2024年サーキュレーターのおすすめ12選【家電のプロ解説】静音や部屋干し向けなど特徴ごとに厳選

室内の空気を循環させるサーキュレーター。エアコンと一緒に使うと節電になり、部屋干しも楽になります。しかし、大きさや機能はさまざま、どの商品を選ぶべきか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

そこで、生活家電のプロである家電ライターの伊森ちづるさんにサーキュレーターの選ぶときのポイントを伺いました。

目的別にyour SELECT.編集部おすすめのサーキュレーターも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

　　

家電のプロが教える！

サーキュレーターの選び方

「サーキュレーターの設置場所や目的、お手入れのしやすさを考えて選ぶのがポイントです」と伊森さんは語ります。

サーキュレーター（circulator）は直訳すると「循環装置」といいます。直線的でパワフルな風を作り出し、その名のとおり部屋の空気を循環（circulation）させます。

さまざまな機能やタイプがあるサーキュレーターですが、その中から自分に合ったものを選ぶためのポイントを伊森さんに伺いました。

それぞれ詳しく解説します。

1. 設置場所で選ぶ｜適用畳数は広めで場所によっては壁掛けタイプなども検討

直線的で強い風を届けるサーキュレーターですが、風量や風が届く距離はモデルによりまちまちです。そのため、多くのメーカーが適用畳数を表示しています。基本的には適用畳数が広いほど、パワフルな風を起こすことができます。

この適用畳数と使いたい場所の広さが一致しているモデルを選んでください。迷うときは広めの畳数を選ぶとよいでしょう。広めの畳数ならば、それだけ遠くまで風を届けられるということで、余裕を持って使えます。

また、タイプも一緒に検討しましょう。サーキュレーターは床に直接置いて使うことが多いですが、脱衣所や廊下など狭い場所では、照明一体化タイプや壁掛けタイプがおすすめです。

タイプ	特徴
コンパクト・卓上タイプ	・設置場所を選ばない ・持ち運びが楽 ・対応畳数が広い
羽根なしタイプ	・指を巻き込む心配がない ・商品が限られている
ハイタイプ	・首が長く高さがある ・高い位置の洗濯物に当てたい人向け
壁掛けタイプ	・床のスペースを有効に使える ・狭い部屋でも設置しやすい
照明一体化タイプ	・照明の機能を併せもつ ・狭い部屋でも設置しやすい
扇風機兼用タイプ	・風の肌当たりが柔らかい ・高さを調整できるモデルが多い

コンパクトサイズのものを選べば、持ち運びが楽なため、さまざまな場所で使えます。扇風機兼用タイプはリビングに、ハイタイプは高い窓がある部屋などに向いています。

「リビングに置く場合、静音性が保たれるモデルがおすすめです。動作音が気になるとくつろげません」

2. 目的に合わせた機能で選ぶ｜静音性や乾燥機能などに着目する

設置場所に合わせて適用畳数とタイプを決めたら、次は機能です。

サーキュレーターの動作音は扇風機と比べてかなり大きいモデルが多いです。寝室の換気や空気の循環目的なら、静音モードは欠かせません。寝室以外で使う場合でも、赤ちゃんや小さな子がいるご家庭なら、静音モードが搭載されているサーキュレーターがおすすめです。

また、洗濯物を乾かしたい人には、衣類乾燥機能や首振り機能が便利です。

「衣類と衣類の間に、風の通り道をつくるのがコツです」

梅雨時や花粉シーズンの他、マンションの決まりや帰宅時間が遅いなどの理由で、どうしても部屋干しになってしまう人もいますよね。衣類乾燥機能や、首振り機能を使うと、衣類を短時間で乾かすことができます。さらに、360度回転機能は衣類乾燥にも使えますが、部屋の換気をするときに大いに役立ちます。
ぜひサーキュレーターの便利機能に着目して選んでみてください。

静音モード	風量を抑制し動作音を静かにするモード。静かな音の目安として、室内で快適に過ごせる40dB（デシベル）以下（環境省 騒音の目安より）に調整できることが望ましい
首振り	左右、上下に首振りができる（どちらかだけのモデルも多い）。手動で操作する場合と自動でできる場合がある
360度回転	ヘッドが転がるように自動で360度回転し、全方向、広範囲に送風できる
衣類乾燥	衣類乾燥に特化したモード。さまざまな角度に首振りをしたり、温風が出たりなどモデルによってさまざま
消臭・脱臭	空気を浄化する物質（オゾンやマイナスイオンなど）を発生させて、部屋のにおいを抑えるモデル、脱臭フィルターを備えたモデルなどがある
チャイルドロック	子どもの事故やいたずらによる誤作動を防ぐため一時的に操作を制限する

3. お手入れができるかどうかで選ぶ｜簡単に水洗いできるモデルが便利

ここ数年のトレンドとして、パーツをドライバーなしで分解できて、水洗いできるモデルが注目されています。扇風機はほとんどの場合、羽根を取り外して掃除ができますが、サーキュレーターは外すのにドライバーが必要だったり、外せないパーツがあったり、そもそも分解できないモデルもあります。

サーキュレーターを長時間使うと、羽根や内部にホコリがたまってしまうので、お手入れが簡単にできるかどうか、は重要なポイントです。

家族に赤ちゃんがいたり、特に清潔性を重視するご家庭では、羽根や前面が外れるだけでなく、できれば背面まで外せて洗えるタイプを選ぶとよいでしょう。背面がいちばんホコリがつきやすいです。

「この背面の放射状の部分にホコリがたまります」

your SELECT.編集部が目的別におすすめサーキュレーターをピックアップしました。商品の特徴やおすすめのポイントなどを解説するので、ぜひ参考にしてください。

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• 換気や寝室使いにおすすめなサーキュレーター7選
• 部屋干しにおすすめのサーキュレーター3選
• インテリアとしてもおすすめのサーキュレーター2選

　　

換気や寝室使いにおすすめなサーキュレーター7選

部屋の換気や寝室、リビングで使いやすい静音性にすぐれたモデル、脱衣所など狭いスペースでも使いやすいモデルなど、使い勝手抜群のおすすめサーキュレーター7選です。

アイリスオーヤマは、サーキュレーターのラインアップが豊富です。

特に「サーキュレーターアイ」シリーズは、コンパクトな形状とパワフルな風量を両立させた人気シリーズ。小型なボディでしっかり風を送り、部屋の中の空気をよくかき回します。

本機はDCモーターを搭載し、サイレントの名のとおり静音性にこだわったモデル。風量は8段階に設定が可能で、1〜5まで35dB以下なので、寝室に置く場合やテレビを見ているときなど、静かに使いたいときに重宝します。

静音性と省エネ性にすぐれた高性能サーキュレーターです。

「静音モード」はありませんが、最小運転音は20dBと木の葉が触れあう程度の大きさ。十分に静音性を備えたモデルといえます。

また、高性能の脱臭フィルターを搭載。ペットのにおいや調理時のにおいなどを30分程度で除去します。別売りのバッテリーを使えばコードレスとしても使え、ガレージやアウトドアシーン、ウォークインクローゼットなどにも、活躍の場が広がります。

静音モードを備え、お手入れがしやすいヤマゼンの人気モデルです。

就寝時にピッタリな「おやすみモード」は、時間の経過とともに風を自動的に弱め、最小で維持してくれます。音も静かで快適に眠りにつけます。

また、洗えるシリーズの名にふさわしく工具不要で手作業で分解でき、背面までしっかりと水洗いができます。戻すのも簡単です。

サーキュレーターのファンガード部分に取り付けられているカバーは、風の流れを整えて風速を上げる効果があり、約10mほど離れたところまで風が届きます。そのため広い部屋や、窓がない部屋などの換気も効率良くサポートが可能です。

また、静音性にもすぐれています。三菱の特許技術である独自の羽根の形状が、風の渦の変動を抑え、風音を静かに保ちます。寝ている子どもの横などでの使用も安心です。

3D立体首振り機能は、上下100度と左右180度を組み合わせることで、立体的に首振りでき、部屋干しのサポートやクローゼットなどの湿気取りに便利です。

多機能で使い勝手抜群のサーキュレーターです。10分間強力換気モードで、効率的に換気が行えます。また、運転開始時に風量・首振りを好みの状態に設定しておける快適入タイマーや左右に首振りしながら、一定の角度で上下に首振りし、強風運転をする部屋干しモードなどを搭載。

卓上でも床置きでもどちらでも使えるコンパクトボディも魅力です。

サーキュレーターとLED照明が一体化した「サーキュライト」。
部屋のメイン照明として使えるシーリングライトタイプから、トイレのような狭い場所で使えるソケットシリーズまで幅広いラインアップがそろいます。

人感センサーを搭載し、ファンとLEDライトを自動でオンオフします。人の気配を感知すると、3分間点灯し、ファンが起動。ファンとLEDライトの自動オンオフは、個別に設定可能です。

アタッチメントは、電球を差し込むソケットを使うタイプと引っ掛けシーリングのどちらか選べて、取り付けも簡単。狭いスペースにおすすめのサーキュレーターです。

壁に取り付けて使うサーキュレーターで、スペースのない脱衣所や洗面所、キッチンにピッタリ。お風呂から出た後、タイマー機能を使って一定時間だけ動かすといった使い方ができます。また、リモコンも付属しているので、高い場所に設置しても問題ありません。

ヘッド部分は360度回転し、ハンドルで上下方向の角度調節もできて便利です。

部屋干しにおすすめのサーキュレーター3選

首振り機能を備えたおすすめのサーキュレーターです。

まるでボールのようなヘッドのコンパクトなサーキュレーター。上下左右の自動首振りができる他、手動で角度を調整できます。衣類乾燥モードは、部屋干しする人の強い味方です。

また、独自の構造で一回転あたりの送風量を増やし、コンパクトなボディながら24畳の広い部屋にしっかりと風を送ります。2間続きの部屋や、広いリビングなどでもバッチリです。

DCモーター搭載で風量は10段階、リズムモードなら3段階で調節可能です。

編集部が調査

アイリスオーヤマのサーキュレーターアイ「DC JET KCF-SDC151T」と「DC JET PCF-SDC15T」を比較

専門家がおすすめした「アイリスオーヤマ サーキュレーターアイ DC JET KCF-SDC151T」と同年に販売された「アイリスオーヤマ サーキュレーターアイ DC JET PCF-SDC15T」の商品の違いを編集部が調査し、比較してみました。

どちらも2019年モデルで大きな差はないですが、「アイリスオーヤマ サーキュレーターアイ DC JET PCF-SDC15T」は、リズムモードに加え、衣類乾燥または強制撹拌モードに切り替わる機能が追加されていました。詳しくは以下の比較表を参考にしてみてください。

高さを53.5〜62.5cmで調節できるシンプルなサーキュレーターです。洗濯物を干す高さや、窓の高さなどに合わせて使えます。

左右3段階、上下1段階の自動首振り機能を使えば、洗濯物にかたよりなく風が当たります。

また、DCモーターを搭載し、10段階で調節が可能。調節段階が多い場合、ボタンだと何度も押すのを面倒に感じることもありますが、本機はダイヤル式なので、直感的に操作ができてストレスフリー。

本機は部屋干しのサポートをしつつ、お手入れをしっかりしたい！という方におすすめのモデルです。洗濯物を乾かすときに使うなら、可能な限りホコリを除去して清潔に保ちたいですよね。

自動首振り機能は洗濯物を均一に乾かすことができる他、タイマー機能と組み合わせることで、夜遅くや外出時にも使用できます。

サーキュレーターはドライバーなしで分解できるつくりで、羽根だけでなく背面カバーなどのパーツが水洗いできるのは大きなポイントです。

インテリアとしてもおすすめのサーキュレーター2選

インテリアのアクセントになるおしゃれなサーキュレーターを紹介します。

スイスの家電ブランド、スタドラーフォームのサーキュレーターです。レザー調のハンドルが、家電の機械っぽさに温かみをプラスし、家具やファブリックと調和しやすいデザインです。

DCモーターを搭載し、風の到達距離は最大8m、上下左右自動首振り機能も備えています。

ひとり暮らしの部屋や個室などに置きたくなる1台です。

アメリカの老舗メーカー、ボルネードの人気モデルです。サーキュレーターには珍しいグリーンのボディは重厚で存在感があります。

防塵防沫（ぼうじんぼうまつ）仕様なので、観葉植物の水やりなどでうっかり水しぶきがかかっても安心。脚はスチール製、本体は高耐衝撃性プラスチック製と耐久性にすぐれています。

サーキュレーターを買う前に知っておきたい2つのこと

家電のプロである伊森ちづるさんにサーキュレーターのメリットや扇風機との違いについて教えてもらいました。

1. サーキュレーターのメリット

サーキュレーターのメリットは、部屋の中の空気をかき回して、室温のムラを抑えられることです。夏は下にたまりがちな冷気をかきまぜ、冬は上にたまっている暖気を循環させるなど、おもにエアコンの補助として使用します。

また、サーキュレーターを併用することで効率良く冷やすことができ、エアコンの節電につながります。エアコンは、冷房時に設定温度を2℃高くすると約20％節電になるといわれています（参考：ダイキン）。

「床付近の冷気を吹き上げ、部屋全体をムラなく冷やせます」

最新モデルでは該当しないものもありますが、エアコンは一般的に天井付近の空気を吸い込み、冷やしてから部屋の中に排出します。床付近は冷えますが、天井付近は温かい空気が残ったままです。するとエアコンは吸い込む空気の熱から設定温度に届いていないと判断し、フルパワーで運転するので、サーキュレーターを使用しない場合、結果として電気代がかかってしまいます。

あとは、換気のときも使えます。開けた窓に向かってサーキュレーターを置くと、部屋の換気を効率良く行えます。さらにサーキュレーターを押し入れやクローゼットに向けて設置し、風を送ることで湿気を逃すといった使い方もできます。

「サーキュレーターは背面から空気を取り込み、前面から送風します」

2. サーキュレーターと扇風機との違い

サーキュレーターと扇風機は形状が似ていて、一見すると違いがわかりにくいですよね。
どちらも風を起こすものですが、用途が異なります。

「サーキュレーターと扇風機ってどこが違うのか、よく聞かれます」

サーキュレーターは小さめの羽根で直線的な風を起こし、部屋の空気を循環させるために使うのに対して、扇風機は、暑い季節や風呂上がりなどに人が風に当たって涼むために用います。

	サーキュレーター	扇風機
主な用途	部屋の空気を循環	人が風に当たって涼む
サイズ	小さめ	大きめ
風力	強い	弱め
風の距離	長い	短い
風の範囲	狭い	広い

サーキュレーターによくあるQ＆A

最後にサーキュレーターの気になる疑問について、伊森さんにお答えいただきました。

「エアコンと併用する場合、冷房と暖房では置き方が異なります」

順番に回答を見ていきましょう。

サーキュレーターの効果的な置き方は？

A. サーキュレーターを効果的に使うために必要なのは風の流れを意識することです。 エアコンと併用したり、使用目的によって置き方が異なりますので、以下の基本的な設置方法を参考に、試してみてください。家具の配置や部屋の広さ、間取りによっても変わります。

冷房使用時

暖房使用時

換気

Q. ACモーター、DCモーターの違いは？

A. ACモーターとDCモーターを比較すると、DCモーターの方が静音性と省エネ性にすぐれ、細かい風量調節が可能です。また、ACモーターは本体価格が安価ですが、運転音が大きく、細かな風量調整もできません。

それぞれの特徴を表にまとめました。

タイプ	特徴
ACモーター	・従来型で本体価格が安い ・風量の細かい調節ができない（3段階程度） ・運転音が大きい ・消費電力が大きく電気代が高くなる
DCモーター	・本体価格が高い ・風量の細かい調整ができる（10段階など） ・運転音が小さい ・消費電力が小さく電気代が安い

Q. サーキュレーターのお手入れってどうやってするの？ 頻度は？

A. 羽根や背面にホコリがたまってきたらお手入れのサインです。
サーキュレーターは床に置くことが多い家電なので、内部にホコリを吸い込みやすいです。掃除機などでゴミを取り除く他、柔らかい布でから拭きしましょう。パーツが水洗いできる場合はきれいに洗って乾かしましょう。

「羽根は小まめにケアしましょう。ホコリがついたままだと部屋中にホコリをまき散らすことになります」

Q. サーキュレーターは2台がいいって本当？

A. 使用環境によります。例えば、ロフトがある部屋や曲がり階段など、熱気がたまりやすい場所は、サーキュレーターを複数使って風をリレーするのがおすすめです。また、窓がない部屋の換気でも、サーキュレーターが2台あると風の流れをつくりやすくなります。

2台あると1台は部屋干しのサポート、もう1台はエアコンの空気の循環というように、並行して使えて便利です。

サーキュレーターはエアコンと併用することで効果を発揮します。

エアコンは家庭内の電気製品の中でも消費電力が大きい家電。サーキュレーターを使い、室内の空気を循環させて快適な温度にすることで、エアコンのムダな運転を減らし節電につながります。

サーキュレーターを選ぶポイントは、設置場所と目的に合わせた機能の有無、お手入れがしやすいかどうかです。1年を通して使うなら、デザインにもこだわりたいですね。電気代が気になるときはDCモーターを搭載したモデルがおすすめです。

空気の循環だけでなく、換気、部屋干しのサポート、靴箱や押し入れの風通しなど、さまざまなシーンで活躍するサーキュレーター。ぜひお気に入りの1台を探してみてください。