パン好きには欠かせない調理家電・トースター。トーストをおいしく焼く機能に特化したもの、調理メニューが付いた多機能なものなど、多くの種類があり、どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
この記事では、家電ライターの田中真紀子さんに、トースターの選び方を伺いました。焼き具合やお手入れのしやすさなど、自分の求める条件に合ったトースターを選ぶポイントを解説しているので、ぜひ参考にしてください。

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SELECTor

田中真紀子

家電ライター

田中真紀子さん

白物家電・美容家電に関することを得意とする家電評論家・ライター。自宅には常時200を超える家電が並び、さまざまな家電に触れながら情報を発信している。また、TV・雑誌・ラジオなどメディア出演も多数。

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目次

専門家が教える!トースターの選び方

トースト以外の料理にも使いたい、ふっくら焼けるものがいいなど、求める条件によって選ぶべきものが変わってきます。トースターを選ぶポイントを田中さんに教えていただきました。

田中さん3

「自分に合ったトースターを見つけましょう」

トースターに求める機能で選ぶ

トースターには大きく分けて「ポップアップトースター」「オーブントースター」があり、それぞれ特徴が違います。

タイプ ポップアップトースター オーブントースター
イメージ  ポップアップ型 オーブン型
特徴 食パンを焼く機能のみ。焼けたトーストが飛び出してくる仕組みなので、上に具材をのせたりすることはできない トースター機能以外に、オーブン機能を備えており、ピザやグラタンなどの料理にも使える。スチーム機能などがあるタイプも
向いている人 トーストを素早く焼きたい人 トースト以外の料理もしたい人

ポップアップ型はパンと熱源が近いため、短時間でこんがり焼けるのが特徴です。焼き色が選べたり、焼けるパンの厚さや枚数が違ったりとメーカーや機種によって少しずつ機能が異なりますが、基本的には1種類です。こんがり焼きが好きで食パンのみを焼くことを求めるならポップアップ型がおすすめです。

一方、オーブン型はトースト以外の調理もできるのが特徴です。さまざまな種類があり、最新技術でパンをおいしく焼き上げることに特化した「高機能タイプ」、幅広いメニューに対応し、オーブンとトースターの中間の機能をもつ“コンベクションオーブン”と呼ばれる「多機能タイプ」、比較的低価格でダイヤルで温度と時間を設定するだけの「シンプルタイプ」があります。目的に合わせて選びましょう。

好みの焼き具合の過熱方式を選ぶ

トースターの加熱方法によって、焼き上がりに差が出てきます。焼き具合の好みに合った加熱方式のものを選ぶといいでしょう。

求める焼き具合 加熱方法 特徴
しっかり焼きたい 遠赤外線ヒーター 遠赤外線の熱でムラなく焼ける
コンベクション式 庫内の熱をファンが均一に届けてムラなく焼ける
ふっくら焼きたい スチーム式 スチームの力でふっくら焼き上げる
加熱水蒸気式 高熱の水蒸気でパンを包み込んで焼く

最近増えているのが「遠赤外線ヒーター」で、遠赤外線の熱を利用して食材の内部までムラなく加熱できるのが特徴です。

コンベクション式」は、搭載されたファンがヒーターの熱を均一に届けて食材をムラなく加熱し、しっかり焼き上げます。

スチーム式」はスチームの水蒸気の力でパンをふっくら焼き上げます。

スチームよりさらに高熱の水蒸気でパンを包み込んでふんわり仕上げる「加熱水蒸気式」や、遠赤外線と近赤外線を組み合わせて食材の外と中を同時に加熱する「ハイブリッド式」などもあります。

焼きたいものに合ったサイズを選ぶ

ほとんどのトースターはパンが2枚か4枚焼けるタイプです。まれに庫内の奥が狭くなっていて3枚焼けるタイプもあります。
「一人暮らし~2人暮らしだから2枚」「4人家族だから4枚」という選択の仕方もいいですが、食パンよりも大きなものが焼きたいかどうかを考えてみましょう。
例えば、「ピザが焼きたいから幅がある方がいい」「食パンの上にこんもりと具をのせて焼きたいから高さがある方がいい」など、具体的な使い方をイメージしながら適したサイズを選んでみてください。
最近の2枚タイプは山型食パンも2枚置けて、直径20cm程度のピザが焼けるものが主流なので、一度に何枚もパンを焼く必要がない場合は、枚数よりも庫内の広さを気にした方がいいかもしれません。

ピザ

ピザなどを焼きたい場合は庫内が広いタイプを選ぶのが◎

お手入れのしやすさもチェック

日々使うものなので、掃除のしやすさも選ぶ基準のひとつになります。パンくずがたまるとにおいの原因になったり、最悪の場合発火の危険性もあるので、パンくずトレーは取り外しができるものを選びましょう。ドアが外れて丸洗いができる機種なら、さらにきれいに気持ちよく使えます。

ぱんくずトレー

大抵のトースターには下部に取り外し可能なパンくずトレーが設置されている

庫内の奥まで手が届きやすいかどうかも重要です。高さがなくて庫内が狭いと、食材が天井につきそうになって汚れることもありますし、庫内が広くてもいろいろな料理に使えば油や水分が周りに飛び散ることもあります。手を入れて庫内全体を掃除しやすいものが理想です。
また、スチーム式は給水パイプの洗浄もあるので、多少面倒があるなど、タイプごとにお手入れの違いもあります。購入前に、お手入れ方法もチェックしましょう。

トースターの選び方|ポイントまとめ

トースターは求める機能や好みの焼き具合などを考え、自分の用途に合ったものを選びましょう。選び方のポイントをまとめました。

  • トースト以外の料理もしたいならオーブントースターがおすすめ
  • しっかり焼きたいか、ふっくら焼きたいかによって加熱方式を選ぶ
  • 焼きたいものが入るサイズを選ぶ
  • お手入れがしやすいかどうかもチェックする

トースターに関するよくある疑問 Q&A

トースターに関する気になる疑問を、田中さんにお伺いしました。

田中さん1

「毎日の食事に、ぜひトースターを活用してください」

Q. トースターのトレンドを知りたい!

A. 「BALMUDA The Toaster」の登場でスチーム式のトースターが一気にブームになりました。発売当初は2万円台という価格に驚きましたが、スチームで外はカリッと中はもっちり焼き上げる「BALMUDA The Toaster」に、同じような機能開発を進めるメーカーが追随し、トースターは多少高くてもおいしく焼ける方がいいという方向にメーカーもユーザーも傾いていきました。トースターでこれだけパンのおいしさが変わることをユーザーが実感したのです。その後、高級生食パンブームが到来し、メーカーとユーザーのトーストへの強いこだわりが相乗効果となってトースターの進化を後押ししているのだと思います。

さらに、低温調理ができる「低温コンベクションオーブン」(テスコム)の登場によって多機能モデルも注目されるようになってきました。

田中さん2

「トースターの機能は日々進化しています」

Q. トースターの適した置き場所は? 注意点は?

A. 置き場所についての注意点は取扱説明書に記載がありますが、左右と後ろは4.5cm以上、上は10cm以上離して置くのが消防法で決められたルールです。機種によってはそれ以上離した方がいいものもあるので、面倒でも必ず取扱説明書を確認してから設置しましょう。

それから熱に弱いところは避けて置くのも基本です。例えば、基本的に冷蔵庫の上に電子レンジやオーブンレンジは置けますが、オーブントースターは本体自体が熱をもつため置けません。軽いから大丈夫かなと思っても絶対に置かないようにしましょう。

置き場所を検討するときは、動線を考えると見つけやすいです。キッチンの奥の方に置いてしまうと1人や2人で使う場合には問題がなくても、家族で使うには不便です。家族で使うなら取り出し口をダイニングに向けて置いて、めいめいがパンが焼けるようにすると家事の分担にもなるのかなと思います。

Q. 食パンを安いトースターでも高級機並みに焼くテクニックなどはある?

A.「スチーム式」のトースターが評判になってから、山型食パンの形をした陶器製の「トーストスチーマー」というものが発売され爆発的に売れました。水に湿らせてからトースターに入れてパンと一緒に焼くと、庫内にスチームが発生してスチームトースターで焼いたようにパンがおいしく焼けるというものです。このような便利グッズを使うのもアイデアだと思います。

また、庫内をあらかじめ温める「予熱」をしておくと、庫内が高温になった状態から焼けるので、安いトースターでもハイクラス機が持つ高温で短時間で焼く機能を補えると思います。

Q. 2枚並べて焼くと左右で焼きムラが出たり、両端の焼きが甘かったりする場合の対処法は?

A. 左右で焼きムラができてしまう場合は、途中で左右のパンを入れ替えるといいと思います。両端の焼きが甘い場合は、置き場所や向きを変えて焼くのがおすすめです。ヒーターの位置を確認したりトースターのクセをある程度覚えて、いろいろ工夫してみましょう。

ムラ防止

途中で左右のパンを入れ替えるのが焼きムラ防止のコツ

Q. パン以外に、トースターを使うおすすめの調理法は?

A. 付属のトレーに魚焼き用のホイルを敷けば簡単に魚も焼けますし、グリル機能が付いたトースターなら魚焼きグリルで焼いたのと同じようにこんがりふっくら焼き上がります。パンは焼くときににおいを吸収することはないので、魚を焼いた後にパンを焼いてもにおいは気になりません。今はオーブントースター用の市販の調理器がたくさん出てきているので、高級機の付属品と同じようなものを利用すれば、煮込み料理などの意外な調理にも使えるはずです。

まとめ

  • トーストのおいしさにこだわりたいなら「高機能タイプ」がおすすめ
  • 料理にも使いたいなら幅広いメニューに対応した「多機能タイプ」を選ぶ
  • 価格重視なら温度と時間だけが設定できる「シンプルタイプ」を選ぶ
  • 加熱方式でしっかり焼く、ふっくら焼くなど焼き具合が変わる
  • 庫内は広めな方が料理もお手入れもしやすい
  • トースターは熱に弱い場所を避け、左右と後ろは4.5cm以上、上は10cm以上離して置く

トーストのおいしさを追求した高機能なものや、さまざまな料理に使える多機能なものなど、種類が増えているトースター。この記事を参考に、自分に合ったトースターを見つけてくださいね。

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