家庭用金庫のおすすめ8選！プロが据え置き型の耐火金庫から小型タイプの手提げ型まで人気商品を紹介

「盗難防止や災害対策として自宅に据え置き型の金庫が欲しい」
「手提げ型の金庫で十分？ どう選べばいいのかわからない」

窃盗や自然災害から通帳や貴金属などの貴重品を守ってくれる「家庭用金庫」。最近は小型ながらも頑丈で、カギに生体認証を採用するなど、セキュリティが高いものも増えています。

でも実際に購入するとなると、どんな点に注意して選べばよいのか迷ってしまう人も多いはず。そこでこの記事では、電子金庫をはじめ家庭用金庫にも詳しい“家電王”の中村剛さんに金庫の選び方や金庫にまつわる疑問について教えてもらいました。

また、中村さんに教えていただいた選び方をもとに、your SELECT.編集部が厳選したおすすめの金庫も紹介しますので、参考にしてください。

中村さんによると、金庫を選ぶ際は、まず「据え置き型」か「手提げ型」か決め、次に耐火・耐水・防盗性能をチェックし、最後にロックの種類を選ぶ3STEPがよいそうです。

1. 用途や目的に合わせて「据え置き型」か「手提げ型」か選ぶ

金庫は大きく「据え置き型」か「手提げ型」かに分けられます。それぞれの特徴は以下のとおりです。

種類	据え置き型	手提げ型
耐火・耐水	耐火、耐水性能があるものが多い	耐火、耐水性能はほとんどない
防盗	破壊、盗難を防ぎやすい	破壊、盗難を防ぎにくい
持ち運びやすさ	30〜300kg以上あり、持ち運ぶのは難しい	1〜5kg程度で、持ち運ぶのは容易
おもな用途	・各家庭にとって大事な貴重品や現金、書類を入れる ・小人数のオフィスで重要な書類やデータが入った記録媒体を保管する	・個人的に失くしたくない大切なものを保管する ・店舗やイベントでミニレジとして使い、現金を管理する
価格	1〜10万円以上	2000〜2万円程度

据え置き型は耐火・耐水・防盗性能に優れており、セキュリティが強固ですが、重いので金庫自体を手軽に持ち運ぶことはできません。どちらかというと世帯用で、各家庭にとって大事な貴重品や現金、書類を入れるのに適しています。また、小人数のオフィスで重要な書類やデータが入った記録媒体を保管するのに使う用途が適しています。

手提げ型は耐火・耐水・防盗性能はほとんどありません。しかし軽いので、緊急時に持ち出すことができます。どちらかというと個人用で、パスポートや日記、失くしたくない大切なものを保管するのに適しています。また、店舗やイベントでミニレジとして使い、現金を管理するのにも向いています。

2. 耐火、耐水、防盗性能をチェックする

据え置き型の多くは、火災に耐える「耐火金庫」です。耐火性能は「加熱炉に金庫を入れ、一定時間加熱する」という実験を行い、JIS（日本産業規格）により、0.5時間・1時間・2時間・3時間・4時間耐火の5種類に分けられます。

耐火性能はできれば「1時間耐火」は備えておきたいところ。参考までに、令和3年度の建物火災の鎮火所要時間は、1時間以下が4378件、1時間以上が5132件でした※。

※令和3年版 消防白書より

また一部の金庫は、「防盗金庫」と呼ばれます。これは「溶断や工具による破壊実験」を行い、15分・30分・60分の耐破壊性能で分けられます。「耐破壊性能15分」でもよいので、できれば備えたものを選びたいところです。

さらに一部の金庫については、散水や水中に金庫を沈める実験を行い、庫内に浸水が認められない場合に「耐水金庫」とする場合もあります。家の近くに川や海があったり、豪雨地帯に住んでいる場合は選ぶと安心です。

種類	等級	実験内容
耐火金庫	0.5時間・1時間・2時間・3時間・4時間耐火（JIS規格）	加熱炉に金庫を入れ、一定時間加熱
防盗金庫	耐破壊性能15分・30分・60分	溶断や工具による破壊
耐水金庫	72時間防水	金庫を水中に沈める

3. 求める防犯レベルに応じてロックの種類を選ぶ

金庫には「ダイヤル式」「テンキー式」「シリンダー錠」などさまざまなロックの種類があります。ロック方法でセキュリティレベルが異なるので、自分が求める防犯レベルに応じてどのタイプがいいかを選びましょう。おもな特徴は以下のとおりです。

選ぶ際は、ひとつのロック方式よりも、「ダイヤル式+シリンダー錠」などふたつのロック方式を組み合わせたダブルロック（2重施錠）方式や3重施錠方式の方が、セキュリティを高めることができます。

2重、3重とロック方式が多くなるほど、セキュリティを高められます

中村さんの解説をもとに、編集部がおすすめの金庫をセレクトしました。

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• 据え置き型のおすすめ金庫5選
• 手提げ型のおすすめ金庫3選

据え置き型のおすすめ金庫5選

耐火性能があり、リーズナブルなタイプを中心にセレクトしました。

スタンダードなサイズの家庭用金庫。スマホやsuica、ICOCA、EdyなどFeliCa対応のものをカギにすることができます。また別売りのカードリーダー／ライター「PaSoRi」を用意すれば、解錠履歴の閲覧も可能になります。

スタイリッシュなデザインの家庭用金庫。デジタルテンキー式で、4～16桁の暗証番号を自由に設定することができます。耐火時間は1時間で、スウェーデン国立試験研究所の60分耐火試験および韓国産業規格の60分耐火試験、衝撃落下、急加熱（爆発）の各試験に合格。また30分間の散水実験にも合格しています。

3つのロックシステムを搭載した小型金庫。「テンキー」で1～10桁まで暗証番号を設定でき、「指紋認証」にも対応。さらに「隠し錠前」も付いています。耐火時間は1時間で、JIS一般紙用1時間耐火性能試験に合格しています。

ダイヤル式とシリンダー錠による、ダブルロック方式の金庫。トレーが4枚付いており、それぞれの棚にA4用紙を収納できるなど、高い収納力と使い勝手の良さが特徴です。耐火時間は1時間で、JIS一般紙用1時間耐火性能試験に合格しています。

100万通りのダイヤル番号を作り出せる「100万変換ダイヤル式」を採用した金庫。バール工具によるこじ開けの「耐破壊試験」や「急加熱・衝撃落下試験」に合格し、耐火時間は3時間に達するなど、「頑丈」「安心」「安全」にこだわった金庫です。

手提げ型のおすすめ金庫3選

重量が軽く、持ち運びしやすい金庫。2000～1万2000円程度のリーズナブルなタイプを中心にセレクトしました。

「辞書型」で、本棚や棚に置くことができる金庫。内部がスチール製になっており、丈夫な加工が施されています。カギは3桁のダイヤル式。750gと軽く、災害時などに手にとってすぐに持ち出すことができます。

デジタルテンキー式で、1～8桁の暗証番号を自由に設定できる手提げ金庫。解錠中は青ランプが点灯するのでわかりやすく、フタを閉じると自動で施錠できます。「紙幣おさえ」と「コインホルダー」付きなので、現金管理にも適しています。

ダイヤル式とシリンダー錠による、ダブルロック方式の手提げ金庫。「紙幣おさえ」と「コインホルダー」を備えたトレー付きで、ツマミをまわすと自然にフタが開くため、店舗やイベントでのミニレジなどの現金管理に適しています。

中村さんに、金庫を導入するうえで知っておきたいこと、考えておきたいことを教えてもらいました。

失くしたくない大切なものがあるなら、金庫は必要

まず改めて、金庫の必要性について考えてみましょう。「金庫は必要か？」と問われると、私は「失くしたくない大切なものがあるなら、金庫は必要」と答えます。

なぜなら金庫は火災だけでなく、自然災害そのものに強いからです。例えば2011年に起きた東日本大震災では、津波により建物が倒壊し、家の財産や貴重品が失くなるケースが多発しました。

しかし津波で流された金庫などのうち、99％以上（約5780個：現金約28億円）が持ち主のもとに返ってきたそうです※。日本は自然災害の多い国なので、今後やってくる災害に備えて金庫を導入することは、賢い選択肢のひとつといえます。

※ディプロマット・ジャパン調べ

金庫を置く場所

金庫はクローゼットの中など、ふだんは中が見えない場所に置くのがベストです

防盗を考えた場合、金庫を置く場所は侵入口である玄関ドアや窓からなるべく遠いところに置くのがよいでしょう。特に窓から見える場所に置くのは危険。「金庫がある＝貴重品がある」とわざわざ教えるようなものです。

したがって、ふだんは中が見えないようになっている納戸、押し入れ、クローゼット、パントリーなどに置くのがよいでしょう。例外として、本タイプなどの隠し金庫は、そのまま本棚に置くと、カムフラージュできます。

ブックエンドの左が金庫。本タイプの隠し金庫は気軽に取り出せるので、日記などを入れるのにもおすすめ

金庫を置く場所を決めたら、どれくらいのサイズの金庫を置くのか、設置場所の寸法を測りましょう。その際は金庫の内寸ではなく、外寸としっかり照らし合わせましょう。

また設置場所の床の耐荷重を確認するのもポイントです。特に、大型の防盗金庫は重量が200kgを超えたり、床に穴を開けて固定する場合があり、基本的に賃貸住宅はNG。持ち家に導入する際も、どこに置くか、新築の場合は床の材質をどうするかなど、事前に決めておいた方がよいでしょう。

使いやすい金庫とは

据え置き型は押し入れの中など、暗い場所に置くことも多いと思います。したがって、金庫を開けたときにライトがつくと、金庫内が見やすくなっていいですね。また仕切りやトレーがあると、紙類や小物の保管に便利です。

手提げ金庫は、厚みのある書類や賞状などの折りたくない書類を入れるなら、A4サイズ以上の収納力があるものがおすすめ。簡易レジとして使うなら、コインホルダーや紙幣おさえがあると便利です。

手提げ金庫はコインホルダーや紙幣おさえを備えているタイプも多く、現金管理に適しています

最後に、金庫にまつわる疑問を中村さんに聞きました。

Q. 金庫はどこで売っている？

A. 金庫はおもにホームセンターや家電量販店で購入できます。また金庫メーカーの公式サイトやAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなどのECサイトでも購入できます。

据え置き型は重量があるので、ネットで買うのが便利。設置までお願いできるかは購入先によって対応が違うので確認しておきましょう。

Q. 金庫に使用期限はある？

A. 金庫の業界団体、日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会によると、耐火金庫の耐用年数は約20年※とされています。これは金庫の耐火材（気泡コンクリート）に含まれる水分が、20年間のうちに約20％気化して失われる、つまり「耐火性能が20年で約20％低下するため」とされています。

※「日本セーフ・ファニチュア協同組合連合会」サイトより

Q. 金庫はどう処分すればいい？

A. 金庫は家庭用ゴミとして捨てることができず、「粗大ゴミ」としても扱われません。処分する際は「購入した店」または「不用品回収業者」「金庫回収業者」などに依頼するか、リサイクルショップ、フリマサイトなどで売却しましょう。

Q. 日本製と海外製の金庫の違いは？

A. 特に違いはありません。今回、おすすめ8選で紹介された中でも、ディプロマットは世界100ヵ国以上で商品を販売する韓国の金庫メーカー、ジェスマットは24年以上の歴史をもつ米国の金属製品メーカー、セントリーは米国で信頼されている耐火保管製品ブランドです。

「欧米などハウスキーパーを雇う文化のある国は、金庫の種類も豊富です」と中村さん

Q. カギをなくしたり、暗証番号がわからないときは？

A. メーカーに問い合わせて暗証番号を照会しましょう。おもなメーカーの問い合わせ先は以下のとおりです。

エーコー	https://www.eiko.co.jp/contact
ディプロマット	https://diplomat-jpn.com/faq-after/
ダイヤセーフ	https://dia-safe.com/
クマヒラ	https://www.kumahira.co.jp/contact/
プラス	https://www.plus.co.jp/contact/unlocking.html
セントリー	https://www.sentryjp.com/contact/

メーカー対応は2週間以上かかることもあります。すぐに金庫を開ける必要がある場合は、金庫開錠の専門業者に依頼しましょう。

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今回は、“家電王”の中村剛さんに金庫の選び方や金庫にまつわる疑問について教えてもらいました。

選ぶ際は、「据え置き型」か「手提げ型」か→耐災害・防盗性能→ロックの種類の順番で決めていきましょう。本記事で紹介した内容を参考に、自分に合った金庫を見つけてくださいね。