今、気になるタレント&モデルに、“本当に買って良かったもの”を紹介してもらうインタビュー企画。買ったものから見えてくるのは、その人のライフスタイルやパーソナリティ。第一線でたくさんの“本物”を見てきた彼女たちに選び抜かれた逸品たち。その中から、あなたにとっての「the best of your select」が見つかるかもしれません。

今回ご登場いただいたのは、文筆家、映像作家、俳優、ラジオパーソナリティと、多彩なフィールドで活躍中の小川紗良さん。2023年3月、自身の新たなものづくりの拠点として「とおまわり」を立ち上げた小川さんは、現在、作品づくりやオンラインストア、イベントなどを通して「遠回りだからこそ味わえるときめき」を表現しています。そんな小川さんが最近、“本当に買って良かった”と思った「キッチン」のアイテムは、取材を兼ねて訪れたイタリアで見つけたロングセラーの逸品でした。

SELECTor

小川紗良

文筆家・映像作家・俳優

小川紗良さん

1996年東京生まれ。俳優としてNHK『まんぷく』、ひかりTV『湯あがりスケッチ』などに出演。初長編監督作『海辺の金魚』は全州国際映画祭に出品され、自ら小説化も手がけた。2023年、活動拠点として「とおまわり」を設立。現在、J-WAVE「ACROSS THE SKY」(日曜午前9時〜12時)でナビゲーターを務めている。

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目次

目まぐるしく働く日々が突然ストップしたコロナ禍で気づいたこと

昨年、自身の新たな活動拠点として「とおまわり」を設立した小川さん。文筆家として雑誌やWebメディアに寄稿するほか、年に1回発行のスローマガジン『とおまわり』を創刊したり、映像作家として「心と体に優しい食事」や「職人たちの手仕事」などをまとめた映像作品を作り、YouTubeの「とおまわりチャンネル」などで発信したりしています。

「10代の頃から俳優業と映像制作を始めた私は、もともと何もしないのが苦手というか、動き続けていないと落ち着かないタイプでした。でもコロナ禍になって、出演ドラマの撮影が止まったり、監督した映画の公開が延期になったり、すべてがストップしてしまった。それまで慌ただしく目の前のことに取り組んできましたが、強制的にいったん立ち止まったことで、たとえば朝のコーヒーを豆から挽いて入れてみるとか、日々の小さな“暮らし”のおもしろさや豊かさに気づくことができたんです」

「休むことが苦手だった」というほどワーカホリックだった小川さんに訪れた、毎日の“暮らし”と向き合う時間。そこで得た気づきが、その後の仕事への取り組み方を大きく変えることとなりました。

「自分の活動拠点として『とおまわり』を作ったのも、何もかも効率やスピードが求められがちな今の時代に、あえて“遠回り”をすることで得られるときめきを見つけ、その価値を発信したかったから。スローに、シンプルに活動を続けながら、より心地よい暮らしと社会にするための小さなきっかけを作れたらと願っています」

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ここ数年は、全国各地で素敵な暮らし方や働き方をしている農家や職人を取材してまわり、その活動を映像や文章で発信することに取り組んでいる小川さん。手仕事や伝統文化など、“遠回り”をいとわない人たちの暮らしぶりを伝えることは、「とおまわり」の重要なテーマとなっています。

「今年はやっと海外にも取材に行けるようになり、4月には初めてイタリアに行ってきました。旅の途中でイタリアに住む日本人の方のお宅におじゃまする機会があって、そこでマキネッタで入れたエスプレッソを初めて飲んだんです」

イタリア本国からわざわざ持ち帰るほど、デザインも色もお気に入りのマキネッタ

マキネッタとは直火式エスプレッソメーカーのこと。コーヒー豆に沸騰したお湯による蒸気圧をかけて抽出することで、少量でも深いコクのある、香り高いエスプレッソを楽しむことができます。

「衝撃的だったのが、イタリアではコーヒーといえばエスプレッソのことなんです。カフェでもみんなエスプレッソを飲んでるし、一家に一台は必ずマキネッタがあって、サイズも豊富だから、お家によっては3台くらい持ってることも。家のキッチンにもマキネッタ用の小さなコンロが備え付けられていたり、暮らしの中に当たり前にマキネッタが存在してるのが、すごくいいなと思いました」

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「マキネッタのトップメーカーといえば日本でもよく見かけるビアレッティで、イタリアの観光地には必ず売っているし、カラーバリエーションも豊富です。でも私がペゼッティのマキネッタを買ったのは観光地でもない、地元の人が行くような街の家電屋さんで。ロゴも何も入ってないシンプルさと、この赤いボディがすごくかわいくて気に入ってしまい、その場で購入を決めて日本まで持ち帰ることにしました

SARA’S BEST SELECT

PEZZETTI(ペゼッティ)

3cup マキネッタ

参考価格: ¥4,180(税込)

ペゼッティ社は、1948年に設立された直火式エスプレッソメーカー(=マキネッタ)の老舗ブランド。シンプルなデザインと堅牢な作りで本国イタリアでは広く愛用されています。使い方はカンタンで、水とコーヒーをセットして火にかけるだけ。沸騰したお湯の蒸気圧により、数分で濃厚なエスプレッソを抽出。本体の大きさが使用するコンロの五徳サイズに合わない場合も、サポートリングなどの補助器具があれば使用可能。IH非対応。

おいしいコーヒーを作るための時間が、気持ちのゆとりにつながる

カフェラテが好きなこともあり、それまでの小川さんにとってコーヒーは「お店で飲むもの」だったとか。ですがマキネッタを購入したことで、エスプレッソを使ったアレンジドリンクを気軽に自宅で味わえるようになりました。

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「せっかくマキネッタがあるので、スチームミルクを作る機械も買いました。飲むタイミングはやっぱり朝。朝ごはんとして、パンと一緒に楽しむことがいちばん多いです。コーヒー豆は知り合いのおいしいコーヒー屋さんで購入しているのですが、特に味の好みはなくて、深煎り派の夫に合わせて選ぶことが多いかな。ラテを作るときのエスプレッソとミルクのバランスも適当だけど、オーツミルクを合わせるのが好きですね」

キッチンでの愛用品にマキネッタが加わり、朝のコーヒータイムが習慣になったことで、精神的にも思いがけない効果があったとか。

「豆を挽いて、マキネッタにセットして、お湯が沸いてエスプレッソが抽出されるまで、たぶん10分もかからないと思うんです。でも、朝方すこし自分の手を動かして、エスプレッソの良い香りを嗅ぎながらカフェラテを作る。そんなちょっとした時間があることで、気持ちにゆとりが生まれる気がします。もともと何もしないことが苦手な私ですが、コーヒーを飲むという目的があることで、自然とほっとひと息つける時間をもてるようになりました」

使い込むほどに自分だけの風合いが出てくるマキネッタは“育てる”キッチンツール

マキネッタに合うコーヒー豆の挽き具合は、極細挽きが推奨される機械式エスプレッソメーカーとは異なり、中細挽き~細挽きが最適。本体サイズが日本のコンロには合わないため、小川さんはバーベキュー用のミニ網を敷いて使用しています。

「マキネッタの使い方はちょっとした手間が必要ですし、機械式に比べたら少しだけ時間もかかるんですけど、その手間ひまもなんだかいいなって。それにイタリアでは、マキネッタは“育てるもの”だと聞きました。洗剤を使わずに水洗いして乾かすだけなので、お手入れはすごくラクなのですが、使い続けるうちに傷がついたり、年季が入っていくのを楽しむものらしいんです。イタリア人のそういう道具への愛情みたいなものもすごく素敵だなと思いますし、まだ私のマキネッタは新しいので、これからどう育っていくのかがすごく楽しみです」

小川さんが選んだ「キッチン」のアイテムは使い続けるほどに愛着がわく、イタリアの文化と伝統を感じる逸品でした。#3では、日本各地を取材に飛び回る中で愛用中の「アウトドア」にまつわるアイテムを紹介してくださいます。どうぞお楽しみに!

小川紗良さんに聞いた、買い物にまつわる一問一答

買って良かったものだけでなく、ふだんどんなスタイルで買い物を楽しんでいるのか。毎回5つの質問を通して小川さんの買い物観に迫ります。

Q. 買い物の頻度はどれくらい?

A. 日用品以外の買い物は月に1〜2回です。
買い物は好きですが、実際に買うことは少ないです。もともとの物欲は強かったですけど、余分なものは削ぎ落として、自分に本当に必要なものを考えるようになってからは、買い物の頻度も減っていきました。でも海外に行くと、やっぱりお土産は買っちゃいますけどね(笑)。

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Q. 衝動買いをする方? しない方?

A. 衝動買い派だったけど、今はやめました。
衝動買いすると後々使わなくなったり、部屋から片付けたくなったりということが少なからずあって。かといって、まだ使えるものを捨てるのももったいないと感じてしまうので、できるだけちゃんとした品質で長く使い続けられるものを選ぶようになりました。

Q. 今まででいちばん思い切った買い物は?

A. 映像と写真のカメラです。
これは仕事柄、必要にかられてなんですけど、自分で取材・撮影してドキュメンタリーを作るようになったときに買いました。買うかどうか悩む時間はそんなに長くなかったけど、カメラ知識が少なかったので、いろいろ自分で調べて、さらに電器屋さんでも直接スタッフさんにいろいろ聞いてから購入しましたね。

Q. 買って後悔したものはありますか?

A. あまりないかもしれません。
たとえば買った服のサイズがちょっと合わないことってありますよね。そういうときは合わないから捨てようとか売ろうじゃなくて、自分で直してどうにか合う形にしたりする方です。

Q. 買い物はひとりで行く派? 誰かと一緒派?

A. ひとりで行く派です。
友達と一緒に行くと、「いいじゃんいいじゃん」と勧められたときに流されてしまう可能性があるので(笑)。基本的に買い物はひとりで自問自答してます。ただ、キャンプ道具とか夫と一緒に使うものはふたりで選んだりもしますね。

ニット¥22,000(税込)、デニムパンツ¥28,600(税込)/THE SHINZONE(シンゾーン ルミネ新宿店)、バングル¥14,300(税込)、リング¥8,800(税込)/ERICKA NICOLAS BEGAY(メイデン・カンパニー)、シューズ¥94,600(税込)/Paraboot(パラブーツ青山店)、イヤリング/スタイリスト私物

●お問い合わせ
メイデン・カンパニー 03-5410-9777、シンゾーン ルミネ新宿店 03-5909-4088、パラブーツ青山店 03-5766-6688

撮影/藤井由依 スタイリング/富澤結希乃 ヘアメイク/眞舘 楓 取材・文/齋藤春子 編集/勝又美月(Roaster)