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ホームベーカリーの選び方をパン作りのプロが解説!初心者にもおいしく焼けるコツも紹介

ホームベーカリー(パン焼き機)は材料を入れるだけで、初心者でもおいしいパンが手軽に焼ける調理家電。食パンはもちろん、フランスパンや米粉パン、もちやうどん、ピザ生地などが作れる商品も。選択肢が多い分、選び方に迷ってしまう人も多いのではないでしょうか。
この記事では、家庭製パン研究家の上田まり子さんに、ホームベーカリーの魅力や選び方をお聞きしました。
ホームベーカリーでパンをおいしく焼くコツや、失敗しないための注意点なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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家庭製パン研究家
上田まり子さん
埼玉県富士見市で、天然酵母パン教室「わかば工房」を主宰。1997年にホームベーカリーを使い始めて、パンづくりに夢中になる。同年にホームベーカリーのレシピ&情報サイトを立ち上げ、さまざまなレシピなどを公開。これまでにホームベーカリーを使ったパンのレシピ本も多数出版している。
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目次
パン作りのプロに聞くホームベーカリーの魅力
最近のホームベーカリーは、パンを焼くだけではなく、さまざまな機能を兼ね備えています。そんなホームベーカリーの魅力を家庭製パン研究家の上田まり子さんに伺いました。

「私もホームベーカリーを愛用しています」
好みのパンが手軽に作れる
パンの生地をこねたり、発酵させる作業は初心者にはハードルが高く、失敗しがちな工程。しかし、ホームベーカリーを使えば、材料を入れるだけで焼き上がりまで行ってくれるので、初心者でも簡単にパンを作ることができます。タイマーが付いたホームベーカリーを使えば、夜に材料を入れてタイマーをセットしておくだけで、朝にはパンができあがっているので、起きてすぐ焼きたてのパンを食べられます。

初心者でもふっくらおいしい食パンが手軽に焼ける
最近のホームベーカリーは、食パンだけでなくさまざまなパンを焼けるものが増えています。グルテンフリー、全粒粉やふすまなどを使用した健康に気を使ったパンが作れるメニューが搭載されているものもあり、パン作りの幅が広がります。
生地作りや発酵の工程だけをホームベーカリーに任せるといった使い方もできるため、自分で調整しながらパンを作りたい人にも便利です。
パン以外のメニューも作れる
ホームベーカリーには、生地を作るための“こねる”機能や、発酵のための“温度を一定に保つ”機能、焼くための“加熱”機能がそろっています。
そのため、パンを作る以外にもさまざまなメニューがあります。ピザ生地やうどん、パスタの生地、ジャムを作るといった機能はほとんどの機種で搭載されていますし、もちやヨーグルト、甘酒などが作れる機種も最近のトレンドです。このように、ホームベーカリーが1台あるだけで、料理のレパートリーが増えるのも魅力の一つです。

もち米と水を入れるだけで、つき立てのおもちが味わえる
ホームベーカリー選びの4つのポイント
サイズや機能など、自分に合ったホームベーカリーを選ぶためにチェックするべきポイントを上田さんに教えてもらいました。
1. ホームベーカリーの容量、大きさをチェック
ホームベーカリーの容量は、1斤タイプ・1.5斤タイプ・2斤タイプの3種類があります。パン食が多い生活スタイルの人や、家族の人数が多い場合は、1.5斤や2斤タイプの容量の大きいものがおすすめです。それ以外の人は1斤タイプの中で選ぶのがよいでしょう。
また、ホームベーカリー自体の大きさも容量とあわせてチェックしましょう。同じできあがりサイズでも高さがあるものや、縦に長いものなど形が機種ごとに異なっています。もちろん、できあがりサイズが大きくなれば、ホームベーカリー自体も大きくなります。ホームベーカリーのふたを開けた時の高さも要チェックです。購入する際は、家のどこに置くのかも考慮して選びましょう。

左が1.5斤サイズ、右が1斤サイズ
2. 搭載メニュー、価格をチェック
基本的にどの機種もパンを焼くことに関しては、十分なほどメニューが搭載されていますが、自分が作りたいパンが作れるかどうかをまず確認しましょう。
パン作りが楽しくなってくると、天然酵母に興味が出てくることが多いので、天然酵母パンに関するメニューがあるかどうかもチェックポイントといえます。天然酵母を使ったパンを作ったり、自身で天然酵母を育てたりと、将来的にパン作りの幅が広がります。
さらに、パン以外にどんなものが作れるかも重要です。「ヨーグルトが作りたい」など自分のニーズを満たすメニューが搭載されているものを選ぶといいでしょう。
ただ、搭載メニューが多いものは価格が高くなる傾向があるため、自分が作りたいものや将来的にやりたいことができるメニューと価格のバランスを考えて選ぶといいでしょう。

ホームベーカリーは、パン以外にもさまざまなメニューが作れる
3. 自動投入機能をチェック
付いているとうれしい機能として、自動投入機能があります。自動投入機能は2種類あり、イーストを入れるためのイースト自動投入と、レーズンをはじめとしたパンに入れる具材のための具材自動投入です。
ホームベーカリーで使うドライイーストは水分に触れてしまうと発酵が始まるので、適切なタイミングで投入してくれる自動投入機能があると失敗が少なくなります。自動投入機能がないと水などと一緒に最初からイーストを入れなければならないので、夜にタイマーをかけて、朝焼き立てのパンを食べたい人にとっては、イーストの自動投入機能がないと不便です。
また具材投入機能は、工程の途中の適切なタイミングで具を投入してくれるのが非常に便利です。具入りのパンを作りたいならぜひ欲しい機能です。

左が具材、右がイーストの投入口。具材の自動投入機能は、具材をどれくらい入れられるのかもチェックポイント
4. 静音性をチェック
最近のホームベーカリーは静音性に優れており、どれも静かなものが多いです。それでも、自動投入時の音や、できあがった際のお知らせ音など、音が鳴るポイントがあるので、特に寝ている間にパンを焼こうと思っている方は音の大きさをチェックしておくといいでしょう。
ホームベーカリーの選び方|ポイントまとめ
ホームベーカリーはどんなパンや料理を作りたいかをイメージして、自分のニーズに合ったものを選ぶことが大切です。選び方のポイントをまとめました。
- 家族の人数などに応じてホームベーカリーの容量を選ぶ。できあがりサイズや置き場所を考慮して大きさもチェック
- 作りたいパンの種類やパン以外の料理などを想定して搭載メニューを選ぶ
- イースト自動投入と具材自動投入の2種類の自動投入機能があると便利
- お知らせ音など静音性もチェック
パン作りのプロが教える!ホームベーカリーでおいしいパンを焼くコツ
手軽にパンが焼けるホームベーカリーですが、さらに、ちょっとしたことに気をつけたり、工夫したりすることで、よりおいしいパンに仕上げることができます。おいしく仕上げるコツを上田さんにお聞きしました。
材料は新鮮なものを使う
料理の基本といえば基本なのですが、パンも新鮮な素材を使えばおいしさがアップします。特にイーストは鮮度が命で、封を開けてから長時間たったものを使うと、適切に発酵せずに失敗してしまうこともあるので、イーストは開封後すぐに使い切るようにしましょう。もし残ってしまった場合は冷凍保存し、半年以内に使い切りましょう。また、強力粉に関しては、国産のものを使うとより小麦の風味が感じられる味わいに仕上がります。
計量は正確に
実は、パン作りの重要なポイントは計量です。イーストや塩の量を間違うと発酵がうまくいかなくなってしまう場合があるので、しっかりとレシピどおりの分量を量るようにしましょう。

計量する際は、0.1g単位で量れる電子はかりがおすすめ
季節によって水の温度には気をつける
気温が高い夏は生地の温度が高くならないように、氷を入れて水の温度を下げ、逆に気温が低い冬は35℃程度の人肌に温めてから入れると、生地がより適切に発酵してくれるのでふっくらしたパンに仕上がります。

氷は直接パンケースに入れずに水のみをパンケースに計量します
バターは後から入れる
手ごねでパン生地を作る場合は、生地がまとまってからバターを加えます。それは、パン生地のグルテン膜をしっかりとつくるためです。ホームベーカリーでも同様に、バターは生地をこね始めてから5分程度たってから入れましょう。そうすることで、ふっくらしたおいしいパンができ上がります。

バターを後から入れることで、生地の状態、計量ミス、羽根のつけ忘れなどの確認もできます
ホームベーカリーに関するよくある疑問Q&A
せっかくホームベーカリーを使うなら、「失敗しないでおいしいパンを焼きたい」とは誰もが思うこと。そこで、失敗する原因や、失敗しないために気をつけたいことなどを上田さんにお聞きしました。
Q. 焼き上がったパンが膨らんでいないのはなぜ?
A. 発酵不足か過発酵が考えられます。ホームベーカリーの場合は、故障していたり、メニューを間違っていないかぎりは、発酵時の温度調整は問題ないはずです。つまり、発酵不足の場合は、イーストの量が不足していたり、量は正しくてもイーストが機能していない場合なので、正しい量の新鮮なイーストを使うことで発酵不足は防げます。逆にイーストが多かったり、水の温度が高いと過発酵になってしまうので、イーストの量や水の温度に気をつけましょう。前出項目の、夏場冬場の水対策は必須です。
Q. 生焼けになってしまうのはどうして?
A. 原因の一つとして考えられるのは、水分量が多いということです。これは、しっかり計量をすることで防げます。もう一つの原因は、通常のメニューを選択したつもりが、早焼きメニューになっていた場合です。早焼きメニューの場合は、早く焼けるようにレシピが調整されているので、通常のレシピのままで早焼きメニューにしてしまうと生焼けになることがあります。
Q. 焼き上がったと思ったら生地が粉のままだったのはなぜ?
A. ありがちな失敗の一つなのですが、原因は生地をこねるときに必要な羽根の付け忘れです。羽根がないので、生地が混ざらずに粉のまま。材料を入れる前に羽根が付いているか確認を忘れないことと、生地をこねる工程に入ったらふたを開けて正常に生地がこねられているか確かめましょう。

材料を入れる前に、羽根を付け忘れていないかチェック
Q. 味のしないパンが焼けたのはなぜ?
A. 塩を入れ忘れると、味のしないパンが焼き上がります。その場合、過発酵でパンの上部がへこんでいることもあり、パンの食感もパサパサとした口当たりになってしまいます。塩は、パンにはなくてはならない素材なので、絶対に忘れてはいけませんし、分量も正確に量って入れることが大切です。
まとめ
- 好みのパンが手軽に作れることやパン以外の料理も作れることがホームベーカリーの魅力
- 家族の人数などに応じてホームベーカリーの容量を選ぶ。できあがりサイズや置き場所を考慮して大きさもチェック
- 作りたいパンの種類やパン以外の料理などを想定して搭載メニューを選ぶ
- イースト自動投入と具材自動投入の2種類の自動投入機能があると便利
- お知らせ音など静音性もチェック
いろいろなパンを手軽に作ることができ、もちやピザ生地、ジャムやヨーグルトなど他の調理にも活用できる高機能なものが増えているホームベーカリー。使いこなせば毎日の食卓が豊かになること間違いなしです。この記事を参考にして、自分のニーズに合ったホームベーカリーを見つけてくださいね。
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