電源タップのおすすめ10選！安全機能や便利機能に優れたモデルをタイプ別に紹介

「コンセントが足りないので電源タップが欲しい」
「安全に使える電源タップはどれ？」

家電やパソコン周辺機器が増えてコンセントが足りなくなり、「電源タップ」や「マルチタップ」の購入を検討している方も多いのでは？ 電源タップは発火や感電のリスクがあるため、安全性に優れているかが重要です。また、商品によって形状や機能などが異なり、使い勝手に差があります。差込口の数だけに注目して購入してしまうと、失敗の多いアイテムです。

では実際に購入するとなると、どんな点に注意して選べばよいのでしょうか。

この記事ではコンピューター関連ライターの内川功一朗さんに電源タップに関する基礎知識や選び方などを教えてもらいました。

また、your SELECT.編集部が選んだおすすめの電源タップ10選も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

電源タップの基礎知識

電源タップを使う際はどのようなことに注意すればよいのでしょうか。また電源タップにはどんな種類や機能があるのでしょうか。内川さんに電源タップに関する基礎知識をお伺いしました。

「電源タップは便利ですが、接続する機器の電流が集まるため、過電流などの危険性も伴います。まずは正しい使い方を知りましょう」と内川さん

電源タップを使用する際の注意点

電源タップは接続機器の電流が集まるため、使い方を誤ると発火や感電の原因になりかねません。したがって他の家電よりも慎重に選ぶ必要があります。
電源タップの最大使用電力は1400～1500Wの場合がほとんどなので、接続する機器の合計使用電力をこの数値内に収めましょう。1500Wを超えて接続すると過電流になり、発火の原因になることがあるので注意が必要です。

以下に、おもな家電・機器の使用電力の目安をまとめたので参考にしてください。

1000W以上	電子レンジ	1400W
	アイロン	1400W
	電気炊飯器	1300W
	ハロゲンヒーター	1200W
	洗濯乾燥機	1100W
	ドライヤー	1000W
	オーブントースター	1000W
	掃除機	1000W
500〜1000W	電気ヒーター	800〜1000W
	電気カーペット	760〜1000W
	エアコン（10〜15畳）	750〜1100W
	食器洗い乾燥機	900W
	電気ポット（沸騰時）	800W
500W以下	エアコン（6畳）	450W
	洗濯機	400W
	冷蔵庫	200〜300W
	液晶テレビ	50W
	パソコン	45W
	扇風機	34W

※出典：資源エネルギー庁調べ

使用電力が1000Wを超える電子レンジや電気炊飯器、ハロゲンヒーターなどは電源タップに接続せず、コンセントに直接挿して使用するのをおすすめします。また、電源タップにさらに電源タップを重ねる「タコ足配線」は過電流になりやすいので注意しましょう。

タコ足配線をすることで、電流が1ヵ所に集中し、発火の危険が生まれるので注意

電源タップ自体の取り扱いに関しては、2点注意することがあります。
ひとつは「プラグがきちんと挿さっているか確認する」ことです。プラグが中途半端に挿さり接触不良を起こしていると、火災の原因になることがあります。もうひとつは「コードを束ねない」ことです。コードを束ねると、束ねた部分に熱がこもりやすく、また曲げた部分が断線しやすくなるので危険です。

電源タップの種類

電源タップにはおもに「延長コードタイプ」「直付けタイプ」「タワータイプ」の3種類があります。

延長コードタイプは、一般的に2～3mのコードが備わっており、コンセントから離れた場所にある機器に接続できます。壁際や家具の裏に設置する場合が多く、そのため細長い形状の商品が多いのが特徴です。

コードの長さの分、コンセントから離れた家電にも給電できる「延長コードタイプ」

直付けタイプは、コンセントに直接取り付けることで接続機器を増やすことができます。コードがなく、携帯できるタイプも多いので、旅行や出張先に持っていき使うこともできます。

コードがなく、携帯性に優れる「直付けタイプ」

タワータイプは、AC差込口を縦方向かつ、360度に配置しています。電子機器の多いデスク上での使用向きで、配線をすっきりまとめることが可能。USBポートを搭載しているタイプも多く、パソコン周辺機器にスムーズに給電できます。

デスクに設置するのに適していて、USBポートを搭載した商品も多い「タワータイプ」

電源タップのAC差込口数とピン数

電源タップのAC差込口の数は、2、3口程度のものから、10口以上のものまでバリエーションに富んでいます。また近年はパソコン周辺機器などUSBで給電を行う機器が増えているため、USBポートを備えた商品が増えています。

近年はUSBポートを備えた電源タップが増えている

電源タップのAC差込口には、一般的な家電に使われている「2ピン」タイプと、アース付きのプラグを挿し込める「3ピン」タイプがあります。アース付きのプラグは、電子機器からの電気を地面に逃がして感電や落雷被害、ノイズ、電磁波などを防ぐことができ、おもに洗濯機や冷蔵庫、電子レンジ、モニターや複合機などのOA機器に備わっています。

左が一般的な家電に使われている「2ピン」タイプ、右がアース付きの「3ピン」タイプ

電源タップの機能

電源タップの機能はおもに、雷サージガードやホコリ防止シャッターなどの「安全機能」と、スイングプラグなどの「便利機能」に分けられます。おもな機能は以下のとおりです。

雷サージガード	落雷時に電線に高電圧が発生し、電線から電源を通じて室内に侵入し、接続機器を故障させる「雷サージ」から機器を守る
ホコリ防止シャッター	AC差込口にシャッターが付いており、ホコリの侵入を防止する。プラグを抜き差しすることで自動で開閉する
絶縁キャップ	プラグの刃の根元に付けられた絶縁体のキャップ。コンセントまわりのホコリが原因で発火する「トラッキング現象」を予防する
抜け落ち防止	挿したプラグをひねることでロックをかけ、プラグが抜けるのを防ぐ。プラグ抜けによるパソコンのシャットダウンなどを防止できる
アースコード	電子機器からの電気を地面に逃がして感電や落雷被害、ノイズ、電磁波などを防ぐ
防水	AC差込口の防水シャッターや防水パッキンで水の侵入を防ぐ。屋外で使用できるタイプと不可能なタイプがある
自動ブレーカー機能	最大使用電力を超えた時点で自動的に電源が遮断され、過電流を防ぐ
ワットメーター	使用電力の合計を表示する
ノイズフィルタ	電源から電子機器に侵入するノイズをカットし、接続機器を守る

一括電源スイッチ	電源タップに接続された機器の電源をまとめてオンオフできる。オフにすると待機電力をまとめてゼロにできる
個別スイッチ	接続機器の電源を個別でオンオフできる
スイングプラグ	プラグを180度上下に動かせる。コンセントまわりの配線をスッキリすることができる
USBポート	USB機器に給電できる
マグネット	マグネットが内蔵されており、スチール製のデスクや家具に簡単に取り付けられる

電源タップの選び方

さまざまな種類や機能がある電源タップ。実際に選ぶとなると、どのような点に注意すればよいのでしょうか。内川さんに聞きました。

「電源タップを選ぶ際は安全性と設置場所、使いやすさに注意しましょう」と内川さん

安全性で選ぶ

電源タップが原因となる火災が毎年起きています。独立行政法人製品評価技術基盤機構によると、2016年から2021年の6年間で250件の配線器具による発火事故が起きました（※）。電源タップ選びは、家電の中でも特に安全性のチェックが重要といえます。

※出典：独立行政法人製品評価技術基盤機構「減少傾向から一転、2年連続事故増加～配線器具の火災に注意！！～」

電源タップの安全性をチェックする際は、まず「PSEマーク」を取得しているかを確認しましょう。PSEマークとは「電気用品安全法」で定められた安全規格をクリアした製品に与えられるマークで、登録検査機関による断線や感電、火災などの安全検査をクリアしていることを示しています。日本製の電源タップはほとんどの場合、PSEマークを取得していますが、海外製の中には取得していないものもあるので、選ぶ際は注意が必要です。

PSEマークには「丸形」と「ひし形」の2種類があり、電源タップはより安全基準が厳しい「ひし形」の対象製品にあたる

そのうえで、火災対策をより重視するなら、ホコリの侵入を防止する「ホコリ防止シャッター」や、プラグの根元の「絶縁キャップ」など、コンセントまわりのホコリが原因で発火する「トラッキング現象」を予防する機能を備えた電源タップを選びましょう。

プラグの根元に「絶縁キャップ」があると、ホコリが原因で発火する「トラッキング現象」を防ぐことができる

また、電子機器のデータ破損対策など、火災以外の安全対策を重視するなら、雷サージから機器を守る「雷サージガード」やプラグが抜けるのを防ぐ「抜け落ち防止」機能を備えた電源タップを選ぶとよいでしょう。

その他、チェックしておきたいポイントは、「最大使用電力」をきちんと表記しているかどうかです。電源タップには電流が集まり過電流になりやすいため、一般的に合計1400～1500Wを超えて機器を接続することはできません。最大使用電力を明記していない電源タップは、その危険性をユーザーに知らせていないため、安全性に疑問があります。

電源タップの中には、消費電力を表示する「ワットメーター」付きのものもあるので、使用電力の合計を知りたいときにとても便利です。

設置場所と接続機器で選ぶ

電源タップは基本的に「延長コードタイプ」をベースに選ぶのがおすすめ。なぜなら「電源タップを設置する場所を変更したくなった」ときや、「コンセントから離れた家電に接続したくなった」ときに、コード付きの方が対応しやすいからです。

そのうえで、コードが邪魔で必要ない場合や、旅行や出張に持っていきたい場合は「直付けタイプ」を、デスクに置く場合は「タワータイプ」も候補に入れるとよいでしょう。

電源タップの一般的な設置場所は「テレビ周辺」「家具周辺」「キッチン周辺」「デスク周辺」「外出先」などです。それぞれの場所のおもな接続機器、おすすめの電源タップと機能をまとめたので参考にしてください。

使いやすさで選ぶ

電源タップの使いやすさの基準のひとつに、「AC差込口の間隔の広さ」があります。特にパソコンやゲーム機のACアダプタは幅を取ることが多く、隣の差込口が使えなくなってしまうことがあります。したがって、電源タップは「AC差込口の間隔が広い箇所がある（すべてじゃなくてOK）」「複数の面にAC差込口がある」「AC差込口を回転できる」などを目安に選ぶとよいでしょう。

複数の面にAC差込口があると、ACアダプタを挿したときに隣の差込口をふさがずに済む

またAC差込口の数は、接続予定の機器数のプラス2口くらいを選ぶと、新しく機器が増えても対応でき、別の電源タップを買う必要がありません。

その他、使いやすさに関しては、待機電力をまとめてゼロにできる「一括電源スイッチ」や、個別でオンオフできる「個別スイッチ」、プラグを180度上下に動かせる「スイングプラグ」などの便利機能を備えたものがおすすめです。

電源タップのおすすめ10選

内川さんに伺った選び方をもとに、your SELECT.編集部が厳選したおすすめの電源タップをご紹介します。延長コードタイプを中心に機能性と安全性の高い商品を選びました。

気になる内容をクリック

• 延長コードタイプのおすすめ6選
• 直付けタイプのおすすめ2選
• タワータイプのおすすめ2選

延長コードタイプのおすすめ6選

延長コードタイプのおすすめ6選です。「AC差込口の間隔が広い箇所がある」「AC差込口を回転できる」「複数の面にAC差込口がある」など、差込口が使いやすい商品を中心にセレクトしました。

10口のAC差込口と4口のUSBポートを備えたコード長2.5mの電源タップ。USBポートは4.8Aで、接続された機器を自動検知し、それぞれに適した出力で充電可能。ACアダプタを利用することなく、スマホやタブレットを複数同時に充電できます。

AC差込口を個別に回転できるコード長1.8mの電源タップ。回転するため、大きなアダプタが隣のAC差込口をふさぐことなく、すべてのAC差込口の有効活用が可能。USBポートは4口4.8Aで、スマホやタブレットをパワフルに急速充電できます。

10口のAC差込口を備えたコード長2mの電源タップ。水平面と垂直面にプラグを挿せる設計で、従来品よりもコンパクトになっています。AC差込口の間隔が広めなので、iPadなどタブレット用の大きめのACアダプタも隣の差込口をふさぐことなく使用できます。

6口のAC差込口を備えた、コード長2mの電源タップ。パナソニック独自設計の防水扉＋パッキンで、ホコリと水の侵入を防ぎます。またコードの根元部分が丈夫につくられており、折り曲げ強度はJIS規格値の4倍、二重被ふく構造になっているため、万が一、断線しても外部に火花が出にくい設計です。

アースコードが付属した、3ピンに対応した電源タップ。AC差込口の数は7口で、コード長は3mです。アースコードの他にも雷サージガードや絶縁キャップ、抜け落ち防止など各種の安全機能を備えています。スチールデスクなどに仮固定できるマグネットや、接続機器を識別するためのネームタグも付属しています。

3ピン対応、コード長2mの電源タップ。変換アダプタ付きで、2ピンにも対応しています。電源ノイズフィルタを内蔵しており、ノイズから接続機器を守ることが可能。ノイズフィルタ特性として、0.5〜10MHz帯域で30dB以上のノイズをカットする効果があります。

直付けタイプのおすすめ2選

直付けタイプのおすすめ2選をご紹介します。旅行や出張など、外出先でスマホやタブレットを充電できるUSBポートを備えた商品をセレクトしました。

サイコロのような正六面体の電源タップ。欧米で年間50万台の販売実績があり、2014年にはドイツの有名デザイン賞「reddot design award」を受賞しています。4口のAC差込口と2口のUSBポートが付属しており、複数のパワーキューブを連結して使うことができる拡張性を備えています。

4口のAC差込口と2口のUSBポートを備えた直付けタイプの電源タップ。カラーバリエーションが豊富で、定番のホワイトの他、コーラルピンクやスモーキーブルーなど14色の中から選べます。USBポートは4.2Aで、スマホやタブレットなど2台を同時に充電できます。

タワータイプのおすすめ2選

タワータイプのおすすめ2選をご紹介します。AC差込口とUSBポートの数が多く、高機能な商品をセレクトしました。

AC差込口12口とUSBポート5口が一体となったタワー型の電源タップ。AC差込口が360度放射状に配されており、あらゆる方向から接続することが可能。また底面ラバーとネジで固定できる脚パーツが付いているため、滑りにくくて倒れにくいのが特徴です。

AC差込口12口＋USBポート4口の最大16製品を同時に使用できる、タワー型の電源タップ。AC差込口は3つの側面に3口ずつと、天面に3口搭載しており、大きめのACアダプタを使用しても隣の差込口に干渉しにくいデザインになっています。USBポートは4.8Aで、スマホやタブレットなど4台を同時に充電できます。

電源タップに関するよくある疑問 Q＆A

内川さんに電源タップに関する疑問に答えてもらいました。

「電源タップは消耗品なので、定期的に買い替えましょう」と内川さん

Q. 電源タップの買い替え時は？

A. 大前提として知っておいてほしいのは、電源タップは経年劣化をする消耗品ということです。耐久年数は使用条件にもよりますが、一般的に3～5年程度といわれており、定期的に入れ替える方が安全に使えます。

劣化の目安は、「接続機器の電源が勝手にオフになることがある」「プラグの抜き差しがゆるくなった」「本体が変色した」「プラスチック部分が割れた・欠けた」「プラグの刃が曲がった」「金属の接点が熱をもつ」などです。1年に1度は点検し、異常を発見したらすぐに新しいものに変えましょう。

プラグのプラスチック部分が欠けると、そこからホコリが入り、発火の原因になるので注意

Q. 電源タップはどう収納すればいい？

A. 「直付けタイプ」「タワータイプ」に関しては収納する必要はありません。

「延長コードタイプ」はAC差込口を上にして使うことが多く、ホコリ防止シャッター機能がないとホコリが入る可能性があるため、ケーブルボックスに収納するのがおすすめです。

ケーブルボックスを購入する際は、電源タップのサイズに合わせて選びましょう。おすすめのケーブルボックスを紹介します。

Q. 電源タップを海外で使いたい場合は？

A. 日本で売られている電源タップは、日本で使うことを想定されており、海外での使用は想定されていません。「変換プラグを挿せば問題なく使える」という声もありますが、国によって電圧事情が異なり、最悪の場合、発火する危険があるのでおすすめしません。

海外で電源タップを使う場合は、渡航先の国に対応した電源タップを購入するか、現地で購入する、ホテルで借りるなどしましょう。

Q. 電源タップが3ピンに対応していない場合は？

A. 電子機器のプラグが3ピンで、2ピンの電源タップに挿せない場合は、プラグを3ピンから2ピンに変換するアダプタを使用しましょう。おすすめの変換アダプタを紹介します。

電源タップのAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングの人気ランキングをチェック

Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングでは、電源タップの売れ筋ランキングを見ることができます。 Amazonは上位100位、楽天市場とYahoo!ショッピングはリアルタイム・デイリー・週間の売れ筋ランキングを紹介しています。どれを買おうか迷ったときは、参考にしてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回は、コンピューター関連ライターの内川功一朗さんに電源タップに関する基礎知識や選び方を教えてもらいました。

電源タップを選ぶ際は、設置場所を変更するときに対応しやすい「延長コードタイプ」をベースに考え、接続する機器に合った安全機能や便利機能を備えたものを選びましょう。また大きなACアダプタを挿す場合に備えて、AC差込口の間隔に余裕がある・複数の面に差込口がある・差込口を回転できるものを選ぶのがおすすめです。

本記事で紹介した内容を参考に、自分のライフスタイルに合った電源タップを見つけてくださいね。