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ノンフライヤーの選び方を家電ライターが解説!使い方のコツも紹介

ノンフライヤー(ノンオイルフライヤー)とはその名のとおり、油を使わずに揚げ物ができる調理家電。食材に含まれる脂や水分を利用して調理するためヘルシーに仕上がるのが特徴です。フライ機能だけでなく脱水や保温など調理機能を備えた機種もあり、小型から大容量タイプまで種類も多いので、どれを選べばいいのか迷ってしまう人もいるでしょう。
この記事では、家電ライターの倉本春さんに、ノンフライヤーの選び方を教えてもらいました。使い方のコツも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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家電ライター
倉本春さん
白物家電やIoTガジェットなど、生活を快適・便利にする製品の紹介やレビューを中心に記事を執筆するライター。パソコン雑誌の編集経験や元ドッグカフェオーナー兼シェフという経歴を生かした、ていねいでわかりやすい解説が好評を博している。自身が運営するHP「家電あるき」で、気になる家電のニュースやレビューを発信中。
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目次
ノンフライヤーとは?オーブントースターやグリルとの違い
はじめに、ノンフライヤーの仕組みや特徴について知っておきましょう。
ノンフライヤーが油を使わずに調理できるのは、「ヒートコンベクション」という、食材を熱風で包み込む加熱方式を使っているから。高温の熱風を勢いよくフライヤー内に循環させ、急速に食材の内部まで加熱することで、食材自体に含まれる脂分が表面に出てきます。その脂分が食材を覆うことで、油で揚げたときと似た環境を作り出せるという仕組みです。また、高い温度によって食材表面の水分を飛ばし、揚げたてのようなカリッと香ばしい食感を出すこともできます。
さらにノンフライヤーは揚げ物だけでなく、オーブン料理も得意です。中には保温や乾燥などの調理機能を備えたものもあり、焼き野菜や肉・魚料理、ピザやトースト、ケーキなど、多岐にわたる料理に対応しています。
オーブントースターやグリルと比較してみると、次のような違いがあります。
種類 | 加熱方式 | 向いている料理 |
---|---|---|
ノンフライヤー | ヒートコンベクション | ノンフライ調理、揚げ物の再加熱、ローストビーフ、ピザ、ケーキなど |
オーブントースター | ヒーターによる直火加熱 (高機能なものはコンベクションを併用することも) |
トースト、ホイル焼き、総菜の温め直し、グラタンなどの焼き目をつける調理など |
グリル | ガス | 焼き魚、焼き野菜など |
それぞれ加熱方式や機能に違いがあり、一長一短ありますが、ノンフライヤーはより幅広い用途で使えます。何より簡単に調理できてヘルシーに仕上がるのが最大の強みです。

油を使ったようなカリカリのフライ料理をヘルシーに作れるのが、ノンフライヤーの魅力
家電ライターが教えるノンフライヤーを選ぶポイント
ノンフライヤーを選ぶ際にチェックしたいポイントについて、倉本さんに教えていただきました。

「用途に合った、使いやすいノンフライヤーを選びましょう」
温度|幅広い温度設定ができるものなら、料理の選択肢が増える
ノンフライヤーの温度は、モード設定で固定されているものもあれば、細かく調整できるものもあります。調整できる温度の幅が広いものほど料理のレパートリーも増えるので、温度設定の幅や段階をチェックしましょう。

商品に記載された、調理時の加熱時間と温度の一例。慣れないうちは商品の記載に沿って調理しよう
レシピの幅を広げたいなら最高温度200℃以上のものがおすすめ
ノンフライヤーの最高温度は機種によって異なりますが、高温で調理できると、揚げ物はもちろん、ローストチキンなども食材表面の水分を蒸発させ、カリッとおいしく仕上がります。また、お菓子やパンを作る頻度が高い人も、最高温度が高めの機種を選ぶと、レシピの選択肢も広がるのでおすすめです。
ノンフライヤーの本領が発揮できるよう、最高温度を200℃以上に設定できるものがおすすめです。

パワフルな高温調理で、食材の外はパリッと、中はジューシーに仕上げることができる
最低温度が80℃以下なら低温調理も楽しめる
ノンフライヤーでさまざまな料理を作りたければ、最低温度にも注目しましょう。80℃以下に設定できる機種であれば、昨今流行している肉の低温調理も可能なのでおすすめです。
例えばノンフライヤーで、牛の塊肉をロゼ色になるまで60℃ほどで加熱し、最後にフライパンで焼いて表面に焦げ目をつければ、誰でも簡単においしいローストビーフが作れます。
他にもより低い、30~40℃に設定できるものなら、パン生地の発酵などにも使用できます。揚げ物や焼き物だけでなく幅広い調理を試してみたい人は、80℃以下の温度設定に対応しているものを選びましょう。

低温に設定すれば、じっくり加熱し、旨みを閉じ込めたおいしいローストビーフも作れる
容量|1人あたり1Lを目安に、調理量も考慮して選ぶ
ノンフライヤーの容量は1人あたり1Lが目安といわれていますが、あまりに小容量のものだと、食材が庫内に入り切らず、複数回に分けて調理する必要性も出てきます。そのため、ノンフライヤーは人数や、一度に作れる料理の量を考慮して選ぶとよいでしょう。
ノンフライヤーの容量と対応人数の目安は、以下を参考にしてください。
ノンフライヤーの容量 | 対応人数 |
---|---|
1〜2L | 1人 |
2〜3L | 2人 |
3.5L以上 | 3人以上 |
一人暮らしには、容量が2L以下のコンパクトなものがおすすめ。ただし揚げ物を作る際は、庫内に食材を重ねて置くと、衣がはがれるなどでうまく調理ができなくなってしまいます。一度に調理できる量も考慮して選んでください。
夫婦2人暮らしなどの場合は2〜3Lのものを、3人以上のファミリーなら3.5L以上で、1人増えるごとに1Lずつ大きなものを目安に選びましょう。中には、鶏を一羽丸ごと入れてローストできる大容量タイプもあります。ただし、容量に合わせて本体のサイズも大きくなるため、収納スペースや置く場所を先に確保したうえで購入しましょう。

「これは容量3.5Lのタイプ。キッチン周りに置きたい人は、本体サイズもしっかり確認しましょう」
お手入れのしやすさ|食洗機に対応しているものが使いやすい
使用後の洗浄やお手入れの手軽さも、購入する前に確認しておきたいポイントです。特に食材に触れる内網部分は揚げ物の衣などがこびりついて汚れやすいので、洗いにくさや手間を感じる人も多いはず。網が食洗機に対応している商品であれば、お手入れも楽なのでおすすめです。網を取り付けるバスケットも食洗機に対応していれば、さらにいいでしょう。
基本的にバスケットも網も丸洗いできますが、本体は水洗いできないので、軽く濡らしたやわらかい布などで外側や内部の汚れを拭き取る程度のお手入れが必要です。

「コーティングを施した網は汚れが落ちやすい反面、食洗機に対応していないことが多いので注意しましょう」
ノンフライヤーの選び方|ポイントまとめ
ノンフライヤーは作りたいものや調理量、お手入れのしやすさを考慮して、使いやすいものを選びましょう。選び方のポイントをまとめました。
- レシピの幅を広げたいなら最高温度200℃以上のものがおすすめ
- 低温調理も楽しみたいなら最低温度80℃以下のものを選ぶ
- 容量は一人暮らしなら2L以下、2人なら2~3L、3人以上なら3.5L以上のものが◎
- 食洗機に対応しているものならお手入れが楽
ノンフライヤーの上手な使い方
ノンフライヤーを使ってもおいしく仕上がらないと、購入したことを後悔してしまうかもしれません。上手な使い方を知って、ノンフライヤーを活用しましょう!
倉本さんに、ノンフライヤーを上手に使うための2つのコツを教えてもらいました。
1. 食材を入れすぎない
ノンフライヤーを使う際は、庫内に食材を入れすぎないことが大切です。特に唐揚げやエビフライなどの揚げ物は食材を詰め込むと、衣がはがれやすくなり、仕上がりが悪くなるだけでなく、加熱ムラの原因にもなります。
ただし、フライドポテトや焼き野菜などの一部の料理は、隙間を作るように重ねて積み上げて調理しても問題ありません。食材によって1回分の調理に適した量が異なるため、取扱説明書やレシピなどを見て判断してください。

しっかりと熱風を行き渡らせ、ムラなく仕上げるために、調理量には注意が必要
2. 脂分の少ない食材にはオイルを足す
ノンフライヤーは食材に含まれる脂分を利用してフライ調理を行いますが、脂の少ない野菜や魚介類などで調理する場合、あらかじめ食材にオイルを少量まぶしておくと、水分が逃げにくくなるので、より一層おいしく仕上がります。
例えば、スプレー容器に食用油を入れて食材に吹きかけたり、フライ調理ならパン粉をまぶす過程で油も一緒に絡めたりしてもよいでしょう。食材には油をまんべんなく行き渡らせることがポイントです。また、冷凍のフライものも調理前に少量の油を足すことで、衣がはがれにくくなるといった利点もあります。

スプレーボトルが付属した商品もあるが、市販のものでも代用可能
ノンフライヤーに関するよくある疑問Q&A
ノンフライヤーに関する気になる疑問について、倉本さんにお答えいただきました。
Q. ノンフライヤーと一般的なコンベクションオーブンとの違いは?
A. ノンフライヤーは、食材を対流させた熱風で包み込むコンベクションオーブンと仕組みは同じです。しかしオーブンとは形状や機能、ファンの位置などが異なります。
ノンフライヤーはヒーターの熱量に対して庫内サイズが小さめにつくられている製品が多く、余熱が不要な製品が多いため調理が短時間で済むことや、大きいファンで熱風を効率よく循環させられるため、中でもチキンソテーやトーストがとてもおいしく作れます。

ノンフライヤー庫内上部のファン。ここから熱風が庫内に送られ、食材を加熱する
Q. ノンフライヤーの使用時に注意することは?
A. ノンフライヤーは本体の後ろに排気口があることが多く、そこから熱風や動作音が出ます。そのため、使用の際は壁からある程度離して置く必要があります。また、カーテンや家具など可燃物を近くに置くことも危険です。取扱説明書に記載されている適切な距離を保って使用しましょう。

「スマホで遠隔操作ができる機種なら、レシピ検索も操作も簡単でおすすめです」
Q. ノンフライヤーの最新便利機能は?
A. 多くのノンフライヤー製品にはレシピ本が付きますが、最近はIoTを実装し、調理をアシストしてくれる機種も登場しています。スマートフォンから公式レシピの閲覧や検索、調理だけでなく、温度や調理時間の設定も可能です。
Q. ノンフライヤー調理に向かない食材や料理はある?
A. ノンフライヤーでの調理に適さない食材は特にありません。ノンフライヤーは食材に含まれる脂分をかなりカットできるので、ヘルシー志向の人やダイエット中の女性などにおすすめです。余分な脂分を削減し、ヘルシーでおいしく仕上がるのはノンフライヤー最大の魅力です。脂分の少ない食材はオイルを足すことをおすすめしますが、さっぱりと食べたい方はそのままでも構いません。
また、機種によっては炒め料理や煮込み料理などは適さないものがあります。
まとめ
- ノンフライヤーは食材に含まれる脂や水分を利用して調理するため、ヘルシーに仕上がるのが特徴
- 最高温度200℃以上、最低温度80℃以下のものを選べば、さまざまな料理が楽しめる
- 容量は一人暮らしなら2L以下、2人なら2~3L、3人以上なら3.5L以上のものが使いやすい
- 大きさを確認し、置くスペースや収納場所も確保する
- 食洗機に対応しているものならお手入れが楽
- ノンフライヤーを上手に使うコツは、食材を入れすぎないことと、脂分の少ない食材にはオイルを足すこと
今回は家電ライターの倉本さんに、ノンフライヤーの特徴や選び方、使い方のコツなどをお聞きしました。
ヘルシーな料理が作れて、幅広い用途で使えるノンフライヤー。今や揚げ物のみならず、多種多様な料理を時短で作れることから、実用性の高い調理家電として再び注目を集めています。この記事を参考に、自分のライフスタイルに合ったものを見つけてくださいね。
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