FEATURE
山口ぶちうま!アンバサダー原千晶さんおすすめ!自然に育まれた作品の多い山口から届ける厳選クラフト
瀬戸内海と日本海に面し、自然環境にも恵まれた山口県。世界遺産にも登録された「明治日本の産業革命遺産」の萩城下町や、松下村塾といった幕末の日本を支えた志士たちの生き様を感じることができる史跡など見どころはもちろん、ふぐや日本酒など食文化も盛ん。山口市は、ニューヨーク・タイムズの「2024年に行くべき52カ所」にも選ばれたほどです。今回、山口「ぶちうま!アンバサダー」を務める原 千晶さんを招き、改めて注目が集まっている山口県で生み出されている魅力的なアイテムを紹介してもらいました。
山口「ぶちうま!アンバサダー」/フリーアナウンサー
原 千晶さん
福岡県出身。福岡大学を卒業後、テレビ山口へ入社。約6年ほど勤めた後、フリーアナウンサーへと転身。現在はTBSテレビ「THE TIME,」、Tokyo FM「ラジオのタマカワ」などの番組にレギュラーとして出演中。他にもテレビのみならずラジオなど媒体を問わず幅広く活躍中。
山口県のローカルクラフト3選
Craftsmanship
in this Prefecture
本州の西端に位置する山口県は、東西に走る中国山脈のほか、瀬戸内海に面した地域と日本海側に面した地域でそれぞれ異なる自然環境が特徴。いずれの場所からも海と山が近く、江戸時代に開釜された萩焼をはじめ、大内塗や赤間硯など、自然豊かな環境から採取される素材を活かした伝統工芸品が多数。現在もその手技を絶やさぬよう現代へと受け継ぐため、さまざまなデザインの工芸品が制作されるなど、歴史と今を柔軟に融合した作品も多く生み出されている。
写真提供:一般財団法人山口観光コンベンション協会
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目次
山口県山口市
【山口萩焼ヤマトズギャラリー】萩焼ペアタンブラーA
使い込むごとに味の出る萩焼で、晩酌をより美味しく
山口県を代表する萩焼は、江戸時代に毛利氏の御用窯として発展した歴史をもち、その始まりは400年以上前までに遡るほど。特に茶の器に名品が多いとされ、器好きならずとも一度はその名前を聞いたことがあるほど日本を代表する焼き物となっています。
萩焼といえば萩市にしかないと思われがちですが、山口市や長門市にも多数の窯元があり、そのひとつである「山口萩焼Yamato's Gallery(ヤマトズギャラリー)」は山口県山口市の萩焼窯元保男窯内に展示直売ギャラリーをもち、全国からファンが集まります。
原
やはり山口県を代表する工芸品といえば萩焼。私も4年ほど前にデザインの異なる2種類のカップを購入しました。大好きなコーヒーブレイクのときに使っていますが、特徴の赤土でできた器は使い込むごとに味が出てくるので、どんどん手にも馴染んできています。また保温性・保冷性にも優れた素材を使っているのも萩焼のメリット。お皿も素敵ですが、私はコップからの購入がオススメです。今っぽいデザインも多くあり、プレゼントにも最適ですよ。
見た目だけではない、萩焼のグラスの魅力
萩焼は原料の陶土とそれに混ぜる釉薬による「貫入(かんにゅう)」と呼ばれる細かなヒビのような模様が特徴のひとつ。使い込むとこの貫入に茶しぶなどの色が染み込むことで、使えば使うほど年月とともに色や艶・雰囲気まで変化していきます。これを「萩の七化け」と呼び、その風合いを楽しんでいました。かつての茶人も「茶慣れ」としてこの色が変わっていく様を楽しんでいたそうです。
じつはこの貫入は見た目の変化だけでなく、ビールを美味しく飲むために重要な役割を担っています。それは多数の細かい穴をもつ陶器の性質、そして貫入にある空気がビールの炭酸と混ざり、泡立ちが良くなるだけでなく、泡が長持ちするという効果を発揮するとか。
ヤマトズギャラリーで萩焼作家として活躍する大和猛さんいわく、このクリーミーな泡の秘訣は吸水性の高さにあるとの話も。萩焼で使う粘土は耐火度が非常に高く、焼き締まりにくいそう。そのためしっかりときめ細やかな泡が立つよう、釉薬をかけて作っています。冷蔵庫でキンキンにグラスを冷やせば、より美味しくビールをいただくことができます。
まろやかに変化する味わいを、グラスと共に楽しんで
ガラス素材のグラスと比べても冷たさを維持する時間も長く、飲み口がマイルドになるという、萩焼のグラス。日本酒を入れると味わいが丸くなるため、ビール以外の晩酌時のグラスにもぴったりです。
大和さん的に、辛口のドライ系ビールが好みの方は、少し物足りない味になることもあるとか。ですが、濃厚なモルツ系のビールを好む方にとってはベストなグラス!その日の気分で手持ちのグラスと使い分けるのも良さそう。
もちろん、お酒以外にもお茶やコーヒーなどのグラスとして使える、おしゃれなデザインも特徴のひとつ。近年はカラフルで優しい色合いのデザインを施した器も多く、ギフトに選んでも喜ばれること間違いなし。
手作りだからこそ生み出せる優しい風合いはそのまま、テーブルに彩りを添えるピンクとグリーンのデザインも魅力。ほっとひと息つきたいブレイクタイム中、テーブルの上を華やかに飾ってみるのはいかがでしょうか。
What is this feature?
茶の湯の世界でも「一楽、二萩、三唐津」といわれ、特に茶人たちと関係の深い焼き物と知られる萩焼。その歴史は、安土桃山時代に行われた豊臣秀吉による朝鮮出兵時に招致された、朝鮮人陶工によってもたらされました。粗い土を使うことで浸透性・保水性・保温性が高く、うわぐすりと陶土の収縮度の違いから、表面には細かなヒビが入ります。そのヒビに浸透する水分などによって変化する器の色合いが「萩の七化け」として特徴的な魅力とされています。
写真提供:一般財団法人山口観光コンベンション協会
商品概要・ご購入はこちら!
山口萩焼ヤマトズギャラリー
萩焼ペアタンブラーA(グリーン、ピンク)
参考価格: ¥11,000(税込)
山口市で萩焼の窯元として活動するヤマトズギャラリー。国指定伝統的工芸品である萩焼を、伝統的な作風で守りつつも現代的に解釈したデザインも多く生み出している。実際に手に取って購入できるギャラリーを併設するだけでなく、陶芸体験などを通し萩焼を現代に伝えるなど、活発に活動を続ける。
山口県山口市
【日ト】カッティングボード
職人とデザイナーのこだわりが美しい、カッティングボード
山口県山口市の中でも、特に自然豊かな環境に恵まれた地域である仁保地区。山々に囲まれているだけでなく、南北16kmにもわたり仁保川が流れ、水田が一面に広がるのどかな風景は、どこか懐かしさを感じます。そんな環境に惚れ、2018年に東京から移り住んだ、デザイナーの藤本敦央さんと革作家の藤本香奈さんの夫婦2人で営むギャラリー「日ト」(ひと)。
この地域に息づくゆったりとした暮らしを象徴するように、毎日の生活で使う道具を夫婦のフィルターをとおし、再解釈したデザインで日常品をプロデュースするほか、山口県で活躍する作家のアイテムを取り扱っています。
原
仁保は私も山口県でお仕事をしていた際に暮らしていた場所からほど近い地域です。本当に自然豊かな環境で、ここに来ると一つ一つの時間がていねいに感じられるので私も大好きなエリア。そんな場所で生まれた作品らしく、色味と木目がとても美しく、インテリアとしてキャンドルやお気に入りのアクセサリーを並べたり、いつでも目につく場所に置いておきたいですね。何よりカットが美しく、職人さんの技に惚れました!
毎日の暮らしに馴染むデザイン設計
ブラックチェリーを使ったカッティングボードは、どんなインテリアや食卓にもコーディネートしやすい、深い色が特徴的。厚さ24mmに設定されたプレートは、テーブルから持ち運ぶ際に指が入りやすく持ち運びしやすいよう、計算されて生み出されたもの。
パンや野菜のカットなど、毎日の調理時に活躍してくれる大きな面だけでなく、底面に向かって斜めにカットされたデザインが使い勝手を高め、見た目の美しさも際立たせています。
もちろん、食材を切るカッティングボードとしての用途以外にも使い道はさまざま。例えばバゲットを切った後は、サイドにハムやピクルス、野菜などを添えてそのまま食卓に置くことも。お皿代わりに使えば、毎日忙しさに追われがちな朝食の時間も、心に余裕が生まれそう。そのまま1枚だけで洗い物が済んでしまうのもうれしいメリット。
プレートとして、家中のどこにでも馴染むシンプルさ
また幅380mm、奥行160mmのサイズ感は、器などを並べるプレートとしても活躍するサイズ感。和食器でも洋食器でも馴染むデザインなので、メニューを選びません。これからの寒い季節は小さな鍋やグラタン皿などの熱いものを置くために使うこともできそう。
使用後はぬるま湯と柔らかいスポンジを使い洗うことができるので、毎日気兼ねなく使用できます。
また使い込むごとに色が赤みを帯びてゆき、経年変化を楽しめるのも特徴。食卓を彩るお皿としてだけでなく、自分だけのプレートとしてますます愛着がわきます。
もちろん食卓やキッチンでの用途以外にも、インテリアとして使うことも。お気に入りの小物を並べてディスプレイボードに使えるほか、エントランス付近に置けば、鍵や時計など毎日持ち出すアイテムをおしゃれに見せて飾ることも。ベッドサイドに置き、就寝前のアロマコーナーとして使うのもよさそうです。
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日ト
カッティングボード
参考価格: ¥4,950(税込)
地元の工場などと協力し、日トオリジナルの商品としてデザインされたシリーズ。職人のこだわりが光る斜めのカットや24mmの厚み、天然木の温かみが食卓やキッチンを華やかに飾ります。
山口県下関市
【木と土calm】るり色のポット、三角マグ
手に伝わるぬくもりから、心まで温まるポットとマグ
山口県下関市で、築150年の古民家に暮らしながら木製家具と陶器を製作するご夫婦が営む「木と土calm」。木工・家具作家として活躍する坂本祐樹さんはこの下関が出身地。オーダーメイドの家具や店舗の什器、オリジナルブランドの雑貨の制作・販売などを手掛けています。一方、島根県松江市出身の木本紗綾香さんは2011年に陶芸家として独立後、2020年の結婚を機に、この地へ移住し、現在のアトリエを開くに至りました。
のどかな環境の中で行う製作活動の傍ら、古民家の改修や畑仕事など、この家、そしてこの地域だから必要となる作業を通すことで、お二人の作品のインスピレーションとなっている様子。木本さんが手掛ける器も、毎日のていねいな暮らしを感じさせる温かみのある作風が特徴となっています。
原
山口県でレポーターとしてお仕事とをしている中で、特に下関は作家さんの作品に触れる機会が多くありました。器に目がない私としては、木本さんの作品はどれも私好みの深い色合いです。全面に施されたしのぎ模様も、手作りならではの曲線から優しさを感じますね。特にポットでこの色味とデザインは珍しいと思いました。
手に馴染むデザインで、毎日のブレイクタイムを彩る
深い青緑色のポットとマグは、それぞれ約450ccと約200cc容量。仕事の合間にひと息つきたいとき、休日のティータイムなどに使い勝手のいいサイズ感となっています。どこかグラデーションを感じるボディは、一つ一つの色味とデザインが異なり、運命の出会いを楽しめるのも手作りだからこそ。
茶漉し付きのポットは、日本茶や紅茶を入れるのにもぴったりなデザイン。その日の気分で使い分けてブレイクタイムを楽しめます。また食事中に温かいお茶を飲みたいときも、食卓のコーディネートを邪魔することもなく、シーン問わずテーブルの上で活躍してくれそう。しっかりした口の大きさがあり、洗い物がラクにできるのもうれしい。
しっかりとした存在感で、インテリアとしても
木本さんの作風は優しいながらも、どこか力強さも感じられるものが多く、インテリアとして置くだけでも絵になります。頻繁に使うからこそ、いつでも取り出しやすい場所に置いておきたいもの。しのぎ模様のデザインは、存在感もあるのでディスプレイ的に置くのもおすすめです。
手作りの温かみを感じるデザインと、ジャンルを問わずどんな器と組み合わせても馴染む深みのある色合い。どんなインテリアに合わせてもおしゃれにテーブルをコーディネートしてくれます。せっかくならマグとポットはセットで色を合わせたいところ。同シリーズでキャラメル色の展開もあるので、ぜひチェックを。
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木と土calm
三角マグ、るり色のポット しのぎ
参考価格: ¥2,970(税込)
山口県下関市にある古民家を拠点に、器と木工の作品を手掛ける工房兼ギャラリー。名前の由来でもあるcalm=穏やかな波のように、温かみを感じる作品が生み出されている。ひとつとして同じものはなく、自分だけの作品に出会えるはず。
| 三角マグ | ¥2,970(税込) |
|---|---|
| るり色のポット しのぎ |
¥11,000(税込) |
原 千晶さんが思う、山口県のものづくりのこれから
私が感じる山口県は、自然やグルメ、そして歴史と人の温かさの4拍子の魅力が揃った街。日本海と瀬戸内海からとれたての海鮮が届き、野菜や果物など、豊かな食文化のほか、情緒感じる城下町の街並みや年中行われているお祭りなど、至る所で日本の歴史を感じることができます。
そしてご存じの方は少ないかもしれませんが、じつは明太子は下関が日本での発祥地。それを博多の方が日本中に広めたと言われています。少しシャイな県民性もあり、山口県の美味しいもの、魅力的な街並み、そして美しい工芸品など、山口県発祥のステキなものは紹介しきれないほど。
伝統工芸品はもちろん、豊かな自然の影響を受けた作家さんの作品など、伝統を守りながらも現代の生活にも寄り添ったデザインも、最近多く生み出されています。こうした活動を通して、もっともっと世の中に山口県のすばらしさが届けばいいなと思っています!
撮影/yoshimi 編集・文/川村しより
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