2023年市販ヘアカラーのおすすめ11選【美容師監修】人気のアッシュ・ピンク系カラーをご紹介

「髪が傷みにくいおすすめの市販ヘアカラーはどれ？」
「本当にイメージどおりの色味になるのか不安……」

美容院でカラーリングをするのには、費用がかかるし、通うのが面倒ですよね。簡単に手に入り、手軽にチャレンジできる市販のヘアカラーは気になりますが、「本当に理想の髪色になるの？」「髪が傷むのでは？」と思っている人も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、髪に関する幅広い技術と知識をもつ美容トータルプロデューサーの向川利果さんにご協力いただき、ヘアカラーの基礎知識や選び方のポイントを徹底解説。さらに、セルフカラーの正しい手順や注意点についても詳しく伺いました。Your SELECT.編集部が厳選したおすすめの市販ヘアカラー11選とともにご紹介します。

【美容師監修】市販ヘアカラーの基礎知識

はじめに、市販のヘアカラーと美容院のヘアカラーの違いや、セルフカラーが向いている人の特徴などについて、向川さんに伺いました。

市販のヘアカラーと美容院のヘアカラーの違い

2種類の薬剤を混ぜて使用する点は、美容院のものでも市販のものでも変わりません

市販のヘアカラーと美容院で使われているヘアカラーは、おもに薬剤の強さが違います。
一般的に「ヘアカラー」と呼ばれるものは、成分の異なる1剤と2剤を混ぜて髪に塗布します。1剤は色味や明るさをコントロールする作用があり、2剤は1剤の役割をサポートするための「オキシ」と呼ばれる過酸化水素が入っています。

参考：日本ヘアカラー工業会「ヘアカラーリング製品の分類」

美容院では髪のダメージ具合や状態を見て、美容師さんが1剤や2剤を調節して使っています。一方で、市販のカラー剤は複雑な調節をしなくても簡単に明るくおしゃれ染めができるように作られています。1剤や2剤の濃度が高い傾向があるので、髪や頭皮へのダメージを与えやすいといえます。

しかし、美容院に行く手間や時間を省けたり、低価格で髪を染められるところは、市販ヘアカラーの魅力です。

「髪が傷んでいる人はヘアカラーの使用は控えてください」と向川さん

市販ヘアカラーの種類

泡タイプのパッケージ内容の一例。容器に薬剤を入れて混ぜ、ポンプを押すと泡が出てきます

市販のヘアカラーには、おもに「泡タイプ」「乳液」「クリームタイプ」「エアゾールタイプ」「粉タイプ」の5種類があります。その中で、おしゃれ染めに多く使用されるのが「泡タイプ」と「乳液タイプ」の2種類。「乳液タイプ」は「ミルクタイプ」や「ミルキータイプ」と表記されることも。

泡タイプはシャンプーのような感覚で、髪にもみ込むことで染められるので、セルフカラー初心者向き。付属のくしなどを使って髪に塗り込む乳液タイプは液だれしやすいという難点はありますが、染料が髪に密着して染まりやすい特徴があります。乳液タイプで染めたい人は、先端がくし型ノズルになった商品を選ぶとよいでしょう。
それぞれのメリット・デメリットは以下のとおりです。

泡タイプは一気にまんべんなく染められますが、乳液タイプは髪をブロッキングしながら少量ずつ塗布する方が、色ムラが起こりにくいです。

上側が泡タイプ、下側が乳液タイプの染め方。まずはムラになりにくい泡タイプを使って、セルフカラーになれるのもいいでしょう

【美容師監修】市販ヘアカラーの選び方

市販のヘアカラーで、「理想どおりの色にならなかった」「髪が想像以上に傷んでしまった」といった失敗は避けたいもの。一度染めてしまうと、色を戻すことも、髪のダメージを回復させることも簡単ではないからこそ、ヘアカラー選びは慎重に行う必要があります。そこで、向川さんに選び方のポイントについて詳しく伺いました。

カラーの選び方

まずは、「髪質」「肌の色」「染まりやすさと色持ち」の3つの観点からカラーの選び方について解説します。

髪質による染まりやすさをチェック

色の染まりやすさは、髪質によって違いが出ます。
太くて硬い髪質は染まりにくく、細くて軟らかい髪質は染まりやすい傾向があります。
染まりにくい髪質の場合、理想より明るい色味を選びがちですが、染毛前の髪色も仕上がりに大きく影響するため、最初は希望色よりも明るさを1〜2トーン下げて色を選び、徐々に明るさのトーンを上げていくのがおすすめ。2ヶ月ほど間隔を空けて3回程度染めるなどして、理想の髪色に少しずつ近づけていきましょう。

染まりやすい軟毛の方も同様に、希望色よりも明るさを1〜2トーン下げた色を選ぶことで失敗のリスクを回避でき、最終的にイメージに近い髪色に近づけることができます。

イエベ？ ブルベ？ 肌の色味もチェック

イエローベース（イエベ）・ブルーベース（ブルベ）とは、肌の色味の傾向を表したもの。日本人は黄色人種なのでイエローベースの人が多い傾向がありますが、青み寄りのブルーベースの方も増えてきているといわれています。

イエローベースは暖色系が混ざっているベージュ・ブラウン系が肌の色に合いやすく、ブルーベースは寒色系が混ざっているアッシュ・グレージュ系の色味が向いています。
パーソナルカラーはプロに診断してもらうこともできますが、さまざまなサイトで自己診断もできるので、色選びの参考にしてみてください。

染める前の髪の色をチェック

すでに染めた髪には、同じ系統のカラーを選ぶと染まりが良く、色持ちもしやすい傾向があります。ただし、ブラウン・オレンジなどナチュラル系の色味と比較すると、ピンクやバイオレット、アッシュといったニュアンスカラーの色持ちはやや劣ります。特にアッシュ系の青みは落ちやすく、2週間程度で退色してしまうことも。これは、美容院で染めた場合でも同じです。

ベースとなる髪色が黒いほど明るい色は入りにくく、何度か色を重ねることで、理想の仕上がりに近づけることができます。
染める前の髪色に限らず、髪質や髪のダメージ具合などによっても仕上がりは大きく変わります。そのことを念頭に置いたうえで、色味は慎重に選びましょう。

髪質や染める前の髪色によって、仕上がりの発色は変わってきます。パッケージのイメージ写真も参考にしましょう

髪の傷みが気になる人はヘアケア効果のあるものを選ぶ

髪の傷みが気になる人は、トリートメントや美容液などが付属されたものを選びましょう。ただし、一般的なトリートメントは分子が大きいので、髪内部までを補修するのは難しいです。髪表面の手触りをなめらかにしたり、ツヤを出したりする効果は期待できます。
継続的に髪をケアしたい方は、失われた髪内部のタンパク質を補給するケラチン入りトリートメントを使うのがおすすめ。髪が健やかになるだけでなく、カラーリング後の退色も防げます。

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ケラチン入りヘアマスクが付属した商品の一例

初心者は希望色よりも明るさを1～2トーン下げたカラーを選ぶ

一度でもセルフカラーの経験がある人は、染まりやすさや色の発色がある程度つかめますが、初心者の方は見極めが難しいと思います。
明るい色のものほど薬剤としての力も強くなるので、肌トラブルのリスクも考慮して、まずは希望色よりも明るさを1～2トーン下げたナチュラルカラーから試してみることをおすすめします。また、作業工程が少なく、比較的簡単に行える泡タイプを選ぶといいでしょう。泡タイプなので、液だれしにくく、髪の毛全体に薬剤を塗布しやすいので色ムラなども起こりにくいといえます。

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編集部厳選！

市販ヘアカラーのおすすめ11選

市販のヘアカラーの中から編集部のおすすめをピックアップ。向川さんのアドバイスを参考に、「カラーを楽しみたい人向け」「セルフカラー初心者向け」「髪の傷みが気になる人向け」「メンズ向け」別に厳選しました。

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• 【カラーを楽しみたい人向け】ヘアカラーのおすすめ4選
• 【セルフカラー初心者向け】ヘアカラーのおすすめ4選
• 【髪の傷みが気になる人向け】ヘアカラーのおすすめ2選
• 【番外編】メンズにおすすめのヘアカラー

【カラーを楽しみたい人向け】ヘアカラーのおすすめ4選

まずは、10色以上のカラーを取りそろえるブランドのヘアカラーを4つご紹介します。

鮮やかなビビッド系からトレンドのアッシュカラーまで、個性的な髪色を楽しめる全13色のラインナップ。乳液タイプですが、手でもみ込むと泡が立つので染めやすいのが魅力です。

ヘアカラー直後の色落ちを防ぐ処方の「ヘアカラー直後用シャンプー」と、ボタニカルオイル成分を配合した美容液が、デリケートな髪をやさしくいたわります。高発色なカラーを楽しみたい人におすすめです。

定番のブラウンからキュートなピンク系、黒髪に近いネイビーブルージュ、透明感のあるマット系アッシュまで、全13色の幅広いカラーバリエーションが魅力。くし型ノズルは染料成分が髪にしっかり密着するので染まりやすい特徴がありますが、液だれには注意してください。髪を守る8種類のアミノ酸（うるおい成分）を配合する他、髪にツヤを与えてくれるヘアマスク付きです。

日本人女性の髪のために、プロのスタイリストが開発。全19色の自然でスタイリッシュなカラー展開で、髪をかき上げた際にちらほらのぞく少量の白髪にも色がなじむ処方になっています。

また、1箱でロングヘアも染められる大容量タイプ。塗りやすいくし型ノズルで、髪全体にたっぷり塗布でき、色ムラも防げます。染毛後の髪を包み込む、うるおい成分がたっぷり配合されたヘアパック付き。

定番色からトレンドまで、多彩なカラーがそろうパルティのヘアカラー。中でも「はなやかシリーズ」は、明るく女性らしい色味を楽しみたい人におすすめです。

こっくりとした乳液は液だれの心配がなく、手で塗り広げられるところが特徴。従来のヘアカラー乳液と比べて1.5倍の混合液がつくれるので、ロングヘアや毛量の多い人にもおすすめです。

染毛後に使うヘアケア剤は、4つのトリートメント成分配合。ツヤとうるおいのある髪色に導いてくれます。

【セルフカラー初心者向け】ヘアカラーのおすすめ4選

セルフカラー初心者には、染めやすさと控えめな色選びがポイントになります。液だれしにくく塗りやすいタイプのヘアカラーを中心にご紹介します。

ハイトーンや深みのあるブラウン系の色味を展開する「ナチュラルシリーズ」は黒髪用のヘアカラー。試しやすい自然な色味のカラーラインナップと、液だれしない濃密泡で簡単に染められるので、ホームカラー初心者におすすめです。

高純度のはちみつ成分配合で、しっとりとツヤのある染め上がりに。毛髪保護成分も配合されているので、ツンとした薬剤特有のにおいを抑えてくれます。

ビューティラボ ホイップヘアカラーの「ナチュラルライン」は、淡いピンクやベージュカラーが女性らしく、初心者でも失敗しにくいカラーラインナップです。1剤・2剤を入れて振るだけで、手ですくいやすいホイップ泡が完成。濃密でたっぷりの泡が髪全体に行き渡り、誰でもムラなく染められます。

髪を守るはちみつ&植物・果実成分配合。アロマの香りに癒やされながら染められるところも魅力です。

ベージュとアッシュ系を中心に展開するカラーラインナップ。ポンプ式の容器は使いやすく、簡単に泡が出せるところが魅力です。髪へのなじみも良く、ムラのないきれいな仕上がりを目指せます。また、髪にうるおいとツヤをもたらすウォーターリリーエキス成分を配合。

1箱でセミロング程度の髪が染められますが、ロングヘアや毛量の多い方は2箱用意されることをおすすめします。

このヘアカラーの最大の特徴は、とろみのある乳液状の混合液がつくれること。液だれしにくく、内側の髪にもすばやくなじむので、従来品よりも塗布時間が短くて済みます。髪を分けるブロッキングも不要なので、ホームカラー初心者向き。カラー剤特有のにおいを抑えてくれる処方も魅力です。

かなり明るい髪に使用するとくすんだ灰緑色が出る場合があるため、徐々にトーンアップするのがおすすめです。

【髪の傷みが気になる人向け】ヘアカラーのおすすめ2選

髪の傷みが気になる人には、ヘアケア剤にこだわったヘアカラーがおすすめ。もちろん一時的な効果にとどまるので、他のヘアケア剤を使うなどして、継続的な髪のケアも検討してみてください。

トレンドのスモーキーカラー8色と、こなれた印象のデザインカラー4色を展開。先にご紹介した泡タイプは初心者向けですが、乳液状の本商品はくし型ノズルでとかして染めるタイプ。カラーリング直後に髪の内側までケアする「pHコントローラー」と、髪の外側からケアする「アフターカラー美容液」の2種類のヘアケア剤付きなので、ダメージが気になる方におすすめです。

かなり明るい髪に使用するとくすんだ灰緑色が出る場合があるため、徐々にトーンアップするのがおすすめです。

ニュアンスのあるものからビビッドな髪色まで、日本人の髪質に合わせて開発された多彩な色味から選べます。ベースカラーとニュアンスカラーを組み合わせ、深みと立体感のある3Dカラーを表現。さらに、毛髪保護成分が染毛中にじわじわと浸透し、髪をダメージから守ってくれます。

コラーゲン配合のトリートメントは40g（約4回分）とたっぷり使えるところも魅力です。ただし、混合液は手で塗る必要があるので、ロングヘアの方や初心者にはコツが必要です。

【番外編】メンズにおすすめのヘアカラー

最後に、髪色を自然に染めたいメンズにおすすめのヘアカラーをご紹介します。

自然な明るさに染まる全10色のメンズ用ヘアカラー。ブリーチ成分入りで、1回で高発色の髪色が期待できます。伸びの良い乳液が髪に密着するので、ムラなく染まるところも魅力。ヘアケア剤は付いていませんが、髪にうるおいを与えて手触りを良くするトリートメント成分を配合。1箱でミディアムヘア（耳が隠れる程度の長さ）まで使用できます。

最後に、ヘアカラーの正しい手順や使用上の注意、パッチテストの方法など、市販のヘアカラーに関する疑問について向川さんにお答えいただきました。

「髪につけたカラー剤を長く放置しても染まり方は変わらないし、髪や頭皮が傷むだけです。正しい手順と時間を必ず守りましょう」と向川さん

Q. 市販ヘアカラーが向いている人・向いていない人は？

市販ヘアカラーは、自分の髪の状態をよく確認して使うようにしましょう

A.市販のヘアカラーは、肌が比較的刺激に強い方や、健康な髪質の方に向いています。逆に肌が刺激に弱い方は、薬剤の影響によりかぶれや赤み、かゆみなどの肌トラブルを起こす可能性があります。

また、髪が傷んだ状態のダメージ毛の方も向いていません。ダメージ毛は髪の中のタンパク質が流出しており、染料を抱え込む力がない状態なため、希望の色に染まりにくいうえ、無理に染めると髪はさらに傷みます。特に縮毛矯正をかけた髪は、切れ毛や絡まりの原因につながりやすいので、生え変わりを待ってから染めるのがおすすめです。

ただし、これまで一度も髪を染めたことのないバージン毛は「黒」のメラニン色素が強いため、健康な髪質であっても色が入りにくく、ムラになりやすいというデメリットもあります。

市販のヘアカラーが向いている人	市販のヘアカラーが向いていない人
・お金をかけずに自宅で手軽に染めたい人 ・肌トラブルが少ない人 ・健康な髪質の人（ただしバージン毛は色が入りにくい）	・頭皮や髪、肌へのダメージが気になる人 ・敏感肌や肌トラブルが多い人 ・縮毛矯正やパーマ、カラーリングを繰り返したダメージ毛の人 ・病中、病後、妊娠中の方

Q. ヘアカラーで染める際の正しい手順は？

A. 染まりにくい後頭部～襟足から始めて、サイド、頭頂部の順番で塗りましょう。できれば髪を上下にブロッキングして塗布するとムラなく染まりやすいです。泡タイプの場合は、シャンプーを行う要領で、髪全体にもみ込むように染料をなじませてください。

Q. ヘアカラーを使用する際の注意点ってある？

A. 必ず顔周りや耳の後ろ、襟足などにハンドクリームなどの保湿剤やコールドクリームを塗りましょう。薬剤の刺激から肌を守ってくれます。
また、髪を染めるための1剤・2剤は封を開けた時点で酸化が始まります。そのため、開封後は10分以内に染め上げて、規定の放置時間を正しく守りましょう。

Q. 1箱でどのくらいの髪の量が染まる？

A. 商品によりますが、だいたい1箱全量でセミロングヘア（鎖骨の下から胸ぐらいまで）程度の髪まで染められます。ただし、髪の量が多い方やロングヘアの方は、2箱は準備しておきましょう。染毛中に混合液が足りなくなると、色ムラが生じて不自然な染まり方になってしまいます。特に、乳液タイプのヘアカラーで染める際には注意が必要です。

Q. 市販のヘアカラーで白髪は染まる？

A. 黒の髪色を染める目的でつくられている「おしゃれ染め用」のヘアカラーは、基本的に白髪は染まりません。ただし、明るい髪色を選んで白髪との明度差を軽くすることは可能です。

Q. パッチテスト（皮膚アレルギー試験）は必ず必要？

A. 毎回必ず行ってください。自身で目視・判断しやすい腕の内側に混合液（1剤と2剤を混ぜ合わせたもの）を塗り、48時間以内に赤みやかぶれ、発疹などの肌トラブルが出たら使用を控えましょう。ただし、お伝えしたように染料はすぐに使い切る必要があるため、最初の1箱はパッチテスト用として購入されることをおすすめします。

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まとめ

今回は向川さんに、ヘアカラーの選び方のポイントや注意点などについて伺いました。

美容院に行かずに手軽に染められる市販のヘアカラーですが、同じブラウンでも仕上がりは千差万別。パッケージの色味だけで判断するのではなく、自分の髪質や肌の色などを知ったうえで、染毛前の髪色となりたい髪色を照らし合わせながら選ぶことが大切です。
ぜひ本記事を参考にして、自分に合ったアイテムを見つけてくださいね。