1台で電子レンジとオーブンの機能を併せもつオーブンレンジ。料理の時短が可能でレパートリーも増やせるなどいいことずくめですが、製品によって機能や性能が大きく異なるうえ、価格帯も幅広いため、どれを選べばいいか迷ってしまいますよね。

この記事では、スーパーエコごはん研究家の桃世真弓さんに、オーブンレンジの基礎知識と、選び方のポイントについて解説していただきました。

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桃世真弓

スーパーエコごはん研究家

桃世真弓さん

料理教室を主宰し、スーパーで買える食材で作る、簡単でおいしい節約・時短レシピを数多く提案。作りやすく体にも財布にもやさしい料理は絶大な人気を得ている。テレビ、雑誌へのレシピ提供、調理道具や家電の検証、料理漫画の監修など幅広く活躍中。

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目次

選ぶ前に知っておきたいオーブンレンジの基礎知識

オーブンレンジと一口でいっても、多くの製品が登場していて、性能やサイズは千差万別です。まずは、オーブンレンジを選ぶうえで押さえておきたい基礎知識について、桃世さんに解説していただきました。

オーブンレンジの基礎知識

「電子レンジよりもオーブンレンジの方が多機能な分、調理の幅が広がります」

オーブンレンジをもつメリット・デメリット

オーブンレンジは、電子レンジの加熱機能とオーブン機能を兼ね備えた1台2役、ものによっては何役もこなす便利なキッチン家電です。持っていなくても困りはしないのですが、あればより便利な調理家電であるオーブンレンジのメリットとデメリットを整理してみましょう。

メリット デメリット
・1台で何役もこなすが設置スペースは1台分
・自動調理機能搭載で、調理の時短や効率化につながる
・レンジとオーブンが同時に使えない
・オーブン機能を使った後は、庫内が冷めるまでレンジとして使用できない

オーブンレンジは、電子レンジとオーブンを別々に購入する場合に比べて省スペースで、調理の時短にもつながる点が魅力です。多くのオーブンレンジには、ワンタッチで調理できる多彩な自動調理機能など、忙しい毎日に寄り添うさまざまな機能が搭載されています。

その反面、電子レンジとオーブンを同時に使えない、といったデメリットもあります。

オーブンレンジと他の加熱調理機を比較!加熱方法の違いと特徴

オーブンレンジは他の加熱調理家電とどのような違いがあるのでしょうか。加熱方式や特徴を比較してみましょう。

加熱調理機の加熱方法の違いと特徴

種類 オーブンレンジ 電子レンジ オーブントースター グリル オーブン
イメージ オーブンレンジ 電子レンジ オーブントースター グリル オーブン
冷凍食品
はなまる
はなまる
さんかく
ばつ
さんかく
あたため
はなまる
はなまる
さんかく
(食材による)
さんかく
(食材による)
ばつ
焼き魚
まる
ばつ
まる
はなまる
まる
煮物
はなまる
はなまる
ばつ
ばつ
さんかく
(食材による)
茶碗蒸し
はなまる
まる
さんかく
さんかく
まる
ピザ・グラタン
はなまる
まる
まる
はなまる
はなまる
トースト
まる
ばつ
はなまる
さんかく
まる
加熱方法 ヒーターとマイクロ波を使い分けて加熱 マイクロ波を食品の水分に当て振動させ加熱 ヒーターの熱で空気の対流を起こし加熱 ヒーターからの直接的な熱で加熱 ヒーターの熱で庫内温度を保ち加熱

オーブンレンジは、他の加熱調理機の機能が詰まったオールマイティーな調理家電といえます。マイクロ波(電磁波)で食品を温める仕組みの電子レンジと、一般的なオーブントースターの役割を両方備えています。

グリルは焼き目づけが得意で、オーブンは食品全体をムラなくじっくり加熱できますが、どちらの機能もオーブンレンジなら1台でまかなうことが可能です。

ただし、食品を温められればよいという人や、トーストなどの簡単な調理ができればよいといった人は、オーブンレンジだと機能過多になってしまうことがあるので、単機能家電を検討するのもよいでしょう。

フラット型とターンテーブル型の違い

オーブンレンジの庫内は、土台部分が回らないフラット型と回るターンテーブル型があります。

オーブンレンジのフラット型とターンテーブル型

フラット型とターンテーブル型の特徴

フラット型 ターンテーブル型
特徴 ・ターンテーブル(土台の皿)がないので庫内を最大限に使え、料理の出し入れがしやすく、庫内のお手入れも簡単
・庫内センサーの数が多いので、仕上がりにムラが出にくい
・ターンテーブルに収まる容器でないと、皿がうまく回らず調理にムラが出てしまう
・重量で加熱時間が決まるので、重い容器だと調理時間が長くなる
・比較的低価格なものが多い

一般的にターンテーブル型のものは庫内センサーの数が少ないため、仕上がりのムラを抑えたいのであれば庫内がフラットな製品がおすすめです。

オーブンレンジのおもな機能

オーブンレンジの基本機能は食品を温めるレンジ機能と、食品を焼き上げるグリル・オーブン機能に大きく分けられます。近年はそれだけでなく、各メーカーの努力によって性能が著しく進化しており、調理時間を短縮する工夫やさまざまな調理機能を取り入れた製品が増えています。最近のオーブンレンジに搭載されているおもな機能について、最新のトレンドも交えながら説明します。

オーブンレンジのおもな機能

多彩な自動調理メニューを備えたオーブンレンジも

機能 特徴
スチーム調理 蒸気の力で食品を加熱する調理機能。蒸し料理に特化した簡易スチーム方式を採用した製品は、茶碗蒸しやプリンを上手に作りたい人におすすめ。最近注目されている過熱水蒸気調理ができる製品では食材の脂分を落とすこともでき、特にヘルシー志向の人の支持が厚い。
ノンフライ調理 200℃以上の高温の熱風を利用して短時間で加熱する調理方法で、食材の水分・脂分を利用し油で揚げたような食感になる。普通に油で揚げるよりヘルシーに仕上がり、やけどや火事の心配、油の後始末といった調理ストレスが軽減されるのも魅力。
自動調理 ほったらかし調理ができる機能。多種多様なセンサーが庫内の様子をチェックし、きめ細かに温度調整などを行う。スマートフォンアプリと連携しメニューをアレンジできるものもある。
2品同時あたため 2種類の料理を同時にムラなく温められますが、高性能センサー搭載のため高価格帯のものに搭載されることが多い。センサーの精度は年々向上しており、食材の温度を細かく測定し、庫内温度を分割してムラなく仕上げることが可能となってきている。
スマートフォン連携 スマートフォンアプリを用いて遠隔操作が可能。スマートフォン連携をうたう上位モデルが年々増えている。製品によっては専用アプリで献立のヒントを得られたり、オーブンレンジから離れていても運転状況を知らせてくれたりするものもある。

料理の仕上がりを左右する「センサー」

オーブンレンジには、加熱状況を把握しながらていねいに加熱することで、仕上がりのクオリティーを高めるためのセンサーが搭載されています。種類によって加熱具合が異なり、料理や食材の仕上がりに大きな差が出るため、オーブンレンジにおいてセンサーは重要です。ここでは、オーブンレンジで用いられる代表的なセンサーの種類について紹介します。

料理の仕上がりを左右する「センサー」

庫内の温度を計測したり、温度を調整したりするセンサーは機種によってさまざまな種類がある

センサーの種類 特徴
温度センサー
  • 多くの機種に搭載される標準的なセンサー
  • 設定した温度に庫内の温度を保って加熱
  • 食品ではなく庫内の温度を計測する
赤外線センサー
  • 食品の温度を測り、加熱の温度を調整
  • ラップの有無や容器によりムラが生じやすい
蒸気・湿度センサー
  • 加熱により発生する蒸気の量を検知し温度を測定
  • 容器にラップやフタをしていたり水分量の少ない食品だと、蒸気の量を正確に検知できない
重量センサー
  • 重さで加熱に必要な時間を測定
  • 加熱により変化した水分量の差をもとに加熱時間を調整
  • 温めるものの対象を全体の重さで測定するため、容器が重いと正確に検知ができない
高性能センサー
  • 人の目のように食品の加熱状況、調理の進行状況を管理
  • ムラなくていねいに加熱し料理の味わいをアップ
  • 食材の温度や重量を瞬時に見極めるものもある

注目のオーブンレンジメーカー

オーブンレンジのメーカーは、性能に関してそれぞれ強みをもっています。代表的なメーカーとその特徴について知っておきましょう。

「バルミューダ」はおしゃれなデザインに定評がある

「バルミューダ」はおしゃれなデザインに定評がある

メーカー名 製品の特徴 注目のシリーズ・製品
パナソニック 上位機種のスチームオーブンレンジでは、過熱水蒸気とヒーターを組み合わせた調理機能を採用。茶碗蒸しなどの蒸し料理や、こんがり焼き目のついた餃子の蒸し焼きなどもできる。 高性能赤外線スピードセンサーを搭載し、食品の温度、分量を瞬時に見極めて加熱強度を自動でコントロールしてくれる。 ビストロシリーズ
シャープ 過熱水蒸気を用いたウォーターオーブン機能が話題に。食品に水分を与えながら温めるため、食材のおいしさを引き立ててくれる。素材のうま味や甘味をしっかり保持しながら脂分や塩分を落とし、ジューシーでヘルシーな仕上がりが可能となっている。 冷凍食材をすばやく解凍し、程よい水分量を保ったまま加熱ができるのも魅力。 ヘルシオシリーズ
東芝 熱対流が良いドーム型天井で、350℃という高温で調理ができるのが最大の特徴。特に熱風コンベクション機能を搭載したモデルなら焼きムラがなく、パンや塊肉などの食材も短時間でおいしく焼き上がる。 石窯ドームシリーズ
日立 過熱水蒸気式で、食品の重さと表面温度を測る独自のWスキャンセンサーを搭載。スイングする赤外線とあわせ、食品の表面温度を的確にチェックして、うま味を残したまま仕上げてくれる。 レシピサイトとして有名なクックパッドと連携していて、厳選メニューを自動調理機能に搭載。専用のスマホアプリで新しいレシピを次々と提案してくれる。 ヘルシーシェフシリーズ
象印 魔法瓶の真空断熱技術や炊飯ジャーなどで培ってきた温度コントロール技術をベースに、レンジ/グリルを自動で切り替えたり、食材を庫内で浮かせて調理したり、といった画期的な機能を備えている。 蓄積されたテクノロジーを駆使しておいしさを追求したオーブンレンジといえる。 EVERINO(エブリノ)
バルミューダ 高級感のあるモダンデザインが特徴。独自の温度制御によりおいしく仕上げてくれる。冷凍ごはんモードなど、用途別に最適な加熱を自動で行う多彩なモードを搭載。オーブンモードでは発酵も可能。操作音や表示ライトにも工夫があり、使う楽しさを感じられる。 The Range (ザ・レンジ)

【予算別】オーブンレンジの選び方

オーブンレンジは、意外に価格の幅が広い製品です。機能を絞って低価格を実現したモデルから最新機能を搭載した高額モデルまで、ラインナップは多岐にわたります。自分に必要な機能や性能を見極めたうえで、予算に合った価格帯の中から選ぶのがおすすめです。

オーブンレンジの選び方

「シンプル機能でいいなら、低価格帯の商品でも十分です」

【3万円以下】コスパ重視の人におすすめ

「温めや解凍など基本的な機能があれば良いので、安いものがいい」という人には、3万円以下の低価格帯のオーブンレンジがおすすめです。

ごく基本的なオートメニューを搭載し、シンプルかつコンパクトな製品が多く、サイズも18L前後で一人暮らしにはもちろん、初めてオーブンレンジを購入するという人にもぴったりです。

オーブンの設定温度が200℃までのものが多いですが、クッキーやケーキなどのお菓子作りやローストチキンを焼くといった簡単な料理であれば十分に対応できます

【3〜6万円】調理の手間を減らしたい人におすすめ

「毎日の調理の手間を減らしつつ、仕上がりを重視したい」という人には、3〜6万円くらいの中価格帯のオーブンレンジが選択肢が豊富でおすすめです。

赤外線や蒸気のセンサー機能を搭載している製品がグンと増え、焼きムラをなくしたり、乾燥を防いだりと料理の仕上がりを高めてくれます。

また、料理があまり得意ではない人や忙しい人のために、レンジからグリルに自動で切り替わる料理時間短縮機能や、10分でさまざまなメニューが完成する機能を搭載する機種もあります。

【6万円以上】機能性や料理にこだわりたい人におすすめ

料理が大好きで、調理にこだわりたい」という人なら、高価格帯のオーブンレンジがおすすめです。容量も30L程度となり、食べ盛りの子どもがいる家庭や大人数の料理もまかなえます。

また、この価格帯では、2商品同時あたため機能やスマートフォン連携、さらに、人力のように細やかな温度・温度・重量などを察知して調整する高性能なセンサーがいくつも搭載されている製品が多くなります。

高機能になればなるほどメーカーの独自色が強まるという傾向があるので、メーカーごと、シリーズごとの特性や長所をしっかり確認しておきましょう。

オーブンレンジの選び方|ポイントまとめ

オーブンレンジは、ほしい機能や性能と、予算を考慮して選ぶのがおすすめです。選び方のポイントをまとめました。

  • 温めや解凍など基本的な機能があればいいなら低価格帯の商品でもOK
  • 調理の時短や仕上がりを重視するなら蒸気センサーや調理サポート機能に注目
  • 調理にこだわりたいなら高性能センサーや2品同時温め機能搭載のものを

オーブンレンジに関するよくある疑問Q&A

オーブンレンジに関する気になる疑問について、桃世さんにお聞きしました。

Q. 同じ価格帯の中で迷ったら何を重視して選べばいい?

A. 同じ価格帯でオーブンレンジを選ぶのであれば、センサーの精度に注目することをおすすめします。一概にはいえないものの、仮に同程度の値段で重量センサーと蒸気センサーの製品があれば、よりきめ細かな調整が期待できる蒸気センサーの方を選ぶとよいかもしれません。

オーブンレンジのQ&A

「同じ価格帯なら、センサーに注目して選ぶといいでしょう」

Q. フラット型とターンテーブル型どっちを選ぶべき?

A. ターンテーブルの製品の多くは、食品の重さやその変化によって加熱時間を決める重量センサーを採用しています。価格が抑えられるメリットがある一方、温め具合にムラが出やすい傾向があります。高精度の赤外線センサーを搭載した製品なら、フラット型の方が仕上がりの質が高くなります。また、フラット型はお掃除がしやすく庫内を清潔に保つことができるのも魅力です。

料理の仕上がりの質も高くなり、お手入れのしやすいフラット型の庫内

料理の仕上がりの質も高くなり、お手入れのしやすいフラット型の庫内

Q. オーブンレンジはこまめに手入れしないとだめ?

A. 庫内は高温多湿になるため、汚れを放置するとカビが発生し不衛生です。使い終わったらその日のうちに濡れ布巾で庫内の汚れを拭き取るといいでしょう。水拭きした後でから拭きすることをおすすめします。

また、スチーム機能が搭載されている場合は、タンクの水を捨て洗浄することも忘れずに。製品によっては自動お手入れコースが搭載されていることもあるので、製品を購入する際にチェックしておくとよいでしょう。

Q. オーブンレンジのメリットが引き立つおすすめの料理は?

A. オーブン料理は華やかなイメージがあり、ハードルが高いと感じますが、実はプレートに野菜や切ったお肉をのせてハーブと塩こしょうを加えて加熱するだけで、見た目に華やかでおいしいおもてなし料理ができます。それこそがオーブンレンジのメリットですので、あまり難しく考えず、シンプルなメニューを楽しんでほしいです。

まとめ

  • オーブンレンジは電子レンジとオーブンの機能を併せもつキッチン家電
  • 多彩な調理が可能なほか、料理のサポート、時短効果も高い
  • サイズや搭載機能によって価格にかなり幅がある
  • 自分がよく使う機能を重視して予算も考慮して選ぶとよい

オーブンレンジを上手に選べば、料理がはかどり、食生活が豊かになることでしょう。この記事で紹介した選び方のポイントを参考に、自分の料理スタイルや家族構成にぴったりのオーブンレンジを見つけてくださいね。

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