KITCHEN
ミキサーの選び方!家電のプロが用途に合った商品を選ぶポイントを解説

ミキサーは、食材を切り刻みながら撹拌(かくはん)して、スムージーやスープなどが作れるアイテム。機種によってサイズやパワーに違いがあり、どんなものを作りたいかによって、選び方は変わってきます。
この記事では、家電プロレビュアーの石井和美さんにミキサーの選び方を教えてもらいました。自分に合ったミキサーを選ぶ参考にしてください。
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家電プロレビュアー
石井和美さん
白物家電や日用品を中心とした製品レビューを得意とする家電プロレビュアー。忖度(そんたく)のない率直なレビューが人気で、Webや雑誌、ラジオ、テレビなどで幅広く活動。2018年、茨城県守谷市に家電をレビューするための一軒家「家電ラボ」を開設。冷蔵庫や洗濯機など大型家電のテストも行っている。
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目次
選ぶ前に知っておきたいミキサーの基礎知識
まずはミキサーの性能や機能について、選ぶ前に知っておきたい基礎知識を石井さんに解説していただきました。
ミキサーでできること・できないこと
できること | できないこと |
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ミキサーは刃の形状や容器の素材など、機種によって違いがある
刃の形状|のこぎり刃はなめらかに仕上がる
ミキサーの刃(ブレード)の形状は平刃、波刃、のこぎり刃の3種類があり、刃の形状によって食材の切れ方と食感が大きく変わってきます。どの形状の刃が自分好みの仕上がりになるかを知っておくことが選ぶ際のポイントになってきます。
刃の形状別の特徴
刃の形状 | |||
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柔らかい食材 | |||
固い食材 | |||
繊維質の多い食材 | |||
仕上がり |
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平刃は野菜や果物などの柔らかい食材を刻んだり攪拌したりするのにぴったりです。包丁のように研ぐことができるので、切れ味を復活させられるのも平刃の特徴でしょう。指を切る心配がないように刃先を丸くしたラウンドエッジ加工が施されているタイプのものもあります。

ラウンドエッジ加工が施された刃は洗うときも安全
波刃は切り刻む力が強く、氷や固い野菜を細かく砕きたいときに適しています。食材を細かくしすぎないため、飲み応えのあるスムージーが作れます。
のこぎり刃は固い食材や繊維の多い野菜や果物を砕いてペースト状にするのに向いています。3つの中で一番なめらかに仕上がるため、口当たりの良いジュースやスムージーを作りたい人におすすめです。
容器の素材|トライタン製が扱いやすい
ミキサー容器にはガラス製、プラスチック製、トライタン製(※)の3種類があります。
※「Tritan(トライタン)」はイーストマンケミカルカンパニーの商標または登録商標です。
素材ごとの特性と特徴
素材 | |||
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傷のつきにくさ | |||
汚れのつきにくさ | |||
耐久性 | |||
耐熱性 | |||
重さ | 重い | 軽い | 軽い |
価格 | トライタン製より安い | 安い | 高い |
種類 | 多い | 多い | 少ない |
メリット |
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デメリット |
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※ 耐熱ガラスの場合
耐久性や軽量性を重視したいならガラスとプラスチックの良いとこ取りをしたトライタン製がおすすめです。
ただしトライタン製は値段が高く種類が少ないというデメリットがあるので、安くて色々な種類から選びたいという人はガラス製やプラスチック製のタイプも検討してみましょう。
ワット数|氷を砕くには200W前後必要
ワット数は、そのミキサーのパワー(刃の回転力)を表しています。ワット数が大きいほど刃の回転数は多く、食材を細かくするパワーも強くなります。
ワット数はミキサーによって大きく異なり、パワーの弱いものだと150W前後から、ハイパワーのものだと1000Wのものまであります。
特に氷を使ったスムージーを作りたい場合は、回転数が少なすぎると氷が砕けないので注意が必要です。氷を砕くには少なくとも200W前後あるものを選びましょう。氷や固い食材メインで使いたい場合は300W前後あるタイプを選ぶと安心です。
ワット数と性能
150W前後 |
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200W |
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300W以上 |
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氷を使う場合、市販のロックアイスは高密度でとても固いため、ミキサーが壊れてしまう可能性があるので注意が必要です。氷を粉砕できるワット数のものであっても、氷は必ず家庭用製氷機で作ったものを使用するようにしましょう。

ワット数が小さいと氷を粉砕できない場合があるので要注意
プロが教える!ミキサーの選び方
用途に合った使いやすいミキサーを選ぶポイントを、石井さんに教えてもらいました。

「ミキサーには刃の回転力や容量によって作れるもの、作れないものがあります。自分が何を作りたいのか、どれくらいの量を作りたいのかで選ぶといいでしょう」
作りたいもので選ぶ
ミキサーは機種によって対応できる食材などが変わってきます。ワット数と刃の形状を確認して、作りたいものに合う機種を選びましょう。
用途別・適したワット数と刃の形状
用途 | ワット数 (刃の回転力) |
刃の形状 |
---|---|---|
スムージーを作る (やわらかい食材) |
200W (氷なし/100W) |
平刃、波刃 |
スムージーを作る (固い食材など) |
300W以上 | 波刃、のこぎり刃 |
フローズンドリンクを作る | 200W以上 | 波刃、のこぎり刃 |
スープを作る | 200W以下 (ポタージュ/200W以上) |
波刃、のこぎり刃 |
離乳食を作る | 200W以上 | 粗さによって異なる |
固い食材や氷などを使う場合は、ワット数が大きいものを選びましょう。柔らかい食材のスムージーや離乳食だけに使うなら、ワット数が小さいものでOKです。
作りたい量で選ぶ
作りたい容量に合わせたサイズを選ぶことも大切です。
人数と容量の目安

1人あたりコップ1杯=200mlと考えると、「人数×200ml」でどれくらいの大きさのミキサーを購入すればいいかがわかります。一度に作る量によってサイズを決めましょう。
ファミリータイプは容量が1000ml前後のものが多いですが、1人分を手軽に作れる300〜500ml前後のコンパクトなタイプのものも人気があります。
温かい食材を撹拌すると容器の中の空気が膨張し食材が吹き出してしまう可能性があるため、スープなど温かい食材の調理をメインで考えている場合はさらに大きい容量を選ぶといいでしょう。
コンパクトなミキサーの中には、専用のふたを取り付けてそのままタンブラーとして持ち歩くことができるタイプもあります。作った後に別の容器に移し替える必要がないため、1人分を作るにはとても便利です。
お手入れのしやすさ・安全性もチェック
長く使うためには、洗いやすさ・扱いやすさも重要になってきます。以下のポイントをチェックしてみましょう。
お手入れのしやすさ | 安全性 |
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パーツが多いほど手入れも面倒になるため、パーツの数が少なく、分解して洗えるものが理想的です。食洗機対応であればさらに手入れは簡単です。

台座から刃の付け外しができると、隙間の汚れが落としやすい
刃の先端をつぶして丸く加工したラウンドエッジカッターは、手入れをしているときなどに刃先に触れても指が切れる危険性が低いので、扱いやすいでしょう。
さらに、正しくセットされて蓋が閉まっていないと作動しないロック機能や、モーターが熱くなると自動停止する機能などの安全機能が付いていると安心です。

左が通常の平刃、右が先端が丸く加工されたラウンドエッジカッター
ミキサーの選び方|ポイントまとめ
ミキサーは何をどのくらい作りたいかを重視し、扱いやすさにも注目して選びましょう。選び方のポイントをまとめました。
- 固い食材を使ったスムージーやフローズンドリンクを作る場合は、波刃やのこぎり刃でワット数が大きいものを選ぶ
- 人数×200mlを目安に、必要な容量を選ぶ
- パーツの数が少なく分解できて、安全機能が付いているものが扱いやすい
ミキサーに関するよくある疑問Q&A
ミキサーに関する気になる疑問について、石井さんにお答えいただきました。

「スムージー以外にもいろいろなものが作れるので、ぜひ挑戦してみてほしいです」
Q. ミキサーはジューサーやフードプロセッサーとなにが違うの?
A. ミキサーは水分が多い食材を粉砕・撹拌することに適しています。
食材の繊維を適度に残しつつ、なめらかで舌触りの良いスムージーやスープを作ることが可能です。 ジューサーは繊維質を取り除いたサラッとしたジュースを作ることができ、フードプロセッサーは野菜や果物、肉などの食材を細かく刻むことに特化しているのが特徴です。
ミキサーと類似調理家電の用途
調理器具 | |||||
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ミキサー(ブレンダー)![]() |
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ジューサー![]() |
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フードプロセッサー![]() |
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ミル![]() |
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ハンドミキサー![]() |
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スタンドミキサー![]() |
※ 製品により氷が砕けないものもあります
Q. スムージー以外にミキサーで何が作れるの?
A. ミキサーは、スープやソースまで作れます。
ミキサーで作ることができるメニューの例
- ポタージュ(ビシソワーズやかぼちゃのポタージュなど)
- ソース(マヨネーズやジェノベーゼソースなど)
- だて巻き(焼く前の、食材を混ぜ合わせる工程で活躍)
- ふりかけ(ミル付きミキサーの場合) など
スープやソースなどが作れるのはもちろんですが、食材を混ぜ合わせるなどの料理の下ごしらえにも活躍します。
最近ブームになっている台湾の定番朝食「鹹豆漿(シェントウジャン)」(豆乳スープ)なども、ミキサーなら大豆から作る本格レシピでも簡単に調理できます。
専用のレシピブックが付いている商品もあるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
Q. 離乳食作りにはミキサーは使える?
A. ミキサーは離乳食作りにもおすすめです。
ミキサーを使えば離乳食初期のペースト食も簡単に作れます。赤ちゃんのために離乳食は手作りしたいと思っていても、食事のたびにペースト状に調理するのはとても大変です。
ミキサーを使えば、食材を入れてスイッチを押すだけ。多めに作ったものを小分けにして冷凍すれば、レンジで温め直すだけで簡単に離乳食の準備ができます。
10倍がゆや5倍がゆなどを作る場合は、耐熱ガラス製やトライタン製のミキサーを使いましょう。温かい食材は容器の中の空気が膨張して吹き出してしまう可能性があるため、大きめの容器を使うのが安全です。

Q. ミキサーで使えない食材は?
A. ミキサーでは、粘り気の多い食材や固い食材などは使えません。
ミキサーは、粉砕した食材を攪拌してなめらかな液体状に仕上げるための調理器具です。そのため、ミキサーの使用が向いていない食材もいくつかあります。
ミキサーで使えない食材
- 粘り気の強いもの・水分の少ないもの
- 山芋、マッシュポテト、納豆、ドライフルーツなど
- 繊維や筋の多いもの
- 肉、魚介類、ごぼう、たくあんなど
- 固いもの
- さつまいも、かぼちゃ、かつおぶし、乾燥大豆、冷凍した食品、昆布、ロックアイスなど
- 膨張するもの
- 60℃以上の材料など
- 炭酸水
冷凍野菜や果物は完全に凍った状態では使えませんが、半解凍であれば問題ありません。
上記以外にも、介護用の食事などのペースト状のものやナッツ類などの油分の出るものは、製品によっては使えない場合があります。使用できる食材は製品によっても異なるので、説明書を必ず確認し、正しく使いましょう。
Q. ミキサーの連続使用時間は?
A. ミキサーの連続使用時間は短いものは2〜3分、長いものだと30分程度までと、商品によってさまざまです。
長時間連続で使用し続けると故障の原因になることがあるため、連続使用時間を過ぎた場合は、稼働を休止させる時間が必要です。なるべく時間をかけずに調理を終えたい人は、連続使用時間ができるだけ長く、かつ休止時間の短いミキサーがおすすめです。
Q. ミキサーの刃の素材で違いはある?
A. ミキサーの刃には、ステンレス製とチタン製の2種類があり、切れ味や耐久性が違います。
ミキサーの刃の素材の特徴
ミキサーの刃の素材 | チタン製 | |
---|---|---|
イメージ | ![]() |
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切れ味 | ||
耐久性 | ||
衛生面 | ||
その他の特徴 |
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多くのミキサーに採用されている刃はステンレス製です。
ステンレス製の刃は、におい移りがあまりなく衛生的で扱いやすいのが特徴です。汚れ落ちが良いだけでなくサビにくいので、手入れがしやすいのもうれしいポイントです。
チタン製はステンレス製に比べて耐久性と強度に優れています。
氷やナッツなどの固い食材や繊維質を多く含む食材などもしっかりと切り刻むことができ、繰り返し使っても劣化しにくいのが特徴です。
また、ステンレスにチタンをコーティングしたチタンコーティング刃もあります。チタン製の刃と特徴は似ていますが、耐久性が少し劣るため、固い食材メインで使うという人はチタン製のものを選ぶといいでしょう。
Q. ミキサーの簡単な洗い方はある?
A. 使い終わったミキサーに、1/3ほどの水と食器用洗剤を入れて30秒ほど回転させ、中の水を捨てると、汚れが簡単に落ちやすくなります。
その後は通常どおり洗ってOK。汚れが頑固な場合はこれを2〜3回ほど繰り返してみてください。 この方法であれば刃の隙間に入った汚れも手を使わずにある程度落とすことができるので、便利かつ安全です。
また、ミキサー刃の入り組んだ場所の汚れがうまく落とせないときは、歯ブラシを使ってみてください。スポンジと違って、手に刃が直接当たることがなく安全で、細かいブラシが汚れをよく落としてくれます。
まとめ
- 刃(ブレード)の形状によって食材の切れ味が異なる
- ワット数が大きいほど刃の回転数は多く、食材を細かくするパワーも強くなる
- ボトルの素材はガラス・プラスチック・トライタンの3種類
- ミキサーは使いたい用途、作りたい容量、扱いやすさで選ぶのがおすすめ
- スムージー以外に、スープやソース、離乳食なども作れる
健康的な食事への意識の高まりから、スムージーで野菜や果物を手軽に摂取する人が増え、ミキサーの需要も増えています。ぜひこの記事を参考にして、使いやすいミキサーを見つけてくださいね。
▼おすすめ商品を知りたい方はこちら

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