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フードプロセッサーの選び方!家電ライターが離乳食作りなど用途に合った選び方を解説

フードプロセッサーは、みじん切りやミンチ、離乳食・介護食用のペースト作りなどに便利なアイテム。小型~大型、刻む・混ぜる・おろす・こねるなど多機能なタイプもあり、どのタイプが自分に合っているのか、洗いやすくてお手入れが簡単なものはどれなのかなど、迷ってしまいますよね。
この記事では家電ライターの田中真紀子さんに、使い勝手が良く手入れもしやすいフードプロセッサーの選び方を教えていただきました。ぜひ選ぶ際の参考にしてください。
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家電ライター
田中真紀子さん
白物家電・美容家電に関することを得意とする家電評論家・ライター。自宅には常時200を超える家電が並び、さまざまな家電に触れながら情報を発信している。また、TV・雑誌・ラジオなどメディア出演も多数。
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目次
選ぶ前に知っておきたいフードプロセッサーの基礎知識
はじめに、フードプロセッサーでできることやミキサーとの違いなど、選ぶ前に知っておきたい基礎知識を田中さんに伺いました。

「フードプロセッサーを使えば料理の下ごしらえがラクになりますし、ひき立てのミンチは味が違います。使ったことがない方にも、ぜひ使ってほしいです」
フードプロセッサーとは?
フードプロセッサーとは、食材を刻む・混ぜ合わせるといった作業をするのに便利な家電調理器具です。
例えば、ハンバーグを作る際、玉ねぎなどの野菜をみじん切りにすることも、肉をミンチ状にすることも、食材をすべて合わせてこねる作業も、フードプロセッサーならすべてお手の物。つみれのような練り物や餃子の具など、手間のかかる下ごしらえを短時間で、ラクにできます。
また、専用のアタッチメントに付け替え、大根をおろす・パン生地をこねる・生クリームなどをホイップするといった作業ができる製品もあります。

さまざまな調理方法に対応している製品が多く、食材を細かくする作業が欠かせない離乳食や介護食を作るのにも最適。1台あると普段のおかずからパン、お菓子作りまで幅広い料理に活用できます。

フードプロセッサーの基本的な構造は容器+ブレード(刃)と極めてシンプル。モーターを回転させることでブレードが回転し、食材を細かくする
ミキサー、ハンドブレンダーとの違い
フードプロセッサーと似た機能をもつキッチン家電として、ミキサーやハンドブレンダーを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。それぞれの違いをまとめました。
フードプロセッサーとミキサー、ハンドブレンダーの違い
種類 | フードプロセッサー | ミキサー | ハンドブレンダー |
---|---|---|---|
イメージ | ![]() |
![]() |
![]() |
できること | 食材を刻む、混ぜる | 食材を細かく刻む、撹拌する | 食材をつぶす、混ぜる |
向いている調理 | みじん切りやミンチなど、食材の下ごしらえ | スムージーやスープなど、液体状にする調理 | スムージーやスープなど、液体状にする調理 |
ミキサーやハンドブレンダーは、水分の多い野菜などを細かくしてスムージーなどを作るのに適しています。調理の下ごしらえに使いたいなら、フードプロセッサーが最適です。
フードプロセッサーのタイプ
フードプロセッサーは、「電動タイプ」と「手動タイプ」があります。電動タイプは大容量のものが多く、一度に大量の食材を扱うのに最適。手動タイプは「チョッパー」とも呼ばれ、ハンドルを回す、もしくは紐を引いて刃を回転させます。電動タイプと比べてコンパクトなため場所を取らず、硬くない食材や薬味など少量の食材を扱いやすいのが特徴です。
この記事では「電動タイプ」をメインに紹介しますが、フードプロセッサーにはその他にもサイズや容器の素材、形状、機能など、さまざまなタイプがあります。以下で詳しく解説していきます。

刻む以外の調理もできる電動タイプ(左)と刻むことに特化した手動タイプ(右)
容器のサイズ
フードプロセッサーは基本的に、調理容量が大きいほど本体サイズも大きくなる傾向があります。大きいほど広い設置スペースが必要です。
1~2人なら小型で100~200g程度、3~4人なら中型で300~400g程度、5人以上なら大型で500g以上を目安にするといいでしょう。

また、少量の食材を大きな容量の製品でみじん切りにしようとすると、刃が食材に届かずうまく切れないことがあります。小型・中型タイプと大型タイプをセットでもっていると、使い分けができて便利です。

「みじん切りなどの日常使いに中型を、肉などをしっかりミンチして混ぜたいときには大型を使用しています」
容器の素材
容器の素材は、おもにプラスチック、ガラス、ステンレスの3種類があります。それぞれのメリット、デメリットを下記の表にまとめました。
容器の素材の特徴
素材 | プラスチック | ガラス | ステンレス |
---|---|---|---|
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![]() |
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メリット |
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デメリット |
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上記の代表的な3種類のほかに、最近では軽量&丈夫で傷つきにくく、扱いやすい素材「トライタン」も出てきています。ガラスのように透明でありながら、プラスチックのように落としても割れない耐久性を備えた素材です。高額な製品に採用されていることが多いです。

「容器の素材はさまざま。複数の素材の容器を使い分けできる便利な製品もあります」
ブレードの枚数・段数・形状
ブレードの枚数は、2~3枚が主流になっています。枚数が多ければ多いほど、刃が素材に当たる回数が増え、作業効率が上がります。4枚刃であれば、さらにまんべんなく刃が素材に当たり効率よく調理が可能になるだけでなく、硬い素材でも早くカットすることができます。

フードプロセッサーのブレードは2~3枚が主流だが、より効率を求めるなら4枚刃がおすすめ
またブレードは、支柱となるパーツに段差をつけて固定されています。この段差の幅が広く設定されているほど、大量の素材を早く、均一に刻むことができるようになるので、効率的です。

(左)段差がないブレード、(右)段差のあるブレードの例。段差があると大量の食材を素早く切ることができます
ブレードの形状には通常の「平刃」に加え、刃の断面がパン切り包丁のように波打った「波刃」さらに細かくギザギザな形状になっている「のこぎり刃」があります。平刃は切れ味では劣りますが、使用後のお手入れが簡単です。波刃やのこぎり刃は食材に触れる面積が多いため切れ味に優れていますが、洗いにくいのがデメリットです。
総合的に見て、刃の枚数が多く、段差が広く、波刃もしくはのこぎり刃を採用したブレードが、特に作業効率の高いものと言えるでしょう。
フードプロセッサーの機能とアタッチメント
フードプロセッサーには、アタッチメントを付け替えることで、基本の「刻む」機能以外にもさまざまな調理ができる多機能タイプもあります。
アタッチメントの種類と機能(例)
アタッチメントの種類 | 機能 | |
---|---|---|
チョッパーカッター | ![]() |
・野菜をみじん切りにする ・肉や魚をひいてミンチにする |
おろしカッター | ![]() |
・大根おろしやとろろを作る ・ショウガやにんにくなどの薬味をすりおろす |
パンこねブレード | ![]() |
・パンをこねる |
ホイップブレード | ![]() |
・ホイップして生クリームやメレンゲを作る |
アタッチメントの種類が豊富な製品を選ぶほど多岐にわたる調理法に対応できますが、付属品が多いと価格がアップする、収納や管理の手間がかかるというデメリットも。必要な機能については、慎重に検討する必要があります。

アタッチメントをコンパクトにまとめて本体と一緒に収納できるものも
フードプロセッサーの選び方
フードプロセッサーを選ぶポイントについて、田中さんに伺いました。
用途や作りたい料理で選ぶ
フードプロセッサーで作りたいものによって、使いやすい製品は変わってきます。用途に合ったものを選ぶポイントを解説します。
離乳食を作りたい:回転速度調節機能がある小型タイプがおすすめ
離乳食作りは、赤ちゃんの月齢に合わせて食材の分量やとろみを調整する必要があります。回転速度を高速・中速・低速など切り替えて使用できる製品であればとろみの調整ができます。
一度にたくさんの離乳食を作って冷凍保存するのであれば大容量サイズでもよいですが、例えば1食分ずつ取り分けてペースト状にするのであれば、小型タイプが便利です。
また、赤ちゃんが口にする食べ物は大人以上に衛生面に配慮したいところ。清潔な状態を保ちやすいガラスやステンレス素材の製品がおすすめです。

ラッセルホブスの「4ブレード ミニチョッパー 7820JP」は、2段階で回転速度調整が可能。少量の具材も調理しやすく離乳食作りに便利
いろいろな料理が作りたい:アタッチメントが豊富な多機能タイプがおすすめ
料理にこだわりたい方には、さまざまな料理が作れるアタッチメントが豊富な多機能タイプの製品がおすすめです。料理の幅が広がり、幅広いメニューにチャレンジしやすくなります。加えて、回転速度を幅広く調節できるものや、無段階で設定できるものを選ぶと、ミンチを粗ひきと細ひきで使い分けるといった調理も可能になります。
作れる料理の幅だけでなく、自分好みの調理ができるかに注目してみましょう。

基本のみじん切りからおろし、ホイップ、パンこねまでできるタイプの一例。おかずからお菓子作りまで楽しむことができる
扱いやすさや洗いやすさで選ぶ
扱いやすく、手軽に使えるフードプロセッサーが欲しい場合は、軽量で移動させやすい製品を選びましょう。そのうえで、アタッチメントの各パーツをひとまとめにできるなど、収納しやすいかもチェック。思い立ったときにすぐ使用できれば、自ずと使用頻度も高くなります。

「本体にアタッチメントをすべて入れられるタイプなら、使いたいパーツをすぐに取り出せます」
また、におい残りや色移りがしづらいガラス製やステンレス製のフードプロセッサーなら洗いやすく、 シンプルな形状で食洗機に対応している製品もお手入れしやすく便利です。

ステンレス製は割れる心配もなく洗いやすいのが魅力
フードプロセッサーの選び方|ポイントまとめ
フードプロセッサーは用途に合わせ、手入れのしやすさなども考慮して選びましょう。選び方のポイントをまとめました。
- 衛生面を重視するなら、ステンレス製やガラス製がおすすめ
- 1~2人なら300g、3~4人なら400g、4人以上なら500g以上の容量を目安に選ぶ
- 刃の枚数が多く、段差が広く、波刃もしくはのこぎり刃を採用したブレードなら作業効率が高い
- 離乳食用なら回転速度でとろみを調整できるタイプ、料理にこだわるなら多機能なタイプ、手軽さ重視なら軽量で出し入れしやすいタイプがおすすめ
フードプロセッサーに関するよくある疑問Q&A
フードプロセッサーに関する気になる疑問を田中さんにお答えいただきました。
Q. フードプロセッサーの正しいお手入れ方法は?
A. 電動のフードプロセッサーはモーターを搭載しています。事前に取扱説明書をよく読み、洗える部分と水に濡れてはいけない部分を確認しましょう。電源プラグを抜いてから手入れをスタートします。基本的には食器を洗う際と同様に洗剤で洗えば問題ありませんが、プラスチック製の場合は傷つきやすいため、スポンジのざらざらした面が当たらないよう注意しましょう。 ブレードの付け根や容器の凹凸部分は食材がたまりやすいため、付属のブラシが付いている場合はそれを使って部品を洗い、ていねいに手入れをすることで劣化を防げます。なお、食洗機で洗う場合、刃の部分は別洗いとなる製品が一般的です。事前に必ず確認してください。

「ステンレスやガラスなど素材によってお手入れ方法が異なるので説明書は必ずチェックしましょう」
Q. フードプロセッサーの保管方法は?
A. すぐに取り出せる場所にしまうことで気軽に使いやすくなり、使用頻度が自然と高まります。出しっぱなしにできるのが一番ですね。ただし、家電製品のため水に濡れにくい場所に設置しましょう。また、落下すると危険なため、高い場所は避けるようにしましょう。
Q. フードプロセッサーを買い替える目安は?
A. 購入時と比べて、みじん切りやミンチがきれいに仕上がらないと感じたら買い替えを考えましょう。また、モーターを使用しているので、モーターが熱い感じるようになったら不具合が起きているサイン。焼けるようなにおいがする、今まで聞いたことがないような音がする場合も内部が破損している場合があるため、すぐに使用を中止して買い替えをおすすめします。
Q. フードプロセッサーが使えない食材はある?
A. フードプロセッサーは製品により、どこまで硬い食品に対応できるのかが異なります。初めて使用する際は取扱説明書をよく読み、確認をしてください。氷を粉砕できる製品であれば、比較的硬い食品に対応が可能です。
Q. イメージどおりに調理できない場合は?
A. 速度調節機能がある製品の場合、低速と高速を使い分けることによりイメージどおりの仕上がりに近づけることができます。
例えばハンバーグを作るとき、粗びきで肉の食感がある仕上がりにしたければ低速で、なめらかに仕上げたい場合は高速で使用してみましょう。高速で使用する場合、重みのある食材を使用するときには刃がうまく回転しないことがあります。まずは低速からスタートし、様子を見ながらある程度回り始めたら高速モードに切り替えるとうまく仕上がります。容器のサイドに張り付いてしまった食材は、刃に触れる場所に戻してあげることできれいにかくはんできます。
なお、フードプロセッサーは製品により最大運転時間が定められています。通常であれば長時間使用するまでもなく完成してしまうと思いますが、大量に調理する場合はいったん機械を休ませる必要があります。事前に取扱説明書をよく読んで指示に従ってください。

「低速から少しずつ速度を上げると失敗も少ないです」
Q. ミキサーやジューサーの代わりに使える?
A. 固体から液体に調理するミキサーやジューサーに対し、フードプロセッサーは食材を細かくするための調理家電です。液体に近い状態にすることはできますが、粒感が残りザラザラとした舌触りになるため、仕上がりが大きく異なります。なめらかな液体にしたい場合は、ミキサーやジューサーの方が向いています。
Q. 一人暮らしでも使いやすいフードプロセッサーは?
A. 一人暮らしでフードプロセッサーの購入を検討している場合は、シンプルな機能のものから始めましょう。とはいえ、タネをこねたり、まとめてみじん切りしたりする場合もあると思いますので、200~300gの容量は確保した方が使い勝手がよいでしょう。
まとめ
- フードプロセッサーは刻む・混ぜるが基本。アタッチメントを付け替えることで幅広い調理ができる
- 衛生面を重視するなら、ステンレス製やガラス製がおすすめ
- 1~2人なら300g、3~4人なら400g、4人以上なら500g以上の容量を目安に
- 離乳食用なら回転速度でとろみを調整できるタイプ、料理にこだわるなら多機能なタイプ、手軽さ重視なら軽量で出し入れしやすいタイプがおすすめ
今回は家電ライターの田中さんに、フードプロセッサーの種類や用途別の選び方などについてお聞きしました。
フードプロセッサーがあれば、食材を細かく刻んだり、混ぜたり、 アタッチメントを変えればすりおろしたりするなどの作業がラクになり、手作りの離乳食などをはじめとする日々の料理も作りやすくなります。1台あれば料理の幅も広がるので、ぜひこの記事を参考にフードプロセッサーを選んでみてください。
▼おすすめ商品を知りたい方はこちら

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