
では、povoはいったいどんな人に、向いているのでしょうか。
まず考えられるのは、オンラインによる手続きに抵抗がなく、月によって使用量にバラつきがある人です。
povoは、料金プランにバリエーションをもたせて、「トッピングという仕組みで使いたいものだけどうぞ」といった、かなり踏み込んだプランです。その意味では、新しい生活に合わせて選べるので、新入学の学生や新社会人がこちらを選択するのもありだと思います。
しかしそれよりも大きいのは、使いたいときにだけ利用できて、プラスアルファの回線として利用しやすいところでしょう。大手キャリアから電話番号を移行してMVNOをそこそこの期間使っている状態で、どうしてもスピードが出ないときなどに、ピンチヒッター的にpovoを利用するといった使い方も可能です。
1台のスマホにSIMカードを2枚挿入して利用できるデュアルSIMで利用するのもおすすめです。
主要3キャリアを利用していた人が、他の回線にデビューしてみるときにちょうどいい回線でもあります。利用できるエリアも広いので、メインの回線がトラブル続きで困っている人にもおすすめです。
povoの詳細はこちら→povoを契約する際の注意点
使い方によってはかなりお得に利用できるpovoですが、実際に乗り換えるにあたって気をつけなければならない点はどこにあるのでしょうか。法林さんにポイントとして3つ挙げていただきました。
<乗り換え時の3つのポイント>
- eSIMの場合、手続きができる時間帯が限られている
- 使える端末をあらかじめ用意しておく
- メールやトッピングの利用に注意
1. eSIMの場合、手続きができる時間帯が限られている
乗り換えの際に物理SIMを選んだ場合、SIMカードは後日郵送で送られてきます。一方でeSIMの場合はアプリの中で有効化することで利用ができますが、手続きできる時間が限られています。即時で利用するには、9:30から20:00の間に申し込む必要があり、20:00以降だと、翌日以降の利用となってしまうので注意しましょう。
また、eSIMの開通手続きをするときは、別途Wi-Fiに接続して行わなければなりません。この開通手続き自体も、自分で行う必要があるので、そちらも少し手間がかかる部分といえます。
可能ならば、PCを別途用意して手続きを行った方がスムーズに作業を進めることができます。povoは、メールアドレスとひも付ける形になります。povoのアプリを動かすときも、パスワードの入力はありません。パソコンなどで使用しているメールのアドレスを入れると確認のメールが届いて、認証が行われます。
また、大きな手間というほどではありませんが、いわゆるeKYC(電子本人認証)は少し面倒な印象です。自分で免許証などを持って写真を撮り、それを送る必要があります。
契約の申し込みもすべてオンラインで行うので、あらかじめ運転免許証やマイナンバーカード、在留カードのいずれかと、クレジットカードを用意しておきましょう。また、メールアドレスも必要です。
使える端末をあらかじめ用意しておく
端末はauオンラインショップから購入することもできますが、特別に割引してくれるといったことはありません。端末も自分で用意しておく必要があります。
用意するのは、SIMロック解除されたものかSIMフリー端末で、可能ならば以下の公式サイトページで動作が確認されている端末(対応機種)を選びましょう。
●povoの対応機種・端末
https://povo.jp/product/
ちなみにiPhoneの場合、「iPhone6s」以降に発売された端末であれば、ほぼ全てが対応機種となります。一方Androidの場合は、2015年以降に発売された端末であれば、ほぼ対応機種だと考えていいでしょう。
メールやトッピングの利用に注意
auからの乗り換えであっても、メールアドレス持ち運びサービスを利用しないかぎりは、キャリアメールを利用することはできません。提供されているサービス自体はシンプルなので、その分料金も割安になっています。
また、トッピングには有効期限が設定されており、自動では更新されません。遅くなったなと感じたときはトッピングの期限が切れている可能性があります。
乗り換えの手間はどのくらい?実際に乗り換えてみた
povoについて、そのポイントやメリット、デメリットなどを伺ってきました。ただ、いざ契約するとなると、「手続きが面倒なのでは?」「ショップのサポートがないと不安」などと感じている人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は編集部で、実際に乗り換えをしたうえで、どれだけ手間がかかったのか、乗り換え前と何がどのように変化したのか、検証をしてみました。
乗り換え手続きのフローと前提条件
実際にpovoに乗り換える際の具体的な手順については、以下の図のとおりです。
<povo乗り換えフロー&パターン別対応要否>
※1 端末の設定次第で必要
※2 ※3通常、auから乗り換える場合、MNP予約番号の取得およびSIMロック解除は必要ない工程だが、システムメンテナンスに伴い、他社からの場合と同様に必要となっている(2022年3月16日時点)
今回は、契約していたauの「データMAX 5G」プランから、povoに乗り換えることとしました。以前の利用状況、割引の適用などをまとめると、表のようになります。
<乗り換え前の利用状況>キャリア | au |
---|---|
端末 | iPhone 11 |
月々の料金 | 約7000円 |
プラン | データMAX 5G 5分かけ放題プラン |
家族割引 | 2年契約+家族割プラスで月々-550円 |
月の通信量 | 約7~8GB |
よく利用するサービス | DAZN 20% Instagram 15% Chrome 10% |
用途 | 通勤時にInstagramを見て時間をつぶしている |
大手キャリアのユーザーが乗り換えを考える場合、料金に不満があるのであれば、各オンライン専用格安プランや格安SIMがその候補となります。ただ、キャリアのように安定した速度を求めるのであれば、格安プランが有利です。
特にauから乗り換える場合は、同じau回線を使用しているpovoを選択するのがもっとも一般的でしょう。またpovoの場合、使用するデータ量に応じて容量を追加できるという意味でも魅力があります。
では、実際に乗り換えの検証をしてみましょう。
<検証結果のポイント>
- 各手続きはオンラインのみで完結し、所要時間は30~40分程度
- 料金は約5500円から2700円へと、かなり安くなる
- 通信速度も問題なし
MNP予約番号を取得
これまで使用していた電話番号をpovoに引き継ぐ場合でも、auからの乗り換えであれば、通常MNPの手続きの必要はありません。ただ今回は、システムメンテナンスを行っている関係で、他社から乗り換えるのと同様にMNP予約番号を取得しなければなりませんでした。
一般的に、実際の手続きについては、MNPの予約はアプリ「My au」で行います。しかし、予約をしようとすると、ウェブではできない旨のお知らせ画面が現れました。
「セットとなっている他回線、他サービスがあります」との表示が
MNP予約番号が発行されなかった理由は、auの契約で家族割プラスを付けていたこと。家族割プラスが付帯した電話番号については、My auではMNPの予約ができず、電話で手続きをするか、auショップを利用するしかありません。
ちなみに、auスマートバリューを適用している場合もウェブでの手続きができないので、注意が必要です。
結局、電話で手続きをすることにしましたが、auの窓口になかなかつながらず、待たされてしまいました。実際にMNP予約番号の発行までに要した時間は、約10分程度です。予約番号には15日間という有効期限があるので、取得したら早めに契約をした方がいいでしょう。
SIMロック解除
auからpovoへの乗り換えの場合、通常はSIMロックを解除する必要はありませんが、やはりシステムメンテナンス中のため手続きが必要となりました。手続き自体はオンラインで行いますが、それほど手間はかからず、所要時間は5分程度です。
ちなみに他社からpovoへの乗り換えの場合は、au回線を使うためにSIMロックを解除する必要があります。ただ分割払いで購入した機種の場合、クレジットカード払いでなければ、購入から101日目以降しか解除できないので注意する必要があります。
2021年10月以降に発売された端末の場合は、もともとSIMロックがかかっていないので、解除の必要はありません。
povo申し込み
povoは、契約申し込みも店舗では受け付けていないので、オンラインで行う必要があります。実際に要した時間は約10分でした。
作業する段階で必要となるのが、運転免許証などの本人確認書類、クレジットカード、MNP予約番号です。慌てることのないよう、事前に用意しておくことをおすすめします。
続いて手順ですが、まずpovo2.0アプリをダウンロードし、有効なメールアドレスを登録。画面の指示に従って、SIM/契約タイプ、クレジットカード情報を入力します。
さらにeKYC(電子本人認証)の画面にて、本人確認書類や自身の顔写真を撮影して本人確認の申請を行います。認証後にメールが届くので確認をし、「本人確認を行う」ボタンを押せば本人確認が完了。画面の指示に従って、契約者情報を入力しましょう。
SIM開通手続き
契約後には、SIM開通手続きが必要となります。eSIMの場合、具体的には画面の表示に従って、SIMの有効化(回線の切り替え)、eSIMの設定、通信利用設定の手順で行います。
SIMが有効化するとお知らせメールが届く
●参考サイト
https://povo.jp/support/guide/esim/
続いて、発信テスト用番号(111/通話料無料)へ電話をかけ、ガイダンスを最後まで聞いて電話を切ります。さらにWi-Fiを切った状態でブラウザを起動し、モバイルデータ通信を利用してWebサイト(https://povo.jp)が閲覧できるかを確認すると、eSIM開通手続きは終了。ここまでに要した時間は、約5分でした。
今回切り替えを行った機種はiPhoneですが、Androidの場合は、インターネット接続用のAPN(※)設定が必要なので、もうひと手間がかかります。
※アクセス・ポイント・ネームの略。スマホからインターネットに接続するためのアクセスポイントのこと
トッピングの購入
開通手続きが終わったところで、トッピングを追加しました。今回選択したプランは、「データ追加20GB(30日間)」です。
トッピング自体は、購入手続きが完了すると、すぐに使用できます。
トッピングの追加は、トッピングの選択画面から
解約金と乗り換え時期による料金の扱いは
乗り換えの際、解約金が発生するのではないかと気になる人も多いかと思います。しかし、auからpovoへの乗り換えであれば、解約金や手数料はいっさいかかりません。
※ちなみにauでは、「2年契約」および「2年契約N」を申し込んでいる契約者が他社に乗り換える場合、解約金(契約解除料)が必要でしたが、2022年3月31日、auでも解約金が廃止されます。
また、解約のタイミングによって、月額料金を余計に支払うことになるのではないかとの不安があるかもしれませんが、実際にはpovoに変更した月は、それまで契約していたauのプランとpovoの料金がそれぞれ日割り計算されます。乗り換えの時期を気にする必要はないでしょう。
実際の使用感確認
各手続きが完了し、初期設定も行ったうえで、実際に使用してみました。乗り換え前と後でどのような変化があったのか確認してみましょう。
<比較結果の概要>au「データMAX 5G」 | povo | |
---|---|---|
料金 | 5569円 | 2700円 |
速度 | 31.85Mbps(下り)/ 5.16Mbps(上り) |
61.30Mbps(下り)/ 29.19Mbps(上り) |
※編集部調べによる
料金は大幅に安く
乗り換えることで、料金がどうなるのかは気になるところです。結果としては、auでは月に約5600円かかっていたのに対し、povoに乗り換えた後は2700円となっています。単純に計算しただけでも約2900円、年に換算すると約3万4800円も安くなりました。
<乗り換え前と乗り換え後の比較(料金)>乗り換え前:au「データMAX 5G」 | 乗り換え後:povo |
---|---|
※編集部調べによる
ただ、実際には乗り換え前には5分かけ放題のオプションを付けていました。povoの場合、5分以内通話かけ放題をトッピングすると、月550円(税込)がかかります。
またキャリアメールを継続して使用したい場合、メールアドレス持ち運びサービスを利用しなければなりません。そのため月330円(税込)の追加料金がかかりますが、それを加えても3580円であり、十分通信料金を抑えられることがわかります。
ちなみに乗り換え前には、機種代金とauかんたん決済利用料が合わせて請求されていました。乗り換え後は、機種代金の分割払いが残っている場合、通信料金とは別に機種代金のみが引き続き引き落とされる形となります。
さらにpovoではauかんたん決済が利用できないため、サービスの使用料は通信料金と合算されての請求ではなくなります。
au回線で通信速度には問題なし
auの回線を使用しているpovoの通信速度は、auと変わらないとされていますが、実際に計測してみるとどうでしょうか。
比較をした結果は、以下のとおり。乗り換え前が31.85Mbps(下り)である一方、乗り換え後は61.30 Mbps(下り)となり、より速い数値を記録しました。
もちろん同じ条件下で測定しないかぎり正確な比較はできません。しかしながら、povoの方がauより速いという今回の結果が物語るように、少なくともpovoは、速度の面ではほぼ問題がないということがわかります。
<乗り換え前と乗り換え後の比較(通信速度)>乗り換え前:au「データMAX 5G」 | 乗り換え後:povo |
---|---|
※編集部調べによる
MNP予約の際にauへの電話に若干時間を取られましたが、povoの契約などの手続きはオンラインで完結し、要した時間は30~40分程度でした。本来auからの乗り換えでは、MNP予約番号の取得とSIMロック解除の工程はないので、さらに短時間で手続きを終えることができそうです。
一方で、今回はeSIMでの契約でしたが、物理SIMで手続きをした場合、SIMカードは郵送となります。届くまで数日を要し、またSIMカードの取り付けの作業なども必要となりますが、それでも手間がかかるという印象はないでしょう。
乗り換え前には、通信速度などが落ちたりしないかといった不安もありました。しかし実際に契約をして使ってみると、速度へのストレスもありません。いくつかの注意点をクリアすれば、特に問題なく乗り換えができることが検証できたといえるでしょう。
povoの申込みはこちらpovoに関するQ&A
これまでの話も踏まえて、povoに乗り換えるときによく出てくる疑問をもとに、法林さんに質問してみました。
Q. 料金について、口座振替による支払いは可能ですか?
A. povoの支払いは、クレジットカードでしかできません。いずれにせよ、契約時にクレジットカードが必要になるため、用意しておく必要があります。
Q. キャリアメールアドレスは使えなくなるのですか?
A. メールアドレス持ち運びサービスを利用して追加料金を支払うことで、これまで使ってきたキャリアメールを引き続き使用することができます。ちなみに、auからアドレスを引き継ぐ場合の料金は、月330円(税込)です。
Q. auの家族割引が適用になっていた場合、povoに乗り換えるとどういう扱いになりますか?
A. povoに乗り換える人は、auの家族割引の対象から外れます。そのため、auを利用し家族割引を利用しているユーザーは、カウントする人数が1人分減ることになります。
もちろん、povoに家族割引が適用されることはありません。
Q. 留守番電話サービスは利用できますか?
A. povoでは、留守番電話サービスは用意されていません。そのため、端末側の機能(伝言メモや簡易留守録)を利用することになります。他に、着信拒否についても端末側の機能を利用することになるなど、通話系のサービスはミニマムな形で提供されています。
Q. テザリング機能は利用できますか?
A. テザリング機能は使えます。povoでは使いたいときにデータ追加をトッピングで選べるので、割り切ってテザリング用端末にしてしまうといった使い方も可能です。
Q. 海外でも利用できますか?
A. 今のところ国際ローミングサービスは提供されていません。ただし、国際電話をかけることは可能です。国際ローミングについても、今後提供される予定とのこと。開始時期は、決まり次第「povo2.0ウェブサイト」で発表されます。
Q. トッピングを選んでいないときでも、電話は受信できますか?
A. 可能です。また自分から電話をかけるときは、従量制で料金がかかる仕組みです。割引がなく、携帯電話の普通の通話料になるので、長電話するときなどは、5分以内通話かけ放題や、通話かけ放題といった通話トッピングを利用するといいでしょう。
電話の使用がメインの人は、月額1650円(税込)の通話かけ放題だけをトッピングして利用するといった使い方も可能です。
まとめ
2021年3月にサービスがスタートしたpovoですが、povo1.0から、KDDIが本来あるべきサービスとして研究したトッピング形式の2.0に進化するまでに、少し時間がかかってしまいました。その分若干出遅れた感はあったのですが、使ってみればその良さが感じられます。
またタイミングとしても、デュアルSIMやeSIMに対応した機種が増えてきた中で、扱いやすい回線として評価できます。
自分が使いたい分だけトッピングして利用でき、ギガ活というユニークな取り組みも行われています。ギガ活の対象店舗も、今後増えていく予定です。
法林さんが、「久々に楽しいサービスが出てきた」と評価するpovo。これまでになかった、新たな時代のモバイルの契約スタイルと言ってもいいかもしれません。乗り換えを検討している人は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
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