【2023年】体温計おすすめ10選！内科医が正確性重視や赤ちゃん向け、非接触型など選び方を解説

「日々の体調管理のため、体温計を新しく買い替えたい」
「すばやく正確に測れるのはどれ？」

今回は、かなまち慈優クリニック院長であり、予測医学研究所所長も務める高山哲朗さんに、体温計の選び方について教えてもらいました。

体温計の測定方式や体温計の種類、正確な数値を測る方法などの疑問について解説してもらいました。選び方や使う際の注意点、編集部おすすめの体温計も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

※2023年2月17日時点の価格です。価格が変更されている場合もありますので、商品販売サイトでご確認ください。

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はじめに、体温計の測定方式や種類について、総合内科や消化器の専門医である高山さんに伺いました。

体温計の測定方式（実測式と予測式）の違いは？

体温は、その日の体調や行動、月経周期などさまざまな状況に応じて変化します。体温を測定することで健康状態をチェックできますが、体温計は大きく分けて実測式と予測式、2つの測定方式があり、体温を測る時間が異なります。また、予測式は接触、非接触どちらでも測定することができますが、実測式は基本的に接触でしか測定できないのも、違いのひとつです。

予測式と実測式の仕組み。より正確な実測式の計測には、時間がかかります

	実測式	予測式
タイプ	接触型	接触型 非接触型
特徴	分析した数値から体温を割り出す	測定部位に当て、数分かけて測る
メリット	数値の正確性が高い	測定時間が短い
デメリット	測定に時間がかかる	数値はあくまで予測のため、正確性に劣る

実測式は、口やワキなどの測定部位の、そのときの温度の値を示します。測定部位の温度を、口中の場合5分以上、ワキの場合10分以上かけて測定し、表示する方式です。体に直接つけて計測する「接触型」といわれるタイプがほとんどです。正確な体温を知ることができますが、測定に時間がかかります。

一方、予測式は、平衡温（へいこうおん：ワキや口を閉じてから、体の内部と同じくらいの温度になった状態）を、数秒～数十秒程度の短時間で分析し、予測した数値を表示します。接触型もあるものの、額やこめかみ、手首などにかざすだけで測定できる「非接触型」がメインです。検温時間を短縮できますが、あくまで予測値のため、正確性は実測式よりも劣ります。

非接触体温計は額などに対して垂直になるように当てて測定します

例えば、じっとしていることが難しい赤ちゃんの体温を測るときは、測定時間が短い「予測式」が便利です。一方、できるだけ正確な体温を知りたければ「実測式」を使用します。最近は予測式と実測式の両方に対応している電子体温計も多く、最初に電子音が鳴った後も測り続けていると、自動的に実測式に切り替わり、正確な体温を測れて便利です。

体温計の種類と正確性

さらに、体温計は大きく分けて、電子体温計と非接触体温計、耳式体温計、基礎体温計の4種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。

ここからは高山さんに伺った、体温計を選ぶにあたってチェックしておきたいポイントを紹介します。

高山さんは、コロナ前はワキで検温する予測式の電子体温計（写真右）を使用していましたが、現在は非接触体温計（写真左）を使用しているとのこと

1. 「正確性」で選ぶなら、接触式体温計がおすすめ

予測値しか計測できない非接触体温計よりも、実測値を計測できる接触式の体温計の方が、数値の正確性は高いです。より正確な数値で体調管理をしたいのであれば、口やワキで計測できる接触式体温計がおすすめです。価格帯も手頃な商品が多数販売されています。基礎体温（後述）を測りたいなどの事情がなければ、通常はすばやく検温できる予測式で十分ですが、予測式と実測式の両方に対応している電子体温計があれば、急な体調悪化などで、より正確な体温が知りたい場合にも対応できます。

正確性を求めるなら、やはり接触型。測定する部位も考えて選びましょう

2. 「測定のしやすさ」で選ぶなら、非接触体温計がおすすめ

通常の接触型の体温計は、測定に時間がかかるため、じっとしていることが苦手な子どもや赤ちゃんの体温を測るのは難しい場合があります。また高齢者や病人のケアをする際も、体温測定に時間がかかるのはストレスにつながります。そういった事情からすぐに測定できる手軽さを重視するのであれば、耳式体温計や非接触体温計といった、数秒で測れるタイプを選ぶといいでしょう。

耳に差し込んで計測する耳式体温計は外気の影響を受けにくいので、接触型に次いで正確な数値を測ることができます。また非接触体温計は、額やこめかみ、手首などにかざして計測するので、衛生的でお手入れの手間も省けます。

より正確に検温したい際は、検温する先端部分が柔らかい素材でできていて、ワキに挟んでも肌が傷つきにくい接触型の電子体温計もあります。

じっとすることができない赤ちゃんや小さな子どもも、非接触式なら手軽に、すぐに測れます

3. 「利便性」で選ぶなら、丸洗いできる体温計がおすすめ

口やワキで測る接触型体温計は、使用後に毎回消毒をする必要があるので、体調が悪いときには面倒に感じてしまうこともあるかもしれません。

いつでもすぐに使えて、お手入れの手間も省きたい場合は、接触型でも使った後に丸洗いができるものや、肌に直接触れさせずに測定できる非接触体温計が便利です。

加えて、体温を記録しておけるメモリー機能のある体温計を使えば、直近の体温の推移を記録しておくことができます。日々の体調管理はもちろん、体調を崩して病院で診察を受ける際にも役立ちます。

ただし、非接触体温計は室内の温度など環境の影響を受けてしまうこともあるため、極端な数値が表示された場合は何度か測ってみる、もしくはワキで測る体温計も用意しておきましょう。

非接触タイプなら、使用するたびに消毒するなどの手間を省けます

4.「管理のしやすさ」で選ぶなら、基礎体温計がおすすめ

妊活や女性の体調管理に役立つ「基礎体温計」は、一般的な体温計とは異なり、小数第二位まで細かく表示されるのが特徴です。
基礎体温は、毎朝目が覚めてから横になったまま測ることが基本。そのため、測り忘れの防止につながるアラーム機能が便利です。体温を記録するメモリー機能や、計測した数値をアプリに共有してくれる機能など、自身が管理しやすい体温計を選びましょう。また、口で測定するため、水洗いできるものやお手入れしやすいものもおすすめです。

スマホアプリと連携できるタイプを選べば、より基礎体温の管理が容易になります

数ある体温計の中から、編集部おすすめアイテムをピックアップ。高山さんのアドバイスを参考に、目的別のおすすめ体温計を紹介します。

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• 正確に体温を管理したい人向けおすすめ体温計3選
• 測定しやすいおすすめ体温計3選
• 利便性の高いおすすめ体温計2選
• おすすめの基礎体温計2選

正確に体温を管理したい人向けおすすめ体温計3選

まずは、正確に体温を管理したい方におすすめの、予測式と実測式のどちらでも測定できる体温計を紹介します。

液晶部分の文字が大きく表示されるため、体温を一目で確認できます。ブルーのバックライト機能もついているので、夜中の発熱時など暗い場所で体温を測った際に数値を確認しやすいことも特徴。先端の測定部が柔らかく曲がる素材でできているため、赤ちゃんの体温を測る際も肌を傷つける心配なく、安心して利用できます。検温は20秒ほどで予測値を表示し、そのまま測り続ければ実測値を表示。丸洗いはできませんが、測定部は水洗いが可能。清潔な状態を保てます。

コンパクトで持ちやすい、シンプルなデザイン。検温開始から約4分30秒までは予測値を、それ以降は実測値を表示。体温の予測が完了した約20秒後と、実測検温が終了した約10分後にブザーが鳴る仕組みです。スイッチを押せばバックライトを点灯するので、暗い場所でも体温を確認できます。本体・収納ケースともに水洗いが可能な防水仕様のため、家族で利用する場合にもおすすめです。

バックライト機能を搭載していて、液晶表示が37.2℃以上になるとバックライトが緑から赤に変化し、測定結果をわかりやすく知らせてくれます。先端の測定部が柔らかく曲がるタイプで、子どもの検温の際にケガをする心配がありません。測定部は水洗いやアルコールで清拭することが可能。清潔な状態を保てます。

測定しやすいおすすめ体温計3選

続いて、時間もかからず測定をしやすいタイプの体温計を紹介します。

額にかざす非接触体温計としてだけでなく、外気の影響を受けにくい耳式体温計として、そして授乳時のミルクやお風呂のお湯の温度などを測る温度計としても利用できるマルチな体温計です。子供モードと大人モードを切り替えれば、大人も一緒に使用することが可能。最大20回分、測定結果を自動的に記録する機能付きで、子どもの体調の変化をチェックするのに最適です。ミュート機能や自動電源オフ機能、電池残量マークの表示など充実の機能もポイントです。

額にかざして体温を測定し、舌下温度に換算してデジタル表示する体温計です。そのため、ワキで計測する体温計と比べてやや高めの体温が表示されます。バックライト機能があり、薄暗い部屋でも確認しやすく便利です。また、文字が大きく表示され見やすいのもポイント。ミルクなどの温度を測れる温度測定モード、音を出さずに測定できるサイレントモードを搭載。子どもが寝ているときの測定にも最適です。測定結果を最大30回分記録できる機能も搭載しています。

こめかみにかざして検温する体温計です。測定音のON・OFFを切り替えることができるミュート機能付きなので、寝ている赤ちゃんを起こさないよう、音を出さずに検温できます。液晶画面が光り、暗い部屋でも測定結果を確認できるバックライト機能も搭載。また、モード切替ボタンを押せば温度計として使用することが可能。授乳時のミルクやお風呂の温度も、これ一台で測定できます。

利便性の高いおすすめ体温計2選

ここでは通常の体温測定にとどまらない、便利機能を搭載の非接触体温計を紹介します。

文字が大きく見やすいディスプレイに加え、体温が平熱時は緑、37.5℃から37.9℃の微熱時は黄緑、38℃以上は赤と3色に変化し、熱があるかどうか瞬時に判断できます。最大99回分の測定結果を記録できるメモリー機能が搭載されています。また、額に向けて持ち手を握るだけで測定できスピーディーなのも魅力です。15秒間操作をしないと自動的に電源が切れる自動電源オフ機能で手間も軽減できます。

額と耳にかざして体温を測定するほか、赤ちゃんのミルクなど液体の表面温度も約1秒で検温が可能。また、室温も測れる4つのモードを備えています。手のひらにちょうど収まるサイズとフォルムで握りやすいためぶれにくく、使いやすい体温計です。測定結果が37.5℃以上の場合は「高熱アラート」が発動し、ブザーが鳴る仕組み。測定結果を9回分記録できるため、体温の変化をチェックしやすいこともポイントです。

おすすめの基礎体温計2選

最後に、基礎体温管理を行いたい方におすすめ、実測式の体温計を紹介します。

比較的シンプルな機能の基礎体温計です。付属のサポートリングを体温計の先端側に差し込んで口に含むことで、口中で検温する際に体温計を固定しやすく、歯が当たって体温計を傷つける心配もありません。電源を入れたときと検温終了時にバックライトが点灯するため、暗いところでも体温のチェックが可能。抗菌・防水仕様で水洗いが可能なため、清潔な状態を保てます。

予測値は約10秒、実測値は約5分とスピーディーに検温できる基礎体温計です。目覚まし代わりとなるアラーム機能で、毎日の検温をサポート。基礎体温管理アプリとデータを連携する機能も搭載しているため、スマートフォンやパソコンで、気軽に体温の推移をチェックできます。おしゃれでコンパクトなケース付きで保管がしやすく、化粧ポーチなどに入れて持ち運びやすいこともうれしいポイントです。

最後に、体温の正しい測り方や体温計のお手入れ方法、使用上の注意などを高山さんにお答えいただきました。これから体温計を購入し、使用する際の参考にしてください。

「購入の際は『医療機器認証番号』が明記されているかを確認することが大切です」と高山さん

Q. 体温計の信頼性はどこを見て判断すればよいですか？

A. 新型コロナウイルス感染症防止策として体温測定が推奨されてしばらくは、体温計が品薄の状態となり、粗悪品も流通していたようです。体温計は医療機器のため、医薬品医療機器等法（薬機法）に基づき、販売時に品質や安全性に関する基準を満たしているか承認・認証を受ける必要があります。認証を受けた体温計には「医療機器認証番号」が明記されています。購入前にパッケージなどを確認することをおすすめします。

Q. 体温計にあると便利な機能とは？

A. 体温計の多くが、ボタン電池を採用しています。突然電池が切れてしまっても、常備していない家庭が多いのではないでしょうか。電池残量表示機能があれば、電池残量が可視化されるため、電池交換の準備がしやすく便利です。

また、メモリー機能付きの体温計であれば、体温の変化を記録できます。体温がどのように上がったり下がったりしたのかの推移をメモリー機能で記録しておければ、病院の診察時などに参考にすることができます。

Q. 体温計に寿命はありますか？

A. 体温計の寿命は商品により異なりますが「明らかに異常な体温を表示している」「電池を交換しても動かない」「液晶の表示が見にくくなった」などの不具合が出た際は、寿命が近づいている可能性が高いです。買い替えを検討しましょう。

Q. 短時間に数回計測すると、若干数値が異なることがあります。どの数値が一番正確なのでしょうか？

A. 非接触式は体表の温度を測るため、環境に応じて数値の差が大きくなりがち。何度か測ってみて、平均値を体温と考えましょう。平熱の範囲内であれば、やや高めでも、低めでも基本的には問題がありません。

Ｑ. 正しい体温の測り方を教えてください

A. ワキで検温する場合、汗をかいていると気化熱により体温が少し低くなります。反対に、ずっと布団に入っていた場合はワキに熱がこもり、いわゆる「こもり熱」の状態になっています。乾いたタオルなどで汗をしっかりと拭き取ること、ワキの下に少し風を通してから測ることを心がけましょう。
体温計はワキのくぼみ中央に体温計の先端を当てて、上半身に対して30度くらいの角度で挟みます。外気の影響を少なくするため、ワキをしっかりと閉じて、測定が終わるまでできるだけ動かさないようにします。

口で検温する場合は、舌のつけ根に当てて口を閉じ、測定が終わるまでできるだけ動かさないようにしましょう。

Ｑ. 体温を計るタイミング、頻度はどのくらいが最適ですか？

A. 基本的には、体調が悪いときや改善したときなどでよいと考えます。特に症状がないのに何度も測る必要はありません。
体温は測る時間によって変動します。朝は低く、夕方になると高くなるため、定期的に検温の必要がある場合や自分の平熱を知るために体温を記録したい場合は、できるだけ同じ時間に体温を測るようにしましょう。また、食事や入浴、運動の後などは体温が上昇しているため、少し時間を空けてから測ります。

Ｑ. 体温計の最適な保管場所を教えてください

A. 特にありませんが、電子機器なので高温多湿の場所は避けた方がよいと考えます。

Ｑ. お手入れの方法を教えてください

A. 防水機能を備えている体温計であれば、使用後に水洗いができ衛生的です。防水の表記がない体温計を水洗いしてしまうと故障の原因となりますので、乾いた布でやさしく拭いてお手入れします。

クリニックで使用している体温計は、検温部のアルコール消毒を行っています

今回は高山さんの監修のもと、体温計の種類ごとの特徴や選び方、測定方法などについて解説しました。

体温計にはさまざまな種類があり、正確性を重視するのか、スピードを重視するのかなど、利用シーンに応じて選択をする必要があります。

体調管理のバロメーターとして、自身で体温を管理することが大切な時代です。自分の使い方に合わせて、よりぴったりの体温計を手に入れましょう。